全国雪崩講習会

 場所 : 黒姫高原
 10年前、五竜での講習依頼の久しぶりの参加である。
 必要性は分かっててても、時期が連休で行きたい山行と重なり「次へ。。」と
 延びてたが、今回、「山スキー実践部門」と云うこともあり、思い切って
 受講した。理解してたつもりでも、事前学習のレポートからしていかに自分の
 知識がいいかげんかを感じていた。
 基本クラス14名、実践クラス14名で、自分のクラスは実践のA−1班、4名で
 講師2名が付き、実り多い2日間であった。
「開校式 」
 日程
  11日 08:00 開校式
     08:30 リフトにてゲレンデ上部へ移動
     09:00 スノーピットでの雪質観察。
         雪の硬さの確認。(こぶし、指4本、指、ペン先)
         雪質、温度の確認(上部より)
         ・ 新雪  (00-15cm) 「こぶし」 -3.5℃
         ・ しまり雪(15-25cm) 「1本指」 -2.2℃
         ・ ザラメ雪(25-30cm) 「4本指」 -1.0℃
         ・ しまり雪(30-50cm) 「1本指」 -0.5℃
         ・ ザラメ雪(50-60cm) 「1/4指」 -0.3℃
         ・ さらに下部には濡れザラメ雪を確認

シャベルコンプレッションテストの切り出し
   
 その他、ルーペにて雪形状を観察するが、顕著な違いが分からなかった。
     10:00 ルッチブロックテスト 見学。
     10:30 シール登行にてケルンのある1559mまでのぼる。
     12:00 ミニツアー開始
         全員でルート検討、コンパスで方角をきる。
         受講生が準じリーダを交代し、ルートファインディングとパーティ全体の
         行動を学習する。途中、ハンドテストにて弱層を調べる。「おおむね安定」
     15:30 リフト下でビーコンの演習。埋没者1名と2名を想定し、捜索。
     17:00 ホテル着
     18:00 食事
     19:00 机上学習 概念、雪質観察についての質問
         雪崩事故のビデオ、ビーコンの原理と操作方法
     20:30 懇親会
  12日 08:00 コスモプラザ前集合
     08:30 リフトにてゲレンデ上部へ移動
     09:30 ビーコンチェック後、1559mケルンまでシール登行。
     10:00 1559m地点 ルート検討、コンパス
     10:30 リーダを交代しながら、滑降開始。
        シャベルコンプレッションテストとコーチの模範テスト
     12:30 林道からリフト下 ホテルに移動
     14:00 閉校式
     14:30 解散

     今回の講習で特に感じた事
     (a)シャベルコンプレッションテストをかなり重要視されていた。
        実際にやってみてハンドテストとあまり時間的な差はなく、雪の断面も顕著に見れる
     (b)雪面で傾斜の変わり目の個所は張力がかかりより破断しやすい。
     (c)樹林と雪田との境目も破断しやすいので、樹林帯に入るか、むしろ雪斜面に入る。
     (d)スキー滑降はスピードがある為、随時コンパスで方角を確認する必要がある。

      Shovel Compression Test
 目的
   積雪中の弱層を確認する為のもので、特に雪面に近い部分の弱層を見るのに効果的。
 手順
  (1)目標とする斜面を代替できる場所で荒らされていない安全な地点を選ぶ。
  (2)周囲の雪を取り除き30cm*30cm横断面の四角柱を作る。柱の背面も切り離す。
     雪柱の側面をスムーズに整える(切出中に破壊したらCTVの評価。
  (3)四角柱の上面にシャベルのブレードを置く。
  (4)テスト1:手首から先を振り指先で5-10回軽く叩く、破壊でCTE
  (4)テスト2:ひじから先を振り指先で5-10回軽く叩く、破壊でCTM
  (4)テスト1:肩から先を振りこぶしで5-10回軽く叩く、破壊でCTE CTN
  (注)雪が柔らかい場合は力が加わりにくいので、より強く叩く必要がある。
  (注)シャベルを置いたとき崩れる時はその部分を取り除き力の伝達ができるようにする。
(注)側面に現れる明瞭な破壊はより危険である。
  弱層となる雪質
 新雪     降雪の結晶が残っているもの、結合が悪く弱層となる。
 しもざらめ雪 積雪内部に長時間に温度差がある場合水蒸気の蒸発と凝結で霜の結晶になる。
 あられ    ボールベアリングのような働きで弱層になる。
        寒冷前線通過時の積雪からよく降る。
 表面霜 積雪表面にできる霜の結晶、放射冷却で空気中の水分を得て結晶化。
 ぬれざらめ雪 0度以上、融けて雪粒同士が合体、融解と蒸発を繰り返しざらめになり、
        この上に断熱性の高い新雪が降ると濡れざらめが続く。
        雨が降った時も氷板や地表の上に沿ってぐずぐずとなる。
積雪の変態
 (1)氷点下で新雪からしまり雪への変化 燒結作用
    蒸発と凝結により角は丸く凹部の接合部は太くなる。
 (2)水の関与
    雪が融け始めると、しまり雪は次第に大きな粒子のざらめ雪に変化する。
    気温が下がって凍結すると安定した乾いたざらめ雪になる。
 (3)霜ざらめ雪への変化
    雪粒子間で温度差があると、蒸発と凝結が起こり霜の結晶に変わり弱層となる。