米国海軍沈没記

 以前、帝国海軍沈没記 を書きましたが、日本だけでは片手落ちでしょう。
 というわけで、今回は米海軍軍艦の沈没原因についてまとめてみます。なお、余りに艦数が多い場合は艦名を省略しています。また、戦後竣工のものや、旧式のいわゆる 「フラッシュデッカーズ」 と呼ばれる駆逐艦に関しては除外しました。

 では、いきましょう。
戦艦
沈没原因隻数艦名比率
水上艦との砲雷戦0 0%
空襲および特攻2「オクラホマ」 「アリゾナ」8%
潜水艦の雷撃0 0%
事故による喪失0 0%
機雷による喪失0 0%
終戦時に生存22 「ニューヨーク」 「テキサス」 「ネバダ」 「ペンシルヴァニア」
「ニューメキシコ」 「ミシシッピ」 「アイダホ」 「テネシー」
「カリフォルニア」 「コロラド」 「メリーランド」 「ウェストヴァージニア」
「ノースカロライナ」 「ワシントン」 「サウスダコタ」 「インディアナ」
「マサチューセッツ」 「アラバマ」 「アイオワ」 「ニュージャージー」
「ミズーリ、ウィスコンシン
92%
航空母艦
沈没原因隻数艦名比率
水上艦との砲雷戦1「ガンビアベイ」1%
空襲および特攻7「レキシントン」 「ヨークタウン」 「ホーネット」 「プリンストン」 「セントロー」
「オマニーベイ」 「ビスマルクシー」
6%
潜水艦の雷撃3「ワスプ」 「ブロックアイランド」 「リスカムベイ」3%
事故による喪失0 0%
機雷による喪失0 0%
終戦時に生存99「サラトガ」 「レンジャー」 「エンタープライズ」 「ロングアイランド」
「チャージャー」、ボーグ級10隻 サンガモン級4隻、エセックス級17隻
インディペンデンス級8隻、コメンスメントベイ級10隻、カサブランカ級45隻
90%
重巡洋艦
沈没原因隻数艦名比率
水上艦との砲雷戦5 「ノーザンプトン」 「ヒューストン」 「アストリア」 「クインシー」 「ビンセンズ」16%
空襲および特攻1「シカゴ」3%
潜水艦の雷撃1「インディアナポリス」3%
事故による喪失0 0%
機雷による喪失0 0%
終戦時に生存24 「ペンサコラ」 「ソルトレークシティー」 「チェスター」 「ルイスヴィル」
「オーガスタ」 「ポートランド」 「ウイチタ」 「アラスカ」 「グアム」
ニューオリンズ級4隻、ヴァルティモア型11隻
77%
軽巡洋艦
沈没原因隻数艦名比率
水上艦との砲雷戦1「アトランタ」2%
空襲および特攻0 0%
潜水艦の雷撃2「ヘレナ」 「ジュノー」4%
事故による喪失0 0%
機雷による喪失0 0%
終戦時に生存52オマハ級10隻、ブルックリン級8隻、アトランタ級9隻、クリーブランド級25隻94%
駆逐艦
沈没原因隻数艦名比率
水上艦との砲雷戦16条約型駆逐艦11隻、フレッチャー級4隻、護衛駆逐艦1隻2%
空襲および特攻24条約型駆逐艦9隻、フレッチャー級12隻、サムナー級3隻、護衛駆逐艦2隻3%
潜水艦の雷撃15条約型駆逐艦6隻、護衛駆逐艦9隻2%
事故による喪失14条約型駆逐艦10隻、フレッチャー級2隻 護衛駆逐艦2隻2%
機雷による喪失3条約型駆逐艦2隻、フレッチャー級1隻0%
終戦時に生存811条約型駆逐艦131隻、フレッチャー級156隻 サムナー級67隻
ギアリング級41隻 護衛駆逐艦416隻
92%
 では、前回と同じくデータをまとめてみましょう。
沈没原因戦艦空母重巡軽巡駆逐
水上艦との砲雷戦0%1%16%2%2%
航空機による空襲8%6%3%0%3%
潜水艦による雷撃0%3%3%4%2%
事故による喪失0%0%0%0%2%
機雷による喪失0%0%0%0%0%
終戦時に生存92%90%77%94%92%
 日独の戦果を合わせたとしても、撃沈した軍艦は米海軍のごく一部であることが明らかになっています。

 また、「アリゾナ」 「アトランタ」 「シカゴ」 など、沈没した主力艦のほぼ全てが、開戦からガダルカナル戦までの、戦争の序盤で沈んだ艦であることが見てとれます。つまり、ガダルカナル以降の戦いでは、米主力艦は全くといっていいほど沈没していないのです。

 昭和19年秋以降、日本軍は組織的な特攻を開始しました。しかし、この攻撃で沈没した軍艦は、護衛空母3隻と駆逐艦以下の小艦偵のみでした。
 特攻はそれなりの命中率があり、航空機の燃料による火災も期待できたため、米軍に一定の脅威を与えたのは事実です。しかし、ほとんどの場合では小型爆弾の散発的な命中にしかならず、ダメージコントロールの優れた米軍艦を沈めるまでには至りませんでした。
 では、日米比較をいきます。機雷および事故による喪失は、比率としては小さいのでここでは省略しています。よって各データの合計値が100%にならい場合があります。
沈没原因日戦艦米戦艦日空母米空母日重巡米重巡日軽巡米軽巡日駆逐米駆逐
水上艦との砲雷戦33%0%0%1%11%16%9%2%13%2%
航空機による空襲42%8%56%6%56%3%45%0%36%3%
潜水艦による雷撃8%0%36%3%28%3%41%4%27%2%
終戦時に生存8%92%8%90%6%77%5%94%19%92%
 ついでに、各種艦艇の開戦時の数と、終戦時の数を置いておきます。
 日戦艦米戦艦日空母米空母日重巡米重巡日軽巡米軽巡日駆逐米駆逐
開戦時の総数10141081818221911483
終戦時の総数12229912415233811
 開戦時には拮抗というよりむしろ日本優位 (米国は太平洋と大西洋に戦力を二分せざるを得ないため) と言える状況ですが、終戦時には五倍、十倍と言ったレベルでなく、20倍以上の戦力差になっています。

 さらに言うならば、米軍はこれが全力と言うわけではありません。終戦を見越し、建造を中止した艦はいくらもあります。

 ハワイ、マレー、スラバヤに大勝し、ソロモンであそこまで粘ったことはまことに立派ではあるものの、やはりアメリカは日本の敵う相手ではなかったのです。
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