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中華帝國史書庫

“中国のサイト”と謳ってる以上は、私的書庫とは別に、
中国関係の書物をまとめたコンテンツが必要かと思い、
ここに書いていくことにしました。
しかしなにぶんこちらは読んだことがないものがほとんどなので、
お役に立ちますかどうか…


現在掲載冊数 176 冊


あ行
15冊

か行
39冊

さ行
57冊

た行
22冊

な行
5冊

は行
15冊

ま行
6冊

や行
2冊

ら行
15冊

わ行
0冊

書名内容等
あ行
晏子春秋(あんししゅんじゅう)著者は不明。春秋時代の斉の宰相晏嬰の言行録。晏嬰の政治についてのエピソードや、当時の説話など数多く収められている。“春秋”とは年月を記した歴史記述のであるが、晏子春秋には年月の記載がない。おそらく年代順に記述されているのでそう名付けられたのであろう。内篇六巻と外篇ニ巻の計八巻から成り、二百五十ほどの章に分かれている。
夷堅志(いけんし)志怪小説集。洪邁撰。全四百二十巻、内現存二百六十巻。著者が各地を旅行中に見聞した奇譚や逸話などを収録しているが、古録の同工異曲的なものも混入している。乾道から慶元年間に編纂され、宋代民衆の風俗を知るうえで貴重な史料となっている。
異同記(いどうき)「異同雑語」の項を参照。
異同雑語(いどうぞうご)三国時代の異説が取り上げられた書物。孫盛著。全十二巻。「異同記」「異同評」「雑記」と同じ書物と考えられている。話を盛り上げるために台詞を創作した部分が多く信憑性は薄い。曹操の「寧ろ我れ人に負くも、人をして我れに負くこと毋からしめん」は有名。
異同評(いどうひょう)「異同雑語」の項を参照。
尉繚子(うつりょうし)武経七書の一。尉繚の説を集録したものとされる。現存二十四編。作者は多説があり、謎に包まれている。しかし、山東省銀雀山の漢墓から、竹簡が出土し、後世の偽作との説は否定された。
英雄記(えいゆうき)後漢末期について書かれた歴史書。王粲・他編。全八巻(十巻とも)。後漢末期の軍閥の事績を記載している。早くに散逸した為、明の王世貞が、「三国志」の裴注などの逸文を集めて輯本を編した。
英雄交爭記(えいゆうこうそうき)「英雄記」の項を参照。
永楽大典(えいらくたいてん)類書。全二万二千九百三十七巻、目録六十巻。明の永楽帝が解縉ら二千人以上に命じて編集させた。百般の書物の記事を「洪武正韻」の文字の順序に配列したもの。建文帝の事跡を抹消し、自身の正統性を証明する目的で編纂されたため、体裁面での完成度が低いなどの急造の弊害が視られるが、佚書の文章を多く収録していることから貴重な資料となっている。大部分焼失し、現存は約八百巻。
易経(えききょう)五経の一。周易、易などとも呼ばれる。周代の占いの書。伏羲が八卦を作り、神農が八卦を重ねて六四卦にし、周の文王が卦辞を、周公が爻辞を作ったといわれている。そして、孔子が「十翼」と呼ばれている伝(解説)をつくった。この解説には、自然哲学や倫理観が含まれ儒教の基礎的な文献とされている。本文と解説書である「十翼」をあわせて全十二編。
益部耆旧雑記(えきぶききゅうざっき)益州の人物伝。陳寿著。全二巻。「益部耆旧伝」の付録。
益部耆旧伝(えきぶききゅうでん)益州の人物伝。陳寿著。全十四巻。
閲微草堂筆記(えつびそうどうひっき)清代の文語体の短編小説集。紀韵の著。全二十四巻。1789〜98年に発表した「濼陽消夏録」「如是我聞」「槐西雑志」「姑妄聴之」「濼陽続録」を合刻したものに、怪異談を集め、考証、異国の奇譚、諷刺などを交えたもの。
淮南子(えなんじ)淮南王劉安の編纂した百科全書。淮南鴻烈とも。道家の思想を基礎にして、天文・地理・政治・神話・伝説などを網羅し、漢代の民俗を知る重要な資料とされている。現存前二十一編。
塩鉄論(えんてつろん)前漢の宣帝の時、桓寛が著した書。昭帝のときに朝廷で行なわれた経済政策の議論にもとづき、武帝が行なった塩・鉄・酒などの専売の財政政策の存続の是非について、儒者と官僚の討論を対話形式に叙述した書。全十巻。
か行
楽府詩集(がふししゅう)北宋の郭茂倩が編纂した古代から唐末・五代までの楽譜集。楽府とは、漢代の音楽を司る役所のことをいい、後には楽曲にあわせて作られた歌謡や民謡を指すようになった。全百巻。
華陽国志(かようこくし)蜀郡江原県の名族の出の常璩が著した編年体の書。巴蜀を中心として、古代から桓温による李氏政権の滅亡までが取り上げられている。現存する最古の地方史。孟獲の「七縦七擒」の逸話なども含む。
漢紀(かんき)前漢について書かれた歴史書。荀悦著。全三十巻。
管子(かんし)春秋時代の斉の思想家管仲の言行録。管仲の著と伝えられるが、戦国時代から漢代にかけて成立したとみられ、戦国期の斉の稷下の学士たちが管仲に仮託して著したものと考えられている。全二十四巻。
漢書(かんじょ)二十四史の一。前漢書、西漢書とも。後漢の章帝の時に班固によって編纂され、妹の班昭が補修した紀伝体の書。全百二十巻。前漢の成立から王莽政権までの歴史。漢書は始めての断代史で、史記と並んで二十四史の中の双璧とされる。史記と重なる時代を書いている部分もある。あくまで歴史の記録として書かれたので、史記に比べて文章としては面白くないところもあるが、正確さでは史記に勝る。本紀十三巻、表十巻、志十八巻、列伝七十九巻から成る。
乾象暦注(かんしょうれきちゅう)三国時代呉の闞沢が、当時使用されていた乾象暦の暦と季節の乱れに関して注釈し、ある程度の整合性を持たせた書。
漢晉春秋(かんしんしゅんじゅう)漢から晉代について書かれた歴史書。習鑿歯著。全五十四巻。蜀を正統とし、蜀から晉へ正統を続けている。
韓非子(かんぴし)韓非およびその学派の著作を主として集めた戦国時代の思想書。編者不明。全二十巻五十五編。君主は法と賞罰によって支配することを政治の根本であるとし、秦に始まる官僚国家創建の理論的支柱となる。
漢末英雄記(かんまつえいゆうき)「英雄記」の項を参照。
魏書(ぎじょ)二十四史の一。北魏書、後魏書とも。北斉の魏収が編纂した紀伝体の書。全百三十巻。北魏の歴史書。本紀十四巻、志二十巻、列伝九十六巻から成る。現行本は宋代に修補されたもの。
仇国論(きゅうこくろん)三国時代蜀の姜維の度重なる北伐を危惧した譙周が、「北伐を挙行して民衆を疲弊させるべきではない」として劉禅に上表した諫言の文章。
旧五代史(きゅうごだいし)二十四史の一。北宋の薛居正らが編纂した書。全百五十巻。五代の歴史を記した書。梁書・唐書・晋書・漢書・周書に分かれている。
