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簿記2級・基本テキスト −商業簿記− 


11章 伝票式会計



・この章では、「伝票式会計」について、以下の2節に分けて解説します。

 -1.三伝票制と五伝票制

 -2.元帳への転記


!まず、3級合格テキストで復習してください。

・3級 11章 伝票式会計



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11-1.三伝票制と五伝票制


・前章の帳簿組織では、取引を「仕訳帳」に記録して総勘定元帳へ転記するということでしたが、実務上は仕訳帳に替えて「伝票」を用いることが一般的です。伝票(会計伝票)を利用することによって取引の内容を関連する部署へ伝達することが可能になり、業務の分業化も容易になります。 
 帳簿組織にこの伝票を取り入れた会計処理の方法を"伝票式会計"あるいは"伝票制度"といいます。 

・1種類の仕訳伝票のみを用いる"一伝票制"。入金伝票、出金伝票、振替伝票の3種類の伝票を利用する"三伝票制"。入金伝票・出金伝票・振替伝票・仕入伝票・売上伝票の5種類の伝票を利用する"五伝票制"があります。 

 3級で学習したとおりですが、以下、3級の内容も含めて解説いたします。

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(1)三伝票制

 入金取引は「入金伝票」を、出金取引は「出金伝票」を起票し、それ以外の現金の収支を伴わない取引はすべて「振替伝票」を起票します。

1)入金伝票・・・現金が入金されるときだけに使用します。 
 常に借方が現金勘定となる取引なので、伝票には貸方科目を記入します。
    ┌────────────┐ 
    │ 入金伝票    No.101│ 
    │            │ 
    │ 売 上(A商店)×××│ 
    └────────────┘ 
 仕訳内容:「(借方)現金  ××× /(貸方)売上  ××× 」


2)出金伝票・・・現金を出金するときだけに使用します。 
 常に貸方が現金勘定となる取引なので、伝票には借方科目を記入します。
    ┌────────────┐ 
    │ 出金伝票    No.201│ 
    │            │ 
    │ 仕 入(B商店)×××│ 
    └────────────┘ 
 仕訳内容:「(借方)仕入  ××× /(貸方)現金  ××× 」


3)振替伝票・・・現金の収支を伴わない取引、つまり、入金取引・出金取引以外の取引きすべてに使用します。通常、取引の内容をそのまま伝票に記入します。
    ┌────────────┐ 
    │ 振替伝票    No.501│ 
    │ 売掛金 ×××    │ 
    │   売 上 ×××  │ 
    │            │ 
    └────────────┘ 
 仕訳内容:「(借方)売掛金  ××× /(貸方)売上  ××× 」

             
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4)一部現金取引・・・ 現金の入金伝票や出金伝票では借方・貸方を対で起票しています。つまり、借方でいくら、貸方でいくらというように、1対1の勘定科目で伝票に書き入れられています。
 取引のうち一部分が現金取引となった場合は、1対1でなく、例えば1対2あるいは2対1という勘定科目になってしまいますので、この時、"取引を分割する方法"または、いったん全額を掛けで取引したとする"取引を擬制(ぎせい)する方法"で、取引を対で起票する形にします。   


 例: 取引の仕訳   (借方)現 金   200,000 /(貸方)売 上   1,000,000 
            (借方)売掛金   800,000 /

 →"取引を分割する方法"   
      入金伝票: (借方)現 金   200,000 /(貸方)売 上   200,000   
      振替伝票: (借方)売掛金   800,000 /(貸方)売 上   800,000   

 →"取引を擬制する方法" 
      振替伝票: (借方)売掛金  1,000,000 /(貸方)売 上  1,000,000   
      入金伝票: (借方)現 金   200,000 /(貸方)売掛金   200,000   

 ・"取引を分割する方法"は、現金収支のあった部分は入金伝票で、現金収支の伴わない残りの部分は 振替伝票で処理するという2つの取引に分割します。
  "取引を擬制する方法"では、商品の売上の場合、いったん全額を掛けで売上げ(振替伝票に記入)、その後すぐ売掛金の一部を現金で受取ったものとして、入金伝票を起票します。




