「え、早川祐作さんは、ここにはいないんですか?」
世界科学連邦I.N.E.Tの日本支部に1人の少年がやって来た。
彼は特別開発班チーフ・早川祐作に会いに来たのだが、
ご存知の通り、彼は猿島での戦いに参加した後、バルカンベースへと向かっている。
「ソレヨリモ君ノ名前ハ? 早川サンニ何ノ用ナノ?」
片言の日本語で応対するのはI.N.E.Tのポップ隊員。
「あ…自分は、翔直人です…。実は…。」
直人が話し始める。
翔直人は、異次元の特命捜査官のエネルギーと合体することによりグリッドマンとなる。
そしてメガレンジャーと力を合わせ、機龍隊基地のコンピュータ内に出現したウイルスを退治した。
だが、その次の日のことである。
地下室の自作パソコン「ジャンク」の前に4人の男女が集まっていた。
直人は、井上ゆかに尋ねる。
「ゆか、今何が起きてるんだ?」
「日本各地で怪獣や怪人が確認されてるわ…日本だけじゃない、オーストラリアや008にも。」
「くっそぉ…世界中が大ピンチってわけか!」
馬場一平が拳を震わせながら言う。
「なぁ、オレたちも、いざという時のために避難の準備しといた方が良くないか…?」
…と、藤堂武史がちょっと弱気な声で提案する。
「何言ってるんだ、武史!これを残して逃げようって言うのか!?」
直人が「ジャンク」を指して言う。
「直人…。」
この中には、4人の思い出が…そして、グリッドマンがいる。
『直人…一平、ゆか…そして武史。』
画面に映る超人…コンピュータワールドの守護者、グリッドマンだ。
「どうしたんだい、グリッドマン?」
『実は…カーンデジファーの動きが、最近怪しいんだ』
「どういうこと?」
『カーンデジファーが怪獣を蘇らせたのは、知ってるな?』
「知ってるも何も、戦ったじゃん。」
一平がもっともな突込みを入れる。
だが、グリッドマンの顔はいたって真剣だ。
『その中にバモラもいるだろう。あいつは、現実の世界に来ることができる。』
武史が苦い顔をする。
バモラやフレムラー達は、かつて武史が作り出した怪獣だったからである。
「つまり…グリッドマンやゴッドゼノンも、現実世界に出す必要があるってこと?」
グリッドマンが無言でうなずく。
「うーん…そんな大掛かりなプログラムが組める人なんて…」
頭を抱える一平に、武史は…。
「…多分何とかなると思うよ。」
「本当か!?」
「…あ、そうか…」
ゆかが何かを思い出したかのように言う。
「この前の戦いでグリッドマンを助けてくれたメガレンジャーは現実世界の戦士…
現実世界の戦士をコンピュータワールドに送り込めたってことは…」
「そうか、その逆も出来るかもしれないってことか…よし、直人、ゆか!」
「いや一平、オレが行く。直人たちは、もしもの時のために、ここに残ってくれ。」
「ナルホド、ソレデ早川サンニ会イニ来タンダネ。」
「そうです。調べてみたら、そのプログラムを組んだのは、早川っていう人だと分かって…。
それよりも、早川さんは何処に行かれたんですか!?」
「バルカンベースじゃよ。」
ポップの後ろから、少し太めの中年の男が出て来た。
「アッ、久保田博士!」
そう、その人こそ、I.N.E.T日本支部の責任者・久保田博士である。
「バルカンベース…? 何処なんだよそれ…。」
頭を抱える直人。
「ジャア、僕タチト一緒ニ日本ヘ戻ル?」
「えっ!?」
ポップの提案に驚く直人。
「僕タチモ、ソコヘ行カナイトイケナイシ。」
「ポップ!この少年を戦いに巻き込んでしまうことになるかもしれないんだぞ!?」
久保田博士が慌ててポップに言う。
「構いません、行かせて下さい!」
だが、直人は決心していた。
「う〜む、しかしなぁ…。」
「輸送機ガアルカラ、ソレニ乗ッテモラッタライイデスヨ。」
「輸送機?何を運ぶんですか?」
久保田博士が腕を組んで言う。
