インターネット接続共有を利用したPCの無線ルーター化

- 2001年10月 -

 

1.レポートの概要
 
  ● Windows 98 SE 以降は「インターネット接続共有」機能が標準で付いていますが、これを利用する
ことにより複数PCによるインターネット同時接続が可能となります。

自宅ではメルコのエアステーションを使い既にそれは実現していますが、今回はエアステーションの
代わりにPCを無線ルーターとして使って同様の環境を構築する実験を行いましたので、その結果に
ついてレポートします。

 

 

2.インターネット接続共有とは?
 
  ● サーバーPCに「インターネット接続共有」を設定することによりサーバーPCのインターネット接続環境
(ダイアルアップ接続やLAN接続)がクライアントPCからも共有できます。つまり、xDSLやCATVなどの
常時接続であれば、クライアントPCにおいても同様の常時接続が実現できることになります。常時接続
環境を共有するためにはサーバーPC側はインターネット接続用とクライアントPCとの接続用の2枚の
NICが、クライアントPCではサーバーPCとの接続用のNICがそれぞれ必要となります。

サーバーPCに「インターネット接続共有」を設定するとクライアントPCのNICにはサーバーPCのDHCP
からプライベートIPアドレスが自動的に割当てられます。クライアントPCからインターネット側に向けて
パケットが送信されるとサーバーPCのアドレス変換機能(NAT)によってプライベートIPアドレスは
インターネット接続用NICのIPアドレスに変換されます。これによりクライアントPCからもインターネット
へのアクセスが可能となります。

尚、 Windows 98 SE の場合は「アプリケーションの追加と削除」から「インターネット接続共有」を別途
導入する必要がありますが、Windows 2000 の場合は当該機能が標準で装備されており追加導入の
必要はありません。

 

 

3.PCの無線ルーター化実験の目的
 
  ● 「インターネット接続共有」を設定したサーバーPCとクライアントPC間を無線LANカード間通信
(アドホック・モード)で繋ぐことにより、アクセスポイントを使わず無線LAN環境を実現する実験をして
みます。
   
   
    <実験しようとしている環境>
   
 
   
   
    <参考> 現在の無線LAN環境
   
 

 

 

4.サーバーPC (Windows 2000) の設定
 
  ● 前述のとおり、サーバーPCではインターネットに接続する側(WAN側)とクライアントPCに接続する側
(LAN側)の双方の設定が必要となります。
   
   
    <WAN側>
   
WAN側は内蔵LANポートを使うため、LANポートのTCP/IP等をプロバイダーの指定どおりに設定し
ます。

これで少なくともサーバーPCからのインターネット接続が可能になりますので、ブラウザーを起動し
Webページが正しく表示されるかを確認します。

   
   
    <LAN側>
 
LAN側はメルコの無線LANカードを使いますが、アクセスポイントを経由せずに通信できるように
クライアントマネージャーを起動し接続モードを「無線PC間通信」に設定します。

WAN側に対して「インターネット接続共有」を設定(後述)するとLAN側のTCP/IP等が自動的に設定
されるため手動での設定は不要です。もし固定IPアドレスなどが既に設定されている場合にはこれを
全てクリアします。

クライアントPCとの間でリソースを共有する場合は、さらに「ワークグループ名」の設定など共有に必要
な設定を行います。

   
   
    <インターネット接続共有の設定>
 
「LANポート」のプロパティから「共有」タブを開き「この接続でインターネット接続の共有を使用可能に
する」にチェックを入れます。

「インターネット接続の共有を有効にしますか?」というメッセージが表示されたら「はい」を選ぶと
DHCPが同時に導入されLAN側にプライベートIPアドレスが自動的に割振られます。

   
   
    <IPアドレスの確認>
 
WAN側にプロバイダー指定のIPアドレスが、LAN側には 192.168.0.1 が割振られているかどうかを
確認します。

 

 

5.クライアントPC (Windows 98 SE) の設定
 
  ● クライアントPCではサーバーPCとのネットワーク接続用のLAN設定のみとなります。
   
   
    <LAN設定>

サーバーPC側の無線LANカードとアクセスポイントを経由せずに通信できるようにするため、クライ
アントマネージャーを起動しし接続モードを「無線PC間通信」に設定します。

「IPアドレス」タブを開き「IPアドレスを自動的に取得」にチェックを入れます。

サーバーPCとの間でリソースを共有する場合は、さらに「ワークグループ名」の設定など共有に必要な
設定を行います。

   
   
    <IPアドレスの確認>
 
設定が完了したらPCを再起動し 192.168.0.x が割振られているかどうかを確認します。

 

 

6.PC間の通信およびインターネット接続・リソース共有の確認
 
  ● サーバーPC/クライアントPC間で正しく通信できているかを確認し、正しく通信できていれば次に
インターネット接続およびリソース共有を確認します。
   
   
    <PC間通信>
  
クライアントPCからサーバーPCのWAN側/LAN側のIPアドレスに対して ping を打ち、正しく返ってくる
かを確認します。

逆にサーバーPCからクライアントPCのIPアドレスに対して ping を打ち、正しく返ってくるかを確認
します。

   
   
    <インターネット接続>
 
これでクライアントPCからもインターネット接続が可能になりますので、ブラウザーを起動しWebページ
が正しく表示されるかを確認します。
   
   
    <リソース共有>
 
ネットワーク上でお互いのPCが見えているかどうかを確認します。

さらに共有フォルダなどを開いてファイル転送などが可能かチェックします。

 

 

7.実験結果
 
  ● インターネット接続およびリソース共有においては、アクセスポイントを使った無線LAN環境と同等の
環境が実現できることが確認できました。接続スピードにおいてもアクセスポイント経由の場合とほぼ
同等です。
   
   
    <結論>
 
以下のようなデメリットを除けば、例えばアクセスポイントが故障した際などには応急措置として十分
使えると思います。

・常時接続とするためにはサーバーPCの電源を常時ONにしておく必要がある。

・サーバーPCとモデム間は有線接続となるためサーバーPCの設置場所が制約される。

・アクセスポイントの付属ソフトが使えないため、無線PC同士の通信状態がチェックできない。