ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ方式編 - 液晶のスペック

              (作成:2005年10月)      地デジTopへ戻る
            (一部追加:2007年04月)
サイズ

  液晶のサイズは画面の表示部の対角線長(=画面の角を斜めに横切る長さ)
  を「インチ」で表します。例えば、37インチの場合は「37V型」のよう
  に「V」を付けます。この「V」はブラウン管の表示サイズとの違いを表す
  為の表示です。従来のブラウン管のインチ数は、実は、表示サイズでは無く、
  ブラウン管のサイズを表していましたので、例えば36インチのブラウン管
  でも表示サイズは34インチ程度しかありませんでした。
  液晶では、表示サイズそのものを表しているので、同じサイズのブラウン管
  よりも、液晶の表示画面ほうが1〜2インチ大きくなります。

     液晶37V(81.9cm×46.1cm) = ブラウン管 39インチ相当

                            1インチ=2.54cm
解像度(フルハイビジョンとは)

  従来の4:3のテレビの画質を標準画質(SD=Standard Definition)と呼んで
  おり、地上デジタル放送の高精細になった画質をハイビジョン画質(HD=
  High Definition)と呼んでいます。また、地上デジタル放送のハイビジョン
  画質の映像は、横1440×縦1080ドットの解像度で、BSデジタル放送
  は、横1920×縦1080ドットの解像度が多く、アスペクト比(縦横比)
  はどちらも16:9が多くなっています。
  しかし、一部の液晶やプラズマの解像度は、このようになっていません。
  一般には、横1366×縦768の解像度をHD(High Definition)解像度、
  と呼んでいるのです。(ハイビジョン解像度、高精細度解像度などとも呼ぶ)

画質の呼称と解像度(有効画素)
画質 解像度 画素数
標準画質 SD画質 D1/D2相当 720×480 約35万画素
ハイビジョン画質 HD画質 D4相当 1280×720 約92万画素
ハイビジョン液晶 HD液晶 - 1366×768 約105万画素
地上デジタル解像度 HD画質 D3/D5相当 1440×1080 約156万画素
フルスペックHD画質 フルHD D3/D5相当 1920×1080 約207万画素

  次に、横1366×縦768の解像度をハイビジョン画質と呼んでいる理由に
  ついて説明します。
  これまで実験放送でしか放送されていませんが、ハイビジョンの映像規格には
  1280×720ドットの規格もあります。したがって、これ以上の画素があ
  れば、HD解像度と呼ぶことが出来ます。また、情報量もハイビジョン放送の
  情報量(1920×1080)を削ることなく表示しています。

  ハイビジョン映像の縦1080ドットは
インターレースと呼ばれる方式となっ
  ており、1/30秒のコマを2回の飛び越し走査(1/60秒)で描画してい
  ます。つまり、実際の瞬時の解像度は1080の半分の104万画素分となり
  ますので、HD液晶の画素数105万画素と同じ画素数になります。
  実際のハイビジョン液晶では、走査線1080の1/30秒のインターレース
  の映像、つまり540本を1/60秒のプログレッシブ映像に変換してから、
  1/60秒のパネル解像度に変換します。ここで、元の540本の走査線は、
  1080本の2倍に補完されています。
  その後に、この走査線1080の画像を3/4倍に圧縮し、液晶の縦ドットの
  走査線数768本に変換されます。この時、圧縮で画質が3/4に劣化してい
  ますが、元の540本の走査線からは1.5倍になっていることが分かります。
  このような処理を行なっているため、本来は、擬似HD表示といった方が良い
  のかもしれません。当然ながら、擬似HD画質と本当のHD画質では画素数の
  違いから解像度が異なってくるからです。
しかし、既に擬似HDを「HD」と
  呼んでしまったため、本当のHD表示を区別して呼ぶ必要が出てきました。
  そこで、本当のHD表示をフルHD(フルハイビジョン解像度, Full HD)と
  呼ぶようになりました。

フルHD表示およびマークの例
通常タイプ1080表示タイプ
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
/  ││|\ \
| FULL├┤| | |
\  ││|/ /
\____/
┏━━━━━━┓
Full HD
┃ ↑∩◯∩ ┃
┃ ↓∪◯∪ ┃
┗━━━━━━┛
┏━━━━━━┓
┃\____/┃
┃ 1080 ┃
┃/FULL HD\┃
┗━━━━━━┛
フルHD
1920×1080
フルHD
1920×1080
フルHD
1920×1080

