Dachstein(AUSTRIA)

NIEDERER TURLSPITZ SUDWAND

4 + A0(6−)350m

オーストリア アルプスのトレッキングにできたら岩の真似事でもできたら、と思いギヤーを持参したのが幸いし、山小屋のマスターのガイドでダッハシュタインの岩を一本登ることができた。

小屋から取りつきまでのアプローチは30分程度、しかし急登を早いのなんのとて、すっかり置いて行かれてしまった.

1ピッチ目:

難度は大したことない。さっそく準備をする。ガイドのHANSは一体型のハーネス、スカイダイビングのようなやつ。オーストリアではこれが通常とのこと。確保器は8環でやっていた。4級とあるが、そんなには感じられず、リードの彼もランニングビレーはなし。

2ピッチ目:

3級、30m。大きなホールドを取りながら,右へ凹角気味のクラックの方向へ伸ばす。これも問題無し.

3ピッチ目:

3級から4級のフェイス、前日の雨で濡れているのでややてこずる.久しぶりの岩だったが、このあたりからは体も慣れ、HANSも次は俺にリードをやれとのジェスチャー。なにせ数字と「スーパー」と「ノープロブレム」以外はドイツ語。目と手の動きでのコミユニケーション。

4ピッチ目:

右上し、チムニーの4級。途中ビレー点らしき、しかし“8m“と上を指す.ザイル50m一杯のばしてしっかりしたボルトを見つける.

5ピッチ目:

再びHANSがリード。かぶり気味の4級が少し難しく感じられる.

6ピッチ目:

核心のA0、フリーだと6−だが、きょうはセカンドでもやる気になれない。体調の悪さと濡れた岩肌。ハングをA0の後、左に回り込む。ランニングがないと振られるのになあ。と思い気も言葉が通じない。案の定、落ちての振られはなかったが、ザイルがハングに引っ掛かって、身動きできなくなる。凍傷の完治しない右手でぶら下がり,ザイルを引っ張るが、落ちてテンションと思われたのかすぐに張られ、ますます動けない.ここまで順調だったのに。しかたなくややテンション気味に左からハングを正面から越すように攀じ登る。息も切れ切れに確保点に到着。身振り手振りでさっきに状況を訴える.通じたのかHANS君 「スーパー」

7ピッチ目:

凹角と右へのランペ。

8ピッチ目:

易しい階段状。ランニングもなし。着くとHANSは肩がらみでビレーしてた。

9ピッチ目:

ルート図からももう易しいはず。セカンドで登って行くもなかなかピッチに到着しない。変だなあとは思ったが登るしかない。彼の姿がやっと捉えられた。まだ登ってる.コンテだったのだ。言ってくれればいいのに。もちろん通じたかどうかは判らんが。

頂上。HANS君、例によって「スーパー」と握手を求める。ガスの中だが、満足感十分。金属のポストに記録帳があり、小生もサインをする。

ここからは約1時間の下山。途中、雪渓の緊張はあったが問題無し.しかしHANSは早い。雪の消えた砂状のガレ場はスキーの直下降のように走りやがる。最初は怖く時として横を向きそうになるが、慣れれば一直線。

でも彼には付着いて行けない。途中、カモシカの集団に出会う.脆そうな岩場を走りぬける。これぞ “スーパー Kletterei

もう下はどしゃ降りの雨の中で終了。

「次は主峰“HOHER DAHSTEIN”の頂上3003mに達するSERPENTINE、6+、850m 26ピッチを」と一応は意見一致。

夜はワインで乾杯。HANSは酒も強い。でもあくる日は昼になっても起きてこなかった。挨拶も出来ずにDAHSTEINを後にする.

           取付地点        筆者 藤田  と ガイドのハンス氏