STUDIO 27のプロポーションキット「LOTUS 95T 1984CANADA」を組み立てました。前年の83年には、故コーリン・チャップマンの技術的資産も底をつき、92/93T/94Tとなんと三種ものシャーシを乗り継いで、あたかもフルシーズンを使ってテストをしたような散々な一年だったロータスですが、後半ルノーターボエンジン搭載の94Tが徐々に早さを発揮し始め、翌84年には改めて基本的な構造から昨年一年の集大成的マシンとして生まれ変わって登場したのが今回のネタのロータス95T。モナコでの怒濤のTOP爆走→壮絶コースアウトリタイアとか、ダラスではゴール直前にガス欠を起こし頓挫するものの、なんとマンセルはエンコした95Tを押して転がしゴールと同時に失神KOしちゃうとか、意外と話題に事欠かないマシンだったんですが、丁度新進気鋭のアイルトン・セナの話題に埋もれたり、或いは日本においてはテレビ中継も日本GPも無かった暗黒時代でもあったため、後年の97T〜99Tに比べれば知名度が低いようです。
 私個人も、実はこの車体に対してそれほど思い入れがある訳じゃないんですが、JPSカラーというカラーリングに対しては相当に執着を持つ方でありまして、加えて後年のナイジェル・マンセルは、私がF1に興味を持つようになった影響度としては、プロストやセナよりも大きかった事もあり、キット発売と同時に勢いで買ってしまったのでありました。
 このキットの製作で最も困難だったのが実は資料収集ってのはホントの話。キット購入後、ネットや雑誌で資料がないかウロウロ探し回ったんですが、中々資料性の高い画像が見つかりませんでした。またボディーカラーが黒というのが大問題でして、レース当時の画像だと、折角画像を見つけてもディテール情報がボディーカラーに埋もれちゃってワケワカメ。それでも暇さえあればコツコツ集めたり、親切な方が95Tの内部図解資料を下さったり、小さなレース画像をレタッチソフトで拡大したりノイズ除去したりして検証してみたりと、なんとか組み立てに必要な最低限の資料が調ったことで、無事製作に入ることが出来ました。しかしながら、どうしても車体解説の文面とか、後年型97Tと共通部が多いというところからの推察によっててデッチアップした箇所も多く、この車に関して詳しい方が見れば、この間製品にはオカシイ部分がありそうですが、少なくとも手持ちの資料写真から見て取れる部分は、可能な限り手を入れてキット素組みよりは再現度を上げたつもりです。









 製作のコンセプトは、基本素組みを頭に置いて、そこから気に入らないポイントをリストアップし、スキル的に可能なポイントに絞って手を加える方向で。判らない部分は、他の部位とのバランスを考えながら判る範囲+補填としてのデッチアップにて乗り越えて行こうというもの。と、言いますのも、このキットは購入前の予想より遙かに出来が良いキットだったんですよね。最初の全く手を入れない段階での仮組みで、殆どのパーツがバリ取り段均しピン打ち程度の御約束の修正作業のみでパスパス組み上がってしまい、尚かついつもSTUDIOのキットで問題になるアウトラインも、97T/98Tよりもハイトの高いエンジンカウル部とか、ストライプマーキングのせいで細く見誤るけど実は太めなノーズコーンとか、車体後部に行くほどに少しせり上がっていくサイドポンツーンとか、実車以上にメリハリも効いてて模型映えも良さそうな雰囲気で、STUDIOのクセに(殴)今回はそれほど的を外してません。この点が安心感となり、自作パーツによる置き換えにしても、ゼロから構築するのではなく、キットのパーツを元に加減を加えてパーツの図面引きが出来たので楽出来た部分も多分にありました。そういう意味では、素材としての良さを充分持ってるキットだと思います。
 では、今作の大まかなレシピです。
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STUDIO27 1/20 JPS LOTUS 95T RENAULT `84
塗装
ボディー下地目止め→Be-J HGプラサフ
ボディー下地塗装→自家調色ダークブルーグレー
ボディー塗装→フィニッシャーズ ピュアブラック+ピュアブルー極少
外装カーボン部→KAモデルカーボンデカールB+ガイアノーツ クリアブラック
トップコート→フィニッシャーズ オートクリアー[四層目]
シャーシ塗装→基本→フィニッシャーズカーボンブラックマット
       カーボン表現→モデラーズ カーボンP.2+自家調色クリアブラウン
              +フィニッシャーズ スーパーフラットコート