産地併記タイプ
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
┃亀山フルスペックハイビジョン┃
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
フルHD 1920×1080

産地併記+1080表示タイプ
┏━━━━━┳━━━━┓
┃ 京 都  ┃↑∩◯∩┃
┃ FULL HD ┃↓∪◯∪┃
┗━━━━━┻━━━━┛
フルHD 1920×1080

  なお、2006年07月以前は、「フルスペックハイビジョン」と呼ばれていました。
  しかし、あるプラズマテレビのメーカーが、不適切な用語であると指摘した為、
  わずか数ヶ月でフルハイビジョンと呼ばれるように移行してしまいました。
  既に、以下のように推移しており、今後はフルハイビジョン(フルHD)と呼ん
  だ方が良いでしょう。

フルスペックハイビジョン vs フルハイビジョン
呼び名 googleヒット数
2006年07月 2006年10月 変動
フルスペックハイビジョン 21万件 18万件 -14%
フルハイビジョン 29万件 78万件 +170%

  また、フルHD表示と紛らわしい表示も登場していますので、フルHDテレビを
  お探しの際は、「フルHD」や「フルスペックハイビジョン」の文字を確認す
  る必要があります。(詳細は「方式編-HDMI1080HD」を参照してください。)

紛らわしい解像度表示の例
フルHD表示紛らわしい表示
┏━━━━━━┓
┃\____/┃
┃ 1080 ┃
┃/FULL HD\┃
┗━━━━━━┛
┏━━━━━━┓
┃\____/┃
┃ 1080 ┃
┃/ HD \┃
┗━━━━━━┛
○ フルHD
1920×1080
× フルHD
??×1080


アスペクト比(Aspect Ratio)

  表示部の横(幅)と縦(高さ)方向の長さの比をアスペクト比といいます。現在の
  ハイビジョンテレビやワイドテレビでは16:9、アナログのテレビは4:3となっ
  ています。

液晶パネルの解像度とアスペクト比
呼 名   パネル解像度アスペクト比備考
ハイビジョン映像 1920×1080 16:91440×1080でも16:9
テレビ
フルHD 1920×1080 16:9完全に表示できる
HD 1366×768 16:9擬似表示になっている
SD854×480 16:9解像度そのものが不足
PC用WXGA 1280×768 15:9左右の表示が欠ける
WVGA800×480 15:9左右の表示が欠ける
従来の
テレビ
/PC
XGA 1024×768 4:3従来アナログ放送用
SVGA800×600 4:3従来アナログ放送用
VGA640×480 4:3従来アナログ放送用


  従来のテレビとワイドテレビの違いは一見しただけで判断できます。しかし、
  上表のとおり「テレビ用」と「パソコン用(PC用)」の違いは16:9と15:9と、
  僅かな違いしかありません。また、液晶パネルを新規に開発するには大きな
  経費がかかります。このような背景から、パソコン用の15:9の液晶をテレビ
  に流用した液晶テレビが登場しています。このような液晶では、16:9の映像
  を15:9のテレビに表示するために、左右の表示が欠けてしまいます。また、
  テレビ用に開発された液晶パネルに比べると、一般的に動画の表示能力が悪
  くなります。しかし、液晶パネルを自社製造していないメーカーにとっては
  パソコン用の液晶を流用することで大量の液晶パネルを安く調達することが
  出来、また、液晶パネルを自社生産しているメーカーに価格で対抗すること
  も出来たためです。さらに、パソコン用の画像処理チップに合わせることで
  の低価格化も可能でした。
  画像処理チップに合わせた例としては、画素を横長にして解像度は15:9でも
  画面のアスペクト比を16:9に維持していたメーカーもありました。
  現在はパソコン用の画像処理システムICがテレビの解像度をサポートする
  ようになり、液晶パネルも16:9に統一されてきています。

  参考までに、DVDに記録されている映像は720×480なので、4.5:3になっ
  てしまいます。しかし、DVDには解像度に関わらずアスペクト比の情報を
  もっており、例え、720×480で記録していても、4:3の場合は横方向を圧縮、
  16:9の時は横方向を引き伸ばして再生しているので、問題がありません。

