「晴れのち敗退」 火打山スキー

 

4/3-4,上越火打山へスキーに行って来ました。火打山はスキーのメッカ妙高の隣にあり、周囲にはたくさんのツアールートがあります。特に高谷池ヒュッテをベースに開催される「火打山ダウンヒルカップ」は山スキーヤーの間では有名です。最近ではボーダーも多く、人気エリアの一つです。

今回の同行者はクライミング仲間のT内君、彼の山スキーの師匠I原さん。私にとっては2年ぶりの山スキーです。

4/3 ゲレンデ裾の駐車場は雪。リフトで1400m付近まであがると青空が見えます。ゲレンデでちょっと遊んだ後、笹が峰の休暇村まで移動し、登山口でテントを張りました。

4/4 快晴。5時出発の予定がなにやかやと遅くなってテントを出たのは6時でした。まずは夏道通しに尾根を目指します。急斜面をトラバースするあたりから私のシールは効かなくなり(くそぉ、モヘヤのくせに・・)、クトーを持たない私は泣く泣くアイゼンに履き替え(なんのためのシールや!)スキーを担ぐことになりました。

急斜面を一気に登ると、密な針葉樹林とセッピにはさまれた尾根にでます。ここで他の二人もアイゼンに履き替えました。狭い木々の間を1時間ほど歩くと富士見平につきました。緩やかなカーヴを描く雪面、さんさんと照りつける太陽、無風、静かで幸せな空間。向こうの林の中をウサギが跳ねていきます。

富士見平から黒沢岳のほうへ回り込めば良かったのですが、私達はここでさっさと尾根をまたいでしまったため、ひどく歩きにくい針葉樹帯を抜けることになってしまいました。吹き溜まりは波打ち、木々は更に密度を増していきます。特にアルペンの靴をはいたT内君には苦痛で、この辺でうんざりモードに入ってしまいました。がまんがまんの30分がすぎ、やがて針葉樹はまばらなダケカンバに変わりました。先行パーティーが残した赤布の連打が現れ、三角屋根の高谷池ヒュッテも見えます。そして、遙かに白く輝く火打山。うっとりするような頂上直下のスロープ、まさにスキーのための山です。

高谷池ヒュッテについたのは10時でした。降ってきたボーダーによると、ここから火打の上まで2時間ほどかかるそうです。ところが私達は今日中に撤収してゲレンデにもどり(リフトを乗り継いで)、車までたどり着かねばなりません。そのため出発前に11時の時点で引き返す約束をしていました。目の前にこんな素晴らしい斜面があって、こんな信じられないピーカン天気なのに、一番おいしい所を滑らずに帰るなんて!!せめて天狗の庭まで行けないかな・・3人とも同じ思いでした。しかし、高谷池から少しあがった稜線で、リーダーのI原さんが「もう時間だし、もどろう」と言いました。残念ですが仕方ありません。実を言うとこのころから、私の左くるぶしは猛烈に痛みだし、まともに歩ける状態ではなくなっていました。久々のツアーブーツに祟られているようです。がんばって頂上を目指そう!!と言われても、きっと泣きがはいったことでしょう。

ともかく来た道を引き返します。ツボで斜面を直登という荒技も交えながら、I原さんの読みが良かったおかげで、帰りはスイスイでした。狭い樹林帯もなんとかすり抜けました。急斜面で一度、あわや激突・・という波乱もありましたが(今でも迫ってくるブナの大木が目に浮かびます)、無事テント到着。下りはおよそ1時間でした。

テントを撤収し、えんえん2時間歩いてゲレンデについたのが4時。最後のジャクジャクのゲレンデを滑る頃には、私は左足に荷重をかけることもできなくなって、涙をうかべつつ車にたどりつきました。あー、やれやれ。来年こそは上までいくぞー。