冬の四川省(峨眉山と臥龍)2003.12.26〜2004.1.3

 今回の年末年始はどこに行こうか悩んだが、GUIJIA氏の中国旅行手配がし易い状況が今年限りとなりそうなので、かなりマニアックな鳥見になると思われる冬の四川省に決定した。
 手配は、上海までの往復は自分で、中国国内は中国の旅行社に頼んだ。時期的なこともあり、上海往復はそれなりに混んでいたものの、国内の移動はほとんどがらがらの状態であり、人が少なかったので中国にしては快適な旅行だった。(人がいないイコールあまり快適な気候でないということでもあるが。)
 鳥の結果は、特に良くもなく悪くもなくといったところか。キジ類始め高山性の鳥は良い時間帯に鳥見ができなかったので思ったとおりの結果は出なかった。

12月26日

 朝、名古屋を出発。上海へ。午後は市内をうろうろ。この街に鳥はいない。
 夜、ホテルにてGUIJIA氏と合流。北海道が大荒れで、出てこられるか心配していたため胸をなでおろす。

12月27日

 上海虹橋空港へ移動。行動予定を変更(午後出発の予定だった。)したため便の変更をする。首尾よく乗り込むと、機内は閑散としていた。冬季の四川はあまり人気がないらしい。
 成都到着後、手配していた車の運転手と合流し、第1目的地の峨眉山へ向かう。ここは数年前5月に訪れたことがあるが、その時はイマイチの結果に終わった場所である。成都からさほど遠くないため、夕刻には現地のホテル着。この地域はかなり西に位置しているため、日の入りが遅い。そのためこの時期でもそれなりに遅くまで鳥見ができる。しばらくホテルの付近を歩き、チメドリ類、セアオエンビシキチョウ、コウグイス等見る。 

 ホテルでの夕食
基本的に宿泊しているホテルの1階のレストランで食事となる。1日歩き回った後のビールは格別。鳥を見に来ているのは勿論だが、おいしいビールを飲むために来ているというのもある。まじで。












12月28日

 ようやく、本格的な鳥見開始。初日はまず、バスで山頂へ向かう。日の入りが遅い代わりに日の出は極めて遅く、8時頃ようやく明るくなるといった感じ。バスは暗い中を走り、山頂へ1時間以上かけて到着したが、さすがに3000m級の山。山頂は雪と氷の世界だった。とりあえず、歩道をしばらく歩いてみるがほとんど鳥の姿、声がない。ようやくアリサンチメドリを見たが、本当にこれだけ。歩いて別のバス乗場まで20キロ近くあるようで、とりあえず山頂での鳥見は断念。
 仕方がないので再度バスとロープウェイで1000m付近にある万年寺まで下り、そこから、清音閣までの道で鳥を探す。さすがにここまで降りてくると鳥はおり、早速タケドリ、キンムネチメドリ、シロクロウタイチメドリ、ハイムネダルマエナガ等を明るい林で見た。川沿いには定番のカワビタキ、シロボウシカワビタキに、5月は見られなかったセボシエンビシキチョウもいたりして気を良くする。さらにたまたま石段に止まった鳥がキクチヒタキの♀だったため、最後におおいに盛り上がった。天気は曇天で今ひとつだったがそれなりに鳥も出て満足する。


 エンビシキチョウ
非常に中国らしい鳥のグループにエンビシキチョウの類がある。峨眉山では4種が見られる。











 セアオエンビシキチョウ
ホテル裏のどぶ川にいる。きれいな鳥なのに。











12月29日

 前日、写真を撮っているときに、デジカメバッテリーを現地に置いてきてしまったこともあり、この日は、清音閣から洪椿坪までの往復を歩いた。
 残念ながら、バッテリーは発見されず、更に悪いことに雨がポツポツと降ってきた。それでも、悪名高いサルの餌付けポイント(人を襲うらしい。)を通過した頃からとりあえず雨も上がり、鳥見には支障ないレベルまでに回復する。
 途中、鳥を見ながらゆっくり上っていくが、ハイムネヤブドリが見られたり(世界中でこの付近しかいない鳥である。)チメドリ類は相変わらず多いので、あまり退屈はしない。川には前日のセボシ、セアオエンビシキチョウ、シロクロヒタキがいて(今回、中国産のこの類は全種峨眉山で見た。)満足度は高い。
 最高到達点の洪椿坪では、斜面が見渡せる場所があり、ここに比較的鳥が多く、チメドリ類の群れがいたり、下層ではキンバネガビチョウ等ガビチョウ類が。また、良く見るとクリガシラコビトサザイという小さいながらなかなかカラフルな鳥も潜んでいた。前日♀のみ観察したキクチヒタキはここで遂に♂タイプが登場。この日は2〜3個体他にも見たが、すべて♀タイプだったので、もしかしたらルリビタキ同様、2〜3年間は♂もきれいな羽色にならないのかもしれない。
 チメドリの群れに1羽キバシリが混ざっていたが、その個体がどうやら最近発見された新種のキバシリではないかということで、しばし盛り上がった。嘴が短く、喉付近が白っぽいのが特徴のようであるが、どうもその条件は満たしている感じだった。
 下りも川沿いでてっきりミソサザイと思い込んでいた鳥がタイワンコビトサザイだったり、川の氾濫現にコホオアカの群れがいたり、何が潜んでいるか分からず、なかなか気が抜けないのであった。 夜はホテルで祝杯。前日もそうだったような気もするが、連日それなりに満足できたので○。