画面輝度

  画面輝度[cd/m2]とは、その名のとおり画面の明るさを表します。液晶のスペッ
  クで表示されている最大輝度とは、画面の最も明るい白色の輝度を表していま
  す。輝度とは、光を放射するレベルを表していますが、似たように明るさを表
  す単位に照度があります。照度は光を受ける場合の強さです。
  輝度と照度[lx]には、以下のような関係があります。

       最大輝度[cd/m2] = 反射係数K × 照度[lx] / π

  室内の照度は、およそ以下のような明るさになりますので、液晶の最大輝度は
  500cd/m2が一般的です。しかし、輝度が低いと画面が暗くなるため明るい
  室内では、見えにくくなります。

室内照度と必要な最大画面輝度
およその条件照度必要な最大輝度
間接照明の暗い室内50〜150ルクス50 cd/m2
一般的な明るい室内150〜500ルクス150 cd/m2
直射日光の入る室内500〜1500ルクス500 cd/m2
屋外1500〜100000ルクス−−− 

照度測定方法(簡易)

  カメラを使った簡単な照度の測り方を説明します。カメラはデジタルカメラ
  でもフィルムのカメラでもかまいませんが、シャッター速度と絞り値が表示
  できるものに限ります。絞り値が表示されない場合はF値=4としても大差
  はありません。また、フラッシュはオフにしておく必要があります。
  測定は、カメラを壁面に向けてシャッターボタンを半押しにしてシャッター
  速度と絞り値を求め、以下の表から、およその照度を求めることが出来ます。
     (数式や表に誤りがあるかもしれませんので参考程度に使用ください)

     およその照度[ルクス](lux,lx) ISO感度=100

         概算式=F^2/(1/T)/0.18/6.5 数式および表のコピー禁止

  実際に測定してみたところ、以下のような値となりました。同じ室内でも、
  最大9倍もの照度差があることが分かります。

簡易照度測定の結果(例)
場所時間帯蛍光灯条件照度(測定結果)
リビング◎日中×オフ窓から日が差し込む 540ルクス
◎日中×オフカーテンを閉める   60ルクス
☆夜間◎オン(40W+32W)×2   200ルクス
個室  ◎日中×オフ日が差し込まない   60ルクス
◎日中◎オン(40W+32W)×1   270ルクス
☆夜間◎オン(40W+32W)×1   200ルクス
☆夜間△電球ダウンライト40W×2  25ルクス


コントラスト比

  最も暗い画素(黒)と最も明るい画素(白)の明るさの比をコントラスト比と呼
  びます。コントラストが高いと、輝度のメリハリが出てくるため、視覚上、
  高画質に感じられたり、実際の解像度が同じであっても高解像度に感じられ
  たりします。
  しかし、コントラスト比が低ければ、画質が劣って見えます。また、バック
  ライトの光漏れが生じて、黒が灰色っぽく見える「黒浮き」が発生したり、
  もしくは、最大輝度が不十分で「薄暗い」映像になってしまったりします。
  つまり、コントラスト比が高いほど、幅広い明るさの場所で高画質に映像を
  楽しむことができるのです。

  但し、プラズマテレビでは外光に蛍光体が発光してしまうのでカタログ上の
  コントラストが高くても黒が灰色っぽく見えてしまい、実際のコントラスト
  は大きく低下してしまいます。また、液晶では斜めから見たときのコントラ
  ストが低下します。このように、同じコントラスト比であっても、テレビの
  方式によって特徴が異なりますので、同じ方式のテレビの間でのみ比較する
  方が良いでしょう。

応答速度(応答時間)

  液晶の応答速度とは一つの画素の輝度が変化する時間を指します。応答速度
  が遅いと映像の変化に時間がかかってしまい、動きのある映像がボヤケてし
  まう「動きボケ」が発生してしまいます。応答速度=16ms(ミリセカンド)の
  ように表示し、数字が小さい方が高速(高性能)になります。より高速な場合
  に小さな値になるのは応答速度を応答時間で表している為です。

    注記:「応答速度」とは、速度ではなく、応答時間を表しています。
       「ミリセック」は、本来の「ミリセカンド」で表記しています。
       「動きボケ」は、動きボヤケ、動画ボヤケを示しています。