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(2)五伝票制

 売上や仕入については伝票作成することが多く、集計が簡便なように入金伝票、出金取引、振替伝票の三伝票のほかに「売上伝票」「仕入伝票」を用いることがあります。これを"五伝票制"といいます。
 注意する点は、五伝票制では、どのような取引でも、いったん掛で売上または仕入と見なして起票するという点です。つまり、すべて"取引を擬制する方法"で処理します。


1)仕入伝票・・・仕入取引に使用します。
 借方は常に仕入勘定になるので、伝票には貸方科目を記入します。
    ┌─────────────┐
    │    仕入伝票  No.401│ 
    │買掛金(A商店) ××× │
    │             │ 
    └─────────────┘
 仕訳内容:「(借方)仕入  ××× /(貸方)買掛金  ××× 」


・現金仕入の場合でも、すべて掛取引と見なしますので、まず、すべて買掛金で処理して、それから直ちに掛け代金の決済がおこなわれたものとして、同時に出金伝票を起票します。
 例:現金仕入の場合  (借方)仕 入   200,000 /(貸方)現 金   200,000 
   →  仕入伝票: (借方)仕 入   200,000 /(貸方)買掛金   200,000   
   →  出金伝票: (借方)買掛金   200,000 /(貸方)現 金   200,000   

・小切手での仕入代金の支払いは現金勘定で処理しますので注意しましょう。  
 同様に、手形仕入や小切手による仕入についても、すべて掛仕入がおこなわれ同時に買掛金が手形で決済されたものと見なし、振替伝票を起票します。 

 
2)売上伝票・・・売上取引に使用します。 
 貸方は必ず売上勘定になり、伝票には借方科目を記入します。 
    ┌─────────────┐ 
    │    売上伝票  No.501│ 
    │売掛金(A商店) ××× │ 
    │             │ 
    └─────────────┘
 仕訳内容:「(借方)売掛金  ××× /(貸方)売上  ××× 」

・現金売上の場合でも、すべて掛売上と見なし、いったんすべて売掛金で処理して、同時に入金伝票を起票します。
 例:現金売上の場合  (借方)現 金   200,000 /(貸方)売 上   200,000 
   →  売上伝票: (借方)売掛金   200,000 /(貸方)売 上   200,000   
   →  入金伝票: (借方)現 金   200,000 /(貸方)売掛金   200,000   

・同様に、手形売上もすべて掛売上がおこなわれ同時に売掛金が手形で決済されたものと見なし、振替伝票を起票します。

3)一部現金取引・・・五伝票制では、原則として取引はすべて掛けで行なわれたとして処理します。つまり、"取引を擬制する方法"だけになります。
 
 例: 取引の仕訳   (借方)現 金   200,000 /(貸方)売 上   1,000,000 
            (借方)売掛金   800,000 /
 →"取引を擬制する方法" 
      売上伝票: (借方)売掛金  1,000,000 /(貸方)売 上  1,000,000   
      入金伝票: (借方)現 金   200,000 /(貸方)売掛金   200,000   

4)返品と値引き・・・  仕入値引き・戻し、あるいは売上値引き・戻りの場合にも伝票を起票します。
 取引を取り消す仕訳になりますが、記入の仕方は同じです。ただし、伝票に朱記(赤字で記入)、あるいは但し書きで「値引き」や「戻し」と記入します。
 実務では伝票に朱記ですが、検定試験では太字ゴシック体(黒字)で表示されます。
    ┌─────────────┐
    │    仕入伝票  No.451│ 
    │ 買掛金(A商店) ×××
    │      戻し      │ 
    └─────────────┘
 仕訳内容:「(借方)買掛金  ××× /(貸方)仕入  ××× 」

