栂海新道山スキーツアー報告 2010.05.01〜04

 2年前(08年5月)の白馬周遊(大雪渓〜朝日岳〜蓮華温泉〜金山沢〜猿倉)の際、朝日岳から延々と続く栂海(つがみ)新道の尾根を見て、いつかは完走したいと考えていましたが、積雪が多く快晴が続いた今年のGW(5/1-4)に、漸く実現できました。 猿倉から大雪渓、雪倉、朝日を経由して栂海新道をスキー縦走し、日本海までのロングコースで大変でしたが、参加メンバーのおかげもあり完走できましたので簡単に報告します。

参加者 和佐泰宏(CL)、森本英之(SL)、H(どんぐり)

行程
4/30 夜21:00西神出発。2150JR西宮(花井)
 2150JR2150GW連休の混雑の中、名神、中央、長野を乗り継ぎ、白馬駅近くの公園到着が5/1AM3:00頃。車中仮眠。5/1 猿倉→白馬大雪渓→村営頂上小屋→柳又源頭滑降→鉢が岳コル→雪倉避難小屋(テント泊)
 車を公園にデポして、徒歩10分ほどで白馬駅発猿倉行きの始発バス(5:55)に乗って猿倉に向かう(980円)。  6:20着。猿倉でも積雪は十分で、小屋前からいきなりシール登高開始(6:57)。快晴の中、ハイペースで先行者を追い抜きつつ、1時間弱で白馬尻(8:00)。その後も順調に大雪渓の高度を上げるが、上部になると新雪と強風で、なかなか進まない。例年と違い大雪渓の斜度も単調で岩室も隠れて上部ほど急斜面になり、途中からアイゼン坪足となる。息を切らしながらも村営頂上小屋到着(13:00) 堅い斜面の上に薄い新雪が載った柳又源頭の斜面を慎重に下る。今年は這松帯も気にならずトラバースを繰り替えし、最後登り返して鉢が岳コルまで(14:00)。 ここから雪倉の避難小屋までは、斜面をトラバースしていく。このころには風とガスで視界も悪くなり、なるべく高度を下げないように急斜面のトラバースをしようとして、氷化した斜面に出ては、アイゼンに履き替えるなど、前回とは比較にならない難易度で苦労を強いられた。 ホワイトアウト状態の中、方向を間違えたりしながら、GPSを頼りに何とか避難小屋に辿りつけた(16:00)。やっと小屋でゆっくり休めると思いきや、扉を開けると小屋内は雪の固まりで天井まで覆い尽くされており、とても入れる状態にはない。周囲の窓から見ても部屋内はすべて雪で覆われていた。スコップでかき出す努力をするも、氷化しておりあきらめる。 仕方なく岩陰でテントを張ることにするが、すごい強風で果たしてテントは大丈夫か不安になる。強風は夜中吹き荒れ、身体が終止動きテントは大きく揺れ続けた。おかげで睡眠もままならず、1日目にして早くも敗退との意見も出され、眠れぬ寒いシュラフ(和佐=夏シュラフ)の中で翌日の計画案を考えていた。

5/2 雪倉避難小屋→雪倉頂上→雪倉北面滑降→赤男山コル→朝日岳稜線コル→朝日岳頂上 →長栂山→黒岩山→テント場

 6:30起床。なんとかテントは持ちこたえたが、テントポール末端部の生地に穴が空いていた。風は相変わらず強いものの天気は良いので、協議の結果、当初の3日間での完走を4日間にして栂海新道縦走を継続する事にした。雪がゆるむまで待って、8:25出発。むき出しの夏道をアイゼンで歩き、雪倉岳ピーク着(9:15)。ここから雪倉北面の新雪と堅い斜面の混合した難しい斜面を滑走し、赤男山とのコルまで急斜面をトラバース(10:40)。さらに赤男山西面をほぼ夏道通りにトラバースして、その後、朝日岳頂上までの苦しいシール登り。途中アイゼンに切り替えたりして時間を要し、朝日岳頂上到着(13:25)。快晴の中多くの人が登頂して大賑わいであった。 朝日岳北面を長栂山への分岐点まで気持ちよく滑降し、再度シール登高開始(14:00)。坪足後を辿って長栂山北面までいって、再度滑降開始(14:55)。ゆるんだ雪質に気持ちよくシュプールを刻んだ後、トラバースして夏道に戻り、黒岩山下まで長距離を順調に滑降する(16:00)。さすがにスキーは速い。 再度シールをつけて、黒岩岳を越え稜線づたいにテント泊できる場所を探しながら歩く。樹林帯の雪面を平らにして今夜のテント場とする1625m(16:20)。前日の暴風の中のテント泊に比べ、穏やかな快適泊となった。