  地上デジタル放送を受信する為の液晶テレビでは16ms以下の応答速度が必要
  です。
  放送の映像は1秒間に30フレーム送られてきますので、映像の変化は33ms
  周期になります。応答速度が16msのテレビの場合は映像の変化の半分の周期
  で映像を変化させることが出来ることになります。
  また、放送の映像は
インターレース方式で送られてきているため応答速度が
  16msを超えてしまうと現在のフィールド(表示)と前フィールドとが、かぶっ
  てしまいます。
  既に、ほとどの液晶テレビで16ms以下が実現できていますが、より滑らかな
  表示のために、さらに高速化された液晶テレビが発売されています。
  通常の映像であれば16msの応答速度で十分なのですが、カメラを一定速度で
  パン(左右などに移動させること)させた場合や、移動するテロップ(字幕)等
  で映像がボヤケて見える場合があります。
  これは、いくらテレビが映像信号に基づいて忠実に表示していたとしても、
  人間の網膜が等速に動く映像を追従してしまうことから発生してしまう問題
  です。このような映像をデジカメで撮影したり、高速シャッター越しに映像
  を見ると、ボヤケずに鮮明に表示されていることが分かります。
  最も簡単な改善方法はフレームとフレームの間に黒や灰色のフレームを挿入
  する方法です。しかし、この方法では輝度が低下してしまいます。この為、
  各社独自の技術(Quick Shoot技術やクリアフォーカス駆動など)が投入され
  ており、例えば4msの液晶テレビでは通常の視聴に全く支障の無いレベルに
  まで至っています。
  さらに、倍速表示(120Hz駆動)では、現在フィールド(表示)と前フィールド
  の間に新たなフレームを挿入し、より滑らかな表示を実現できるようになり
  ます。挿入するフレームは、前後の映像から画像解析によって合成して作成
  しますので、滑らかに表示できる動きに癖のようなものがあります。これま
  でのブラウン管テレビや、プラズマテレビでは、映像を点滅させて滑らかな
  動きに見せかけていたことから考えると、本当の意味で滑らかな動きが表示
  出来るようになってきた点で、テレビの表示方法に変革をもたらした技術と
  いえるでしょう。フレーム挿入によって滑らかに表示する技術そのものは、
  古くからありましたが、ハイビジョン画質でリアルタイム処理が出来るよう
  になったのは、高速な画像処理LSIの登場によるものであり、今後も、改良
  されてゆくと思います。

  なお、アナログ放送やDVDの映像ではプログレッシブ変換による動きボケが
  発生したり、4:3の映像を16:9に変換すると動きボケが発生しやすい場合が
  あります。(特に、格安テレビにこのような傾向が強いようです。)


亀山

  亀山とは2004年01月に稼動を開始したシャープ亀山工場のある三重県亀山市の
  地名です。この地で作られた同社の液晶テレビAQUOSを亀山液晶テレビとか、
  液晶パネルを、亀山パネルと呼ぶようになりました。
  亀山工場では、世界で初めて、最先端の液晶パネルからテレビの組立までを
  一貫生産しています。また、ブラックボックス工場とも呼ばれており内部の
  製造技術が外部に漏れないように、各製造工程が分割されたクリーンルーム
  になっています。工場の建物はブラックではなく白色がベースで液晶テレビ
  をイメージさせるかのように黒色の太陽電池が配置されたデザインです。
  2006年08月には世界最大の第8世代(2160×2460mm)のマザーガラスを採用し
  プラズマ級の大型テレビを本格生産する亀山第2工場が稼動を始めました。

  SHARPのHPでも亀山工場について詳しく説明されています。(
亀山工場HP)



プラズマテレビとの比較

  概ね、テレビの買換えなら「液晶」、ホームシアターには「プラズマ」といっ
  た住み分けがされています。以下は、このあたりの背景に関して説明してゆ
  きます。

  液晶テレビもプラズマテレビも、発光原理は、プラズマ放電によって発せら
  れる紫外線が蛍光体に当たり可視光が放射される点で共通です。

  液晶テレビはバックライトに
冷陰極管(蛍光灯)を使用し、バックライトの光
  を液晶で遮って映像を表示しています。カラーは各素子のフィルターによっ
  て再現し、各素子の輝度は液晶の透過率を変化させて再現します。将来は、
  バックライトにLEDを使用した液晶テレビが登場すると言われています。
  現時点ではLEDの消費電力が大きく、値段も高いため、ごく一部のテレビ
  でしか採用されていませんが、技術の進歩によって消費電力も価格も下がっ
  てゆき、次第にLEDが主流になってゆくと思います。

