ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ対策編 - ブースターの効果

              (作成:2004年04月)      地デジTopへ戻る
              (更新:2005年03月)
            (写真追加:2008年10月)


ブースターについて

市販ブースター

  ブースターとは電波を増幅するアンテナ部品です。しかし、正しい使い方を
  するには技術的な知識が必要なので、このページで説明してゆきます。

  地上デジタル放送の受信可能エリア内であれば、通常はアンテナに地上デジ
  タルの電波が到達しています。ところが、アンテナでは受信できているにも
  関わらず、テレビでは正しく受信出来ないことがあります。このような場合
  に、ブースターを正しく使用すれば受信が可能になることが多いのです。
  ただし、アンテナが放送波を受信していない場合はブースターで増幅しても
  受信できません。とはいっても、受信可能エリア内でアンテナが受信してい
  ないことは滅多にありませんので、受信に問題のある方は、本ページをよく
  読んでいただき、対策方法を検討してみてください。


基本形

  ブースターは下図のようにアンテナに近い部分に挿入することが基本です。
  「チューナ」はテレビやレコーダに内蔵されている地上デジタル放送の受信
  チューナーを指しています。機器としては、テレビやレコーダー、もちろん、
  単品の地デジ対応チューナーであってもかまいません。

  ┏━━━━┓ ┏━━━━┓ ┏━━━━┓ ┏━━━━┓ ┏━━━━┓
  ┃アンテナ┃→┃ブースタ┃→┃分 配 器┃→┃ケーブル┃→┃チューナ┃
  ┗━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛

  この基本形を守ることでブースターを最も効果的に使うことが出来ます。
  とくに、「分配器」と「ケーブル」よりもアンテナ側に設置することが重要
  です。なお、ここで言う「ケーブル」は、戸内配線用の10m以上の長いもの
  を指し、10m以下の短いケーブルについては、どこに挿入されていても大き
  な支障はありません。
  したがって、ブースターの効果が最大に得られる挿入位置は、アンテナ直下
  ということになり、アンテナマスト(アンテナポール)に電源分離タイプや
  分離型、防水型と呼ばれるブースターを取り付けるのが最良です。
  しかしながら、アンテナマストへの機器の取り付けは危険が伴いますので、
  まずは屋内で出来る対策から始めるのが良いでしょう。

  当ページでは、ブースターの効果を雑音指数の計算によっても確認してゆき
  ます。それは、「総雑音指数」の改善度が受信品質の改善度に一致する為、
  例えば、総雑音指数が3dB改善されれば受信品質や受信強度が3dB向上
  したことになるからです。

  雑音指数の計算方法は
こちらに記載してありますが、本ページの計算結果だ
  けを読み進めていただいても、理解できるように説明しています。


ブースターの効果(1)分配損失

  この節では分配器による損失をブースターで補う場合の改善度について説明
  します。
  まずは、分配を使用せずにアンテナから直結でチューナに接続している状態
  にブースターを挿入した場合を考えます。一例として、チューナーのNF(
  雑音指数)を5.5dBとし、ブースターのNFを3.0dBとすると、ブースターの
  追加によって、2.5dBの改善が図れる計算になります。

       アンテナ直結時 総NF = チューナNF = 5.5 dB
       ブースタ使用時 総NF ≒ ブースタNF = 3.0 dB
                       ─────────
                        改善度 = 2.5 dB

  2.5dBの改善では、これまでブロックノイズで悩まされていた方や、一部の
  チャンネルが見れなかった場合は安定した受信が期待できる大きな改善です。
  しかし、全く映らなかったチャンネルが映ることは、滅多にありません。

  次に、チューナまでに分配器が入っている場合です。このような場合、例え
  2分配であっても6.5dBの大きな改善があり、4分配だと10dBを超える改善
  が期待できます。10dBの改善は電力で10倍に相当する非常に大きな改善です。
  つまり、放送局の出力が10Wから100Wに増力した時と同じだけの効果が期待
  できます。

分配器の損失改善効果
総NF計算表
ブースターNF dB
ブースター利得 dB
損失(分配数=) dB
チューナーNF dB
総NF dB
改善度 dB
  以上から分かるように、ブースターの役割の一つは分配数が多い場合に分配
  器よりもアンテナ側に挿入することで、分配損失を補うものなのです。
  特に、近年はテレビ1台あたりに接続されるAV機器の数が増加傾向にあり、
  テレビコンセント(壁のアンテナ端子)以降での分配数が多くなっているので、
  ブースターの効果が得られることが多いでしょう。

