当会の稽古で使う主な道具

 

(大会ご案内)「全国古流武術フォーラム2015-林崎甚助の居合を探る-」

★この大会は終了しました。関係各位に御礼申し上げます!!★

 

★大会記録映像

【1】基調講演 山田史生「いかにして主導権を握るか、あるいは握らないか」
【2】 発表1 川村景信「林崎重信からの系譜~林崎新夢想流居合を中心に~」※非公開
【3】 発表2 田中大輔「庄内藩田宮流の成立と史料の比較」
【4】 発表3 森林健一「紀州田宮流から窪田派田宮流への変遷と比較」
【5】稽古・交流会・懇親会
【6】岩木山神社奉納演武 (抜粋)

 

   

 

    (※当日のご参加申し込みも歓迎します

1趣旨

津軽の武士達は「林崎新夢想流居合」という古い武術を学びました。目の前の敵が短刀で突いてくるのを、三尺三寸の長い刀を抜き一瞬で斬りとめる技です。弘前藩士たちにとっては流派の違いを越えて稽古する「共通」の武芸でした。

その開祖が戦国末期の剣豪、林崎甚助です。抜刀術や居合を創始した人物であり、その流れを汲む武術は全国各地に伝えられ、いまもなお稽古が続けられています。

一瞬で相手に応じる居合が生まれた場、武士達が発見した心身の理とはどのようなものだったのか。

各古流武術の若手修行者や研究者が集まり、それぞれの経験と知恵を結集して研究稽古を行います。初めての方には基礎をご紹介します。みなさんで親睦を深め、道友としてつながっていく場を作りましょう。また津軽総鎮守岩木山神社で奉納演武をおこない、広く一般にも古武術を紹介します。流派や経験は不問です。関心のある方はどなたでも歓迎いたします。

(参考 弘前藩の林崎新夢想流居合 映像1映像2映像3

 

2期日:2015919日(土)~20日(日)

 

3会場:青森県武道館「柔道場」(予定)および岩木山神社(ともに青森県弘前市内)

 

4主催:武術研究稽古会 修武堂(弘前市で活動する有志稽古会です)

 

5共催:弘前藩・林崎新夢想流居合稽古会

 

6協力:弘前市無形文化財卜傳流剣術保存会、當田流棒術弘前大学古武術研究会

 

7来賓:武術研究家 甲野善紀氏

1949年東京生まれ。独立独歩で古武術の探求を続ける。その身体観と技法は、武道や武術、スポーツ、介護など各他分野から注目を集める。著書に『武道から武術へ』、黒田鉄山共著『武術談義』、『剣の精神誌』、解剖学者養老孟司共著『自分の頭と身体で考える』、精神科医名越康文共著『薄氷の踏み方』。テレビ出演に『爆問学問・爆笑問題のニッポンの教養』、『課外授業ようこそ先輩』(ともにNHK総合)、『人間講座古の武術に学ぶ』(NHK教育)、『徹子の部屋』(朝日)『コージ魂』(BS日テレ)など多数。)

 

8対象:一般および各古流武術の若手修行者(定員約40名)

(※動きやすい服装、稽古道具等は各自ご用意ねがいます)

 

9スケジュール(予定)

○初日919日(土)同大会(青森県武道館「柔道場」青森県弘前市豊田2-3

13:00 開始(12:30開場)

(1)主催者挨拶

(2)研究事例演武「弘前藩の林崎新夢想流居合」修武堂一同

(3)研究講座

①基調講演:弘前大学教育学部教授 山田史生

「いかにして主導権を握るか、あるいは握らないか」

日本武道文化研究所居合文化研究会主宰 川村景信氏

「林崎甚助重信からの系譜(林崎新夢想流を中心に)(仮題)」

③同研究会 田中大輔氏「庄内藩田宮流の成立と史料の比較(仮題)」
④同研究会 森林健一氏「紀州田宮流から窪田派田宮流への変遷と比較(仮題)」

(各古流居合の伝書を展示予定です)

(6)参加者みなさんによる体験および自由交流稽古会(19:00終了予定、別途懇親会も予定

※安全には充分に留意いたしますが、万一の事故やケガ等は自己責任で対応ねがいます。

 

○二日目920日(日)岩木山神社奉納演武(「岩木山神社」青森県弘前市百沢字寺沢27

10:00奉納演武(一般無料公開、日本各地の武術流派有志および錦風流尺八等が奉納予定)

10:00、同神社の楼門前(野外)にて奉納演武開始

(一般無料公開、津軽および日本各地の武術流派・技芸等、敬称略

    青森県無形文化財 音笹派大音笹流錦風流尺八(青森県技芸保持者 山田史生)

    奉納舞

  インディペンデント・ダンスアーティスト加藤範子(http://www.norikokato.com/))