玉台新詠(ぎょくだいしんえい)古詩選集。全十巻。梁の簡文帝が晩年に改作を目的にかつての作品を求めたが、入手困難であった為、徐陵に漢魏六朝時代の男女の情愛にかかわる艶体の詩を編集させたもの。雑言体・歌謡なども収めている。本書収録の詩体は“玉台体”と呼ぶ。梁の昭明太子の「文選」とともに後世の文学に大きな影響を与えた。
儀礼(ぎらい)三礼の一。儒教の経典。全十七編。周公旦または孔子の作と伝えられる。成立は戦国末から漢初と推定される。春秋時代の士大夫の冠婚葬祭の作法が説明されている。漢初に一部欠損していたが、高堂生が漢代隷書の今文十七編を伝え、武帝のとき魯恭王が孔氏宅から古文五十六編を発見し、鄭玄が両者を照合して定本を定めた。「礼」「礼経」とも。
今古奇観(きんこきかん)明代の短編小説集。全四十編。編者は抱甕老人とあるが不詳。明末の通俗短編小説集である「三言」から二十九編、「二拍」から十一編を撰集したもので、主に明代の作品が収録されている。清代にはしばしば禁書処分とされて版木が焼却されたが、少作だったことが幸いして民間で隠匿・愛読された。
金史(きんし)二十四史の一。元の托克托らが編纂した紀伝体の書。全百三十五巻。金の歴史を記した書。本紀十九巻、志三十九巻、表四巻、列伝七十三巻から成る。
金瓶梅(きんぺいばい)作者不詳。明代に書かれた口語体の長編小説。水滸伝の中の武松のエピソードを膨らませたような内容となっている。富豪の西門慶とその6人の夫人である呉月娘・李嬌児・孟玉楼・孫雪娥・潘金蓮・李瓶児、そして春梅などがからみ、人間の愛欲・欲望に視点を据えて、豪商西門慶の家庭の淫乱ぶりを描写し、それを通じて当時の社会の退廃した状況を如実に描き出している。
旧唐書(くとうじょ)二十四史の一。五代十国時代の後晋の出帝の時に劉[日句]らによって編纂された紀伝体の書。全二百巻。唐の成立から滅亡までについて書かれた歴史書。本紀二十巻、志三十巻、列伝百五十巻から成る。後晋の滅亡などにより、編纂責任者が途中で交代するなどして、一人の人物に二つの伝を立ててしまったり、初唐に情報量が偏り、晩唐は記述が薄いなど編修に多くの問題があった。そのため後世の評判は悪く、北宋時代に「新唐書」が再編纂される事になった。しかし逆に生の資料をそのまま書き写したりしているので資料的価値は「新唐書」よりも高いと言われる。当初の呼び名は単に「唐書」だったが「新唐書」が編纂されてから、区別するために「旧唐書」と呼ばれるようになった。
荊楚歳時記(けいそさいじき)梁の宗懍の撰。全一巻。中国で成立した最初の歳時記で、東漢末以来行なわれていた各地の風土記や人物伝の発展したもの。荊楚地方(現在の湖北・湖南)の年中行事や風俗習慣を記録したもので、後に隋の杜公瞻が南北の風俗の差や年中行事の沿革などにまで言及する注釈を施したため、すぐれた民俗学的資料とされる。荊楚記とも。
芸文類聚(げいもんるいじゅう)類書。全百巻。唐高祖の勅により欧陽詢らの撰。天部から災異部まで四十六部門に分けて抄録した故事に関連する詩文を記したもの。亡佚した唐以前の文献資料も豊富に収録されているため、古典研究の上でも貴重な資料となっている。日本にも古くから伝わる。
元史(げんし)二十四史の一。明の宋濂・王褘らが編纂した紀伝体の書。全二百十巻。元代の紀伝体歴史書。本紀四十七巻、志五十八巻、表八巻、列伝九十七巻から成る。誤謬・疎漏が多く、清代以降、何人かの人が補修を試みた。
元朝秘史(げんちょうひし)モンゴルの史書。全十二巻。著者不明。モンゴルの開国神話からチンギス・ハーンの生涯およびオゴデイの即位に至るまでの歴史を記している。明朝洪武年間に漢訳され、その際「元朝秘史」と命名された。モンゴル族の社会・風俗・言語を知るうえで貴重な資料となっているが、チンギス・ハーンの生涯を謳った英雄叙事詩が中心となっており文学的評価も高い。
考経伝(こうきょうでん)三国時代呉の厳の著書で、「詩経」や「書経」などを研究し、注釈したもの。
考工記(こうこうき)古代の車・兵器・楽器等の製作、宮室造営の技術が説かれている書。「周礼」冬官に当てられているが、実は前漢武帝の頃、河間獻王が「周礼」を献呈する際に亡佚していた冬官を補ったもの。戦国期齊において書かれたともいわれる。秦や鄭の刀の名称があるこどなどから戦国斉の偽書とされるが、古代器物の名称や製作法などは考古学に寄与するところ多大であり、また南斉時代、戦国楚の王墓から発見された同書は古代の科斗文字で書かれていたという。中国最古の技術書として貴重な文献であり、清朝考証学が興るに及んで、阮元・江永・戴震らによって盛んに研究された。
孔子家語(こうしけご)孔子の言行とその弟子たちとの問答を収録した書。三国時代、魏の王粛の手によって編纂。全十巻四十四編。「漢書芸文志」で紹介されながらも佚書となっていた「孔子家語」を、「左伝」「国語」「孟子」「荀子」「礼記」などから孔子に関する記事を蒐集して四十四編としたもの。
紅楼夢(こうろうむ)清代の長編口語小説。全百二十回本。八十回までは曹雪芹の作、残りの四十回は高鶚の補作。栄華をきわめた大貴族の家庭が崩壊してゆくさまを、主人公の賈宝玉と林黛玉の悲恋を中心に、多彩な人間像とともに描く。官商から零落した著者が過去の栄華を偲びつつ著したとされ、自伝的要素を多分に含んでいる。主人公と十二人の女性との交情を中心に描くなど「金瓶梅」の亜流とも評されるが、没落に至る過程を背景とするなど全体を貫く無常観や、煩瑣冗長な情景描写などを特徴としている。しばしば禁書とされたが、「紅学」という学問も生まれ、王国維の「紅楼夢評論」によってその悲劇性が評価された。「石頭記」「金玉縁」「金陵十二釵」とも。
呉越春秋(ごえつしゅんじゅう)春秋時代の呉と越両国の興亡を記した書。後漢の趙曄の撰。全十六巻。元の徐天祜の音注。
後漢紀(ごかんき)後漢について書かれた歴史書。袁宏著。全三十巻。
後漢紀(ごかんき)後漢について書かれた歴史書。張璠著。全三十巻。ただ「漢紀」とも。
後漢書(ごかんじょ)二十四史の一。南北朝時代に南朝の宋で范曄によって編纂された紀伝体の書。全百二十巻。後漢朝の歴史。本紀十巻、志三十巻、列伝八十巻から成る。志は晋の司馬彪の「続漢書」の志を北宋時代に合刻したもの。
後漢書(ごかんじょ)後漢について書かれた歴史書。謝承著。全百三十巻。
後漢書(ごかんじょ)後漢について書かれた歴史書。薛瑩著。全百巻。「後漢記」とも。
後漢書(ごかんじょ)後漢について書かれた歴史書。華嶠著。全三十一巻。「漢後書」「漢書」とも。
後漢書(ごかんじょ)後漢について書かれた歴史書。謝沈著。全百二巻。
後漢書(ごかんじょ)後漢について書かれた歴史書。袁山松著。全百一巻。
後漢書(ごかんじょ)後漢について書かれた歴史書。劉義慶著。全五十八巻。劉昭が注を付けている。皇后を本紀として扱ったのが特徴。