「新しく生まれ変わったメガボイジャーとデジタンクだ!」
だが、久保田博士が言い切ったその時、サイレンが鳴り響き、警報ランプが赤く光始めた。
「大変です、久保田博士!」
奥から白衣を着た科学者らしき男が出て来る。
「立花くん、どうした!?」
出て来たのは久保田博士の助手の立花博士である。
「メインコンピュータが何者かにハッキングされています!」
久保田博士は、直人と共にメインルームへと向かう。
メインルームは大慌てである。
その時…。
『フハハハ…』
何処からともなく声がし…。
『…I.N.E.Tのコンピュータは、このオレが破壊してやる!』
メインモニターに何者かが映る。
久保田博士はその者に見覚えがあった。
「お前は…ユガンデか!」
ユガンデとは、幾度となくメガレンジャーに挑戦してきた邪電王国ネジレジアの行動隊長である。
「久保田博士、これは!?」
「デジタル回線を使って侵入したんだ…このままではI.N.E.Tは全滅だ!」
「よし…こうなったら…」
直人が腕のアクセプターを掲げる…
…が、その時、直人の目の前のパソコンが爆発した。
「うわぁっ!」
吹き飛ばされる直人。
「大丈夫か、君!?」
慌てて駆け寄る久保田博士。
『何をしようとしたのかは知らんが、無駄なことだ!』
メインモニターに映ったユガンデは嘲笑している。
「く…グリッドマン〜!」
その時…。
『グハッ!』
コンピュータ世界のユガンデが吹き飛ばされる。
そして光とともに何者かが現れた。
「グリッドマン…?」
直人が恐る恐る見るが、グリッドマンとはどこか違う。
「…グリッドマン…シグマ!武史!」
そう、藤堂武史が合体したもう1人の電光超人…グリッドマンシグマだ!
『大丈夫か、直人?』
「助かったぜ、武史!」
『おのれ…』
愛用の剣・ダーククライシスを構えたユガンデが襲い掛かってくる。
『シグマスラッシュ!』
『グハッ!』
グリッドマンシグマの必殺技を食らうユガンデ。
『クッ…コンピュータ・ワールドでは力が出せない!』
そう言って、ユガンデはそのまま姿を消してしまった。
数時間後…。
I.N.E.Tの輸送機に乗り込む直人。
それを見送る久保田博士。
「私はここを動くことは出来ないが、よろしく頼んだぞ。」
「せっかく作り直したメガボイジャーを壊すなってメガレンジャーに伝えてくれ!」
…と、これはチーフメカニックの川崎省吾隊員の声である。
直人はポップと、女性隊員のシェリーに連れられ輸送機に乗り込んだ。
そしてメガボイジャーとデジタンクを乗せた輸送機はゆっくりと発進する。
バルカンベースへと向けて…。
さて、そのバルカンベースには、XIGの石室コマンダーを乗せたファイターが丁度到着していた。
「お待ちしていました。」
出迎える嵐山長官。
「遅れて申し訳ありません、嵐山長官。会議の方は?」
「いや、これからです。さ、会議室へ。」
「はい。」
続いて新ウルトラ警備隊のウルトラホーク1号、Mydoのスカイシャーク、4つに分離したキングジョーIIIが到着。
そのまま会議室へと向かう。
「皆さん、よく集まってくれた。これより、緊急会議を開きたいと思う。
」
会議室には怱々たるメンバーが揃っていた。
嵐山太陽戦隊長官を始めとして、夢野博士、XIGの石室コマンダー、
地球防衛軍のドロシー・アンダーソン、佐原博士、光明寺博士、お茶の水博士、三神博士、
伝正夫、志田京介、神誠、曙四郎、汀マリアらバトルフィーバー隊、
飛羽高之、鮫島欣也、豹朝夫ら太陽戦隊サンバルカン、嵐山美佐こと白バラ仮面、
タケル、ケンタ、アキラ、ハルカ、モモコら光戦隊マスクマン、
ゲキ、ゴウシ、ダン、ボーイ、メイ、ブライら恐竜戦隊ジュウレンジャー、
陣内恭介、土門直樹、上杉実、志乃原菜摘、八神洋子ら激走戦隊カーレンジャー、