    ┌─────────────┐
    │    売上伝票  No.551│ 
    │ 売掛金(A商店) ×××
    │      戻り      │ 
    └─────────────┘
 仕訳内容:「(借方)売上  ××× /(貸方)売掛金  ××× 」





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11-2.元帳への転記


・伝票を総勘定元帳へ個別に直接転記する方法もありますが、転記のミスが生じやすいものです。そこで、伝票式会計では、「仕訳日計表」を用いて集計する方法が一般的に用いられます。 

 「仕訳日計表」は、一日ごとに各勘定科目の取引合計金額を集計する表で、通常、一日ごとに、伝票を種類別に分けた後、仕訳日計表で勘定科目ごとに集計して「総勘定元帳」に転記します("合計転記")。 
 つまり、「仕訳日計表」は、「総勘定元帳」に合計転記するための集計表です。 
 なお、一週間ごとに合計転記する場合は、「仕訳週計表」を用いて処理します。  

      ┌────┐    ┌─────┐       ┌─────┐ 
      │    │    │     │  合計転記 │     │ 
      │ 伝票 ├─┬─→│仕訳日計表├──────→│総勘定元帳│ 
      │    │ │  │     │       │     │ 
      └────┘ │  └─────┘       └─────┘ 
             │                
             │                ┌─────┐ 
             │           個別転記 │得意先元帳│ 
             └───────────────→│仕入先元帳│ 
                              │     │
                              └─────┘ 

・なお、「得意先元帳」や「仕入先元帳」などの補助簿へは、伝票から個別に直接転記します("個別転記 記")。 


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(1)仕訳日計表の作成

・一日あるいは一週間などの単位で、伝票を仕訳日計表に集計し、各勘定科目の貸借合計の一致を確認した後、総勘定元帳へ転記していきます。  

   ┌──────────┐   ┌──────────┐ 
   │入金伝票   No.311│   │出金伝票   No.402│ 
 ┌ │          │   │          │  
 │ │売掛金 B商店 ××│   │買掛金 B商店 ××│ ─┐ 
 │ │┌─────────┴┐  │┌─────────┴┐ │ 
 │ └┤振替伝票   No.312│  └┤仕入伝票   No.402│ │ 
 │  │受取手形 ××   │   │          │ │ 
 │  │売掛金 B商店 ××│   │買掛金B商店(返品)│ │ 
 │  └──────────┘   └──────────┘ │ 
 │                              │ 
 │          仕 訳 日 計 表           │ 
 │           平成×年×月×日    No.123    │   
 │ ━━━━━┯━━┯━━━━━━━┯━━┯━━━━━    │ 
 │ 借   方│元丁│勘 定 科 目│元丁│貸   方    │ 
 │ ─────┼──┼───────┼──┼─────    │ 
 └→  ×××│  │現     金│  │ ×××    ←┘ 
     ×××│  │当 座 預 金│  │ ××× 
     ×××│  │売  掛  金│  │ ××× 
     ×××│  │買  掛  金│  │ ××× 
     ×××│  │仕     入│  │ ××× 
     ×××│  │売     上│  │ ××× 
   ─────┤  │       │  ├───── 
    ××××│  │       │  │×××× 
   ━━━━━┥  │       │  ┝━━━━━ 


・各伝票の記入内容から仕訳をすべて書き出して、勘定科目ごとに集計して作成もできますが、以下のように一括して計算をします。

"三伝票制"では、入金・出金伝票ともに[現金勘定]に関するもので、まず、これを集計します。 
 1) 入金伝票の合計は  ・・・(借方)[現金 勘定]へ      
 2) 出金伝票の合計は  ・・・    [現金 勘定](貸方)へ  
 3) 入金伝票・出金伝票の相手勘定と、続いて振替伝票の各勘定を転記します。  