国語(こくご)中国、春秋時代の八国(周・魯・斉・晋・鄭・楚・呉・越)の国別の歴史を記した書。全二十一巻。左丘明著と伝えるが不明。三国時代の呉の韋昭の注がある。「左氏伝」を「春秋内伝」と呼ぶのに対し、「国語」を「春秋外伝」とも呼ぶ。
古今図書集成(ここんとしょしゅうせい)類書。全一万巻。清の陳夢雷が康煕帝の勅命で編纂。古今の図書から抜き出した事項を類別配列されている。のち清の蒋廷錫らが増訂。全体は暦象・方輿・明倫・博物・理学・経済の六編に大分類され、以下三十二典六千百九部に分類され、各部はほぼ彙考・総論・図表・列伝・芸文・選句・紀事・雑録・外編の順に記述されている。
呉子(ごし)武経七書の一。呉起の著とも、後世の著とも説がある。全四十八編、現存六編。「孫呉の兵法」と称されるように、「孫子」と並ぶ代表的な兵法書。
呉起が魏の文侯に遊説するところから書き出され、呉起の言行がまとめられている。単なる戦略・戦術というよりも、その前提となる政治上の措置に重きが置かれている。
さ行
菜根譚(さいこんたん)明代の処世哲学書。洪応明著。全二巻。儒教思想を中心として仏教・道教思想も加味し、著者の経験に基づいた処世訓・交友術・世俗批判などのアフォリズムが、約三百六十条に纏められている。
西遊記(さいゆうき)呉承恩の著。明代に書かれた口語体の長編小説。全100回。唐の玄奘(三蔵法師)が天竺へ行き、中国に仏教の経典をもたらした史実を軸に、そのお供の孫悟空・猪八戒・沙悟浄が妖怪を退治して玄奘を助ける活躍ぶりを描く。それまでの同種の説話・芝居・物語類の集大成で、登場人物は非常に強い個性を持つ。また、玄奘三蔵や唐の太宗皇帝などは実在の人物だが、書かれている内容は完全にフィクションであり、史実とは一致しない。玄奘自身の取経の旅の記録として「大唐西域記」があるが、当然ながら、これには孫悟空は登場しない。西遊記で今残っている最古のものは元代のものである。写本は科挙を目指す書生たちが息抜きに作成していったと思われ、書き写される度に詩文・薀蓄が追加され、拡張されていった。
雑記(ざっき)「異同雑語」の項を参照。
冊府元亀(さっぷげんき)類書。北宋の王欽若・楊億らが真宗の勅命を受けて撰。全千巻、目録十巻。古代から五代までの君臣の事蹟を三十一部千百十五門に分類して列挙する。五代に関する記述の史料的価値はきわめて高く評価されている。
三国志(さんごくし)二十四史の一。西晋の陳寿によって編纂された紀伝体の書。全六十五巻。後漢末期から三国時代にかけての群雄が割拠していた時代の興亡史。魏書三十巻、蜀書十五巻、呉書二十巻から成る。
三国志演義(さんごくしえんぎ)羅貫中の著。明代に書かれた中国の通俗歴史小説。正しくは「三国演義」「三国志通俗演義」と呼ばれる。講談で語られてきた物語と西晋の陳寿によって書かれた正史三国志などの歴史書の伝える逸話を綜合してつくられた小説作品。演義の物語をそのまま歴史的事実として受け取ることはできないが、その内容は三国志物語が形成される歴史を反映している。陳寿著の正史三国志も三国時代の歴史事実をそのまま誤りなく写し取ったものではなく、あくまで選者によって事実や異説が取捨選択されて執筆された作品のひとつであると言うことができ、「正史」であるから正しく「演義」であるから誤りである、とは言い切れない。
三才図会(さんさいずえ)明代の図解書。全百六巻。王圻の撰。天文・地理・人物・鳥獣・草木など十四部門に分けて種々の事物を図説する。根拠がなかったり、現実性に書けるものも含まれ、研究資料として傑出しているわけではないが、図が豊富に用いられていることが特徴である。「和漢三才図会」はこれにならったもの。
三略(さんりゃく)武経七書の一。太公望の著とされる。全三巻。上略・中略・下略から成る。漢の張良が黄石公から授けられた逸話は有名。老子の思想を基調にして、治国の大道から政略・戦略の道を論述したもの。黄石公三略とも。「六韜」と併称される。
史記(しき)二十四史の一。前漢の武帝の時代に司馬遷によって編纂された中国最初のの紀伝体の通史。全百三十巻。上古の黄帝から前漢の武帝までの歴史を記す。著者自身が名付けた書名は『太史公書』だが、後世に『史記』と呼ばれるようになり、これが一般的な書名とされるようになった。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻から成る。後世、正史の模範とされた。
詩経(しきょう)五経の一。孔子の編と伝わるが未詳。西周から春秋時代に及ぶ歌謡三〇五編を、風(民謡)・雅(朝廷の音楽)・頌(祖先の徳をたたえる詩)の三部門に分けて収録。風は一五に、雅は小雅・大雅の二つに、頌は周頌・魯頌・商頌の三つに分かれる。現存のものは漢代の毛亨が伝えたとされ、「毛詩」ともいう。
資治通鑑(しじつがん)北宋の司馬光が著した編年体の通史。全二百九十四巻。戦国時代の始まりから五代末までの歴史を膨大な史料を駆使し、一貫した見識のもとに記す。書名は君王の政治に資する鑑となる書の意で、神宗から賜ったもの。
史通(しつう)中国初の史論書。全二十巻。唐の劉知幾の撰。内外二篇から成り、古来からの史書の体裁、史官の沿革、史書の内容などについて論評する。
司馬法(しばほう)武経七書の一。大司馬の田穣苴の著とされる。全百五十五編、現存五編。軍政や戦争に関する様々な規定や心得等が記されていたようだ。
詩品(しひん)詩論書。梁の鍾の撰。原名は「詩評」という。全三巻。漢から梁にいたる詩人百二十二人の五言詩を上品・中品・下品の三品に類別し、三品それぞれの序の中で著者の文学論および品評の準拠が明示され、詩は性情を本として、興・賦・比などの手法の技巧、気骨と文辞とを兼備したものを最高とし、曹植をその一人として絶賛している。三分の一を占める序文は本文に劣らず重要で、その品評にはやや恣意の傾向も見られるが、「文心雕竜」とならんで中国文学評論史の上で最も重要な一つとされている。
四民月令(しみんがつりょう)後漢の崔寔の著。原本は南宋から元時代に失われ、現代の四民月令は逸文を収集し復刻したもの。漢代の歳時と農事や年中行事について記されている。四民とは士大夫、農民、商人、職人のことで、月令とは各月々に為政者が出す布告のこと。
集古録(しゅうころく)北宋の欧陽脩の編。周代から五代の金石文の解説書。全十巻。はじめ欧陽脩が王室所蔵の金石文の拓本類の大要を抄録したものが約百巻に達したが、そのうち約四百点について考証的な解説を付したもの。純粋な金文は巻一の前半のみで、ほか大部分は石碑文の考証に費やされ、特に東漢と唐代のものが最も多い。
周書(しゅうしょ)二十四史の一。北周書、後周書とも。唐の令狐徳棻らの編纂した紀伝体の書。全五十巻。北朝の周のことを記した歴史書。本紀八巻、列伝四十二巻から成る。
