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 【簿記2級】用語集 <工業簿記編>  

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 工業簿記8章 .標準原価計算


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 工簿8章 標準原価計算 
管理会計  [かんりかいけい ;managerial accouting ]

・企業会計のひとつの分野。
財務会計”が財務諸表の作成など外部報告を主目的としているのに対して、“管理会計”は予算管理や原価管理のほか、利益計画、経営分析、内部監査など、経営計画や経営管理を行う上で役立つ情報を提供することを目的とします。

 工業簿記の「標準原価計算」「直接原価計算」は、原価の目標を設定し、期末の実際発生額との差異を分析するというもので、"管理会計"のひとつの手法です。

→ 解説

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 工簿8章 標準原価計算 −1.標準原価計算とは
実際原価計算 [じっさい げんか けいさん ;actual costing]

・原価計算は、大きく分けて“実際原価計算”と“標準原価計算” の2種類に分類されます。

・"実際原価計算"は、実際にかかった原価をそのまま集計して製品の原価を計算する方法。
生産形態に応じて、“個別原価計算”、“総合原価計算”などの計算方法が用いられます。

→ 解説

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 工簿8章 標準原価計算 −1.標準原価計算とは
標準原価計算 [ ひょうじゅん げんか けいさん ;standard cost accounting ]

・原価計算は、大きく分けて “実際原価計算”と"標準原価計算"の2種類に分類されます。

 "実際原価計算"が、実際にかかった原価をそのまま集計して製品の原価を計算する方法なのに対して、"標準原価計算"では、あらかじめ目標となる製品単位あたりの原価(これを“原価標準”といいます)を設定し、これに生産実績を乗じて製品の原価を計算します。

・標準原価計算の目的は原価管理で、実際原価計算と標準原価計算との差異(これを"標準原価差異"といいます)の分析をおこない、無駄や不能率を改善しようとする “管理会計”の手法のひとつです。 

→  解説 8章.標準原価計算

   解説 標準原価計算とは

   解説 標準原価の計算

   解説 勘定記入の方法

   解説 原価差異の計算と分析


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 工簿8章 標準原価計算 −1.標準原価計算とは
原価標準 [げんか ひょうじゅん ;cost standard ]

・“標準原価計算”で、あらかじめ設定される製品1個あたりの目標となる原価のこと。
 標準直接材料費標準直接労務費標準製造間接費の3つの原価要素に分けて設定され、「標準原価カード」にまとめられます。

・それぞれの製品単位あたりの計算は、以下のとおり。
  標準直接材料費 = 製品単位あたり標準直接材料消費量 × 標準単価
  標準直接労務費 = 製品単位あたり標準直接作業時間 × 標準賃率 
  標準製造間接費 = 製品単位あたり標準操業度 × 標準配賦率 

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −1.標準原価計算とは
標準製造間接費 [ひょうじゅん せいぞう かんせつひ ;]

・“標準原価計算”を行う場合の原価要素のひとつ。また、“原価標準”のうちのひとつ。
 直接材料費、直接労務費以外のもの。

 製品1個あたりの標準製造間接費は以下の計算式で求めます。
     製品1個当たりの標準操業度 × 製品1個当たりの標準配賦率  

・“標準配賦率”とは、年間の製造間接費予算額を基準操業度(基準となる機械運転時間などの操業度)で除することによって求めるもので、これに製品1個当たりの標準操業度(標準=目標となる操業度)を掛けたものが標準製造間接費となります。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −3.勘定記入の方法
シングル・プラン [しんぐる ぷらん ;single plan ]

・“標準原価計算”における勘定記入の方法のひとつ。

 標準原価計算では、仕掛品勘定の貸方(完成品原価、月末仕掛品原価)は、標準原価で記入します。一方、仕掛品勘定の借方には、当月の直接材料費・労務費、製造間接費をどのような金額で記入するかで“シングル・プラン”と“パーシャル・プラン”という2つの方法があり、シングルプランでは、仕掛品勘定の借方にも貸方にも標準原価を記入する方法。

 標準原価と実際原価との原価差異は、仕掛品勘定では示されず、材料、賃金、製造間接費の各勘定で把握します。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −3.勘定記入の方法
パーシャル・プラン [ぱーしゃる ぷらん ;partial plan ]

・“標準原価計算”における勘定記入の方法のひとつ。

 標準原価計算では、仕掛品勘定の貸方(完成品原価、月末仕掛品原価)は、標準原価で記入します。一方、仕掛品勘定の借方には、当月の直接材料費・労務費、製造間接費をどのような金額で記入するかで“シングル・プラン”と"パーシャル・プラン"という2つの方法があり、パーシャル・プランは、仕掛品勘定の借方に実際原価を記入する方法で、原価差異は仕掛品勘定で把握します。 
 借方と貸方が異なった基準になるところからパーシャル(="別々の")と呼ばれます。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −4.原価差異の計算と分析(1)
原価差異(2) [げんか さい ;cost variances]

・“標準原価計算”における差異分析で、標準原価と実際原価との差異。"標準差異"ということもある。

または、実際原価計算における予定価格法などで計算した原価と実際発生した原価との差異。(別項

 標準原価計算における原価差異は、@直接材料費差異(価格差異、数量差異)、A直接労務費差異(賃率差異、作業時間差異)、B製造間接費差異(予算差異、操業度差異および能率差異)に分けられる。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −4.原価差異の計算と分析(1)
直接材料費差異 [ちょくせつ ざいりょうひ さい ; direct material cost variance ]