改修点
・アンダートレー置き換え レジン製パーツ→0.5mm真鍮板
・前後サスペンションアーム置き換え メタル製パーツ→真鍮管プレスハンダ組み
・ステアロッド自作
・前後プルロッド自作 フロント:0.8mm洋白線 リア:0.8mmアルミ管+洋白帯金
・フロントサスマウント位置変更
・リアトレッド縮小
・リアダンパーassy自作
・リアアクセルシャフトassy自作
・リアミッション部補器類自作(オイルクーラー・サスベースマウント・シフトリンク
              ・ジャッキアップステー・テールライトetc)
・燃料タンク部自作
・燃料タンク上ロールバー+キルスイッチ自作
・コックピット部左右及びメターパネルコンソール自作
・シート形状変更
・ステアリング自作
・シフトレバーassy自作
・スタビ調整レバー自作
・シートベルト追加 STUDIO27製ベルトキット+サテンリボン
・リアウィング支持ステー追加
・不足デカール追加
・ブローオフ排気管追加
・マフラーエンドカバー自作
・・・・etc
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 結構褒める点も多いキットでしたが、STUDIOらしい毎度お馴染みな大問題もありました。そう、デカールです。フォントがどうとか色合いがどうとかは私には全く問題にならないOKなものでしたが、
@タバコロゴ問題により、取説のデカールガイドにタバコロゴの位置支持が全くない
Aヘッドレスト部のJPSロゴがそもそも入ってない(汗
という二点が今回の製作では問題となりました。@に関しては、通常手持ちの資料を見て貼れば良いんですが、先述の通り資料に乏しい車種故、この車のデカールガイドとなりうる詳細な画像を持つ人って、かなり限られると思います。それこそ資料には金も探す手間も惜しまない人でないと中々無いんじゃないでしょうか?昨年放送されたF1レジェンドでは、実際に走行する95Tがテレビに映ってましたが、当時の国際映像の画質ですからよく見えないんすよ。で、私の場合リアウィングの背面側の「John Player Special」のロゴ位置が判らず、STUDIOのHP掲載の完成見本を頼みの綱と思って参照して、三段構造の最上部のフラップ裏に貼ったんですが、その後出てきた資料では、実車では中段に貼られる場合とられる場合と最上段に貼られる場合があり、キット化されたカナダ仕様だとどうやら上段ではなく中段らしいいんすよ。クリアー吹いて一息ついたトコで知った話なので、後戻りも出来ずそのままやっつけてます。ちなみに後戻りできないのも、スペアデカールの入手何度が激しく高いというメーカーの怠慢によるところもあるわけですが・・・・。流石に文句言われることが多かったのか、最近はキット発売と同時にスペアデカールもリリースするようになってきましたが、このキットの発売当時は、そういう配慮はありませんでした。
 Aに関しては、スペアデカールが手に入れば、フロントウィング辺りのロゴを引っ張ってくれば解決しそうですが、そうでない場合は、自作か他のジャンクデカールから色あいが合いそうなものをサルベージしてきて使用するという対処をしない限り、何も貼らずに知らんふりするしかありません。パーツの欠損とかであれば、努力すれば誰にも対処の手段がありますが、デカールなんかはどうしようもないっすから、もっとメーカーさんには気遣っていただきたいところです。

 今回の製作、私的事情で期間を大きく取ってはしまいましたが、製作そのものは実に楽しかったです。やっぱ模型は簡単に作れるかとかパーツパーツの量とかじゃなくて、作って楽しいか否かが最重要ポイントですな。キットの価格分、充分楽しむことが出来たので、デカールの苦言等ありましたが個人的には大満足です。
 
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