周書陰符(しゅうしょいんふ)周の太公望呂尚が著したとされる書。周書のなかの陰符編、という意味と思われる。
十八史略(じゅうはっしりゃく)元の曾先之によって編纂された編年体の書。全二巻。三皇五帝の伝説時代から南宋滅亡までの歴史を編年体で記述。中国の歴史を簡単に理解するために正史の中から記述を抜き出して作られたもの。明の陳殷による注釈が施され、現在は七巻。さらに明の中期の劉剡が、三国時代の正統な王朝としての記述を魏から蜀とし、宋の滅亡の記述部分については、臨安陥落までのところを山の戦いまでに増補するなど、内容を改変した。資料性は低いが、基礎知識を取り入れるために広く読まれている。
十八史とは、史記、漢書、後漢書、三国志、晋書、宋書、南斉書、梁書、陳書、魏書、北斉書、周書、隋書、南史、北史、新唐書、旧五代史、新五代史、続宋編年資治通鑑、続宋中興編年資治通鑑。
周礼(しゅうらい)三礼の一。儒家の経典。全六編。周公旦が制定した礼制を記録したものと伝えられるが、実際の成立は前漢の頃か。統一天下の理想的官制を、天官・地官・春官・夏官・秋官・冬官の六つに分類された三百余の官名について詳細に述べる。冬官一編は失われ、「考工記」を以て補った。秦以前の篆書で書かれていたので、古文学派に重視され、今文学派からは、攻撃された。しゅうれい。
十六国春秋(じゅうろっこくしゅんじゅう)五胡十六国時代の歴史を記した書。北魏の崔鴻の撰。全百巻。原本は宋代には散佚したが、清代にいたって湯球が崔鴻の原著の抄訳とされてきた「十六国春秋纂録」に「晋書」などの他書に原著から引用されていると思われる文章を補い、「十六国春秋輯補」を完成させた。通行している「十六国春秋」百巻本は、明の屠喬孫・項琳の偽作ではあるが、現今では「輯補」より信頼され、「十六国春秋」といえばこちらを指すのが一般的である。
儒林外史(じゅりんがいし)清代の口語体の長編小説。呉敬梓の作。全五十五回本。当時の士大夫階層の虚偽や功利心・出世欲を痛烈に諷刺したもの。
荀子(じゅんし)荀子著。全二十巻。礼・義を外在的な規定とし、それによる人間規制を重く見て性悪説を唱えた。のち、韓非などに受け継がれ、法家思想を生む。
春秋(しゅんじゅう)五経の一。春秋時代の魯の国の年代記。全十一巻。隠公から哀公に至る242年間にわたる事跡を編年体で記す。孔子の編集に成ると伝えられ、記載事実の選択、表現方法など、いわゆる「春秋の筆法」によって歴史への批判を行なったとされる。春秋経とも。
春秋公羊伝(しゅんじゅうくようでん)「春秋」の注釈書。春秋三伝の一。全十一巻。戦国時代、子夏の門人の斉の公羊高の作。公羊伝とも。
春秋穀梁伝(しゅんじゅうこくりょうでん)「春秋」の注釈書。春秋三伝の一。戦国時代、子夏の門人の魯の穀梁赤の作。法家主義が色濃く、儒家思想と相容れない部分が多い。穀梁伝とも。
春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)「春秋」の注釈書。春秋三伝の一。全三十巻。魯の左丘明の作。戦国時代の成立といわれるが、前漢末の偽作とする説もある。事件の背景や関係者の言行を加えたもので、春秋三伝のうち最も文学性に富み史実も豊富である。左氏伝、左伝、左氏春秋とも。
貞観政要(じょうがんせいよう)唐の太宗と臣下との間の政治論議を分類・編集した書。全十巻。唐の呉兢の撰。治政の範・経世術の手本・帝王学の教科書として歴代皇帝の必読書とされ、日本でも鎌倉時代以降の為政者に広く愛読された。
商君書(しょうくんしょ)商鞅の著と伝えられる政治論。全五巻。商鞅の学説を中心として法家学派の政治論を集めたもので、法律の厳格な運用を主張し、徳治主義を否定するなど、純粋な法家思想の書であることから、商鞅の著作を核として後世の法家によって加筆・校訂が重ねられたものとされている。
時要論(じようろん)三国時代、魏の曹爽に反感を抱いていた王基が、時流を批判し権力の有り方と曹爽の政治を指弾するために記した書。
書経(しょきょう)五経の一。尭・舜から夏・商・周の王者およびそれを補佐した人々の言辞の記録。全五十八編。儒家の理想政治を述べたものとして最も重要な経典。二十九編は秦の伏勝が伝えた「今文尚書」、十六編は孔子の家の壁中から出たといわれる「古文尚書」に含まれていたもので、後者は後代の偽作とされている。初めは「書」、のちに「尚書」と呼ばれていたが、宋代以後「書経」と呼ばれるようになった。
新元史(しんげんし)民国の柯劭が編纂した紀伝体の書。全二百五十七巻。「元史」の不備を補い、改修した史書。本紀二十六巻、表七巻、志七十巻、列伝百五十四巻。中華民国政府により正史の一つに加えられた。
新五代史(しんごだいし)二十四史の一。五代史記とも。北宋の欧陽脩が編纂した書。全七十四巻。五代の歴史を紀伝体で記した書。君臣道徳・華夷思想に基づき撰述。「旧五代史」に対する通称。
清史稿(しんしこう)民国の趙爾巽らが編纂した紀伝体の書。全五百三十六巻。清代に関する紀伝体の歴史書。本紀二十五巻、志百四十二巻、表五十三巻、列伝三百十六巻。
晋書(しんしょ)二十四史の一。唐の太宗の命により、房玄齢・李延寿らによって編纂された紀伝体の書。全百三十巻。晋王朝(西晋・東晋)について書かれた歴史書。本紀十巻、載記三十巻、志二十巻、列伝七十巻から成る。載記は五胡十六国時代史。
新唐書(しんとうじょ)二十四史の一。北宋の欧陽脩らが編纂した紀伝体の書。全二百二十五巻。唐代の歴史を記した書。仁宗の詔により「旧唐書」を改修・補正したもの。本紀十巻、志五十巻、表十五巻、列伝百五十巻から成る。
神農本草経(しんのうほんぞうきょう)医神神農の名を冠した中国最古の薬物書。後漢時代の作。三百六十五種の薬品を収載。梁の陶弘景が復元編集したもの三巻が後世に伝わる。
水滸伝(すいこでん)施耐庵の著。明代に書かれた小説。講談として行われてきた北宋の徽宗期の反乱を題材とする物語を集大成して創作されたとされる。北宋時代末期に、百八星の生まれ変わりである盗賊が梁山泊を寄り所として汚職官僚たちがはびこる国家権力に反抗するという義賊物語である。その後、梁山泊は聖人君子である宋江を首領とし、反乱軍でありながらも宋の朝廷に帰順し忠義をつくすことを理想とする集団と設定されて、儒教道徳を兼ね備え知識人の読書にも耐えうる文学作品となった。それでも、反乱軍を主人公とする水滸伝は儒教道徳を重んじる知識人にはあまり高く評価されず、もっぱら民衆の読む通俗小説として扱われた。「宋史」にも載っている宋江の反乱が、説話や芝居・小説などに脚色されて民間に流布していたのを集大成したもの。
隋書(ずいしょ)二十四史の一。唐の太宗の命令により魏徴・長孫無忌らが編纂した紀伝体の書。全八十五巻。隋の史書。帝紀五巻、志三十巻、列伝五十巻から成る。