③ 抜刀術(当会 外崎源人)

④ 明府真影流手裏剣術(当会 北向敏幸)

⑤ 弘前市無形文化財 卜傳流剣術(卜傳流剣術宗家小山秀弘・隆秀・秀晃)

⑥ 居合道(弘前大学居合道部 齊藤達也榊駿宏田澤安倫吉原渉島田美実

  ゆきこ)

    本覚克己流和(やわら)(研究演武、当会 平山真紀弘前大学古武研研究会

        近藤祐樹、蝦名ルカ、小野寺哲朗、磯邊沙奈恵)

    居合(心形刀流風心会 山脇崇)

    夢想神伝流居合(居合文化研究会 加藤景輔)

    関口流抜刀術(生田紘之)

    直心影流剣術(当会 森井俊和・菅野亘)

    當田流棒術(當田流棒術代表 清水宏二・弘前大学古武術研究会 近藤樹、蝦名ルカ、小野寺哲朗、磯邊沙奈恵、簗場ひとみ、

  田中美聖、木浪春菜、平田怜衣菜)

    居合道(当会 櫻田達夫)

 林崎新夢想流居合(当会下田雄次・外崎源人・田中智宏・佐々木孝人・小山隆秀,弘前大学古武術研究会 近藤樹・蝦名ルカ・小野寺哲朗ほか)

12:00終了予定。)

12:00終了、解散

 

10会費等

919日参加)おひとり¥2,000(税込、会場費として、見学のみも同額)

 

11参加申し込み方法

フォーラムの参加費と懇親会・宿泊についてのお知らせです 

【フォーラム参加費・一覧表】 

Aプラン(全コース参加) ¥12,000(大会・懇親会・宿泊)

Bプラン(宿泊なし)   6,400(大会 懇親会)

Cプラン(19日大会のみ) 2,000(大会)

Dプラン(懇親会のみ)   4,400(懇親会)

Eプラン         ¥10,000(懇親会・宿泊)

 * 県立武道館での19日のフォーラムのみの参加は¥2,000になります。

 * 懇親開場は弘前市(旧・岩木町)嶽地区で19日大会終了後行います。

 * 宿泊は、懇親会場の近くの嶽温泉街にある「西澤旅館」(入浴・朝食)です。

 【参加申し込み方法】

 1)①参加者氏名、②住所、③電話番号、④参加プラン(A~E)について明記したメールを下記「修武堂」まで送信して下さい。

※宿泊・懇親会は定員となりました。

 (2)メール送信後、参加費を下記口座へ振り込んでください。        

 * メール送信先:武術研究 稽古会 修武堂  Email:shubudo21@yahoo.co.jp(★の部分だけ削除して使用してください)

 * 参加費の振込口座は以下の通りです

   ・ゆうちょ銀行 青森新町郵便局

   ・口座番号:18420-18120701

   ・口座名義:トノサキ ゲンジン

 ※ 振り込み手数料等は自己負担でお願いします。

※ 一旦納入された参加費は返還いたしませんので、あらかじめご了承ください。

※ 振込の控えを入場券としますので、当日必ずお持ちください。

※ 定員になりしだい締切ります。

12問合せ先

 Eメールshubudo21@yahoo.co.jp、TEL09058354780 武術研究稽古会 修武堂まで

http://www.geocities.jp/bokuden_1969/

 

 

     

 

幕末、弘前藩の林崎新夢想流居合・卜傳流剣術師範であった小山百蔵英正(中央)と彼が記した簿冊「居合(林崎新夢想流)掌鑑」(左)

百蔵の息子で近代の同居合・同剣術師範だった小山英一英孝(右)(伝書および古写真ともに卜傳流剣術宗家小山秀弘家蔵)

 

(主催者からのメッセージ)

