旧名古屋控訴院

正式名称:重要文化財旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎

(現:名古屋市市政資料館)

愛知県名古屋市東区白壁1丁目3番地


名古屋控訴院庁舎 平成15年11月28日

概要

名古屋市市政資料館の建物は、大正11年(1922年)に当時の名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所として建設されて以来、昭和54年(1979年)に名古屋高等・地方裁判所が中区三の丸一丁目に移転するまで、中部地方における司法の中心として60年近い歴史を積み重ねてきました。

赤い煉瓦と白の花崗岩、緑の銅板、そしてスレートの黒を組み合わせた荘重で華やかなネオ・バロック様式の外観は、隣接の特別史跡名古屋城と一体となり、建物が建っている外堀界隈の景観を引き立て、地域のシンボルとして長く人々の印象に刻み込まれてきました。

こうした歴史的背景と建築美をもつこの建物を、名古屋の貴重な文化遺産として、いつまでも残してほしいとの市民の要望にこたえ、名古屋市は国(文化庁)や県の補助を受けて建物の保存・復原修理の工事を行い、平成元年(1989年)には「名古屋市市政資料館」として整備・再生させました。
そして、国の重要文化財(昭和59年指定)として保存・公開するとともに、名古屋市の公文書館として名古屋市の誕生から今日にいたるまでの行政文書や資料を保存し閲覧しているほか、この建物が市民の憩いの場となるよう会議や集会、展示のためのスペースも備えています。

(資料館のリーフレットより)


重要文化財 旧名古屋控訴院庁舎

この建物は、全国8ヵ所に設置された控訴院庁舎のうち現存する最古のもので、大正11年(1922)9月、4年余の歳月と当時の金額にして約90万円をかけて名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎として竣工しました。
設計監督は、司法省営繕課があたり、司法技師金刺森太郎が主任として工事を担当しました。
建物は煉瓦及び鉄筋コンクリート造三階建てで、建物面積は2341平方メートル(延床面積約7000平方メートル)、地上から塔屋先端までの高さは約28メートルです。

この建物の外観は、正面中央にドームの架かった塔屋をあげ、外壁は白い花崗岩又は人造石を用い、赤い煉瓦タイルと美しい色彩の対比を示しています。
屋根は塔屋以外は天然スレート葺です。

この建物は、ネオ・バロック様式を基調としたデザインで、当時の官庁営繕の動向を知る上からも、また、近代建築の構造技法の変遷を知ることのできる点からも注目すべき好例です。

昭和59年(1984)5月21日に国の重要文化財に指定されました。

全国の控訴院建築

明治22年(1889)大日本帝国憲法が発布されたのに伴い、司法の分野においても、裁判所構成法などにより近代的な司法制度が定められました。
裁判所構成法はドイツにならい、大審院・控訴院・地方裁判所・区裁判所の組織形態をとり、大審院は東京に、控訴院は7ヵ所(のちに8ヵ所となる)に、地方裁判所・区裁判所は各地に設置されました。
裁判所庁舎は、従来の建物を転用した木造から、大審院をはじめとして煉瓦造へ、更に鉄筋コンクリート造へと、時代とともに変遷していきます。
控訴院庁舎も、明治10年(1877)竣工の建物を転用した長崎控訴院から、大正15年(1926)竣工の札幌控訴院まで、その構造・様式・規模ともさまざまです。
全国8ヵ所の控訴院庁舎のうち、現在も残っているのは、札幌と名古屋の2か所のみです。

全国の控訴院
札幌控訴院(現存)、宮城控訴院、東京控訴院、名古屋控訴院(現存)、大阪控訴院、高松控訴院、広島控訴院、長崎控訴院

(資料館発行のガイドブック「常設展示案内」より)


中央階段室




中央階段室





(平成15年11月28日)

名古屋市市政資料館 常設展示案内

建物展示
第1常設展示室=名古屋控訴院メモリアル
第2常設展示室=会議室(復原展示室)
第3常設展示室=名古屋近代展示室
市政展示
第4常設展示室=名古屋市の歩み
第5常設展示室=市勢の発展
第6常設展示室=名古屋の都市形成
第7常設展示室=今日の市政と国際化
司法展示
第8常設展示室=明治憲法下の法廷(復原展示室)
第9常設展示室=現行憲法下の法廷(復原展示室)
第10常設展示室=司法制度の理念
第11常設展示室=陪審法廷(復原展示室)

(資料館発行ガイドブック「常設展示案内」より)


市政資料館の事業

重要文化財の保存と公開
名古屋に残された貴重な文化遺産である重要文化財「旧名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎」を保存・公開しています。
名古屋市の公文書館
市民の皆さんが、名古屋の過去を尋ね、未来を考えようとするとき、貴重な資料として参考となる公文書や市政資料を保存し、閲覧サービスを行っています。
集いの場
市民の皆さんが、会議や集会、研究会、講習会、作品展示などの文化活動を行うため、スペースを貸し出しています。(有料)

(資料館のリーフレットより)


ご案内

開館時間
午前9時〜午後5時
休館日
月曜(祝日にあたる場合はその翌日)
毎月第3木曜日(祝日にあたる場合は第4木曜日)
12月29日〜1月3日

交通案内
地下鉄名城線「市役所」下車、東へ徒歩8分
名鉄瀬戸線「東大手」下車、南へ徒歩5分
市バス「市政資料館南」下車、北へ徒歩5分
市バス「清水口」下車、南西へ徒歩8分
市バス「市役所」下車、東へ徒歩10分

(平成15年12月13日現在)


訪問記

「市政資料館」というと図書館のようなところをイメージしてしまいますが、常設展示は見ごたえがあります。
資料館の建物自体が資料です。明治〜大正期の近代建築史についての展示(模型・ビデオ等)もあります。
そういうわけで、分類は「建物」とさせていただきました。
また、3階には復原された法廷や会議室が、1階には復原された留置場などがあり、見学することができます。

写真撮影できるのは外観と中央階段室の2か所だけです。常設展示室は撮影禁止です。
また、ホームページなどに写真を使用する場合は許可が必要となります。
事務室の職員の方に相談してくださいね。
このページも掲載承諾の申請をして許可をもらった上で作りました。

(平成15年11月28日訪問)


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