  室内で分配器を使っていない場合や分配数が少ない場合であっても、屋内に
  複数のアンテナコンセントがある場合は、分配器がアンテナマストや天井裏
  などに設置されていたり直列ユニットという形で分岐器などがテレビコンセ
  ントに内蔵されていたりします。このような場合に、分配器(や分岐器)よ
  りもアンテナ側にブースターを挿入するには、アンテナマストや天井裏等に
  配線されたアンテナケーブルに取り付ける必要がありますので、最寄の電気
  工事店に設置を依頼するのが良いでしょう。ご自身で工事される場合は安全
  を十分に配慮した上、自己責任で御願いいたします。高所や暗所での作業時
  の事故やアンテナケーブルの配線不良による火災事故など様々なリスクが伴
  います。(当方は一切の責任を負いません。)


ブースターの効果(2)ケーブル損失

  ケーブル損失とは、ケーブル内で電波が弱まってしまう損失のことです。
  実は、10m以上のアンテナケーブルは、同軸ケーブルであっても、無視でき
  ない大きな損失が生じています。
  さらに、古い家屋では3C−2Vや5C−2VといったUHFに対応してい
  ない同軸ケーブルが使われていることがあり、UHF周波数を使用した地上
  デジタル放送の放送波を大きく減衰させてしまっていることがあります。
  これらの場合、アンテナの直下や屋根裏などにブースタを設置することで、
  ケーブル損失分の改善が期待できます。以下に市販ケーブルの損失の一例を
  示します。配線長10mあたりの損失で記しているので、例えば10mで3dBだと、
  20mの場合はdB値を2倍にした6dBとなります。

ケーブル損失
品名 型名 10mあたりの損失
一般的な値 ----- 3 dB
低損失UHF対応 3CFVR 3.2 dB
低損失2.6GHz対応 S4CFB 2.4 dB
低損失UHF対応 5CFVA 2.1 dB
低損失BS対応 S5CFB 1.9 dB
低損失3重シールド S5CFBL 1.9 dB
低損失アルミラミネート 5CHFL 1.5 dB

  20mで6dBの損失のケーブルを使用した場合、ブースターを以下のようにアン
  テナの直後に追加することで、実に、8.5dBの改善が出来るのです。つまり、
  冒頭に示したとおり、アンテナに近い部分にブースターを取り付けることが
  最も効果的なのです。

ブースターは屋根裏に

総NF計算表
ブースターNF dB
ブースター利得 dB
ケーブル損失 dB
チューナーNF dB
総NF dB
改善度 dB
  ところで、室内のケーブルを換えることで、改善しようとされる方も多いの
  ですが、たいていの場合、室内のケーブルの長さは、数メートルの範囲です
  ので、あまり期待できません。
  詳しくは「
設計編-同軸ケーブル」をご覧ください。


共同受信での室内ブースターの効果

  次に、マンションの場合の室内(戸内)に設置したブースターについて、説明
  します。実は、マンションの場合は受信設備や各戸への分配設備にブースター
  が挿入されています。つまり、既にブースターで対策されているため新たに
  追加してもNFが改善されることは、ほとんどありません。
  以下の例では、改善度0.2dBと、全く、改善されないことが分かります。

共同受信での室内ブースター

共同受信での効果は無い
共同設備 ブースタNF
共同設備 ブースタ利得
共同設備 分配/配線損失
戸内機器 ブースタNF
戸内機器 ブースタ利得
戸内機器 分配器IL
戸内機器 チューナNF
5.0 dB
40.0 dB
30.0 dB
3.0 dB
30.0 dB
4.0 dB
5.5 dB
総NF(計算値)
改善度(計算値)
5.3 dB
0.2 dB

  以上のように、共同受信の場合は戸内にブースターを追加しても、ほとんど
  改善されません。しかし、共同設備の設計に余裕が無くブースターの電力が
  不十分な場合や、古いマンションなどでケーブルが老朽化してしまっている
  場合は、ブースターの効果がある場合もあります。
  また、戸内で8分配や16分配などを行っている場合なども、前述のとおり、
  分配数を増やす目的としてのブースター効果を得ること場合があります。

  共同受信でブースターが必要なケース

  ・設備が老朽化している場合(ケーブル損失の増加)
  ・既設のブースター設備の設計が不十分(利得不十分)
  ・屋内で8分配以上を実施している場合


エクセルシートの活用

  雑音指数NFはアンテナに近いもの程、極めて大きく寄与し、一旦、ブースタ
  で増幅されたら、ほとんど寄与しなくなる性質があります。計算式だけでは、
  なかなか、直感的に理解できませんが、エクセルシートを活用すると分かり
  やすくなります。下図は共同受信での室内ブースターの効果での計算例です。
  貢献度は、該当ブースタの有無によるNFの違いを表しており、共同受信の場合
  共同設備のブースターのNFだけで、決まってくるのです。
  計算例ではブースタ1での分配数が8となっており、かなり小規模な設備です。
  マンションなどの大規模な設備の場合、ブースタ後と各戸毎の分配数を合わせ
  て何十〜何百分配となるでしょうし、ブースターの利得も違ってくるでしょう。
  また、階数によっても分配数が異なってきます。マンション内のアンテナや
  配線設備設計図を元に、ご自身で確認しましょう。