水経注(すいけいちゅう)地理書。全四十巻。北魏の道元[麗β]の撰。三国時代の「水経」に、華北各地を歴遊した体験と多くの文献を渉猟して得た知識によって注釈を加えたもので、中国各地の千二百余の河川とその流域の歴史について詳細に記す。江南諸河川については正確さを欠いているが、漢以来の地理知識の集大成である。
説苑(ぜいえん)劉向著。全二十巻。劉向が漢の祕府に収められていた「説苑」を元に、先行する断片的な説話を集めて儒教的立場から様々の伝説・故事を分類し再整理した説話集。
西廂記(せいしょうき)元代の戯曲で王徳信の作。全二十一幕。書生張君瑞と良家の娘崔鶯鶯の波乱に富んだ恋物語で、北曲の代表作。唐の元稹の小説「会真記(鶯鶯伝)」に基づく金の董解元の語り物「西廂記(董西廂)」を戯曲化したもの。元代戯曲は一般に四幕完結であるが、これは異例の長編となっている。しかし、李卓吾・金聖嘆などから絶賛されるなど元代戯曲の最高の傑作と評されているようだ。
斉民要術(せいみんようじゅつ)現存する最古の農書。全十巻。北魏の賈思勰の撰。古来の農書を集大成し、華北の乾地農法の要件を述べる。様々な穀菜・果樹・桑・麻の耕作・栽培技術のほか養畜・醸造の方法などが営農の実際に則して詳述されている。
世説新語(せせつしんご)逸話集。全三巻。南朝宋の劉義慶の編。後漢から東晋に至る士大夫の逸話を記す。逸話の特徴や人物の性格によって三十六編に分類し、また当時人物評が盛んだった風潮を背景に、賞誉・品藻・容止の各編には人物評の逸話が収録されている。当初八巻だったが梁の劉孝標が注を施して十巻となり、紹興八年に三巻本に再編されて現在の体裁となった。清談風の文体は六朝文を代表するもので、その表現力から資料としてだけでなく、文学作品としても高く評価されている。世説、世説新書とも。
説文解字(せつもんかいじ)現存最古の字書。後漢の許慎の撰。当時の篆書から九千余字の漢字を五百四十種の部首別に配列し、六書の説により漢字の造字法を象形・指事・会意・形声・転注・仮借の六種に分類し、各字に関して意義・音を解説したもの。中国文字学の基本的文献で甲骨文字や金文の解読において重要な資料である。説文とも。
山海経(せんがいきょう)地理書。全十八巻。禹が、治水に従った伯益と共に作ったと伝えられ、多くの神話を含んでいる。戦国以前に南山経・西山経・北山経・東山経・中山経の“五蔵山経”ができ、劉[音欠]が“海外四経”“海内四経”各四巻を加えて校訂し、郭璞が“大荒四経”四巻と“海内経”一巻を加えると共に注を施してほぼ現行の体裁となった。“五蔵山経”においては山を主体に産物・鳥獣や神霊・河川など地理書にふさわしい内容になっているが、後代の成立になるほど神話伝説の比率が増している。中国神話研究において不可欠の文献である。
戦国策(せんごくさく)前漢の劉向による編纂。全三十三編。戦国時代の縦横家の説いた策略を国別に集めたもの。国策とも。
剪燈新話(せんとうしんわ)明の瞿祐の著。全四巻。文語体の志怪小説集。志怪小説としては比較的長篇の作が多く、もとは「剪燈録」として四十巻あったが早くに散逸し、胡子昂が入手・編纂した残巻四巻が広く流布した。唐代の伝奇小説に倣って四六駢儷体を多用し、その筆致は艶麗・閨情は絶品と評される。
潜夫論(せんぷろん)後漢の王符著。全十巻。立身出世主義・金権主義・門閥主義という当時の風潮を厳しく批判し、商業の発達による生活の向上が、一方では奢侈を促し農業を没落させ游民を発生させているなど社会を破綻をもたらしながらも、勢族出身の官僚は一身の名利のみ求めて論を弄んでいると弾劾している。正道に戻すための現実的施策をも論じた書。
荘子(そうし)戦国時代の思想書。十巻三十三編。荘子とその学統に連なる後人の著作。寓話を数多く引用し、変幻自在な筆法で、人知の限界を語り、一切をあるがままに受け入れるところに真の自由が成立すると説く。のちの中国禅の形成に大きな役割を果たした。南華真経。
宋史(そうし)二十四史の一。元の順帝の命により托克托らが編纂した紀伝体の書。全四百九十六巻。宋の歴史を記した正史。本紀四十七巻、志百六十二巻、表三十二巻、列伝二百五十五巻から成る。
宋書(そうしょ)二十四史の一。宋・斉・梁に仕えた沈約が斉の武帝に命ぜられて編纂した紀伝体の書。全百巻。南朝の宋について書かれた歴史書。本紀十巻、志三十巻、列伝六十巻から成る。
捜神記(そうしんき)六朝時代の短編小説集。干宝の編。全十巻。現存するのは二十巻本と八巻本。東晋の干宝撰。四世紀に成立。神仙・霊鬼などについての怪異談を多く含む。伝記集の体裁を採っているため洗練はされていないが、六朝的説話の宝庫であり後世の志怪小説の原案となったものも多く、日本の文学界に与えた影響も大きい。
続漢書(ぞくかんじょ)後漢について書かれた歴史書。司馬彪著。全八十三巻。
楚辞(そじ)戦国時代末期、楚国湖広地方の六言または七言を一句とする歌謡に基盤をもち、劉向が屈原や宋玉・賈誼・東方朔などの作品を集めたもの。全十六巻。後漢の王逸が自作と班固の序を加えて十七巻とし「楚辞章句」という。その後も多くの注釈が出たが、宋の洪興祖の「楚辞補註」が定本となり、朱熹も「楚辞集註(八巻)」を著している。楚辞は句中に助辞の“兮”を加えることで独特のリズムを持たせた韻文である。「詩経」とともに中国古代文学において最重要とされている。
孫子(そんし)武経七書の一。孫武が著した兵法書。全十三編。元は、百編ほどあったようだが、非常に難解であり、現存するものは曹操が注釈・整理・編集等々を行った「魏武注孫子」である。
従来、孫子の兵法は孫武・孫臏どちらのものか議論されるところだったが、山東省銀雀山の漢墓から、竹簡が出土し、孫子が孫武のものであることが確認された。しかし、研究者の中には春秋時代の著書なのに戦国時代の戦争の描写があることから否定的な意見もある。(孫臏が著したものは「孫臏兵法」と名づけられた。「孫臏兵法」の項で詳述)
孫臏兵法(そんぴんへいほう)戦国時代、斉の国の孫臏の著。全三十編。漢書芸文志に「斉孫子八十九編」とあるが発見されていなかった。1972年に山東省銀雀山の漢墓から竹簡が出土し、一万余字三十編からなる兵法書が出土。“孫子論争”に終止符が打たれた。(「孫子」の項も参照)
た行
大学(だいがく)四書の一。全一編。元々「礼記」の中の一編。「初学入徳の問」として四書の中でまず第一に学ぶべきものとされる。
太玄経(たいげんきょう)楊雄の著した術数書。全十巻。陰陽の二元の代わりに始・中・終の三元で宇宙万物の根源を論じる。「易経」の体裁に準拠するものの、易の二爻六連の六十四卦に対し、三爻四連を八十一家と称し、宇宙万物の根源を“玄”とし、「老子」の「三万物を生ず」に基づいて三爻を用いるなど、老荘思想の影響が強い。東漢の宋衷、三国呉の陸績、宋の司馬光らに注釈がある。