"五伝票制"では、"三伝票制"に加えて売上伝票と仕入伝票が増えます。
 売上伝票と仕入伝票では取引はすべて掛けで行なわれたとして起票されているので、転記は単純です。 
 4) 売上伝票の合計  ・・・     [売上 勘定](貸方)へ  
            ・・・ (借方)[売掛金勘定]へ   
 5) 仕入伝票の合計  ・・・ (借方)[仕入 勘定]へ   
            ・・・     [買掛金勘定](貸方)へ 
 6) 売上伝票・仕入伝票の相手勘定、続いて、振替伝票の各勘定を転記します。  


・売上値引き・戻り分、仕入値引き・戻し分がある場合、逆仕訳をするので、その点に注意します。
 通常分とは別に集計し、上記(4)(5)に含めず計算しましょう。 

 7) 売上値引き・戻り分・・・ (借方)[売 上勘定]へ      
            ・・・     [売掛金勘定](貸方)へ  
 8) 仕入値引き・戻し分・・・     [仕 入勘定](貸方)へ  
            ・・・ (借方)[買掛金勘定]へ      

 9) 勘定科目ごとに、貸借別々に集計します。         
10) 最後に仕訳日計表の貸借ごとの合計を計算して、貸借一致を確認します。
 


◆例題 1. 平成×年4月1日の取引に関する次の伝票記入にもとづいて、仕訳日計表を作成しなさい。

 ┌──────────┐   ┌──────────┐   ┌──────────┐
 │入金伝票   No.141│   │出金伝票   No.215│   │振替伝票   No.511│
 │          │   │          │   │受取手形   2,000 │
 │売掛金 A商店 3,000│   │買掛金 B商店 2,000│   │ 売掛金C商店 2,000│
 │┌─────────┴┐  │┌─────────┴┐  │┌─────────┴┐
 └┤入金伝票   No.142│  └┤出金伝票   No.216│  └┤振替伝票   No.512│
  │          │   │          │   │買掛金 B商店 3,000│
  │当座預金    5,000│   │交通費      500│   │ 支払手形   3,000│
  │┌─────────┴┐  │┌─────────┴┐  │┌─────────┴┐
  └┤入金伝票   No.143│  └┤出金伝票   No.217│  └┤振替伝票   No.513│ 
   │          │   │          │   │備 品   2,000  │
   │借入金     2,000│   │当座預金    1,500│   │ 未払金    2,000│
   │          │   │          │   │          │
   └──────────┘   └──────────┘   └──────────┘
  ┌──────────┐   ┌──────────┐ 
  │仕入伝票   No.311│   │売上伝票   No.401│ 
  │          │   │          │ 
  │買掛金 B商店 4,000│   │売掛金 A商店 5,000│ 
  │┌─────────┴┐  │┌─────────┴┐ 
  └┤仕入伝票   No.312│  └┤売上伝票   No.402│ 
   │ 買掛金 B商店 1,000│   │          │ 
   │  (返  品)   │   │売掛金     3,000│ 
   │          │   │          │ 
   └──────────┘   └──────────┘ 


(解答用紙) 
             仕訳 日計表    
             平成×年4月1日     No.123
   ━━━━━┯━━┯━━━━━━━┯━━┯━━━━━ 
   借   方│元丁│勘 定 科 目│元丁│貸   方 
   ─────┼──┼───────┼──┼───── 
        │  │現     金│  │  
        │  │当 座 預 金│  │ 
        │  │受 取 手 形│  │   
        │  │売  掛  金│  │  
        │  │備     品│  │    
        │  │支 払 手 形│  │ 
        │  │買  掛  金│  │ 
        │  │借  入  金│  │ 
        │  │未  払  金│  │ 
        │  │仕     入│  │ 
        │  │売     上│  │ 
        │  │交  通  費│  │   
   ─────┤  │       │  ├───── 
        │  │       │  │    
   ━━━━━┥  │       │  ┝━━━━━ 


※問題編、解答編をPDFファイルで用意していますので、プリントアウトして学習していただければと思います。

 問題文および解説と解答 →   http://www.geocities.jp/boki_san/2class/2text/2conttextb11_rei1.pdf





