混沌の1982年シーズンを戦ったロータス総帥コーリン・チャップマン存命時の最後の置き土産 Type-91。ターボ車が席捲する時代に、NAのFORDエンジンでは流石に勝負をさせて貰えないことも多く、当時最新だったカーボンモノコック&シャーシもネタとして霞むようなシーズンだったが、そもそもこの年の低迷は、本来投入予定だったTYPE-88が、開幕前にレギュレーション違反と指摘され、開幕は前年の改良型であるTYPE-87Bで、そして2戦目以降は急遽仕上げたTYPE-91での参戦を余儀なくされたためでもあった。安定性にも欠け、16戦中アンジェリスは7戦、マンセルに到ってはケガの影響もあって14戦で完走もしくは出走できないという惨憺たる状態でしたが、唯一第15戦オーストリアGPで、No.1ドライバー”エリオ・デ・アンジェリス”が自身初でもある優勝を成し遂げた。この時の勝ち方が「亀が兎に勝った」みたいな劇的なもので、2位ケケ・ロズベルグ(ウィリアムズ)とは僅か0.05秒差での勝利だった。
 キットはtameo社の1/43メタルキットで、先述のオーストリア仕様をキット化したもの。tameoからは当時新進気鋭の若手だったナイジェル・マンセルが3位表彰台を獲得した第6戦モナコGP仕様もリリースされているが、エンジン冷却の問題からエンジンカウルレスで走行したものをキット化しているとあって、個人的にはウィングカーの美徳の欠片もないくせに、エンジン周りを再現されてるため非常に手間が掛かる為、正直そっちは買う気が起きませんが(私見です)、オーストリア仕様はビジュアル的な魅力を醸し出す二本出しのエアインダクトやノーズセクションの造形美を堪能出来るフロントウィングレスで流麗さも一入なので、リリース直後に購入しました。
 車は古い時代のモノですが、キット自体は90年代後半にリリースされた比較的新しい部類のキット。CAD設計でパーツ精度も高く、フォルムもノーズ先端の厚みが大きすぎ(チョビット短い?)位で、充分にT91らしさを再現しています。また、前述の通り、メカ部の露出が非常に少なく、フロントウィング無しでリアウィングもメイン板にフラップ一枚という単純なものが付くだけなので、組み立て作業はカナリ簡単な部類に入るモノです。素組なら完成まで一週間もかからないんじゃないでしょうか。尚、初期版と後発版とが存在し、初期の製品はデカールにやや難あり。初期版はノーズとサイドパネルに貼るゼッケンが黄色文字に黒縁が入っておりボディーカラーの黒をユーザーが自家調色して色味を変えたりすると、デカールとボディー色の色差が出てしまう恐れがあり、また11番に関してはノーズのゼッケンが若干センターから左方向にズレて(歪んで)います。ユーザ側からの指摘が入ったからか、メーカーが気付いてモナコ版生産時に併せて改修したのかは不明ですが、後発版は修正されています。





 今回製作のレシピは以下の通り。
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ボディーカラー:
     ▼下地目止め&下地色=Be-J HGサーフェーサー[グレイ]
     ▼ボディー色=フィニッシャーズ[ピュアブラック]
     ▼クリアー =フィニッシャーズ[オートクリアー]
     ▼その他、カーボンブラックマット・セミグロスブラック等使用
修正箇所 :
     ▼フロントセクション形状修正
     ▼シート後部形状修正
     ▼パネルライン追加
     ▼ブレーキ&アクセルワイヤー追加(フロント)
     ▼オイルクーラー配管
     ▼ロールバー新造
     ▼リアタイヤ前サイドパネル後端以降新造修正
     ▼コクピット内前方バルクヘッド修正&ミラー彫り込み洋白埋め込み
     ▼各部ダクト開口or彫り込みとエキゾーストパイプエンド新造
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 別に修正せんでも格好良いT91が出来上がりますが、乏しいとは言え幾らか資料を入手できましたので、資料を基に足りないディテール(サイドの分割ラインがキットでは抜けている等々)を追加し、ダクト類は全て開口、ノーズが実車より太めになってるのに対しサスカバー部が小さめだったので、、主観に基づいてwサスカバー部の形状修正とノーズ部との繋がりを滑らかにしています。シート後方のヘッドレストは、キットでは何故かボディーパーツとシートパーツの組み合わせでツライチになるようになってますが、実際はヘッドレストとシートの間から後方のアルミ製燃タンが露出するような形状です。加工が面倒くさかったのでシート側を切削加工してボディー側は燃タンに該当する部分のメタルをバフで磨いただけで済ませてますが、更にボディー側ヘッドレスト部を地面方向に延長してヘッドレスト部に楕円状の穴を開口してやれば、更にらしくなると思います。

 塗装はフィニッシャーズの「ピュア・ブラック」を使用。アンダーパネルややコクピット内側にはフィニッシャーズのカーボン・ブラック・マットやクレオスのスーパーフラットブラック、サスアーム等には自家調色のセミグロスブラックを使用し、部位によって重ね吹きしたり遠目から砂吹きにしたりしてトーンが一定にならないよう配慮しました。全身黒ずくめなので、こうした塗り分けは意外と効果が大きいと思います。T91に限らず、JPSカラーのロータスでは、塗装がと艶出しが最大のポイント。本キットも組み立て自体は簡単ですが、塗装、特にデカール貼りと磨き込みは非常に手間が掛かります。

 サササっと作るつもりが塗装をやり直したり落っことして部品を破損したりスッタモンダしてしまいましたが、スンナリ行けばサササっと出来上がってしまう好キット。1/43F1未経験の方にも、気軽に勧められる逸品であります。
 嫌煙禁煙が文化人の基礎の如く言われる昨今にあって、非文化的に自身が吸ってるタバコは昔から一途にJPSな私にとっては、やはりJPSカラーというのは一種特別な魅力を感じますな。