笠ヶ岳 穴毛谷 山スキーと四の沢ピナクル


日時    5月2−5日
メンバー  園田、森本(岩雪こぶし)、藤田(Berg松涛)


2,3日
 明石22:00 「はりま」の八木、石田パーティーと合流。新穂高温泉に着いたのはもう夜も
 空けてしまっていた。今日は一の沢までの一地時間だけ。林道をとろとろ歩く。
 無駄の象徴のような見苦しい堰堤の先にもう一の沢が見える。今晩の酒のアテに少しのタラ
 の芽と豊富にとれる蕗のとうを取りながら、一の沢出会いの対岸の高台にテントを張る。
 さっそく「はりま」パーティーと共に明日の偵察。四の沢出合まで一時間。きれいなピナクル
 が見える。登攀用具をデポして今日はこれまで。春の香り(蕗のトウ、タラの芽)で前祝いの飲み会。
4日
 05:00 テン場出発。06:00 出合、「はりま」パーティー左のルンゼからつめる。
 我パーティーはまだ奥へ、そして左俣をだんだん傾斜の上がる雪渓を登る。見た目よりハード
 とても1時間やそこらでは取り着けない。さらに目的とした「ノープログラム」はどうも崩壊し
 いるようだ。剥げたその上の岩も今にも落ちそう。しかたなく何にもせずに帰るわけにもいかず
 左手のチムニー状へ向かう。悪いシュルンドを越しテラスに着く。最初の1,2ピッチはこの雪
 稜の下でパスしたことになるようだ。チムニー左のフェイスに良さそうなリスがはしっている。
 これを狙うこととし、さっそく準備開始。
 ノーザイルでやや左気味にルンゼをつめ、確保点を作る。園田さんフリーとエイドのミックスで
 右のリッジに上がり,30m程でピッチをきる。カムが使えずやや時間がかかった。
 「はりま」パーティーが尾根に上がったのが見える、手を振ったが確認できたかどうか?
 12:00 「はりま」との交信、稜線に出て、大休止中。順調そうなので、先に下山し我々のために
 新穂高までビールの買出しを強引に頼み込む。八木さんいやいやながら「できれば...」の返事。
 さてこちら、やっと本格的な登攀開始。チムニー右手にはボルトラダーのルート、しかしその
 先が悪そう、もちろん園田さんがボルトラダーを選択するはずがない。右手の左傾した小さな
 凹角を狙う。思ったほどカムが使えず、ネーリングでコツコツと進める。かなり悪そう。途中は
 フッキングも入って1時間半で20m程度。ピッチをきる。
 クリーニングを終了し3名がピッチに着いたのはもう14:00、この先進めてもそれほど面白そうにも
 なく、時間も気になる。明日のスキーへの余力も残したいので本日もこれまで。
 懸垂2回でデポ地点。最後の懸垂後、ザイルが引っかかり登り返し。よくあることだが、ザイルを
 抜く最後の瞬間に先が跳ねて絡んでいた。こんなことならクライムダウンすれば良かったに。
 
「 四の沢 ピナクル東南壁」
ギヤー
  キャメロット #0  1
  フレンズ #1,1.5,2  2
  バガブー         2
  ナイフブレード      3
  アングル         2
  クイックドロー      10セット
  カナビナ         5
  シュリンゲ(タイオフ)  5
  ロープ(9mm 、50m)   2本

 
5日 
  今日は楽しさだけが待つスキーである(はず?)
  6:00 出発、四の沢出合 6:50 、 大滝 8:00 このあたりからはデブリが激しく、また傾斜も
  あり、シール歩行をあきらめ担いで登り始める。
  いよいよ傾斜の厳しくなり、アイスバーンをアイゼンなしで、緊張しながらの中、前パーティーの
  赤布が左に回りこんでいる。どう見ても本谷は直進なのに。地図で確認しようかと思った瞬間、
  森本君の叫び、「落氷!」 見上げれば大小さまざまな凍った雪の群れが降ってくるではないか。
  園田さんは逃げ足早くこのバーンの急傾斜を走って逃げたようだ。小生はメットを着けてなかった
  のを瞬間気づきながらも、ぎりぎりまで見て大きな雪塊を避けた...つもりが右肩にヒット。
  激痛、しばらく痺れて動けない。骨折か何かやったかな?
  しかし幸い大事にいたらず徐々に痛みも引き、こんな危険な所でモタモタしてるわけにもいかず、
  先ほどの左への赤布の方へ逃げる。そこはなだらかな雪面に続くルート。こっちが正規のコース
  なのか。落雪のお陰でルートを間違わずに不幸中の幸いと思うこととする。
  昨日、ピナクルからの帰りに眺めたあの杓子平の爽快な雪面が徐々に開けてくる。
「 園田さん豪快にテレマークターン」
  この日も快晴。雲ひとつない紺碧のスカイラインに向かって一歩一歩、帰りの爽快であろうダウンヒル
  を想像しながら、我慢のまた一歩。8名ほどの団体がコルのキャンプを張り、頂上から滑ってくるの
  出会う。俺たちももうすぐ、シール歩行に変え、時々右後ろの穂高、槍を見る振りしながらまた休憩。
  11:00 稜線途中だが時間と滑りの余力の必要性からこのへんから大休止の後、大雪面を好きほうだい
  のそれぞれのコース取りで滑降開始。苦労の後のこの幸せ。5時間かけて登ったこの喜びをゆっくり
  楽しみながらと言いながらも高度は「あっと」云う間にどんどん下がって、もう先ほど落雪を受けた
  斜面に着いてしまった。雪はこの2時間の間にかなりゆるんで、なんとかスキーを履いたまま下れた。
  50分で二の沢出合。終わってしまった。テン場に着いたとたん疲れがどっとでる。
  30分程の休憩でちょうど交信の時間13:00、今日は休養の「はりま」パーティーに車をゲートまで
  頼み、また春の芽ぐみを摘みながらゆっくり新穂高へ。温泉、そしてもちろんビール、ビール。
  何か色々あったが、しばらく軟弱な山行しかやってなかった体にはちょうどいいトレーニングにもなり、
  三日とも快晴の天候にも恵まれ...よかったよかった。
                     記    藤田