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(2)総勘定元帳への転記

・総勘定元帳への転記は、「仕訳日計表」の各勘定から総勘定元帳の同じ勘定へ借方、貸方別に金額を転記していきます。 

 このとき、次の点について注意します。 
 仕訳日計表の元丁欄には転記先の総勘定元帳の勘定番号(右上の番号)を記入します。 
 総勘定元帳の仕丁欄に仕訳日計表の番号(ページ数)を記入します。また、摘要欄は転記元の帳簿である「仕訳日計表」を記入します。 
 残高欄の前の「貸借欄」は、勘定科目ごとの残高が貸方か借方かについて表示していますので、(マイナスにならない限り)[現金・資産の勘定]ならば借方を、[買掛金・負債の勘定]なら貸方になります。


             仕訳日計表     
             平成×年4月1日     No.23
   ━━━━━┯━━┯━━━━━━━┯━━┯━━━━━ 
   借   方│元丁│勘 定 科 目│元丁│貸   方 
   ─────┼──┼───────┼──┼───── 
     10,000│ 11│現     金│ 11│  4,000 
               ・  
      8,000│ 15│売  掛  金│ 15│  5,000 
               ・  
               ・  

  ↓ ↓
  
           現     金             No.11
  ───┬───────┬──┬────┬────┬──┬─────
  平 成│ 摘   要 │仕丁│借  方│借  方│借 │残  高 
  ××年│       │  │    │    │ 貸│     
  ─┬─┼───────┼──┼────┼────┼──┼─────
   4│ 1│ 前月繰越  │ レ │ 500,000│    │借 │ 500,000 
   │〃│ 仕訳日計表 │ 23│ 10,000│    │〃 │ 510,000 
   │〃│ 仕訳日計表 │ 23│    │  4,000│〃 │ 506,000 
   │ │       │  │    │    │  │     

           売  掛  金             No.15
  ───┬───────┬──┬────┬────┬──┬─────
  平 成│ 摘   要 │仕丁│借  方│借  方│借 │残  高 
  ××年│       │  │    │    │ 貸│     
  ─┬─┼───────┼──┼────┼────┼──┼─────
   4│ 1│ 前月繰越  │ レ │ 600,000│    │借 │ 600,000 
   │〃│ 仕訳日計表 │ 23│  8,000│    │〃 │ 608,000 
   │〃│ 仕訳日計表 │ 23│    │  5,000│〃 │ 603,000 
   │ │       │  │    │    │  │     

 ・仕訳日計表の元丁欄は、どこへ行ったのかを示します。−−→ 総勘定元帳の勘定番号を記入。 
 ・総勘定元帳の摘要欄、仕丁欄は、どこから来たのかかを示します。−−→ 摘要欄に仕訳日計表、仕丁欄には仕訳日計表の番号(ページ数)を記入。   



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(3)補助元帳への転記

 得意先元帳(売掛金元帳)や仕入先元帳(買掛金元帳)などの補助元帳が設けられている場合は、伝票から1枚ずつ個別転記します。 

 このとき、次の点について注意します。 
 得意先元帳、仕入先元帳ともに、各商店勘定になっていますので、各商店ごとの転記を間違えないようにします。
 得意先元帳、仕入先元帳ともに、掛取引を管理することになりますので、売上伝票、仕入伝票のほかに入金伝票、出金伝票あるいは振替伝票も関係します。もれなく転記します。
   ・得意先元帳は、別名「売掛金元帳」ですので、売掛金を管理します。 
   ・仕入先元帳で、別名「買掛金元帳」ですので、買掛金を管理します。  
 売上値引き・戻り分は、仕訳が逆になること。
 得意先元帳、仕入先元帳ともに、摘要欄には「入金伝票」や「振替伝票」などの伝票の種類を記入し、仕丁欄には伝票の番号を記入します。   
 