大唐西域記(だいとうさいいきき)唐代の僧玄奘の中央アジア・インド旅行記。全十二巻。弟子の弁機が取経旅行中の見聞を勅命により整理編纂した。仏教の経典を求めてインドへ旅した際の見聞録。諸国の仏教事情や仏跡のほか、気候・風俗・歴史・地理・物産・伝説などを詳細に記す。諸国の言語や地名の翻訳・漢語化にあたって非常に慎重に配慮しており、仏教史・歴史地理のみならず言語学・考古学・民俗学の研究の上でも貴重な資料を提供している。西域記とも。
太平寰宇記(たいへいかんうき)宋代の地理書。楽史著。全二百巻。宋の統一後の中国および隣接諸国の地理・文化・歴史的沿革を記し、南北朝以来の地理書を引用しつつ記述する。燕雲十六州については名称のみの列記で記事は無いが、本土地域については統属関係や戸数・産物のほか豪族・名家・人物や山水湖沼・橋梁・寺観・古跡、陵墓の個人の略伝も併記している。唐代に作成された地理書の補欠・修正を目的としたが、前代までの地理書が地理的現状の報告を主体としたのに対し、文化・風土誌的な面を付加し、後世の地理書に多大な影響を与えた。
太平広記(たいへいこうき)伝説・説話物語集。全五百巻。宋の太宗の勅命により李らが編集。漢代から宋初までの四百七十五種の書物から伝説・奇談・異聞を収集し、神仙・女仙・道術・方士など九十余項に分類されている。多くが原書が亡佚しているため中国小説史の研究において必須の資料となっている。
太平御覧(たいへいごらん)類書。全千巻。宋の太宗の勅で李らが編纂。天・時序以下五十五部門に分けられ、それぞれに小項目が設けられている。先行の類書など、千六百九十種を引く。その中には現存しないものも多数含まれるため、古代中国の学術研究の上で貴重な資料として尊重されている。御覧とも。
大明一統志(だいみんいっとうし)明代の中国全土および属国を含めた地域の総合地理書。全九十巻。明の英宗の勅撰により李賢らが編修した、中国および属国の総合地理書。同趣旨の書として洪武年間に成っていた「大明志」は早くに散佚していたため、永楽年間から全国的地誌の作成事業が進められ、景泰年間に陳循らによって「寰宇通志」が完成したが、奪門の変に伴う一連の前代否定作業の一環として「一統志」編纂が進められた。内容的にはまったく「寰宇通志」の抄略本にすぎず、正確さに欠ける点がある。
竹書紀年(ちくしょきねん)西晋の頃、汲郡(河南省)の古墓から発見された、戦国時代の魏の編年史。全二巻十三編。竹簡に古体文字で書かれる。汲冢書(晋の咸寧・太康年間に盗掘された戦国魏の襄王の陵墓から発見された多数の古書)のひとつ。「春秋」や「史記」が国撰書物として権威を具えたために両書にはない記事が多い本書は野史・偽書として長らく放置されてきたが、先秦史の欠を埋め、歴史を再構成する上で欠くことのできない史料となっている。唐以後に散佚したが清になり佚文が集められた。
池北偶談(ちほくぐうたん)主客の対談形式の随筆集。清の王士の著。全二十六巻。自宅近くの池の北に建てた書室の傍らの亭での対話が題名の由来となった。故・献・芸・異の四編に大別され、故談は朝廷での儀典・衣冠などを、献は明清の名臣の言行録、芸は詩文についての評論、異は志怪について記している。
茶経(ちゃきょう)中国茶道の代表的かつ現存最古の書。全三巻。唐の陸羽の撰。茶の起源や道具・作法などの十編からなり、中国独特の団茶や餅茶の法も各編に則して述べられている。
中庸(ちゅうよう)四書の一。全一編。子思の作と伝えられる。元々「礼記」の中の一編であったが、南宋の朱熹が取り出して四書の一つに加え、「中庸章句」という注釈書を作った。天と人間を結ぶ深奥な原理を説いたものとして、特に宋以後重視された。
治論(ちろん)三国時代、魏の王昶が著した政治論。古今の政治法を挙げて法の改革を説いた。
陳書(ちんしょ)二十四史の一。唐の姚思廉の編纂した紀伝体の書。全三十六巻。南朝の陳の史書。本紀六巻、列伝三十巻から成る。
枕中記(ちんちゅうき)唐代の伝奇小説。沈既済の作。全一巻。盧生が趙の旧都邯鄲で道士の呂翁に会い、思いのままに出世できるという枕を借りて寝たところ、栄達・栄華の一生を送る夢を見る。目がさめると、それは宿の主人の炊く黄粱もまだ炊き上がらない間のことであり、名利のはかなさを知る。ここから「邯鄲の夢」「邯鄲の枕」「盧生の夢」「黄粱一炊の夢」などの語が出た。
通志(つうし)三通及び九通の一。中国の紀伝体の通史。全二百巻。南宋の鄭樵の撰。帝紀十八巻・后妃伝二巻・年譜四巻・略五一巻・列伝百二十五巻。特に正史の「志」にあたる「略」は古代から唐までに及び総合的文化史として注目すべきもの。
通典(つてん)三通及び九通の一。古代から唐玄宗の天宝年間に至るまでの制度史。全二百巻。唐の杜佑の撰。開元末期に劉秩が「周礼」に倣って撰した「政典」の不備を補うもので、政典三十五巻に対して二百巻、著述に三十年を要した。「漢書」以来の断代史偏重に対し、「史記」に倣って食貨・選挙・職官・礼・楽・兵・刑・州郡・辺防の九部門について、制度の沿革・変遷の詳細を論述し、殊に唐代の社会経済・制度を知るうえで欠くことのできない資料となっている。
輟耕録(てっこうろく)明代の随筆集。陶宗儀の著。松江南郊に寓居した著者が、耕作の間に間に樹陰で憩いつつ社会百般の事を木の葉に記したものという。元末の社会・法制から民間風俗や書画骨董など各方面に及び、殊に元の法令制度や元末江南の社会情勢については重要な史料となっている。
天工開物(てんこうかいぶつ)産業技術書。全三巻。明の宋応星著。穀類・衣服・染色・製塩・製糖・製陶・鋳造・製油・製紙・製錬など、明末の産業のあらゆる分野にわたって、歴史的考証から現状についてを図版を添えて精密かつ実証的に述べている。
典論(てんろん)三国時代、魏の文帝曹丕の文学評論。「論文」一編が伝わる。文体や建安七子の文学を論ずる。「けだし文章は経国の大業、不朽の盛事」の名節がある。
東觀漢記(とうかんかんき)後漢について書かれた歴史書。劉珍・他著。全百二十六巻。散逸した為、「永楽大典」からの輯本が残存。
唐宋伝奇集(とうそうでんきしゅう)魯迅の編纂。全八巻、四十五編(唐編三十六編、宋編九編)。六朝時代の怪異譚に由来する、唐・宋代に単行本として刊行されたものを収録している。
読史管見(とくしかんけん)宋代に胡寅が著した評論集。書名は「史書を読んでの愚見」の意味。「人事を尽くして天命に聴す」などは有名。
な行
南史(なんし)二十四史の一。唐の李延寿が編纂した紀伝体の書。全八十巻。南朝の宋・斉・梁・陳を扱った歴史書。本紀十巻、列伝七十巻から成る。
南斉書(なんせいしょ)二十四史の一。梁の蕭子顕の編纂した紀伝体の書。全五十九巻。南朝の斉の史書。天監年間に梁の武帝に献じられた。本紀八巻、志十一巻、列伝四十巻から成る。