  一方、プラズマテレビは、一つ一つの画素に蛍光灯やネオン管の原理を適用
  したものです。つまり、各画素に電極が設けられており、画素ごとに発光す
  ることで映像が表示されます。カラーは、画素毎にRGB3原色の蛍光体を
  使用することで再現します。

  このような違いによって、特徴が微妙に異なってきますが、液晶とプラズマ
  の差は技術の進歩で、ほとんど大差が無くなってきています。最新の液晶テ
  レビAQUOSやプラズマテレビVIERAであれば、双方の欠点によって大きな支障
  をきたすようなことはありません。

  (1)最大輝度 = 液  晶 [ニュース][ドラマ][ながらテレビ][明るい部屋]
  従来のテレビのように、幅広い明るさに対応できるのは液晶テレビです。
  液晶は表示素子の大きさに比べて非常に大きな蛍光灯をバックライトとして
  使用しているため、発光効率が高い点で高輝度化が可能です。反対にプラズ
  マは発光素子が表示素子の大きさと同じであり非常に小さくなるため、発光
  効率が悪いので連続的に高い白色輝度を維持することが出来ません。
  機種や発売時期にもよりますが、プラズマの最大輝度は、およそ液晶の半分
  程度と言われています。
  しかし、カタログなどのスペック値ではプラズマの輝度やコントラストが高
  く記載されています。これは、プラズマの輝度が最大に点灯した瞬間の瞬時
  値で表示しているためです。また、プラズマでは、画素毎に蛍光体が塗られ
  ているため、外からの明かりによって画面の表面の蛍光体が発光してしまい、
  黒い部分がグレーっぽく表示されてしまいます。このため、明るい部屋では
  コントラストが液晶よりも大きく下がってしまいます
  これに対して、液晶では、液晶パネルがシャッターの役割をしていますので
  外からの明かりを完全に遮断することが出来ます。このため、はっきりとし
  た黒が再現できる上、照明などの外からの光の映り込みを防止することが出
  来ます。
  つまり、通常のドラマやニュース、スポーツ番組といった、画面全体が明る
  い映像を楽しむ場合や、日中に日が差し込むような一般的な明るい部屋では
  最大輝度を持続させることが可能な液晶が有利です。

  (2)最小輝度 = プラズマ [映画][ホームシアター][暗い部屋]
  暗い部屋で有利なのはプラズマです。液晶は、光を遮って表示している為、
  部屋を暗くすると遮ぎきれない光が漏れてくる為、最小の輝度が増加して
  しまいます。しかし、プラズマは自ら発光するため、最小輝度は、液晶の
  半分ほどに小さく出来ます。さらに、映像も暗い場合、輝度が低くても高い
  コントラストが得られる為、ますます、プラズマが有利になります。
  Panasonicを始めとするプラズマ連合の次世代PDP開発センターは、部屋
  の明るさが、150ルクス以下の暗い環境ではプラズマが有利であることを、
  大きく取り上げて宣伝しています。特に、映画の映像は、元々スクリーンに
  映して楽しむために、暗めの映像になっており、しかも、部屋を暗くするこ
  とで、一層の効果があります。
  前項では、プラズマは黒がグレーっぽくなると説明しましたが、暗い部屋で
  は一転して、プラズマが優位になるのです。このように、プラズマは、暗い
  部屋で、かつ、暗い映像を楽しむ場合に、特に優れた性能が発揮できるため、
  ホームシアター向けという位置づけです。

