首地蔵


 山梨市八幡から甲府市積翠寺に向かう県道を上がっていくと、水口地区の中程に県道をふさぐ形で小さな首の載った大岩がある。これが水口の「首地蔵」である。

 組の案内板によると、今から数百年前にこの地域に大雨が続き山の地盤がゆるみ、大きな土砂崩れがあり組内数戸が崩壊したある日、山の中腹より巨岩が転落し齢十二三才の子守娘と背負った赤子が下敷きになって死亡した。
 以来、この地域の赤子がひどい夜泣き、何かに怯える様になった。落ちた巨岩からは夜になるとすすり泣きの声が聞こえたとも言う。住人からは娘の霊が祟っていると噂された。
 その後、この地域を訪れた旅僧がその事を聞き、娘の慰霊のために石を彫って地蔵の首を造り、巨岩の上に乗せ供養をしたところ、赤子の夜泣き等はすっかりおさまった。
 村人達は「首地蔵」と仰ぎ香華を捧げ怠ることはなかったという。

 現在でも毎年彼岸の中日には、組を挙げて祭典供養が行われている。


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