・“標準原価計算”における原価差異のひとつで、直接材料費差異とは、標準直接材料費と直接材料費の実際消費額との差額で、"価格差異"と"数量差異"に分析されます。

 "価格差異"とは、材料の市価の変動などが原因で発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。
  価格差異 =(標準単価 ― 実際単価)× 実際消費数量
 "数量差異"は、材料の無駄づかいなどにより発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。

  数量差異 = 標準単価 ×(標準消費数量 ― 実際消費数量)

・計算は、標準(ひ) − 実際(じ)で 差異を計算し、結果がマイナスなら借方差異(不利差異)、プラスなら貸方差異(有利差異) となります。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −4.原価差異の計算と分析(1)
直接労務費差異 [ちょくせつ ろうむひ さい ;direct labor cost variance ]

・“標準原価計算”における原価差異のひとつで、直接労務費差異とは、標準直接労務費と直接労務費の実際消費額との差額をいい、"賃率差異"と"作業時間差異"に分析されます。 

・"賃率差異"とは、賃率の改定などにより発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。
 "賃率"とは、賃金の消費単価、"時間給"のように考えてください。
  賃率差異=(標準賃率 ― 実際賃率)× 実際直接作業時間 

 "作業時間差異"は、作業能率の低下などで発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。 
  作業時間差異= 標準賃率 ×(標準直接作業時間 ― 実際直接作業時間)

 いずれも、結果がマイナスなら借方差異(不利差異)、プラスなら貸方差異(有利差異)となります。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
製造間接費差異 [せいぞう かんせつひ さい ;overhead variance ]

・“標準原価計算”における原価標準のひとつで、製造間接費差異とは、標準製造間接費と製造間接費の実際消費額との差額で、“予算差異”“操業度差異”“能率差異”の3つに分析されます。 

 製造間接費差異を上記の3つに分析する方法を"三分法"といい、この他に、能率差異を変動費の能率差異と固定費の能率差異に分析する“四分法”もあります。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
公式法変動予算 [こうしき ほう へんどう よさん ; ]

・"変動予算"とは、原価計算において製造間接費を管理するために設けられる予算制度で、操業度の変化に対応して設定されます。(これに対するのは“固定予算”)

 "公式法"とは、そのうちのひとつの算定方法で、以下の計算で求められ、一定の固定費と操業度の変化によって増減する変動費とに分けて考えるというもの。 

  変動予算 = 固定費 +(変動費率 × 操業度)

標準製造間接費原価差異の分析は、"公式法変動予算の図"によって、“予算差異”“操業度差異”“能率差異”を計算します。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
固定予算 [こてい よさん ;fixed budget ]

・“変動予算”が、一定の固定費と操業度の変化によって増減する変動費に分けて考えるというものなのに対して、"固定予算"は、操業度の変化を取り入れず、一定額の予算とするもの。

 基準操業度で設定した製造間接費の予算額を予算許容額とします。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
変動費 [へんどう ひ ;variable cost ]

・操業度に対して比例的に発生する費用。 
 操業度が増えれば増えるほど、費用も増加するという性質をもつ原価のことで、直接材料費、直接労務費、燃料費など。(これに対するのは"固定費"

標準原価計算において、標準製造間接費原価差異の分析は、変動費固定費に分けて考える"公式法変動予算の図"によって、“予算差異”“操業度差異”“能率差異”を計算します。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
固定費 [こてい ひ ;fixed cost ]

・原価は操業度の増減によって変化しますが、そのうち操業度の増減にかかわらず一定額発生する費用。 
 減価償却費、電気・ガス・水道料金の基本料、固定資産税など。(これに対するのは"変動費"

標準原価計算において、標準製造間接費原価差異の分析は、変動費固定費に分けて考える"公式法変動予算の図"によって、“予算差異”“操業度差異”“能率差異”を計算します。

→  解説

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
予算差異 [よさん さい ; budget variance]

標準原価計算における製造間接費差異のひとつ。
 予算管理の良否により発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。

  予算差異 = 予算許容額 ― 実際発生額

→  解説

   解説(製造間接費差異)

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
操業度差異 [そうぎょうど さい ; capacity variance]

標準原価計算における製造間接費差異のひとつ。
 生産設備の利用状況の良否により発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。

  操業度差異 = 固定費率 ×(実際操業度 ― 基準操業度)

・“操業度”とは、機械運転時間や直接作業時間などの利用度のこと。

→  解説

   解説(製造間接費差異)

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 工簿8章 標準原価計算 −5.原価差異の計算と分析(2)
能率差異  [のうりつ さい ; efficiensy variancee]

標準原価計算における製造間接費差異のひとつ。
 工員の作業能率の低下などにより発生する差異で、以下の計算で差異を把握します。

  能率差異 = 標準配賦率×(標準操業度 ― 実際操業度)

・“四分法”による分析の場合、能率差異を変動費の能率差異と固定費の能率差異に分け、以下の計算で差異を把握します。
  変動費能率差異 = 変動費率×(標準操業度 ― 実際操業度)
  固定費能率差異 = 固定費率×(標準操業度 ― 実際操業度)

→  解説

   解説(製造間接費差異)













(update:2006/12/21・22・24, 2007/01/06・08・20 ,2009/10/10・25・31, 11/21・・ )

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