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東レ 透析コンソールの構成

原理

TR-7000Sのフローチャートを図1に示す。

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図1 TR-7000フローチャート

 

構成

 

[171] 圧力スイッチ

セントラルからの給液圧を感知し給液の有無を検出する。
圧力調整は他モニターが稼動中、最も圧力の低い時と場所で
安定して作動する感度に合わせる。

洗浄や準備が電気連動の場合、圧力スイッチは機能していない。
個人機にはついていない。

圧力スイッチ上部の調整ねじは締め込み方向で感応圧力が上昇する。

減圧弁、圧力スイッチは入出口モジュールとして一体化されている。
東レのコンソールには製造時期によりグレーとクリーム色の
入出口モジュールが使い分けられている。グレーは水漏れが起こりやすく
クリーム色の樹脂のものは改良されたものである。

 

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3 入出口モジュールTDM-2・ 圧力スイッチ(左)



[101] 減圧弁

マシン内部のチューブ抜けや損傷を防ぎ、圧力、流量を安定させるため、
セントラルからの一時圧力を減圧し、急激な圧変動を防止する。
ノーマルオープンで減圧の制御は流れの一方向にのみ行われる。

圧力は入口遮断弁〜キャピラリ間で測定し調整する。
図4に減圧弁の構造を示す。受入完了時の圧力が一定しないときは
減圧弁内部の問題、ダイアフラムか弁体のリークが考えられる。

個人用コンソールは直接RO装置から強い給液圧を受けるので
内部保護のためラインフィルター
の前に置かれることもある。

チャンバへの透析液、充填時間が遅れ、自己診断に引っかかる場合は
まず減圧弁を閉め流量を上げてみるとよい。
注)閉めると流量アップ。イメージと逆です。

 



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図4 減圧弁の構造

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5 減圧弁

 

[102] 入口遮断弁

ノーマルクロースの2方電磁弁。

offとなるときは以下の4つ。

1) 停止 

2) ECUM

3) 封入(個人機のみ) 

4) 洗浄待機

 

 

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図6 入口遮断弁

 


2方電磁弁にはコイルに通電しない状態で閉状態であるノーマルクロース型と
開状態であるノーマルオープン型がある。
NC型のonはopenでNO型のonはcloseを意味する。
2方電磁弁は圧力の高いほうをin側として使用する


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熱交換器

使用済み透析液がパイプの外
RO水がパイプ内を流れ熱交換を行う。
ROからの給水は加温されておらず、
マシン内での加温は+10℃が限界のため
個人機のみマシン底面に設置されている。

 

[105] ヒーター

透析液を設定温度まで上昇させるための加温器。
炭酸塩の析出を防ぐため加温部が直接透析液に触れない
間接型ヒーターが使用されている。

ヒーター上部に110℃のサーモスタット、
横に130℃のサーモスタットをもち
規定温度以上でヒーター電源を遮断する。
110℃のものは冷めれば自動復旧するが
130℃のものはスイッチがついており手動で復旧させる。

 

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図8 ヒーター

 

[105B] 制御用サーミスタ

ヒーターの直後に取り付けられた温度センサでヒーターの電力供給を制御している。

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図9 制御用サーミスタ


210]キャピラリΦ1.5×3 

ガラス製、ドーナツ形状で脱気ポンプ前に3個挿入されている。
抵抗となり陰圧をつくる。割れやすく詰まりやすい。
マシン内で使われているキャピラリはΦ1.5とΦ0.8の2種。
キャピラリが挿入できるシリコンチューブはΦ5のもの。
東レのシリコンチューブは供給用にΦ8、
マシン内にΦ5、DLZ前後にΦ6のものが使い分けられている。



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図10 キャピラリ

 

[152] バッファ槽

除水時の陰圧やヒーターによる気泡の発生は
密閉回路内の容量バランスをくずし除水誤差の原因となる。
また、ダイアライザの有効膜面積を減少させ透析効率に影響を与えるため、
脱気ポンプにより陰圧を透析液にかけ溶存ガスを除去している。
バッファ槽は陰圧のかかるRO水の体積をかせぎ、脱気効率を高めている。

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図11 バッファ槽

 

[208] 脱気ポンプ

脱気ポンプはキャピラリによる強い負荷がかかるためポンプヘッドが劣化しやすい。
劣化が進むとダイアライザ内に気泡が流れ漏血センサの誤作動などの症状がでる。

劣化時は循環ポンプとポンプヘッドを入れ替えやキャピラリの抜き取り、
減圧弁圧力を上げることで一時的に対処でき
る。

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図12 脱気ポンプ

 

