2003 SBC杯・初生エヴァン君観戦記 
(長野県岡谷市やまびこの森アイスアリーナ)


                 
あのエヴァン・ライサチェク君が日本の土を踏んでくれるという。 長野県岡谷市で開催されるジュニアグランプリ岡谷大会に出場するためである。 エヴァン君がこの大会にアサインされたのを知ってから、この日が来るのを、ず〜〜っと楽しみにしていた。2003年の世界ジュニアで素晴らしい演技を見せてくれたエヴァン君が、日本へ来てくれるのだ!!こりゃあ〜、行かないと失礼というもんだろう。というワケで、私はかな〜り前から随分盛り上がっていたのだ。エヴァン君はジュニアグランプリシリーズでは他にもう一つ、メキシコ大会にもアサインされていたのだが、ケガを理由に、早い時期にクロアチアのザグレブ大会に変更なっていた。「SBC、ホンマに間に合うんやろか?」と心配になったけど、治る見込みのようではある。大丈夫じゃなかったのは実は自分の方だった。よりにもよって、男子SPの日に、ま〜ったく逆方面への出張が入ったのだ!! 行き先は四国の香川県の高松市。今ブームの讃岐うどんのメッカである。誰か他に代わってくれる人がいないもんかと探したけど、ダメである。げっ、 も、もしかして、私は「エスパーニャ・カーニ」が見れないんですかっ!?これは由々しき事態である。何という運のなさ、不幸、悲劇であろう!!こうして私は泣く泣く高松へと、まるで平家のごとく都落ちしたのであった。もっとも、出張を呪いながらも、「転んでもタダでは起きるもんかっ!!」がモットーの私は、「高松駅周辺うどん屋map」だけは、し〜っかりとプリントアウトして行き、ホテル近くのうどん屋で朝っぱらから「かきあげうどん定食」を食べたのであった。ときに2003年10月16日木曜日のことである。(※なお、左写真は友人の作品でございます)

高松での用を済ませた私は、午後4時前に高松駅を出発のマリンライナーの人となり、車窓から瀬戸内海の青い海を眺め「青い空と海のバカヤロー!!」と心の中で叫びながら、本州へと復帰した。しかしながら、香川県の高松から長野県の岡谷までは、かな〜り遠い。最短ルートを利用しても、6時間近くもかかる。今どきの日本の交通事情を考慮すると、珍しいほど不便な道のりなのだ。岡山でのぞみに乗り換え、19時前に名古屋に到着。19時発のしなの25号で塩尻へ向かう。日中の高松は汗ばむぐらいの陽気であったが、午後9時前に塩尻駅へ到着して在来線の普通列車を待っていると、震えるぐらい寒い。うわ〜、吐く息が白いぞ〜!!待ち時間に今日の試合を観戦した友人に電話して結果を聞く。男子SPの結果は、順当に1位はエヴァン君であったが、それほど群を抜いてブッチ切ったワケでもなかったらしい。それでも3Aをコンボで跳んでいたとのことで、昨シーズン(2002〜2003シーズン)は、3AをSPのプログラムに入れていなかったことを思うと、それなりに成長しているのだろう。さらに友人は「でもライサ君、印象が違ってた」とも言っていた。「印象が違う」って一体どういうことなんだろーか???ちなみに2位は岸本君で、織田君は4位だったそうだ。松本からの在来線は10分ほど遅れており、岡谷に到着すると、もう午後10時前だった。ホテルのロビーで無事に友人と再会を果たす。今回のホテルは駅から近く客室数は多いが、かなり年季の入った地方のビジネスホテルである。冷蔵庫からはカビ臭いニオイがするし、カーペットもボロボロ。それでもホテルの絶対数が少ないせいか、杉田秀男大先生はじめ、佐野稔先生など、関係者の方々もお泊りのようなのでちょっとビックリした。

10月17日金曜日。今日もとてもいい天気である(←キミはサザエさんか!?)。活気というものがと〜っくの昔にに失われていそうな、駅前のショッピングセンターの中の蕎麦屋で昼食を摂る。店内のテレビではワールドシリーズのヤンキースの試合を放送していて、ちょうどゴジラ松井がツーベースヒットを打ち、私たちも含め、店内のお客さんはかなり盛り上がった。駅前からタクシーで会場の「やまびこの森アイスアリーナ」へと向かう。見る見るうちに車は山の中に入って行き、ぐんぐん標高が上がって行く。眼下には諏訪湖の湖面が広がり、その向こうには八ヶ岳連峰の美しい姿も見える。天気はまさに快晴で、黄色や赤に紅葉した風景がキレイだ。しっかし随分な山の中だな〜。ようやく公園やそれらしいスポーツ施設も見えてきたが、アリーナはさらにその奥まった場所にあった。こんな山の中で帰りのタクシーを拾えるんやろか?だが友人は、しっかりとタクシー会社のカードをもらっていた。頼りになるのはしっかりした友なのである。

