届いてみると、やっぱり凄いぞインド人の工作。


BAJAJはインドで生産されているオート三輪です。

原型はイタリア
PIAGGIO社APEというオート三輪。
インドに旅行されたことのある方は、オートリキシャ
auto-rickshawの名前で記憶されているでしょう。
このほど、富山の
タケオカ自動車工芸さんが輸入を始めました。

・7月22日納車!
 
7月22日に納車になりました。船便は6月末に届いていたのですが納車まで3週間かかりました。
 どうもバラバラの状態で到着したようです。「コンテナを開いてみたらバラバラ」を想像すると笑ってしまいますが、タケオカさんの方で自動車の形に組み立ててもらったものを高岡まで取りに行きました。

・走るとどうだ
 
心配していた動力性能ですが、平地では時速60kmで走れます。十分交通の流れについていくことが可能です。予想通りカーブではたいへん不安定で、かなり減速しての走行を強いられます。ホイルベースもトレッドも短く直進安定性はよくありません。路面の小さな凹凸をひろってポンポン跳ねます。
 現地では積載350kgの荷車ですから、後輪のサスはガチガチに硬められています。路面に開いている小さな窪みでもポンポン跳ねてしまいます。前照灯は暗く路面の状態を十分観察できませんから、道路の窪みや穴が視認できない夜間走行はしばらくひかえようと思っています。
 三分割されたフロントガラスの左右はアクリル製で、左側には納車の時からスリ傷も。ここが対向車のヘッドライトで乱反射するのも、夜間に運転したくない理由のひとつです。
 困ったのは手荷物を乗せるスペースが運転席回りにまったくないことで、荷台にトランク代わりのポリボックスを置いて手回り品を乗せることにしました。
 ギアはまだ渋く、始動時にニュートラルに入らないことがしばしばです。そういう時はちょっと(ほんとに10cmくらいでも)押してやるとギアの噛み合わせが外れてくれるのですが、路上でエンストしたときに押さなくてはならないというのは一寸冷や冷やものですね。ただしこの場合、完全に下車しなくても左側に両足を降ろせば噛みこんだギアを外す程度に動かすことはできます。
 後退ギアを実現するために、レバー操作で逆転ギアを一枚噛ませる方法をとっていますが、このギアも渋い。うまく噛み合わないと近所迷惑な「ギャリギャリ」という大音響を立てるものですからバックはもっぱら押して済ませています。

・仕上げはどうだ
 
塗装以外の仕上げはなかなかです。プラ部品も最初から割れてるようなところはありません。塗装は薄く仕上げもツブツブで、全体に梨地仕上げのような状態です。窓枠やルーフの雨樋などは塗れてません。どうもインド人はしゃがんだり台に登ったりしてスプレーガンを吹いたりしないようで、見えない方向は塗り残しが目立ちます。フェンダーの裏、荷台の一部などは男らしい裁ち落とし仕上げで、絶対ここから錆びが始まるでしょう。しかし総合的にはまずまずの仕上げと言えるのではないでしょうか。

・世間のひとの視線はどうだ
 アイキャッチは抜群で否定的な評価はあまりありません。これだけ人目を引く存在なら、広告などに使うことも可能でしょう。
 女性は「かわいい」、男性は「これ何cc」という反応です。何故男性は排気量にこだわるのか??ほとんどの方の質問は「これ何cc」で始まります。

・BAJAJの法律上の取扱い
 外国製乗用車を輸入するにあたっては法に定められた前面衝突安全試験をクリアする必要があります。三輪乗用車は構造上この前面衝突試験をパスするのは不可能です。したがって、今後も海外の三輪乗用車が日本に新規輸入される可能性はありません。
 例外はトライクと呼ばれる三輪車で、これは二輪車の範疇に含まれるため前面衝突試験を免除されています。
道路運送車両法においてトライクの条件は、「またがり式の座席、バーハンドル方式の舵取り装置及び3個の車輪を備え、かつ、運転者席の側方が解放された自動車」とされています。
 BAJAJはこの条件を備えるため二輪車として登録されます。さらに排気量が250cc以下で全長全幅全高の数値が規定内であることから、車検がいらない軽二輪車での登録を実現しました。なおインドで販売されているBAJAJをそのまま持ち込むと全長がわずかに軽二輪車の枠を越えてしまいます。今回輸入されたモデルは規制をクリアするために全長を5cm縮めた日本仕様の特製品です。ちなみに本車のようなピックアップショートデッキ型で4サイクルエンジンを使ったモデルはインドでは販売されておりません。

・BAJAJの運転に必要な免許
 運転免許区分は道路運送車両法とは別個に道路交通法で規定されています。軽三輪免許が廃止された際に普通免許に吸収された経緯があるため、原動機付き自転車を除く三輪車の運転には普通免許証以上が必要とされています。このためBAJAJは普通免許証で運転可能です。同時に運転にあたってヘルメットの着用義務はありません。


         

・インドのBAJAJ事情〜BAJAJ?かbajajか?
 
BAJAJ」じゃなくて「bajaj」が正しいんじゃないの?いえいえ、これでいいのです。2004年1月から、BAJAJ Auto のロゴは大文字に変更になりました。左側が従来のもの。右側が新しいロゴになります。「なぜbajaj auto は小文字なのか?」という、インドの謎がひとつ消えました。

・インドのオートリキシャの色
 インドのオートリキシャは上半分が黄色に、下は黒に塗られています。南インドの一部では、
全体を黄色に塗るものもあるそうです。Benaresのものは白地に青線が入ると教えていただきました。公害対策からデリーに導入された、CNGエンジンのオートリキシャは、緑色と黄色に塗り分けられています。ピックアップは好きな色に塗られています。

・オートリキシャモデルのエンジン位置
 ピックアップ系BAJAJのエンジンはすべて運転席の下にあります。オートリキシャの中には後部座席下にエンジンを置いたリアエンジンのモデルもあります。これはインド独自開発の改良モデルで、騒音や振動、居住性が改善されています。

・オートリキシャモデルのエンジン位置の見分けかた
 これには簡単な見分け方があります。(われわれには全く必要ない知識ではありますが・・)後ろから見て車体後部に点検用のハッチが付いているのが後部エンジン式のオートリキシャです。ハッチには冷却用のルーバーが切ってあります。側面から見た場合、後輪を覆っているフェンダーが丸いものはリアエンジンタイプ、後輪フェンダーが流線型のものは運転席下にエンジンがあります。運転席より前は同一で区別はつきません。

・このまま消えるのかネパールのBAJAJテンプー
 インドのお隣ネパールでもBAJAJのタクシーが使われています。現地ではテンプーと呼ばれており、カトマンズには4000台が走っています。整備不良のディーゼルエンジンから黒煙を吐くテンプーは、カトマンズの大気汚染の元凶とされてきました。
 そこでネパール政府はBAJAJに代わる公共テンプーとして三輪電気自動車の配備を始めました。サファー・テンプーと呼ばれる白くクリーンな電動三輪車が成功するかどうかが注目されています。電気テンプーの廃バッテリーをどう処理するかとか、問題は多々あるようです。

インドネシアのBAJAJは二灯式ヘッドライト
 インドネシア・ジャカルタなどでも、インドから輸出されたBAJAJのタクシーが走っています。交通法規の関係でしょうか、インドネシアで見られるBAJAJはヘッドライトが二つ付いています。アメリカもヘッドライト二つが必要なようで、アメリカで販売される
BAJAJ USA仕様も奇妙な二灯式のライトが付いてます。メガネをかけたのび太くんみたいですね。