  (3)高 精 細 = 液  晶 [情景][景色][人物][写真]
  高精細化が有利なのは液晶です。高精細化すると、一つの画素が小さくなり
  ます。液晶テレビの画素は写真技術で生成されており、画素を微細化するこ
  と自身には、大きな課題がありません。しかも、予めバックライトによって
  高い輝度が確保できていますので、画素を微細印刷するだけで、高精細な
  液晶が作れてしまいます。液晶の技術が、携帯電話に搭載する数インチから
  現在では65インチまでの大型テレビまでに対応できるのはこのためです。
  一方、プラズマでは、画素が発光する構造上、画素が小さくなると発光効率
  が悪くなりますので、ある一定以上のサイズが無いと輝度が確保できない問
  題があります。32インチ以下のプラズマテレビの実現は、むづかしいとさ
  れており、37インチのプラズマテレビが、フルHD画質はおろか、通常の
  HD画質である1366×768にも満たない低解像度のパネルが使用されてます。
  本来、テレビのサイズに関わらずに高精細なパネルが必要とされているので
  す。例え、20インチであっても、画面が小さいほど近くで見る可能性が高ま
  ります。近くで見ていると、部分的に見たい部分があれば、さらに近づいて
  見ようとします。このため、将来は、ハイビジョンの画質を全て表示できる
  フルHD化が、画面サイズに関わらず必要になってくるでしょう。
  加えて、視覚上の解像度は、画面の最大輝度が高いほうが高精細に感じられ
  ます。特に近眼や乱視などで視力が低下している場合は、蛍光灯などの照明
  を点灯させた明るい室内で、画面輝度を適度に調整することで、より高精細
  に視ることが出来ます。実際のパネル解像度がいくら高くても、その解像度
  を生かすためには、幅広い輝度に対応できる必要があり、両方の特徴を備え
  た液晶は、解像度の点で、特に優れています。
  なお、周囲の明るさに比べて画面輝度が暗すぎたり、反対に明るすぎても、
  目に負担をかけてしまいます。テレビは、輝度を適切に調節し、なるべく、
  離れて視聴し、さらに、一定時間ごとに眼を休めることが、なによりも重要
  と思います。

  (4)応答速度 = プラズマ [スポーツ]
  応答速度が速いのはプラズマです。液晶の透過/非透過の変化は液晶分子の
  分子構造が変化して実現しています。かつては、この変化速度が遅いため、
  動きの早い映像ではボヤケたように表示される場合がありました。これを、
  「動きボケ」と呼んでいます。
  一方、プラズマの応答速度は蛍光体によって容易に変更できますので、原理
  的に液晶よりも動きボケが少なくなります。
  既に、多くの大型液晶テレビの応答速度が6ms以下、4ms以下と、放送映像の
  フィールド周期16msと比べても十分に小さくなってきました。通常の映像の
  動きボケは全く生じないレベルになりました。
  さらに、フィールド周期の半分の8msに1枚の映像を表示する倍速表示技術
  では、プラズマテレビよりも滑らかな表示に感じる程に進化してきました。
                          (詳細情報=応答速度)

  (5)寿  命 = 液  晶 [エコロジー]
  液晶もプラズマも発光する部分の原理は類似していますが、発光部分が微小
  なプラズマの方が早く輝度が低下したり、高い輝度の文字などを長時間表示
  すると、発光していた画素だけが急激に劣化する「焼付け」を起こします。
  しかも、焼付けに関しては、購入後1年以内であっても、保証の対象外にな
  るので、プラズマテレビを使用する場合には、注意が必要です。
  一方の液晶テレビは、焼付けが発生しない上、長寿命の蛍光灯が使われてい
  ますので、原理的にプラズマやブラウン管テレビよりも長寿命です。
  しかも、発光部がバックライトになっているので、バックライトを交換する
  ことが可能な機種では、圧倒的に長寿命です。

  (6)品  質 = 液晶プラズマともに不良有
  液晶は、製造過程で画素欠けが発生する頻度が高精細ゆえにプラズマよりも
  高く、常時点灯もしくは常時消灯する画素が発生する場合があります。一方、
  前項に記載のとおり、プラズマでは「焼付け」が発生する確率が液晶よりも
  高く、いづれも1年以内とった区切りで考えれば、双方の技術が未成熟な為
  に発生している「品質不良」(但し、メーカー保証なし)です。
  発生確率については、急速な液晶テレビの普及で、年々、増加傾向にあるよ
  うに感じられていましたが、2005年に入ってからは、あまり聞かなくなって
  きました。
  とはいえ、現在(2005年8月)は、液晶、プラズマともに、画素欠けを完全に
  ゼロに出来るだけの技術が確立できておらず、メーカーは「発生する場合が
  ある」と公表しています。