伊達健太、遠藤耕一郎、並樹瞬、城ヶ崎千里、今村みく、早川裕作ら電磁戦隊メガレンジャー、
シラガネ、シマ、ミズノ、サトミ、ルミ、カザモリら新ウルトラ警備隊、
薩摩萬、朝日勝人ことウルトラマンゼアス、星見透、武村岩太、数学らMydo、
結城晃、新城功二、鈴木、大野、上原、黒木らGフォースメンバー、
叶隼人、村岡耕作、大熊拳らエクシードラフト、一条寺烈こと宇宙刑事ギャバン、
おゝとりゲンことウルトラマンレオ、ケンイチ・カイことウルトラマンパワード、
ポワトリンこと村上ユウコ、トトメスこと中島サナエ、月野うさぎことセーラームーン、
山城拓也ことスパイダーマン、香川英行ことオルタナティブ・ゼロ、榎田ひかり、
ロボット刑事K、芝刑事、新条刑事、覚羅こと御膳様、滝沢直人ことタイムファイヤー
ジローことキカイダー、イチローことキカイダー01、マリことビジンダー、U7こと草間大作、
尾藤あやめこと仮面ライダーオーディン、尾藤鳴子こと仮面ライダーリュウガ、
麻宮サキことスケバン刑事、風間唯こと3代目スケバン刑事。
五代陽子こと2代目スケバン刑事は、現在治療中である。
「全くすごいメンバーが揃ってるな…」
メガブラックこと遠藤耕一郎が感心したように言う。
「でも、結構女の子も多いよな…」
「こらっ、健太!」
不謹慎な台詞を言ったメガレッドこと伊達健太を怒るメガピンクこと今村みく。
…とそこへ…。
「オクレテスミマセン!」
ポップ、シェリー、そして直人が到着した。
「あ、ポップ!メガボイジャーとデジタンクは!?」
「モチロンOKダヨ!」
メガシルバーこと早川裕作の声に答えるポップ。
「よく来られた、まぁ、掛けてくれ。」
嵐山長官に言われ、会議室の空いた席に座る3人。
嵐山長官が再開する。
「では、会議を始めよう…、まず今一体何が起きているのか、全員が把握しておく必要があると思う。
電波妨害などで、なかなか情報が行き渡っていないからな…。美佐!」
「はい。」
嵐山長官の娘・嵐山美佐が前に出る。
「まず、ゴジラが突如東京湾に出現したのがこの一連の事件の始まりでした。
GPN…ゴジラ予知ネットも、これは予測が出来なかったとのことです。」
「その辺りのことについては、自分に言わせて下さい。」
バトルフィーバー隊のバトルジャパンこと伝正夫が立ち上がる。
「ゴジラに続いてツルク星人や蛸怪獣ダコーダ、そしてバラノイアの巨大要塞まで出現するものの、
我々はメガレンジャーやスパイダーマン、光の巨人たちと力を合わせて何とか撃退します。
そしてオーレンジャーたちとアルプスの超力戦隊本部へと移動しました。
しかし、オーレンジャー本部はバンリキ魔王やウルトラセブンによって壊滅…。」
「セブンが…。」
ウルトラ警備隊のシラガネ隊長は、険しい顔をする。
「……。」
一方、Mydoの薩摩隊長は、黙ったまま目を閉じている。
「ウルトラセブンはその後、エリアルベースを襲撃。我々が…撃退しました。」
XIGの石室コマンダーが淡々と言う。
再び嵐山美佐が語りはじめる。
「超力戦隊本部襲撃の際に、オーレンジャーは行方不明に、三浦参謀長は現在、長野で治療中です。
その長野でも、怪事件が起き、フルハシ参謀率いるウルトラ警備隊とターボレンジャーが向かっています。」
他にもB450−17ポイントにはベーダー要塞が、神居野ニュー都心にも怪人が出たとの情報です。」
「うむ…怪人たちが暴れまわっているという情報も多々入っている。
中でも警視庁は暗黒七本槍や地底帝国チューブに襲われたと聞いたが…?」
嵐山長官の問いにロボット刑事Kが答える。
「はい…しかし、G3−Xと城戸真司さんら…通称ミレニアムライダーズのみなさんに助けられました。
現在彼らは、とある組織と合流するために出発しました。
あれ…そういえば芝刑事、町田警部の姿が見えませんが…?」