廿二史箚記(にじゅうにしさっき) 趙翼の編。全三十六巻。「史記」から「明史」までの二十二史の問題点を論じ、重要箇所は抜粋して論評を加え、各史間の矛盾点を勘考し、箇条書きにしてある。特に国家の治乱興亡に関わる部分が多く、通読することで中国史の概観を知ることができるとされている。
日知録(にっちろく)清の顧炎武が著した読書雑記。全三十二巻。読書備忘録の体裁を採り、三十余年間の読書研究の成果を経学・史学・文学・政治・経済・社会・地理などに分けて論じ、精緻な考証を展開する。社会百般の事象に対する考証の書であり、清代考証学のもとともなった。著者の読書・学問の成果の集大成でもあり、該博な学識に基づいた厳密精緻な考証というだけでなく、異民族支配に対する批判・抵抗が随所に潜められている。
農政全書(のうせいぜんしょ)農書。全六十巻。明末の徐光啓の撰。中国古今の農家の学説を集大成し、イタリア人マテオ・リッチ(Ricci-Matteo、利瑪竇)から学んだ水理学・地理学など西洋技術を参考に自説をも加えている。
は行
博奕論(ばくえきろん)三国時代、呉の太子孫和が韋曜に命じて書かせた論文。当時流行していた博奕(賭博、博打)を非難した。とくに賭博目的で行われた囲碁と双六に注目している。
博物志(はくぶつし)晋代の民俗風物誌。全十巻。張華著。山川・物産・外国・異人・異俗・獣鳥虫魚・薬物・服飾・器名などについて記した書。もとは400巻あったが晋の武帝の命令で荒唐無稽に過ぎるものを削除した。宋代の「続博物志」はこの書にならって李石が著したもの。
風俗通義(ふうぞくつうぎ)後漢の応劭の撰。全十巻+付録一巻。世俗の典礼で言語・風俗・事物の名称などについて、その誤まりを正し、義理に適うようにとの趣旨から上梓されたもの。俗説修正の趣旨は「論考」に通じるものがあるが、文章の簡明な点において「論考」より高く評価されている。「風俗通」と略称する。
仏国記(ぶっこくき)東晋の法顕が経典を尋ねて西域経由でインドに入り、セイロンから南海経由で帰国するまでの三十余ヶ国を遍歴したときの旅行記。全一巻。仏教史のみならず中央アジア・インド・東南アジアの歴史を知る上でも貴重な資料で、現存する中国人仏僧の内陸アジア記録中最古のものであり、欧文訳もされている。高僧法顕伝、法顕伝、歴遊天竺記伝とも。
文献通考(ぶんけんつこう)三通及び九通の一。中国の古代から南宋の寧宗までの制度文物に関する記録書。元の馬端臨の撰。三百四十八巻。司馬光の「資治通鑑」が政治史に偏重していることを不満とし、上古から南宋嘉定末年にいたる諸制度の沿革・変遷を論述している。「通典」の注・増補として成立したが、宋代の記述については既に散佚している一級資料が基礎になっており、宋代史を研究する上で不可欠のものとなっている。
文心雕竜(ぶんしんちょうりょう)中国最初の体系的文学理論書。全十巻。南北朝の梁の劉[思]の著。前半は文学の本質論と文体論で、各ジャンルの定義と発展史的批評、古人の名作の評論などで、後半は修辞学の原論および各論にあたり、作者の個性と作品との関係、作品と時代の関係を論じて作家論・作品論にまで及んでいる。最後の序志1編で本書の著作目的を述べ、六朝文学の修辞主義的偏向を批判し、文学を人間理性の成熟の必然的結実だと定義している。本書は隋唐より歴朝で重んじられ、宋代以降は多くの注釈がものされたが、民国の范文瀾注の評価が高い。
平妖伝(へいようでん)元末・明初の長編口語小説。原作の二十回は羅貫中の作と伝えられ、現行の四十回本は明末の馮夢竜が増補したもの。北宋末に妖怪と結んだ王則が挙兵して一大勢力をなして乱をおこし、天帝によって滅ぼされるまでを描いたもの。
弁道論(べんどうろん)三国時代、魏の曹植の著と伝えられる弁道(修行、仙道)の書。三国志魏書の裴松之注にその存在が記されている。左慈や甘始など、三国時代の方士を記録したもの。
抱朴子(ほうぼくし)晋代に葛洪によって著された。全八巻、内編二十編、外編五十二編。内編は道家思想に基づく不老長生術の理論と実践を主に述べ、外編は儒家思想による国家社会の構成、日常道徳、文明の進歩などを論じる。
北史(ほくし)二十四史の一。唐の李延寿が編纂した紀伝体の書。全百巻。北朝の北魏・北斉・北周・隋の歴史を記した書。本紀十二巻、列伝八十八巻から成る。
墨子(ぼくし)戦国時代の思想書。全五十三編。兼愛・非攻・非楽・非命・節用など、墨家の始祖、墨子の説く十大主張をはじめ、後期墨家の論理学的思惟・守城法などを記す。
北斉書(ほくせいしょ)二十四史の一。唐の太宗の命により李百薬が編纂した紀伝体の書。全五十巻。南北朝時代の北斉の歴史を記した書。本紀八巻、列伝四十二巻から成る。
穆天子伝(ぼくてんしでん)束皙・荀勗・杜預・郭璞らの校訂・注をへて現行の体裁となった。周の穆王が西方に巡遊して崑崙山で西王母と会見した物語などがあり、古代西方地域の地理・文化の起源や、西王母伝説や崑崙伝説と中原文化の関わりを研究する上で重視される。
北夢瑣言(ほくむさげん)唐末から後晋の著名人の逸話集。内容に統一性はなく、また瑣末(トリビア)なものが多いが、当時の士大夫階級の実際が示されている。作者の孫光憲は滅唐後は荊南の高季興に従い、のち北宋の太祖に仕えた。「破天荒」「悪事千里を行く」などの語源となった故事も載せられている。
本草綱目(ほんぞうこうもく)本草書。明の医学者李時珍の著。全五二巻、付図二巻。千八百九十種余りの薬物を従来の三品分類を排し、動植鉱物といった分類に従い十六部六十類に配列して解説。著者自ら各地を歴遊し、あるいは多数の文献を研究するなどして三十余年をかけて完成したもので、その分類や解説などにも独自色が強く、薬物の産地・形状・薬効なども添えられている。博物学的傾向が強い。
ま行
明史(みんし)二十四史の一。清の乾隆帝の時に張廷玉らによって編纂された紀伝体の書。全三百三十二巻。明の成立から滅亡までの歴史書。本紀二十四巻、表十三巻、志七十一巻、目録四巻、列伝二百二十巻から成る。明史稿に基づいている。
無門関(むもんかん)禅書。全一巻。宋の臨済宗の僧、無門慧開著。古人の公案四八則を選び、これに評唱と頌を加えたもの。禅宗無門関。
明夷待訪録(めいいたいほうろく)清初に黄宗羲が著した思想書。全一巻。異民族(満州族)の王朝である清朝の君主専権を、明朝滅亡の原因とともに民本主義に基づき激しく非難。君臣を含め政府や法はいずれも万民のためにこそ存在するものであるという見解に立脚し、豊富な歴史的事例を用いて、明朝後期を主体として従来の政治体制を痛烈に批判している。乾隆年間、清朝体制を批判するものとして禁書処分とされた。清末の革命運動に大いに影響を与えた。“明夷”とは易の卦の一つで、「明なるものが破れている」状態をいう。