[153] 脱気槽

脱気ポンプのアウト側に置かれ
溶存ガスを系外に排出する。

透析液は腹から入り下に流れる。
エアアウトのラインは
キャピラリが入っており
洗浄も十分に行われない。
そのためキャピラリが詰まり
(脱気槽が空にならなくとも)
ダイアライザにエアが流れる
ことがあるため、

エアアウトのラインを
洗浄するとよい。

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図13 脱気槽

 

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図14 供給水フロースイッチ

 

[161] 供給水フロースイッチ

 

供給水のチャンバへの受入時間を測定している。
流量メモリはついていない。
ダイアライザへの透析液流量が500ml/minのとき
受入側は700ml/minの流量が必要となる。
チャンバの容量は250mlなので
受入開始から受入完了まで22秒間、off
にて時間測定。
切替側が送液を完了するまで30秒間かかるので
受入側は8秒間、onとなり待機する。
受入時間が遅延する場合、25秒以上となると
自己診断で警報が出る。
減圧弁を閉め、受入流量を上げると良い。

 




[107] リリーフ弁

脱気ポンプや移送ポンプは出力を制御されておらず、
常に一定の速度で運転している。
リリーフ弁はポンプの入口と出口をバイパスして設置されており、
ポンプout側の圧力がスプリング圧以上になるとシートがボディから離れ、
ポンプ出口から入り口に圧力を開放しポンプout側の圧力を設定値以下に保つことができる。

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図15 リリーフ弁


15の上側がin、下側がout、in側からout側にしか流れない。
in側のバルブシートはスプリングによって押さえつけつけられていて
スプリング圧は締め込み方向で開放圧力は大きくなる。

 

[113] 除水ポンプ原液注入ポンプ(図16は個人機)

除水ポンプ原液注入ポンプはポンプヘッド、モーター、
フォトセンサ、L型ベースからなる。
ポンプヘッドはセラミック製ピストン、シリンダ、固定用台座からなる。
シリンダには原液の給排水口が2箇所、ピストンの潤滑目的でRO水の出入り口が
2箇所についている。RO水の供給のないモニターではシリンダに溝が入っており
透析液を潤滑用に使用している。

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図16 除水ポンプ

  除水原理

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ピストンピンはカップリング内の球面軸受と接続されており、カップリング部は図16、左側のモーターと接続されている。カップリングの動きをフォトセンサが監視している。

ピストンは回転しながら上下に移動し、吸込→吸込完了・吐出開始→吐出→吐出完了・吸込開始を繰り返す。

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ピストンの上下運動は
ポンプヘッドの
振れ角度によって決まる。

ポンプヘッド固定位置が
カップリングと平行のとき、
ピストンが回転しても上下運動をしない。
吸込吐出量は0となる。

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ポンプヘッドの振れ角度を
大きくするとピストンのストロークも
大きくなり、吸込吐出量は増加する。
1回転で0.5mlの吸込吐出量となるよう
調整されている。


東レのコンソールはポンプヘッドの
取り付け角度を変えることによって
除水量を調整することができる。
しかし調整によって大きく除水量が
変化するため濾液量、除水量の調整は通常、
メニュー初期設定濾液除水補正
画面に補正値を入力して調整する。

 

除水速度補正値=
(除水設定値−実除水量)/除水設定値×100

 

[116] 計量チャンバー

250mlの容量をもつチャンバーで
シリコンゴム製のダイアフラムで
新鮮透析液室と使用済透析液室に分けられている。

チャンバ上部黒いホース口は水漏れ頻出箇所。
ホース口のOリングの劣化によるものが大半だが
ホース口交換の時、六角レンチで閉めることで
チャンバ自体に小さい割れが生じ
水漏れすることも多い。
ホース口は手で締めるだけで十分です。

容量は250mlで変化しないため
チャンバーへの入出量は等しく、
ダイアライザーの入出量も等しい。

脱気ポンプにより新鮮透析液室に充填される
透析液は切替側に余圧の影響を与えぬよう充填に22秒、
7秒間の待機時間を置き、ダイアライザへの送液は
30秒間で行われる。

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図17 計量チャンバー

 

[117] チャンバー切替弁モジュール

 

新鮮透析液室への透析液受入、ダイアライザへの送液、使用済み透析液室への受入、排液をA、Bチャンバーが交互に行うために設置されている2方電磁弁。
手前の4つが新鮮透析液(new)を担当するN側モジュール、奥4つが使用済み透析液(old)を担当するO側モジュール。
3方電磁弁は瞬間的に3方オープンとなるので使用されていない。

