Cue System & Cue Box 
スタジオ・キュー・システム&キュー・ボックス


INDEX

キュー・ボックス考 2010.8.2
キュー・ボックス仕様 2010.8.9
システム構成概要 2010.8.2
・・・ coming soon


はじめに

いつだったろうか、STRIPの赤川新一さんに「キューボックス、作って」と言われて気がついたら2年が経っていた。基本回路の構想だけは早くからできていたのだけれど、どうにもそこから先が進まなかった。ひらめかない時はもう慌ててもしょうがないのだけれど、STRIP Gardenが建ってしまうのでもう待ったなし。最終仕様の詰めにはいったのはSTRIP Gardenオープンのなんと1ヶ月前(間に合わないじゃん!)。

キューシステムは、ブース内でミュージシャンが操作しつつモニターヘッドホンを鳴らすキュー・ボックスを含む総合的なヘッドホン・モニタ・システム。しかし、スタジオにおけるこのシステムの地位ははなはだ低く、音もひどいものが多い。世間の認識は、演奏にキューを与える必要最小限の音が出ればいいみたいな感じがする。一方で、海外のスタジオのヘッドホン・モニターは非常に音がよいものが多いという。しかも、日本みたいに何チャネルも使わず全員が同じ2MIXを聞いて演奏することも結構あるらしい。

まず、ヘッドホンを駆動するパワーアンプとしては、私なりに考えて最も贅沢な真空管式全段差動PP方式とした。この方式は他のどこのメーカーにも例のないユニークな回路だが、まず定位がいい。帯域感があってバランスがよい。リアルで立ち上がりが良いのに聞き疲れしない。この回路は内部が最初から最後までバランス構造という珍しい方式。そこで、ヘッドホン本体も含めて入出力すべてをバランス化するという贅沢な構成にした。ヘッドホンはケーブルがアンバランス構造だから改造しなければならないがそれは大した問題ではない。幸いにしてキャノン5pinを使ったステレオの標準規格があるのでこれに合わせることにした。ちなみにハイエンド・オーディオ・マニア向けにキャノン3pinを左右で2個使ったバランス型ヘッドホンアンプが市販されているが、キャノン×2個なんて冗談じゃない、ということで迷わずキャノン5pinです。

次なる問題はチャネル数。これはヒアリングを行ったレコーディング・エンジニア諸氏の意見が分かれた。結局、最大6チャネルまでサポートすることにして、1〜2チャネルが2MIX、3〜6チャネルをMONOとして、MONOチャネルにはL-Center-Rの簡易PANをつけることにした。PANをつけると外見は簡単だは中は大変なことになる。設計・製作をするこちらとしては、チャネル数は少ない方がっ設計も製作も楽なんだけど、運命とは冷酷なようで6チャネルと決まった。

最後の問題は、システム全体をどう配置・構成し、接続するかということ。赤川さんの希望は「DigidesignのDSUB25pinケーブルでじかにつなぎたい」という注文だった。DSUB25pinケーブルの結線は、Digidesign社だけでなく各社も採用している共通仕様。そういえば、メーカー各社が出しているキュー・システムはみんな独自仕様で特殊なケーブル、特殊なコネクタを使うものが多い。ケーブル自体は8チャネル分あるところに6チャネル使うわけで、2チャネル余る計算になる。この余った2チャネルはトークバックに使うかもしれないので、配線だけはやっておくことにする。

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