  (7)価  格 = プラズマ [低価格]
  テレビ本体の価格が安いのはプラズマです。しかし、プラズマに対抗する為
  に、37インチの液晶の価格は、プラズマを意識した絶妙な価格設定になっ
  ています。かつては、価格に差がありましたが、2005年10月現在、プラズマ、
  液晶テレビともに37インチで25万円前後から売られています。目的にも
  よりますが、37インチであれば液晶の方が、お得といえるでしょう。
  そもそも、1インチ○○円という表現は、間違っています。周辺回路なども
  ありますが、本来のパネルの値段だけで考えれば、面積で考えるべきでしょ
  う。それでも、1インチ○○円という表現が通用する最大の原因は、大型の
  37インチ以上の液晶がプラズマを意識した割安な価格に設定されているた
  めでしょう。

  (8)販 売 数 = 液  晶 [大人気]
  2005年9月までの地上デジタルチューナー内蔵テレビの内訳は以下のとおり、
  液晶が大勢を占めています。しかも、地上デジタル放送に対応していない
  比較的、画面サイズの小さなアナログのテレビは含まれません。(アナログ
  テレビの出荷台数を含めると、さらに大差が広がります。)

地上デジタル内蔵テレビの出荷台数比較
方式 国内累計出荷台数(2005年9月)
液晶テレビ 約255万台(2004年 112万台)
プラズマ 約64万台(2004年  39万台)
ブラウン管 約68万台(2004年  54万台)
                    参考資料:JEITA 受信機出荷実績

  この大差の背景には、従来のテレビの置き換えとして液晶を求める人が多く、
  現時点では、部屋を暗くしてテレビを楽しむような習慣が定着していないこ
  とがうかがえます。
  食事をしながらテレビを視たり、食事中は消したとしても、国内の住宅事情
  では、同じ部屋に設置している場合が多く、日中もテレビをつけっぱなしで
  家事をしたり、作業をしながらテレビを視る「ながらテレビ」が定着してい
  るためです。もちろん、この傾向は、今後も続くと思います。
  しかし、次世代PDP開発センターが暗い場所や暗い映像に限定して広報活
  動を始めてきており、従来の「ながらテレビ」ではなく、じっくりと作品を
  鑑賞するようなスタイルも広まりつつあります。
  環境保全の観点でも、照明を暗くすることで、照明の消費電力を削減できま
  すし、暗い映像だとプラズマの方が消費電力が少なくなります。
  さらに、映画鑑賞には50インチ以上の超大型のテレビが欲しくなります。
  50インチを超えるプラズマになると、画面の大型化に伴って画素が大きく
  なる為、高解像度化、高輝度化、長寿命化も容易になります。
  このように、今後、テレビの視方が変わり、プラズマを選択する家庭も増え
  てくるものと注目されています。

格安テレビとの比較

  かつて(2005年以前)は、海外無名メーカーの格安液晶テレビや格安プラズマ
  テレビでは、液晶やプラズマパネルの解像度や性能が低いことが一般的でし
  たが、最近(2006年03月)では同等のパネルが使われるようになり、画質も
  大きく改善されてきつつあります。
  しかし、気をつけなければならないのは、デジタルチューナーが非搭載であっ
  たり、画像処理の品質が悪かったりと、国産テレビとの間には、依然として
  隔たりがある状況です。これを承知して購入される場合は問題ありませんが、
  実際には、価格だけを見て購入してしまう方が後を絶たないようです。
  一方で、HDMI端子や国産液晶パネルを搭載して、意図的にデジタルチュー
  ナーを搭載しない機種が増加しており、デジタルチューナーを不要と考える
  ケーブルテレビやパソコンの延長でテレビを見たいユーザーに絞り込んだき
  ている傾向もあります。
  HDMIに力を注ぐ反面、D端子からの入力が手落ちになっていて、DVD
  の再生映像が意外に悪かったりと、問題も多いようです。
  このように、何も知らずに価格だけで買った人と、安かろう悪かろうを認識
  した上で自分に必要な機能に絞り込んで買った人とに2分化されてきつつあ
  ると思います。格安テレビの購入の際は、商品の内容を十分に熟知してから
  決断するべきでしょう。


赤外線リモコン、ヘッドホンが動作しにくくなる

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リモコン」に移動しました。

表示カバー部に偏光板を貼り付ける
表示カバー部に偏光板を貼り付ける

カバーを閉じると違和感が無い
カバーを閉じると違和感が無い




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