Tsugee! JAPAN - 人生をカスタマイズ - 人生のヘルプ

北冬書房公式サイト「万力のある家」  つげ忠男・うらたじゅん公式サイト「夢幻堂」
馬場つげ研ニュース - 2006年5月13日(土)

「教科書に載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」に載らないネット時代のつげ義春(1)mixi旋風と変貌するつげファン地図

SNS(ソーシャルネットワークサービス)ミクシィの躍進が目覚しい。設立から2年あまりでユーザー数は300万人を突破、ポータル化を狙ったビジネスモデルの構築も着々と進んでいる。一部では“ヤフー越え”も囁かれるミクシィの急成長だが、実は最近、思わぬところで波紋を呼んでいる。そう、つげ義春である。膨張するミクシィがWebのつげワールドを大きく変えているのである。

つげ義春とネットの関係は、長らく<コンテンツの公式サイト>と<場としての「隠れ板」>という二極構造が続いていた(※隠れ板:老舗ファンサイト『つげ義春の隠れ家』の掲示板「つげ義春の隠れ掲示板」のこと。1998年10月4日開設、現在も稼動中)。コンテンツに関しては、注目すべき情報・見解を発信するファンサイトも幾つか登場したが、それらを共有すべき肝心の場は、今まで「隠れ板」のほかに存在しなかったと言っても過言ではないだろう。もちろんファンサイトは各々掲示板を設置して、ファンの呼び込みを行っていたし、日本最大の匿名掲示板「2ちゃんねる」にも、多くのつげスレがあった。が、どれも今一つ盛り上がりに欠け、残念ながら、交流と言えるほど対外に開いていたとは言えなかった。

こうした状況に風穴を開けたのが、ミクシィが誇るコミュニティ機能である。クリック数回で開設できて、クリック数回で参加できる――そんなコミュニティの利便性は、ブログ全盛の時代において、そこまで驚くべきものではないはずだが、結果としてはこれが大当たりした。2006年5月13日現在、「つげ義春」のコミュニティには5200人を超えるファンが参加し、活発な書き込みで活況を呈している。仕様の問題、参加人数の問題、温度差の問題。今までつげファンサイトが抱えてきた様々な難題をクリアした新たな場の台頭で、Webつげ界の中心は確実に「隠れ板」から移行しつつあり、今後その動きが加速度的に進展することは疑いようがない。

では、今後、ミクシィ・コミュニティは、かつてサイト管理人の誰しもが夢見た、ファン同士の交流の場になるのだろうか。ぜんたい、なることができるのだろうか。しばしネット時代のつげ義春を追って、世界地図を描いてみることにした。


「つげ義春」の情報力

「当時の貸本漫画はネタをさがせばいくらでも他人の写真や絵を参考にした絵がみつかります。それはパクリというよりも時代の共有財産であるサブカルチャーからの引用であり、コラージュのように別の作品と考えられます。貸本漫画家同士のオマージュとして同業者のキャラクターを描く事もよく行われていたようです。つげ義春も例外ではなかったというだけです。(例=「沼」の少女の顔と永島慎二の作品の少女の絵の関係。つげの忍者漫画と白土三平の忍者の顔。手塚の「罪と罰」の少年とつげの少年。)そしてそれを発見する事が読者の楽しみでもありました。当時、貸本文化を享受していた世代からいうと、それは暗黙の常識で、パクリという表現は適切ではない気もします。
そこであまり知られていない写真ですが、「庶民御宿」の1カットととても似ていると思いませんか? 」


下は問題の写真を反転したもの。
『庶民御宿』
この文章と写真は、2005年8月12日、コミュニティ「つげ義春」に投稿されたものである(ただし、反転とマンガのスキャンは当会による)。投稿者名は砂人、SM雑誌にイラストを描く絵師だ。砂人氏の言うように、この写真が『庶民御宿』の元になったのは間違いないように思われる。

つげが撮影写真を絵の下敷きにしていたことはよく知られているが、実際にどの絵にどの写真が使われているのかについては、未だ判明していないケースが多い。判明している極少数も、後日公表されたつげ所有の写真や、馴染み深いグラフ誌に掲載されたものばかりで、つまり、ほとんどが作者自身の手で種明かしされている。かつてSF作家にして機関車マニアの野田昌宏が『ねじ式』機関車の元写真を探し当てたというが、今回はそれ以来とも言える快挙、つげ資料の中でも特A級の情報であるだろう(転載を快諾していただいた砂人氏にこの場を借りて御礼申し上げたい)。

貴重さをいっそう増しているのは、この写真が、氏のようなアンテナを備えた人でなければ、そもそも目にすることすらないものだということである。それが5000余のつげファンの眼前にもたらされたのは幸運というほかなく、氏を呼び寄せたミクシィは、確かに強大な力がある、有用な場であるといえる。(この項つづく)

【参考リンク:HP「犬屋哀玩堂」砂人さんのmixi


高田馬場つげ義春研究会HP班 - 5月13日21時21分更新

掲示板にあなたの意見を書こう!


前後の記事 - [馬場つげ研ニュース]
  • ネット時代のつげ義春(2)


    記事一覧

  • ヘルプ・お問い合わせ
    Copyright (C) 2004 高田馬場つげ義春研究会 記事の無断転用を禁じます。
    Copyright (C) 2004 Tugee! Japan Corporation. All Rights Reserved.