今秋「全国古流武術フォーラム2015-林崎甚助の居合を求めて-」を開催する。

なぜ津軽でこのような大会を開催するのか、不思議に思われる方もいらっしゃるだろう。すこしご説明申し上げたい。

林崎甚助重信とは、戦国末期に、抜刀術、居合を生み出した剣豪である。

彼が残したという基本稽古をご紹介する。現代の我々にとってあまりに過酷な状況設定だ。

まずは、相手と身を接するように向き合いながら座る。

我は、扶据(ふきょ)という低い立ち膝のような座り方。

相手は九寸五分の短刀。我は三尺三寸という長い刀を帯びている。

これは、剣豪佐々木小次郎が背中に背負っていた得物と同じ長さらしい。

このような近接戦闘において、短刀は自在だが、長い刀は詰まって全く動けなくなる。

そのような不利な状況下、相手が短刀を抜き、突いてくる一瞬を、我は三尺三寸を抜いて封じるのである。

伝説によるとこれは、剣技と柔術をつなぐ技法として求められ、居合となったという。

現在、開祖の生誕地である山形県には、林崎明神と林崎甚助を祀る林崎居合神社がある。

さらに全国各地には、林崎甚助を流祖とする古流が複数あり、それぞれ高度な技を伝えておられる。

実はこの弘前藩にも「林崎新夢想流居合」という名前でその伝承があった。

藩内の當田流、小野派一刀流、卜傳流などの異なる各流でも併伝していた。

「當田流居合」「詰座抜刀」と呼び名をかえて流儀に組みこんでいた。

また、この居合をベースに、本覚克己流和という藩独自の柔術まで生み出された。

つまり、弘前藩士達にとっての林崎新夢想流居合は、流儀を越えて学ぶ共通の武芸であり、さまざまなことにもつながる豊かな術理が内包されている技芸だったのだ。

よって、現代の我が修武堂でも、林崎新夢想流居合は、みなさん共通の武術なのである。

近代までの津軽には同流師範家が複数あった。我が家でも大正期までは、家伝剣術とともに、この居合の師範家として門人をとっていた。

「弘前藩旧記伝類」などの弘前藩各史料や、太田尚充氏の研究『弘前藩の武芸伝書を読む―林崎新夢想流居合・宝蔵院流十文字鑓―』(水星舎、2010)にも、林崎新夢想流居合師範としての先祖達が出てくる。

明治生まれの祖父秀雄もその環境にあり、旧藩時代の師範家だった高祖父たちに武技を習い、近代剣道も範士七段までやった。父秀弘も剣術を学び、剣道は教士八段まで取得している。

しかし私は、家伝剣術や剣道は幼少から厳しく学ばされたが、同流居合については断片的な伝承でしかなかった。

二十年前だろうか。

居合道の先輩方が、同流の復興を目指し、実技の研究をされていることを知った。

そのうち、家伝剣術稽古がさらに本格化するなかで、先祖達が併修していた林崎新夢想流居合も学べば、より深まるはずだと希求の思いが強まった。

そこで先祖達が残した近世の同流伝書群や伝承、近代の師範達が残した記録などをかき集め、居合道有段者の先輩との研究稽古を始めたのだった。

そのうち稽古は私ひとりとなってしまった。

それでも故寺山龍夫同流師範の門弟I先生が近所に住んでいることを知り、わたしの研究稽古がはずれていないか実技を見てもらったことは幸甚の極みだった。

それでもとくに、独特の座法「扶」については、一瞬の応変に間に合う居合の技としてはどうしても納得できず、武術各流への造詣が深い甲野善紀師範にもご意見を頂戴した。

やがて修武堂を設立し、故加川康之氏、下田雄次氏、外崎源人氏ら各位の並々ならぬご協力をいただきながら、ここ10年で稽古がどんどん展開していき、現在にいたっている。

それでも、開祖や先人達が示した境地は、まだまだ遙か地平の向こうにかすんでいる。

一方でこの居合には、独特のおもしろさがあることだけはわかってきた。

まずは、現代では失われてしまった古い身体技法がたくさん含まれていることだ。

それだけに難解で、無理にやると体を壊す。

それでも、その動きが心身ともに腑に落ちたとき、全く見知らぬ己に気づき、身体の汎用性が高くなっていることを知るだろう。

私は、立って抜けなかった三尺三寸刀が、同流独特の座法で抜けるようになった。なぜかこの居合稽古で、現代の柔術やスキーがうまくなった方もいる。

次に同流の稽古は、いつでもどこでもできることだ。

特別に体育館を借りなくても、雨や雪の日でも、狭い室内でも、ひとりで充分稽古できる。刀が三尺三寸の長さでなくても、相手がいなくても、充分に己の心身へ向き合える。

最後に稽古が、万人へ開かれていることだ。

残念ながら、弘前藩の林崎新夢想流居合の各宗家達は、近代以降の社会変動のなかで失われてしまった。

しかし、彼らが残した無形の伝承、種子だけは、津軽のそこかしこに息づいている。

いまそれらを集めて活かさねば、永遠に失われてしまうことだろう。

その再生、再興のためには、特別な資格や段位もお金も必要ない。

志だけだ。やろうと立ち上がった人がやるしかないのだ。

旧師範家だった私もその責務を感じている。

この居合の極意は「心鏡明鑑無礙」である。

競技ではなく、日々を生きること、混迷の現代を乗り越えていくことにも通じる心身だ。

その手がかりは津軽だけではなく、全国各地の同系統の各流儀にも残されている。

それぞれが与えらた自らの足元から始め、ゆるやかに連携しながら、その境地を探求していきたい。

皆様のご参加をお待ちしております。

(武術研究稽古会 修武堂 主宰・卜傳流剣術継承者 小山隆秀 おやまたかひで)

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