 
 ┌──────────┐  ┌──────────┐ 
 │入金伝票   No.141│  │売上伝票   No.401│ 
 │ 売掛金   3,000 │  │          │ 
 │(A商店)     │  │売掛金 A商店 5,000│ 
 └──────────┘  │┌─────────┴┐ 
               └┤売上伝票   No.402│ 
                │          │ 
                │ 売掛金 B商店 8,000│ 
                │  (返 品)    │ 
                │┌─────────┴┐  
                └┤売上伝票   No.312│  
                 │ 買掛金 A商店 1,000│  
                 │   (返 品)   │  
                 │          │  
                 └──────────┘  

     ↓ ↓
               得意先元帳(売掛金元帳)
                A 商 店             得1 
  ━━━┯━━━━━━┯━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━┳━━━━━
  平 成│ 摘  要 │仕丁┃ 借 方 ┃ 貸 方 ┃借  ┃ 残 高 
  × 年│      │  ┃     ┃     ┃ /貸┃    
  ─┬─┼──────┼──╂─────╂─────╂───╂─────
   4│ 1│前月繰越  │ レ ┃  500,000┃     ┃ 借 ┃ 500,000 
   │〃│入金伝票  │ 141┃     ┃   3,000┃ 〃 ┃ 407,000 
   │〃│売上伝票  │ 401┃   5,000┃     ┃ 〃 ┃ 512,000 
   │〃│売上伝票  │ 402┃     ┃   2,000┃ 〃 ┃ 510,000 





◆例題 2.  前問題で作成した以下の仕訳日計表にもとづいて、総勘定元帳の売掛金勘定、買掛金勘定、売上勘定、仕入勘定に転記しなさい。また、前問題の伝票記入にもとづいて、仕入先元帳に転記しなさい。
 
             仕訳 日計表    
             平成×年4月1日     No.123
   ━━━━━┯━━┯━━━━━━━┯━━┯━━━━━ 
   借   方│元丁│勘 定 科 目│元丁│貸   方 
   ─────┼──┼───────┼──┼───── 
     10,000│  │現     金│  │  4,000 
      1,500│  │当 座 預 金│  │  5,000 
      2,000│  │受 取 手 形│  │     
      8,000│  │売  掛  金│  │  5,000 
      2,000│  │備     品│  │     
        │  │支 払 手 形│  │  3,000 
      6,000│  │買  掛  金│  │  4,000 
        │  │借  入  金│  │  2,000 
        │  │未  払  金│  │  2,000 
      4,000│  │仕     入│  │  1,000 
        │  │売     上│  │  8,000 
       500│  │交  通  費│  │     
   ─────┤  │       │  ├───── 
     34,000│  │       │  │ 34,000 
   ━━━━━┥  │       │  ┝━━━━━ 


(解答用紙)
             売  掛  金            No.21
  ───┬───────┬──┬────┬────┬──┬─────
  平 成│ 摘   要 │仕丁│借  方│借  方│借 │残  高 
  ××年│       │  │    │    │ 貸│     
  ─┬─┼───────┼──┼────┼────┼──┼─────
   4│ 1│ 前月繰越  │ レ │    │    │借 │ 500,000 
   │ │       │  │    │    │  │     
   │ │       │  │    │    │  │     
 
             買  掛  金            No.31
  ───┬───────┬──┬────┬────┬──┬─────
  平 成│ 摘   要 │仕丁│借  方│借  方│借 │残  高 
  ××年│       │  │    │    │ 貸│     
  ─┬─┼───────┼──┼────┼────┼──┼─────
   4│ 1│ 前月繰越  │ レ │    │ 500,000│貸 │ 500,000 
   │ │       │  │    │    │  │     
   │ │       │  │    │    │  │     

             売    上             No.41
  ───┬───────┬──┬────┬────┬──┬─────
  平 成│ 摘   要 │仕丁│借  方│借  方│借 │残  高 
  ××年│       │  │    │    │ 貸│     
  ─┬─┼───────┼──┼────┼────┼──┼─────
   4│ 1│ 前月繰越  │ レ │    │ 500,000│貸 │ 500,000 
   │ │       │  │    │    │  │     
   │ │       │  │    │    │  │     