「あぁ、なんでも担当している事件に動きがあたって言って、行っちまった。」
「他にも、新都心に巨大オルグが出現し、空中都市008も襲撃されたとの未確認情報もある。
さらにはオーストラリアにも怪獣が現れたらしい。」
「九州でも何か起こっているようじゃ…ハリケンジャーが向かっておる。」
御膳様こと覚羅が口を開く。
「そしてゴラスだ…巨大隕石が地球へと向かっている。」
厳しい顔でいう嵐山長官に…
「えぇっ!?じゃ、メガボイジャーで宇宙に行って…」
「あ、いや富士のTAC基地で、ゴラスを破壊するためのミサイルを建造中だ。」
健太の言葉は途中で遮られた。
「長官、そろそろ会議を始めましょう。」
「そうだな…まずはI.N.E.T.の早川君より、話があるようだが…。」
「あ、オレは最後でお願いします。」
「そうか、ではアンダーソン博士。」
地球防衛軍ニューヨーク支部の金髪の女性隊員、ドロシーアンダーソンが立ち上がる。
「はい。まずはじめに…現在、ゴラスをはじめとした外からの攻撃に対し、我々は現在も無力のままです。」
「せっかくメガボイジャーが来たのに、バトルフィーバーロボやジャイアントロボはまだ修理中だもんね…。」
今村みくは不安そうに言う。
「しかし機竜やメカゴジラなどの予算もありますから…なかなか新規のロボットを開発する予算は…」
Gフォースの黒木特佐も不安そうな顔で言う。
「そこで、我々は…異星からの兵器に目をつけました。」
「というと?」
「かつてM78星雲の光の戦士をはじめとした多くの戦士達…彼らと戦ったロボット達の技術を、
我々地球人の手で新たによみがえらせようと思うのです…。」
続いて光明寺博士が話し始める。
「とはいえ、まだ危険ですね。とりあえず、先ほどのキングジョーで、実験というわけです。」
「ということは、キングジョーIII以外はまだ、実戦では無理だと?」
「えぇ。」
「ふむ…なるほど。現時点での皆様方の対応はわかりました。
では、次は御茶の水博士。」
嵐山長官に名前を呼ばれ、少し緊張したように話始めるお茶の水博士。
「えぇ…では、続いてワシが。
…ここにいる諸君は、月光仮面やナショナルキッドは知っておろうな?」
「えっと…月光…なんだったっけ?」
「し、知らないんでございますですか?…かつて日本を救った英雄でございますですよ?」
頭をかく健太、それに驚くブルーレーサーこと土門直樹、そして怒る耕一郎。
「教科書に載ってるだろ!」
「あ、そ、そういえば…。」
「…ったく、最近の若ぇもんは物を知らねぇときてやがる。」
芝刑事も呆れた顔をしている。
「で…、お茶の水のオッサン、それがどうしたんだ?」
「オッサン…? あぁ…彼らも祝十郎君を中心に『サタンの爪』との戦いに向かっているようなのだが、
ひとつ不安なことがあってな…。」
「サタンの爪まで復活しているとは…それで不安なこととは?」
嵐山長官が尋ねる。
「一の谷博士と連絡が取れん。つまり…『カードデッキ』の行方もわからんのじゃ。」
「カードデッキって…まさか!?」
尾藤あやめが大声を上げる。
続いて鳴子が…
「その博士さんも、ライダーなの?」
今度は夢野博士が口を開ける。
「そうじゃない。一の谷博士は、カードデッキの研究の一人者だったんだ。
…もしかすると、ということですか、お茶の水博士?」
「左様…ああ、アトムさえいればなぁ…。」
「アトムは今どこにいるんです?」
「アトムは今コールドスリープ中だ…。
わしがバカじゃった…平和だったからと浮かれ、向こう10年は開かないようにロックしてしまった…。」
「そんなに自分を責めないでください、博士。祝君たちなら、きっと…。」
お茶の水博士の肩をポンと叩く嵐山長官。
「では次は私が…」
オルタナティブ・ゼロこと香川英行が立ち上がる。
「嵐山長官、『バダム』の名は御存じですか?」