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図18 チャンバー切替弁モジュール

 

[119] チャンバー切替フロースイッチ

 

ダイアライザ送液チャンバーが空になると流量の低下を感知し
待機チャンバーへの切替を行う。切替までの時間を測定しており、
測定時間で感知する警報はチャンバー異常と供給水異常がある。
チャンバー異常はフロートの2秒落ち放しと60秒流れ放し。
供給水フロースイッチとチャンバー切替フロースイッチの作動に
1秒以上の差がないとき、また、切替後15秒以内に切替するときに供給水異常となる。
受入不足は切替時間を短縮させる。切替時間の短縮はさらに受入不足を進める。
供給水の異常は受入側から切替側、切替側から受入側へ反復して伝わるため
供給水異常警報はショートサイクリングとも呼ばれる。

 

[118]濃度センサー

ダイアライザーに供給する透析液の濃度と温度を測定する。
濃度センサーは透析液中に電極を入れ、
電圧をかけると濃度に比例し電流が増加する。
この電流の変化と電極間の抵抗のブリッジ回路により濃度を測定している。
サーミスタは画面表示用(A)と濃度計の温度補償用(B)の2つがある。


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図19 濃度センサー

 

[121] 流量調節弁

透析液流量を調整するための弁。流量計の近くに設置されている。

[120] 流量計

透析液流量を測定する。

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図20 流量計

 

出戻口モジュール(TDM-3)

ダイアライザーへの出戻口はモジュール化されている。
構成はダイアライザーへの透析液の供給をバイパスするバイパス弁NO1、NO2、NC3。
大気開放弁、透析液圧センサーからなる。
大気開放弁はバイパス弁3のout側にあり
液圧異常時、バイパススイッチ、停止スイッチが押されたときに一時的にonとなる。
大気開放弁out側のキャピラリは開放時の圧のリバウンドを防止している。

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図21 TDM-3

 

[128] 移送ポンプ

チャンバの新鮮透析液室から使用済み透析液室に透析液を移動させるためのポンプ。
透析液圧をつくる。移送ポンプは出力を制御されておらず常に一定の速度で運転している。
ポンプの送液流量は1600ml/min、ダイアライザーの送液ラインが500ml/min、
残りの1100ml/minのうち1000ml/minは移送ポンプをバイパスしたリリーフ弁ラインを流れ、
100ml/minは漏血検知器ラインを流れている。
リリーフ弁の調整は移送ポンプの吐出圧を一定にし、透析液流量の上限を設定することができる。

 

[129] 気泡分離器

気泡分離器内に気体がたまるとフロートスイッチがon、
Air out後にある大気放出弁が連動してオープン、
気体と透析液を分離し系外に排出する。
フロートスイッチの30秒間onで密閉異常となる。

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図22 気泡分離器

[156] バイパスフロースイッチ

個人機のみに取り付けられている。濃度異常などのバイパス時、
ダイアライザーへの透析液の供給が停止されているかを監視する。
バイパス弁のリーク等あればバイパス異常警報が出る。

 

 

[190] 排液チャンバー

容量250mlのチャンバーで除水量+濾液量に等しい
使用済み透析液引き込み、計量する。

透析液ラインから濾液ポンプで引かれた透析液は
排液チャンバに溜まり、チャンバー一杯となると
チャンバー入口に設置された圧力スイッチがon、
チャンバー上の二つの3方電磁弁が貯留と排液を切り替える。

チャンバーが満杯になったことは圧力スイッチが感知している。
圧力スイッチの設定値が不適当であると
チャンバーの切り替えが行われず、チューブ抜けの原因となる。

 図23 廃液チャンバーユニット

図24 圧力スイッチ

 

 


[192]
圧力スイッチ

排液チャンバーの入口に設置されている。
チャンバー内に排液が一杯となると圧が高まり
チャンバーの右室と左室を切り替える。

チャンバー切り替え圧力は可変である。
濾液ポンプout〜廃液チャンバin間で
チューブ抜けがあるなら圧力感度が低い
可能性がある。

ロックナットをゆるめると調整用ダイアルを
上下に動かすことができる。
固定用目盛りに圧力目盛りが振ってあるので
設定したい圧力値に調整用ダイアルの
上縁をあわせるとよい。


また、圧力スイッチの切替時間は
監視されており、切替時間に異常があれば
濾液異常となる。

そのため、除水がないと濾液警報が鳴る 。

 

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図25 圧力スイッチ


NIPRO ニプロ コンソール 人工透析機器 NCU-8の構成






 

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