             仕    入             No.51
  ───┬───────┬──┬────┬────┬──┬─────
  平 成│ 摘   要 │仕丁│借  方│借  方│借 │残  高 
  ××年│       │  │    │    │ 貸│     
  ─┬─┼───────┼──┼────┼────┼──┼─────
   4│ 1│ 前月繰越  │ レ │ 500,000│    │借 │ 500,000 
   │ │       │  │    │    │  │     
   │ │       │  │    │    │  │     


               仕入先元帳(買掛金元帳)
                B 商 店             得11 
  ━━━┯━━━━━━┯━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━┳━━━━━
  平 成│ 摘  要 │仕丁┃ 借 方 ┃ 貸 方 ┃借  ┃ 残 高 
  × 年│      │  ┃     ┃     ┃ /貸┃    
  ─┬─┼──────┼──╂─────╂─────╂───╂─────
   4│ 1│前月繰越  │ レ ┃     ┃  500,000┃ 貸 ┃ 500,000 
   │ │      │  ┃     ┃     ┃   ┃ 
   │ │      │  ┃     ┃     ┃   ┃ 
   │ │      │  ┃     ┃     ┃   ┃ 
   │ │      │  ┃     ┃     ┃   ┃ 


※問題編、解答編をPDFファイルで用意していますので、プリントアウトして学習していただければと思います。

 問題文および解説と解答 →   http://www.geocities.jp/boki_san/2class/2text/2conttextb11_rei2.pdf





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(4)出題のポイント

・検定では、"仕訳日計表"の作成問題が、第2問で比較的よく出題されます。 
 内容としては簡単なものが多いのですが、必ず何度か解いてみて、自分の解き方をものにしてください。そして、早く、間違いのないように練習をしてください。

・出題パターンとしては、20枚程度の伝票から仕訳日計表を作成し、総勘定元帳と補助元帳(得意先元帳・売掛金元帳や仕入先元帳・買掛金元帳)の一部の勘定に転記する問題と、伝票あるいは元帳の一部が空欄となっており、そこを推定し埋めていく問題も出題されています。  


 では、以下の例題の「推定問題」について挑戦してみてください。
 手順としては、通常は「伝票 → 仕訳 → 仕訳日計表 → 元帳」ということになりますが、空欄があるため集計できません。そこで、各元帳をまず、よく見てください。 
 すると、簡単に埋まる空欄があるのでそこを、まず埋めてみて、考えていきます。
  ・元帳の残高の加減で、取引の金額が判明すれば、伝票に金額を記入します。
  ・伝票の空欄が埋まれば相手方の元帳の空欄も埋まります。
   などと、次々と空欄を埋めていきます。
 伝票の空欄がすべて埋まれば、続いて、日計表を作成していきます。
 あるいは、伝票の空欄をそのままにして、日計表を作成すれば、伝票の空欄が埋まるかもしれません。

 落ち着いて、かつゲーム感覚の気分で解いてください。


◆例題 3.
 以下の平成×年6月1日の取引に関する伝票から仕訳日計表を作成しなさい。
 ただし(   )の金額は各自推定しなさい。

・以下のアドレスを参照して、例題に取り組んでください。
 問題文および解説と解答 →   http://www.geocities.jp/boki_san/2class/2text/2conttextb11_rei3.pdf

   ・
   ・
   ・

・お疲れ様でした。 
 文章で解説するのは、かなり大変でした。おわかりいただけたでしょうか。   


 一度、じっくり問題を解いてみれば、何ということはない問題です。  
 しかし、検定では当然、時間内に解答しなければなりません。もう一度、スピードを意識して、解いてみることをお薦めします。 
 


*以上で、最終章の11章は終了です。



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11-3.まとめ









「2級 商業簿記」 テキスト本編は、以上で終了です。






(更新日:2007/02/10..,2008/11/26,2009/02/15・18 ,03/7・14 ,08/9)

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