「バダム? いいや、初めて聞く名だが。そういえばブライ君、カメラオルグは何か言っていたかね?」
「いいえ…」
猿島へ戦いに行ったシュリケンジャーに代わり、カメラオルグの取り調べを担当しているブライは答えた。
「そうですか、実は今回蘇った怪人達はバダムと言う組織も関係しているのです。」
「バダムとは? 怪人達は『大いなる意思』によって蘇っているんのでは?」
「カメラオルグも、蘇った時『大いなる意思』の『思うまま暴れるが良い』という声が聞いたと言っていますね。」
ブライが言う。
「確かに、しかし、蘇った怪人達の一部はバダムといいう組織に属し行動をしているらしいのです。
バダムと言う組織も『大いなる意思』の行動の一翼を担っているのは間違いないでしょう。」
「バダムか…。」
「その組織について、何か情報はないのですか?」
ウルトラマンレオことおゝとりゲンが言う。
「残念ながら今の所は。しかし、アンチバダム同盟と言う組織から接触があり、城戸真司くんらのチームが
彼等のもとに向かっているので、バダムについて、もう少し詳しい事が分かると思います。」
「バダムの本拠地等が分かれば、我々も有効な攻撃が出来るということだな。」
「はい。」
嵐山の言葉に香川は頷く。
「とりあえず、現時点で組織として行動している中で、一番やっかいなのはバラノイアという事になりますね。」
Gフォースの黒木が言う。
それに対して嵐山美佐が資料を取り出し言う。
「はい、現在、マシン帝国バラノイアの襲撃により、MACステーション、オーレンジャー本部が壊滅。
幸い機龍やメカゴジラは無事でしたが機龍隊基地も襲撃されています。」
「各国のユニコーン支部も、奴らによって全滅させられました。」
U7こと草間大作隊員が言う。
「確認されたバラノイアの母艦10隻のうち、現在2隻しか倒せていません。
奴らの繰り出す戦闘機隊は無尽蔵、さらに次々とマシン獣を繰り出し、その兵力の底が見えません。
やはりまずは奴らを倒すのに全力をつくすのが一番ではないかと思うんですが?」
提案する黒木。
「いや…」
続いて薩摩が立ち上がる。
「異次元や外宇宙からの攻撃も忘れてはいけない。
チームEYESの話によるとウルトラマンエースが異次元人ヤプールに捕まったという。
そしてTAC基地にはマリア3号破壊のため、ザラブ星人が現れたと聞いた。
如何ですか、嵐山長官?」
「うむ…だが、地球人の中にもやっかいな敵がいる、たとえばキャプテンゴメスだ。」
「ゴメス…?」
嵐山長官の発言に黒木と薩摩は首を傾げる。
「ゴメスと言うと、あの紛争請負人の?」
「そうだ、君達が猿島で捕らえようとした軍服の男はチーフキッド、ゴメスの腹心の男だ。
奴が死際に言ったブラックタイガーと言う言葉で分った。
奴は、ゴメスとブラックタイガーに仕えたからな。だが、タイガーにあれだれの作戦を実行できる力はない。
猿島での戦いはゴメスが仕組んだ事に間違いない。」
「…ゴメスも相手にしなきゃいけないとなるとやっかいですね。」
「それ以外に現われる連中も相手にしなければならない…やっかいだな。」
「んじゃ、早川君の持って来たもの見せてもらっていいか?」
お茶の水博士が早川に言う。
しかし、そこへ割り込んでくる夢野博士。
「そ・れ・は、私の研究の物なんだから私に言わせなさいよ!」
ゴホン…それでは、そろそろ私の番ですね。早川君、例のものを。」
「…わかりました。」
早川が、ジュラルミンケースから出したものは、星の形が刻まれた小さな円形の物体だった。
「なんなんだね、それは?」
お茶の水博士の問いに夢野博士はちょっとにやけて答える。
「…スターピースだ。」
『スターピース??』
驚きの声を上げる一同。
「正確には、もう一つのスターピース、アナザースターピースとでも言っておきましょうか。
