第1回で何を取り上げようか悩んでしまったが、ここは王道のキングクリムゾンに決めた。プログレッシブロックの中では、かなり有名なバンドでファンが多い。数々の伝説が残っているグループでもある。あのビートルズの名盤アビーロードを、チャートから引きずり降ろした、ファーストアルバムのクリムゾンキングの宮殿の話は有名である。シングルが切りにくいプログレッシブロックにおいて、ファーストアルバムからA、B面1曲という形で、クリムゾンキングの宮殿が日本で発売されたのは快挙と言うべきであろう。


ロバート・フィリップのエモーショナルでアグレッシブなギター、当時エマーソン・レイク&パーマとして活躍していたボーカル&ベースのグレック・レークのイギリス的な陰影のあるボーカルは、当然のことながら僕らを魅了した。


それでは、キングクリムゾンのベストアルバムはなんであろうか?。ファーストアルバムから順番に聞いた者としては、(日本では、確か、サードアルバム、ファーストアルバム、セカンドアルバムの順番で発売されたと、記憶しているが)アルバムに対する思い入れが他のレコード評とは若干異なっている。


一般的には、太陽と戦慄あたりからの、所謂第二期キングクリムゾンを代表作とする愛好家が多いようである。しかし僕は、第一期キングクリムゾンが大好きである。勿論ファーストアルバムのクリムゾンキングの宮殿は、誰もが認める名盤だが、評価の低セカンドアルバムのポセイドンのめざめは、ジャケットがすごく好きだし、B面のデヴィルズ・トライアングルは退屈だが、アルバムタイトル曲をはじめ、独特なキングクリムゾンワールドを作り出している。サードアルバムのリザードにおいては、不気味なスリルを味あわせてくれる。


そして、なんといってもフォースアルバムのアイランドに至っては、ひとつの完成形としてのキングクリムゾンがそこにはあると僕は思っている。ジャズ的なアプローチや、クラッシック的なアプローチが光っていて、アルバムタイトルのアイランドで僕は涙が止まらなくなってしまう。僕にとってのキングクリムゾンは、フォースアルバムまでである。勿論太陽と戦慄、レッド、スターレス・アンド・バイブルブラックも嫌いではないが、なにか違うのである。


それから、あまり評判の良くないアースバウンドという、ひどく音の悪いライブアルバムがある。僕は、ロックとは商品である前にパッションだと思っている。この荒削りな音こそ、若きキングクリムゾンの本質であり、彼らの叫びではないか。音が悪かろうが、演奏が荒削りだろうが、このアルバムは僕を熱くするのである。アースバウンドは、決して駄作ではない。当時のキングクリムゾンの、パンク的側面を窺わせるアルバムではないかと僕は思っている。異論はかなりあると思うが、僕は第一期キングクリムゾンが軽く扱われていることが、非常に腹立たしく思えてならないのである。







//















//







*クリムゾンキングの宮殿/リザード/アイランド
国内オリジナル盤