エクセルシートによる雑音指数の計算例


その他の問題

  ブースターの問題としては、雑音指数の問題以外にも、相互変調や混変調と
  いった問題があります。詳しくは、
こちらを確認ください。
  雑音指数の問題を改善するには、低雑音で、かつ、「利得の高い」ブースター
  が必要になりますが、相互変調や混変調の問題を回避するには、反対に利得
  の低い(高入力に対応した)ブースターが必要になります。
  一方、デジタル放送の受信電力は、ある一定値以上は、いくら増加しても、
  画質に変化はありません。つまり、過度に高い利得は、全くの無意味であり
  ますので、ブースターのスペックの算出は重要であることが分かります。

  計算や設計検討が苦手な方は、大雑把な利得の目安として、以下の式で検討
  ください。テレビコンセントが1〜2個しかない場合は、大きな増幅が不要
  ですので、相互変調や混変調のリスクを考えれば、低利得のブースターや、
  利得調整で低利得に設定可能なブースターが望ましいでしょう。

     ブースターの利得の目安 = (テレビコンセント数)×5 [dB]

  多くの場合、テレビコンセントは3〜5室ですので、10〜30dB程度の利得に
  なると思います。又、利得を変化させることが可能なものが、ほとんどです
  ので、設置後に10〜30dBの範囲で、利得を調整することになるでしょう。


市販ブースター


市販ブースター DXアンテナ BU33L1


市販ブースターの基板の一例

  以下に市販ブースターの特性の一例を示します。この例では、地上デジタル
  を含む放送波以外の部分に落ち込み(減衰特性)があり、携帯電話の基地局等
  からのノイズ耐性を向上させています。


市販ブースターの特性

  以下に市販ブースターの例を示します。よりアンテナに近くに設置するため
  には、電源分離タイプが便利です。

ブースター(市販品)の一例
メーカー 型番


周波数





NF
max.
定格
出力
参考価格
(変動します)


BS

CS
DXアンテナ U20L2CB 20dB 固定 1.0dB 90dBuV 3,400
DXアンテナ BU-33L2 33dB 20dB 1.5dB 101dBuV 8,964
DXアンテナ BU-41L2 41dB 20dB 1.5dB 101dBuV 14,137
DXアンテナ GCU33L2 33dB 20dB 1.5dB 101dBuV 7,650
DXアンテナ TU-351 32dB 20dB 4dB 101dBuV 9,800
DXアンテナ TCM-351 32dB 20dB 4dB 101dBuV 11,280
日本アンテナ CSB-C25-SP 32dB 固定 7dB 100dBuV 2,570
UHF+BS・CSブースタの仕様はUHFのみを記載



自作UHFラインブースター

  下図のような、トランジスタ1石の簡単なUHFラインブースターを製作し
  ました。製作方法は「設計編-
自作ブースター」を参照してください。

トランジスタ1石の簡単なUHFラインブースターの例
自作UHFラインブースターの製作例

500MHzにおいて12dBの利得が得られた
自作ブースターの特性(例)

  また、基板つき書籍「地デジTV用プリアンプの実験には、3種類のブースタ
  基板が付属していて、幅広い実験が出来るようになっています。
            ※部品は別売りで、製作にはハンダ付けが必要です。

より高性能なブースターの写真
付録基板を使ったアンテナ直下型ブースターの製作例


関連ページ

  設計編 - 自作ブースター   自作ラインブースターの製作方法
  基礎編 - 雑音指数      雑音指数の定義 縦続接続 ブースタ
  導入編 - アンテナ部品の基礎 分配器 分波器 ブースター 混合器
  設計編 - 自作アンテナ部品  アッテネータ フィルタ コイル
  対策編 - 分配器       分配器の働き 接続方法 設計方法
  対策編 - 分波器       分波器の働き 接続方法 設計方法
  資料編 - 受信品質確認方法  C/N値と受信電力 UHFチェッカー

地デジTopへ戻る
〜 〜 広告欄 〜 〜


テレビ 32型

分配器

ブースタ

ケーブル

アンテナ

衛星アンテナ

その他

テレビ

テレビ 32型

分配器

ブースタ

ケーブル

アンテナ

衛星アンテナ

その他

テレビ

テレビ 32型

分配器

ケーブル

ブースタ


[広告欄] クリックするとYahoo!オークションへ移動します。