開場まで、まだ時間があるので外で並んで待つ。すぐ側にはテントが張られていて、地元のボランティアらしい人たちが入場券のチェックなどを行うようになっている。地元の農産物や小物などを販売する物産コーナーまであり、かなり頑張っている。ちょうど男子フリーの練習をやっているらしく、ちょうど中から聞こえてきたのは、先週近畿ブロックで聴いたばかりの織田君のフリーの「ザ・ロック」であった。うわ〜、見たい!!早く中に入れてほしい〜!!(←私は気が多いので、織田君ファンでもある)よ〜やく開場となり、ど〜っと中に入る。客席は2階部分のみ。自由席なので割り当てられたブロックの中で見やすそうな席を確保する。リンクでは男子最終組の面々が滑走していた。織田君は日の丸がついた白いTシャツ姿、そしてエヴァン君は金魚みたいな真っ赤な衣装。金糸の装飾も入っていて、お金かかってますねん!!といった感じだ。インドの女性の民族衣装であるサリーに似ている。これがどうやら新しいフリーの衣装のようだ。他の面々が一目で練習着とわかる恰好だけに、この中ではとてもよく目立つ。2003のワールドジュニア以来、久しぶりの、そして初めて見る生ライサ君は・・お顔が真っ黒に日焼けしており、しかもムラ焼け状態になっていた。う〜ん、友人がゆうべ言ってた「印象が違う」とは、このあたりもあるのだろうか?だけど、動きはさすがにこのメンバーの中ではスピードもあるし見せ方がまるで違う。エヴァン君の曲がけにはギリギリ間に合い、どうやら新フリーはラフマニノフのピアノコンチェルト2番らしい。ラフマニという選曲が、どうにもアプト氏ファンくさい。「この曲のつなぎ方は好きじゃないかも・・」と、友人。な、なんだかかなりのブツ切りなんですけど!?ジャンプの調子は悪くはないようで、3Aはコンボも含めてキレイに降りていた。ともあれ初生エヴァン君、いったいどんな演技を見せてくれるのか楽しみ!!し、しかしホンマに黒いな〜・・。

この日の競技は女子SP、オリジナルダンス、男子フリーの順に行われた。それぞれ見応えがあって良かったけど、そこまで細かく書くと、そうでなくてもダラダラ長くなってしまいがちな我がレポートが、さらに長くなる上に自分でも途中で投げ出してしまいそうになるので、省略させていただく。というワケで〜、トートツながらとっぷり日が暮れて、いきなり夜になったと思ってください。これまで何回か書いてきたので、ず〜っと付き合ってくれている物好き・・あ、いや、心優しい天使のような人からしたら、「またかいな」と、思われるかもしれないけど、ここでもう一度、このときの様子を再現する。私は男子の最初のグループのとき、トイレに行った。ここの女子トイレは仮設トイレとなっており、屋外に設置されている。来るとき入った扉から、外に出てすぐ目の前には休憩場所を兼ねたテントがあり、女子トイレは仮設のスロープを降りた右側にある。3歳ぐらいの女の子を抱いた母子連れに続いてトイレに向って歩いていたら、テントの側でたった一人で練習している選手がいた。10月中旬の信濃の国の、しかもこ〜んな山の中はとても冷えて寒い。実際、テントでは関係者がストーブで暖をとっているのだ。大半の選手たちは会場の中の通路などを利用して、ウォーミングアップしている。なのに・・エヴァン君は、た〜った一人で黙々と (使い古されたギャグだが、ブツブツ言ってる方が明らかに変) 練習していたのである。それも女子トイレの近くで・・(注:エヴァン君の名誉のために補足しておくと、エヴァン君はそんなことは一切知らなかったのだろうと思われる)。USチームジャージ姿のエヴァン君は、腕を前に突き出しするような仕種をしていたりして(←のちの『腕ブンまわし』であることは、言うまでもない)、その横顔、かなり気合いが入っている様子である。おぉ〜、いいね〜。なかなかに凛々しい横顔じゃないか!!っつ〜か、かなりカッコいいんですけど!?「フリー、いい演技を見せてね〜、楽しみにしてるからね〜!!」と、心の中で思いつつ、狭い仮設トイレの中に入って行ったのであった。



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