発明センターをやっていると、いろいろな人に出会うものでしてね…。
皆さんは、高円寺寅彦博士をご存知ですか?」
「知りませんなぁ。」
「高円寺…どこかで聞いた記憶はあるが。」
光明寺博士、三神博士が口々に言う。
「知らないのも無理はありません。高円寺博士は表舞台にはまず出てこない無名の科学者です。
そのおかげで敵にもまだマークされていないようですがね。
しかし、意思を持ち変形機構まで内蔵するロボットを独力で開発するほどの技術の持ち主です。
また、銀河古文書と呼ばれる謎の文書の解読なども行っています。」
まぁ…なかなか奇特な方ですがね…。」
と言うと苦笑する夢野。
「発明センターで出会った子供達からの繋がりで、高円寺博士と知り合った私は、彼と親しくなりました。
そして先日、彼はエジプトで発掘した新たな銀河古文書を解読し、その内容を私に教えてくれました。」
「一体何が?」
「かつて高円寺博士は、銀河古文書から得た情報を元に、
13個集めると素晴らしい事が起きるとされるスターピースを、自作ロボットのビーロボ達に探させたそうです。」
「素晴らしい事!?何だったんですか?」
興味津々で尋ねるお茶の水博士。
「いや、博士はそれは教えてくれないんだ。“大した事ではなかった”としか話してくれないのです。」
「気になるなぁ…」
「そして博士は、新たな古文書から、鏡の中に存在するとされる…
『もう一つのスターピース』の存在を知ったのです。
そして、信じられない事ですが、博士の独自の調査によると、
その鏡の中にあったアナザースターピースが、先日、何らかのきっかけで、
我々のいるこっちの世界へと移動したらしいのです。」
「鏡の中…もしかすると…」
何か閃いたような顔をする鳴子。
「えぇ、先ほど、仮面ライダーや神崎という謎の男に関する話を聞き、
もしかするとそれとも関わっているのではと推測しています。」
「…で、そのスターピースとやらを集めると、どうなるというのですか?」
「そう、そこです。高円寺博士によると、どうも今度は、『扉を開く“アレ”が現れる』というのです。」
「“アレ”?お兄ちゃんから聞いた覚えがあるような…」
鳴子が再び口を開く。
「いや、恐らく、ハリケンジャーが見たというものとは別でしょう。
詳しい事はそれ以上わからないそうですが、扉を開くと言う事は、
もしかすると、どこか別の場所へ行けるという事なのでは、と高円寺博士は言っていました。」
「なるほど。今度の一連の事件に関係する、どこか別次元に行けるという可能性も…」
「十分考えられます。」
嵐山の推理に夢野が答える。
「スターピースの在り処は不明ですが、一つだけ、アメリカにあるらしいという事が分かりました。」
「そこで俺が、夢野博士に頼まれて、アメリカへ行ったのです。」
夢野に代わり早川が説明を始める。
「そしてアメリカで、ビーロボ達と合流し、スターピースを探しました。そして、ついに辿り着いた場所には…」
「何があったんだ?」
「アメリカン・ゴジラがいました。」
「アメリカン・ゴジラぁ?あのゴジラかい?」
健太が呆れたような顔で言う。
「いや、アメリカでゴジラと呼ばれる生物は、ただの爬虫類の突然変異の化け物です。
便宜的にゴジラと呼ばれているにすぎません。」
ドロシー・アンダーソンはそう答える。
「まったく、若いやつは本当に何も知らねぇもんだなぁ。」
芝刑事はまたも不愉快そうな顔で言う。
「そう、ただの爬虫類だから簡単に倒せると思ったのですが…
スターピースの影響か、もしくは例の“大いなる意思”の影響か、非常に強力凶暴になっていまして、
オレのメガウィンガーだけでは危ないところでした。
それを助けてくれたのが、ウルトラマンパワード…カイ・ケンイチ隊員だったのです。」
そして…ゴジラを倒した後に残っていたのが、これです。」
