
にじあす! New Edition
(1ぺーじ)
BGM「Dazzling Morning」
2007年11月。
ラニーニャ現象だかなんだかで、ついこないだまで夏だと思ったら、もう冬の寒さが到来してきていた。
そう、こんな季節は布団の中からなかなか出られないという経験は皆さんお持ちであろう。
そして、この物語の主人公・マイケルにも……。
「はーやーくー、起ーきーなーさーい!!」
「……うーん」
階下から母親の叫び声が聞こえる。
しかし僕は布団にしがみついて、いっこうに起きる気配を見せない。
そんな僕の耳元に、囁き声が響いてきた。
「……マイケル」
聞きなれた、ちょっと甘い声。
「……早く、起きてよ、遅刻しちゃうよ?」
この声はもしや……沙耶?
いや、ありえないな。沙耶がうちに来たことは1回しかないはず。
「うーん……あと、2分20秒……」
そういって、おそらく妄想か、あるいは夢の続きであろうこの甘い声から逃げようとする。
「……おはようのキス、しちゃうぞ」
あれ?沙耶ってこんな事いう奴だったっけ?
でも、されちゃうのもいいなぁ〜。どうせ夢の続きだし。
「ぅーっ」
ちょ、マジかよ、こうなりゃヤケだーー、おはようのk
バチーーーン!!!
暖かい感触が頬を伝わり、それはやがて痛みに変わった。
そして僕の目はハッキリ醒めた。
「ぉらぁ、早く学校行くぞ!!遅刻するじゃないか!!」
「ジャ、ジャンピー??あれ、沙耶は何処に??」
「いねーよw」
僕の目の前にいたのは、竹馬の友ジャンピー。本名、河津晴喜。といっても悪友であることは間違いない。
【Image】
「ほらっ、さっさと行った行った!!遅刻したら晩御飯抜きだからね!!」
母の叫びが再び階下から聞こえる。
時計を見ると……早歩きで間に合わない時間ではない。
たまに気を利かせて起こしに来るジャンピーに、少し感謝と恨みを覚えるのであった。
あのまま沙耶とおはようの……
通学路。
「……お前本当に他の奴の声真似うまいよなぁ」
「そうか?『お前本当に他の奴の声真似うまいよなぁ』」
ジャンピーは見事に僕のさっきのセリフを真似して見せた。
彼の特技、声真似。僕や沙耶の真似など彼にはたやすい。
「ひょっとしてお前、本当に沙耶ちゃんのキス待ってたとかないよな?」
「ぅ……うるさいなぁ」
「図星かww まぁ早く学校行こうぜー。」
さすが幼馴染み、僕の考えは完全にお見通しってわけか。
あの妙にリアルな『おはようのキス、しちゃうぞ』も、彼の声真似だったわけだ。
「待てよー」
駅に向かって走り出すジャンピーを追いかける。
時計を見ると、確かに次の電車を逃すとやばそうだ。
「おっはよー」
教室に着くなり挨拶してきたのは、沙耶の双子の妹・沙羅だった。
姉妹とても仲がよく、隣のクラスなのによく遊びに来ているのだ。
【Image】
「おう、おはようー」
すかさず挨拶を返すジャンピー。
「あっマイケル、ジャンピー、おはよう」
すこし恥じらいげに挨拶してきたのが、僕が慕い続けた、そして今まで守り続けた少女・沙耶である。
「お……おはよう」
今朝のこともあって、まともに彼女の目を見られない。俯き気味で挨拶を返す。
「な〜に恥ずかしがってんのよ、マイケル」
当然のごとく、何も知らない沙耶は訝しげにこちらを覗き込む。
【Image】
「え…もしかして私なにかしたかなぁ?」
「気にする事ないって!あんた沙耶泣かせたらぶっ飛ばすからね!」
沙羅がすかさずフォローをいれ、同時に僕に釘を刺す。
「そんな事ないよ、大丈夫大丈夫。」
まさか沙耶のおはようの……とか言えないしなぁ。
「そうかな?調子が悪いんなら言ってよ?」
クラスで保険委員の沙耶は、こういう時こそ出番とばかりに僕を心配そうに見てくる。
そんな時、佐嶌先生が教室に入って来た。
「ほら席につけー、HR始めるぞー。」
時計を見るともう8時半を回っている。誰一人とチャイムに気付かなかったらしい。
「あっ……じゃ私3組戻るわ。まったねー」
そう言って沙羅が教室にあとにする。
気が付いたら、同じ授業ばかり受けてる。そしていつも同じ奴が寝る。
そんなわけで、気が付いたら昼休み。横でジャンピーがいびきをかいていた。
「マイケル、購買にお昼ごはん買いに行かない?」
沙耶がいつものように誘ってきた。
昼食は購買で買ったり、母クラリスの弁当だったり。今日は仕事忙しいからと言われて昼食代500円を渡されていた。
そして沙耶とジャンピーと、隣のクラスから沙羅と、沙羅の親友でジャンピーの彼女の芽衣と、5人で昼食をとるのが日課になっていた。
「ジャンピー起きろよ、昼飯買いに行くぞ!!」
いつまでもよだれを垂らして寝ているジャンピーをたたき起こす。
「……ぉぁ」
ジャンピーが目を覚ます。
「じゃ、行こうか!!」
そんなわけで購買にたどり着いた。
「キャアアアァァ!!」
「な、なんだ!!?」
たどり着くや否や、誰かの悲鳴が聞こえた。
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