 キバラガラ
中国固有のカラの類。珍しく地上で採餌。














 セボシエンビシキチョウ
背中に白い斑点があるのが特徴。















 シロクロヒタキ
これもエンビシキチョウの類。らしくない和名がついているのはこいつだけ台湾まで分布しているせいか?














12月30日

 もう1度上に上がると再度入山料が要る(2日間で100元約1300円)のと、時間も午前中のみなので、この日はホテルから歩いて善覚寺まで往復することになる。ここでは春にカンムリオウチュウやマミジロキビタキを見たことがある。
 登り始めて早速現れたのが、タカサゴウソ。1羽のみだが♂だった。結構見たかった鳥なので幸先良いスタートに気分を良くする。
 その後もクリミミチメドリ、ルリコバシチメドリ、キゴシムシクイと前日まで出ていないものも現れ、短時間の割には良かった。
 午後、バスで峨眉山を離れ、一旦成都に。ここで先の運転手と落ち合い、次の目的地である臥龍に向かう。



 シロボウシカワビタキ
川があればこいつとカワビタキは普通にいる。ただし警戒心が強くなかなか近づけない。色合いがシックでなかなか良い鳥。止まっている時はあまり動かないためデジスコの撮影には向いている。









峨眉山で確認した鳥

コジュケイ声 キバシリsp カワセミ クサシギ タカサゴモズ(町近く)カケス声 サンジャクオオルリチョウ ツグミ チベットウタツグミ ルリビタキ カワビタキ シロボウシカワビタキ キクチヒタキ シキチョウ セアオエンビシキチョウ エンビシキチョウ セボシエンビシキチョウ シロクロヒタキ ヒガラ キバラガラ シジュウカラ キバラシジュウカラ キマユガラ ズアカエナガ カヤノボリ クロヒヨドリ シロガシラ コウグイス クリガシラコビトサザイ カラフトムシクイ キゴシムシクイ コシジロムシクイ ヒゲガビチョウ タケドリ アカバネガビチョウ  カキハガビチョウ キンバネガビチョウ ハイムネヤブドリ タイワンコビトサザイ ミソサザイ ズアカチメドリ ソウシチョウ アカオコバシチメドリ ヒメマルハシ アカバネモズチメドリ キンムネチメドリ アリサンチメドリ メジロチメドリ ルリハコバシチメドリ シロクロウタイチメドリ クリミミチメドリ ノドフカンムリチメドリ クロアゴカンムリチメドリ ハイノドダルマエナガ エンビタイヨウチョウ コシジロキンパラ キセキレイ ハクセキレイ ビンズイ  コホオアカ タカサゴウソ

 成都から臥龍への道は、もう少し良くなっているかと思ったが、意外に3年前と変わっておらず、途中ダム工事も行われていて、時間がかかった。3時間程度のドライブで到着したら、もう暗くなっていた。気温は既に氷点下である。
 そこで、今回唯一のトラブルが発生。ここでは臥龍山荘というホテルに3泊の予定で予め料金が払ってあったのだが、その場所に行くとホテルは現在取り壊し中。どうやら旅行社の手違いだったようだ。仕方なく別の町で一番良い(と思われる)ホテルへ行き、宿泊の交渉。最初通された部屋はエアコンもないこの時期泊まるのはかなりイヤな部屋だったので、更に交渉し、なんとかもう少し良い部屋に移る。こちらは一応VIPルーム的な部屋のようで、ツイン1部屋、ダブル1部屋、リビング、バストイレ付という無駄に広い状態だった。まあエアコンがついているのでいいのだが、一晩中つけていても寒くはないが暖かくもないという微妙な温度。更にバスはシャワーのみ。お湯は熱湯も出るのに、水圧が非常に低いという誠に中途半端な部屋なのだった。