5/3 テント場→サワガニ山→犬が岳→下駒ヶ岳→白鳥山(小屋泊) 快適なテント場を(5:25)出発。シールのまま、アップダウンを順調にこなす。一部氷化した急登はアイゼンに履き替えたが順調にサワガニ山に到着(6:30)。ここから犬が岳まではやせ尾根のアップダウンが続き、一部全層雪崩で崩れている危うい場所も多く、坪足とシールを組み合わせて慎重に通過する。犬が岳到着(8:25)。犬が岳から、近くの栂海山荘がよく見える。栂海山荘を経由し、途中の稜線まで急斜面を気持ちよくスキー滑降。再度シールをつけて危うい稜線を通過していく。何度かのきわどい急登、急降下を繰り返し、下駒が岳の登りはやせ尾根の岩場急登で、岩や木の根にしがみつきながら兼用靴で慎重に登る。息を切らし、さずがに疲れながらも漸く登頂し(12:00)、ピークからは再度スキー滑降。白鳥山まではさらにアップダウンを繰り返し、最後の急登では、暑さも手伝い、何度も休憩してへばりながらも一歩づつ登り、白鳥山到着が(13:50)。地元のおじさん3名が、宴会モードで迎えてくれる。 この日の小屋泊到着一番乗りで、快適な2階奥を陣取った。この日は5パーティ14人の大にぎわいの小屋で暖かい。

5/4 白鳥山→坂田峠→尻高山→入道山→親不知登山口 徒歩組らとほぼ同じに、白鳥山小屋を(5:40)出発。しきわりまでは快適な滑り。やせ尾根で、雪が割れてきたので徒歩に切り替えて下る。坂田峠上で再度スキー滑降するも、途中で雪下切れて夏道まで藪こぎとなる。坂田峠到着が7:15。ここまでは徒歩組とほぼ同じペース。スキー滑降は速いが、履き替えや藪こぎなどに時間を要し、このようなルートでは結果として徒歩の方が速かったりもする。 その後は、スキーを担いでの春山徒歩山行。尻高山(8:08)までは雪が豊富であったが、その後は雪も無くなり蒸し暑い夏道を我慢の山行となる。二本松峠着(8:55)。入道山(9:19)着 暑さにへばりながらも、栂海新道登山口到着が(10:25)。お約束の登山口の看板で写真を撮り、国道を渡り、“親不知観光ホテル”前に荷物を置き、長い階段を海岸まで降りて日本海での証拠撮影でこの縦走山行は完了した。 今年は雪が多く、例年よりも多くスキーが使えて良かったが、夏道が残雪で覆われ、かつクラックが入ってスキーが使えない急降下などの難場も多く、体力のみならず雪稜歩きの技能も必要となる。その中で複数パーティの先頭を縦走できたことは、全日天候に恵まれたこともあるがメンバーの健脚ぶりと縦走へのモチベーションの高さの賜と思われる。 登山口のホテルの送迎車が故障とのことで、JR親不知駅まで徒歩3kmの歩きを強いられる。JR親不知駅山側にある“まるたん棒キャンプ場”で入浴後(300円)、JR白馬駅まで大糸線の便数が少ないのでデポ車を取りに戻るのに大いに時間がかかる(14:21→16:28,1110円)。 18:00に親不知を出発したが、北陸道、名神ともに10km以上の渋滞が多数あり、最終的に帰神したのが5/5 1:30。同行頂いた皆様、大変お疲れさまでした。