蒙求(もうきゅう)類書。唐の李瀚の著。全三巻。上古から南北朝までの故事を五百九十六句の四字句に織り込んだもの。一話を一句に表して、内容の似た二句を一対とし、偶数句で韻をふみ八句ごとに韻を変えてある。初学の児童用に作られた。平安時代に日本に伝わり、貴族子弟用の教材とされ、和刻本が出版されると江戸時代などに広範な影響を残した。
孟子(もうし)四書の一つ。全七編。孟子の言行を弟子たちが編纂したもの。民生の安定、徳教による感化を中心とする王道政治を主張し、また性善説に基づく道徳論・修養論を展開している。その文章は議論体の古文の模範とされてる。儒教の必読書。
文選(もんぜん)詩文集。全六十巻。南朝梁の昭明太子蕭統編。周代から南北朝にいたる約千年間の作家百数十人のすぐれた賦・詩・騒・弔文・祭文を三十九の文体に分類し、各文体内で作者の年代順に配列している。詩賦で約五百編を数え、詩文を学ぶ者には必須の書となり、隋唐時代には“文選学”なるものも興った。中国の文章美の基準を作ったものとして尊重された。
や行
遊仙窟(ゆうせんくつ)唐代の伝奇小説。張鷟著。全一巻。四六駢儷体で記され詩の応酬が多く、単純な設定に対し人物の服装・動作・飲食・遊戯などの描写は詳細を極め、「紅楼夢」に通ずるものがある。主人公の張生が旅の途中、神仙の窟に迷いこみ仙女の崔十娘と五嫂に歓待され、歓楽の一夜を過ごす物語。中国では早く亡佚したが、日本には奈良時代に伝来して文学に大きな影響を与え、古訓は国語資料として重要。江戸時代に中国へ逆輸入された。
酉陽雑俎(ゆうようざっそ)唐代の随筆集。段成式の著。全二十巻、続集十巻。不思議な事件・珍しい書物、衣食・風習・医学・道教・仏教から動植物に至るまでの、怪事異聞を百科全書的に記したもの。当時の時代相や社会の一端を窺える貴重な記事が多い。西洋童話の「シンデレラ」の原案とされる「葉限」を含む。中国随筆文学の代表作。
ら行
礼記(らいき)五経の一。三礼の一。儒家の経典。礼についての解説・理論を述べたもの。全四十九編。前漢の戴聖が古い礼の記録を整理したものといわれ、「小戴礼」ともよばれる。儀礼の解説および音楽・政治・学問における礼の根本精神について述べており、唐代に他の礼書を抑えて五経の中に加えられた。
洛陽伽藍記(らくようがらんき)北魏の楊衒之の手による記録文学。全五巻。永煕の乱で荒廃した洛陽を通過した衒之が、往時の繁栄を追憶し、且つ後世に伝えるために撰したもの。城内各寺院の建立者や由来、貴族の信仰や思想、都城の様子や風俗、政界の事件や西域との交流にも言及し、宋雲・恵生の西域紀行文も載せられている。粉飾の少ない文章と簡潔な表現は、史料として有用のみならず文学的価値も認められている。
李衛公問対(りえいこうもんたい)武経七書の一。正確には「唐太宗李衛公問対」。全三巻。唐の太宗(李世民)の問いに、李衛公(李靖)が兵法を説いている内容で、後世の人が唐の太宗と李衛公の問答に仮託して書いたものとされる。「新唐書芸文志(1060成立)」には記載されていないので、もっと後世の作かもしれない。故に武経七書の中では最も新しい。
六韜(りくとう)武経七書の一。太公望の著とされる。全六巻。文韜・武韜・竜韜・虎韜・豹韜・犬韜かり成る。リーダーの必読書として日本でも有名。「三略」と併称される。
聊斎志異(りょうさいしい)清代の怪異小説集。蒲松齢の著。全十六巻、四百三十一編。民間説話・体験からなる小説集の体裁を採っているが、大部分は志怪もので、神仙・狐鬼・妖怪変化などの怪異界と人間界との交錯した夢幻的な世界を現出し、また各所に現世に対する風刺・揶揄が見られる。
遼史(りょうし)二十四史の一。元の托克托らが編纂した紀伝体の書。全百六十六巻。遼朝の歴史を記した書。本紀三十巻、志三十二巻、表八巻、列伝四十五巻、国語解一巻から成る。
梁書(りょうしょ)二十四史の一。唐の魏徴・姚思廉の編纂した紀伝体の書。全五十六巻。南朝の梁の歴史を記した書。本紀六巻、列伝五十巻から成る。
呂氏春秋(りょししゅんじゅう)秦の呂不韋が学者に命じて編集させた書。全二十六巻。諸子百家の思想をはじめ天文・地理などの学説や伝説に至るまで網羅する。呂覧とも。
列子(れっし)道家の書。全八巻。戦国時代、列子(列寇禦)とその弟子が書いたとされる。晋代の偽作とする説もある。「老子」思想に沿って寓話を中心に展開している。列寇禦の実在性については疑問があり、東晋の張湛が注釈本を出すまでの間の経緯は不明で、漢代の成立説のほかに晋人の偽作説、「叙録」を含めて王弼の偽作説などがあり、ほとんどが魏晋時代の著作と認識されている。が、「朝三暮四」「杞憂」など有名な言葉も多い。
列女伝(れつじょでん)古代の婦人の伝記。全七巻。前漢末の劉向撰とされる。賢母烈婦の話を集め母儀・賢明・仁智・貞順・節義・弁通・嬖の七目に分類したもの。古烈女伝。
老子(ろうし)老子の著書と伝えられる道家の経典。全二巻。戦国時代初期から中期頃成立。現象界を相対化してとらえ、現象の背後にある絶対的本体を道とし、それから付与される本性を徳とし、無為自然の道とそれに即した処世訓や政治論を説く。老子道徳経とも。
論語(ろんご)四書の一。孔子とその弟子たちの言行録。全二十編。戦国時代初期から編纂が始まり漢代になって成立。「仁」を中心とする孔子一門の思想が語られ、儒家の中心経典として思想の根幹となった。日本でも応神天皇の代に伝来し、学問の中心とされた。
論衡(ろんこう)後漢の思想書。全三十巻。王充著。後漢王朝を称賛し、思想界の主潮をなしていた神秘主義や迷信・俗信・讖緯説・符瑞説・災異説などを合理的精神から排撃し、孔子をはじめ過去の聖賢・諸子についてもその尚古思想の矛盾を厳しく批判している。自由主義的批判精神・実証的態度にあふれる。人間論・歴史論・自叙伝など多くの問題を論じて体系化はされていないが、その主張は当時にあっては最も完成された科学的実証主義に貫かれている。往時百編以上あったものが「後漢書」では既に八十五編と記録され、現在ではさらに欠落している。
論語集解(ろんごしっかい)「論語」についての漢・魏の注釈を総合した注釈書。全十巻。三国時代の何晏の編。論語古注のうちで、纏まったものとしては最古。これをさらに解説したものが梁の皇侃の「論語義疏」で、のちに宋の邢[日丙]が改定して「論語正義」となった。
論語集注(ろんごしっちゅう)「論語」の注釈書。全十巻。宋の朱熹著。従来の字句の解釈とは違って新しい儒教哲学の体系から注釈・解説を施したもの。「論語正義」を古注と呼び、「論語集注」を新注と呼んだ。日本には鎌倉時代に伝えられ、室町・江戸時代に広く学ばれた。

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