12月31日

 初日、どこへ行くか迷ったが、天気が良さそうなので、とりあえず4000mの峠、パーロンシャンを目指すことにする。ここも3年程前にブルーポピーを見に行ったことがある。
 タクシーを1日手配し(オンボロの軽のワンボックスだった。)出発。雪は思ったよりは少なかったが、それでも少々上がったところで、谷間は道が凍っていたので、チェーンを巻いた。ただ、チェーンは新品。運転も妙に慎重だったので、運転手、本当に雪道を走ったことがあるのか?という感じ。夏は1時間程度で着いたらしいのだが、慎重な運転もあり、非常に時間がかかる。また、窓から見る限り、鳥影はほとんどない。いい加減イヤになりつつ、途中休憩している場所で、ようやくハゲワシ類が飛ぶ。天気はほぼ快晴なので、この類を見るには絶好だった。気温も高く(時間も昼近かったが)多分10度以上あったのではないか。観察種はこの付近にいそうなものは勢ぞろいで、ヒマラヤハゲワシ、クロハゲワシ、ヒゲワシと見ることができた。
 パーロンシャンの峠の手前で、車が上がれなくなり(チェーンを外していたので)時間もいい加減遅くなり(ここまで3時間かかった。)引き返すことになる。ユキバトは見ることができたが、期待していたキジ類、ムラサキツグミ、シンジュマシコは全滅。又、夏にでも来てみたい。
 下りも状況は変化せず、途中でノドジロジョウビタキを見た位。ここはあまり冬向きの探鳥地とはいえないのだった。

 標高は4000m近い。それでも雪は大してない。相当冷え込んではいるのだが。


 ユキバト
高山性のハト。普段飛び回っているのをよく目にするが、珍しく地面に降りてくれた。













 ノドジロジョウビタキ
羽根に斜めに一条の線が走るきれいな鳥。珍しくもないが、どこにでもいる鳥でもない。















1月1日

 年が明けて、この日はウーイーポンというパンダの研究施設を目的地にする。タクシーでほんの15分走り、そこに登り口があった。かなり急な坂をジグザグに上がっていく。前日よりはかなり標高は低いので、鳥に関してはかなりまし。それでも多いとはいえない。ここは種の構成がかなり峨眉山と異なり、種類的には意外とかぶらない。登り始めてすぐにベニキジの群れ(はっきりとは見えなかったが)カンムリシジュウカラ、アカハラガラ、オオダルマエナガが現れた。ヤブゲラは飛んでいくところだが一応確認。
 雪が道には少々あり、あまり装備が良くなかったので、もう少しちゃんとしてくればよかった。 山頂近くなり(ここまで2時間程度)ここに来て道がフラットになったが、鳥の方は皆無となった。雪も多くなり、研究センターの建物を早々に引き返す。
 下りも登り時と同様の種が出たが、さして変化もなくあっさり下ってしまう。
 まだタクシーの待ち合わせ時間には間があったので周囲を鳥見。アカチャイワヒバリ、マユグロヤマガラモドキ、キンケイ♀等追加する。
 タクシーが待てど暮らせど来なかったので凍死するかと思った。

1月2日

 実質の最終日。ホテルの裏山(畑)を見て回る。ここも前日同様急な坂だったが、また違ったものが見られて、かなり満足できた。ヒゲチメドリは貯蔵してあるトウモロコシを失敬していた。別に行動して、下で鳥を待っていたGUIJIA氏はハジロクロシメ、マルハシ等を追加したようだ。最後にイヌワシを追加してほぼ今回の旅の鳥見は終了となる。

臥龍で確認した鳥

ベニキジ キンケイ♀1 アジアヒメキツツキ ヤブゲラ ヒムネアカゲラ キバシリ  ユキバトヒゲワシ ヒマラヤハゲワシ クロハゲワシ ノスリ イヌワシ チョウゲンボウ カケス サンジャク ホシガラス キバシガラス ハシブトガラス チベットウタツグミ ルリビタキ ノドジロジョウビタキ シロボウシカワビタキ  ゴジュウカラ ヒガラ キバラシジュウカラ カンムリシジュウカラ アカハラガラ  マユグロヤマガラモドキ キマユガラ カヤノボリ セスジガビチョウシロボシガビチョウ カキハガビチョウ マルハシ ヒメマルハシ ミソサザイ  ヒゲチメドリ ミドリモズチメドリ アリサンチメドリ シロカンムリチメドリ  オオダルマエナガ ハクセキレイ アカチャイワヒバリ ハイイロマシコ コイカル  イカル ハジロクロシメ


 アカチャイワヒバリ
石垣のすきまでじっとしていた。














 カキハガビチョウ
ガビチョウの仲間でもっともよく目にした。なかなかじっくり見れない。














 ノスリ
残念ながらオオノスリではなかった。












午後、車で成都へ。1泊する。さすがに5つ星のホテルは前日までのものとは比較にならなかった

1月3日

 早朝、国内線で上海へ。午後便で名古屋へ帰着。


車中等から確認した鳥

コサギ アオサギ ダイサギ スズメ

旅行中の総確認種 100種

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