そう言ってアナザースターピースを掲げる。
「スターピースは後12個、どこにあるのかはわかりません。」
「ん…?では最初の一個がアメリカにあるってのはどうしてわかったんですか?」
シンクレッダーこと叶隼人が尋ねる。
「高円寺博士がスターピースの話をしたのは、私の他にもう一人いました。
それは一の谷博士です。博士は独自の計測から、アメリカにあると割り出したのです。
その一の谷博士とは連絡が…。」
夢野博士はゆっくり話す。
「警視庁にさきほど連絡を取りました。何人か一の谷邸へ向かってもらいます。」
新條刑事が言う。
「一の谷博士に聞けない以上、残りは我々で探さなければなりません。」
「手がかりはないのですか?」
「スターピースは、事件のある所に存在する確立が高いと高円寺博士は言っていました。
戦いから発生する大量のエネルギーが関係しているのかもしれない。」
「続発する事件に対処していけばおのずから見つかるかもしれないということですな。」
しかし、その高円寺博士をここに呼んでは?」
嵐山の問いに夢野は答える。
「それも考えたのですが、我々の動きが敵に感知され博士の事を知られてしまうのは危険です。
私のように捕えられてしまう恐れがありますし。
博士は今、日本のある場所で、ビーロボに護衛されながら新たな銀河古文書の解読を進めています。」
「続発する事件への対処と、残り12個のスターピース探索。とりあえずまずやるべき事はこの2つのようだな。」
さて…会議の議題はここまでかな?」
「待ってください。」
1人の女性が手を挙げた。
国家警備機構の代表として会議に出席した藤森典子だ。
「ゴメスの件で、1つ提案があるのですが。」
「何かね?」
「実は、警備機構で昨日、どくろ団を捕縛したのです」
「…何、どくろ団も復活してたのか!?」
どくろ団の名を聞いたお茶の水博士は青ざめた。
「えっ、そいつらはそんなに恐ろしいんですか?」
「全員がどくろの面をつけた、あいつらは悪魔の集団じゃ!」
典子は続ける。
「はい、でも、幸い行動を起こす前に、首領のどくろ仮面以下、全員を捕まえる事が出来ました。」
「そうか、それは良かった…。」
それを聞いたお茶の水は安堵の表情をした。
「そこで、奴らのアジトを利用し、どくろ団になりすましゴメスに接触するというのはどうでしょか?」
「接触!?」
「はい、猿島での戦いの資料を見ますと、敵の戦力は、頭脳獣、ブレインロボット、新帝国ギアのロボット、
それにジャシンカのメキド王子となっています。これから察するにゴメスは、バラノイアなどと違い、
様々な人物、組織を取りまとめて行動していると見られます。
猿島でかなりのダメージを受けていますから…。」
「…なるほど、奴は戦力を増強するために新たな悪の組織、または人物達を探していると言うわけか。」
典子の洞察力に感心する嵐山長官。
「面白い、どくろ団は全員どくろの仮面をつけているから俺達の正体がばれる事もない!」
「うん、現在、我々は防戦に精一杯、一矢報いるのにいいな。」
「長官、やってみましょう!」
サンバルカンこと飛羽高之、鮫島欣也、豹朝夫らが口々に言う。
「うむ、面白い。だが、BF隊やサンバルカン、猿島で戦った者達だとは正体がばれる可能性があるな…。
ゴメスはかなりの切れ者だ…。」
「じゃあ、ゴメス達が知らないであろう者達で行けば…」
「そうだな。」
「そうじゃ、それなら儂の知り合いの探偵にも協力してもらおう!」
お茶の水が言う。
「探偵?」
「こんな大変な事を探偵に頼むなんて…」
「何を言う、昔から『餅は餅屋』と言うじゃろ。
それに、そいつは『七つの顔を持つ男』と異名をとるほどの凄腕の探偵じゃぞ!」
続いて三神博士が口を開く。
「お茶の水博士も探偵に知り合いがいるのですか?
実は私も今の話を聞いて、知り合いの探偵の顔が浮かんだんですよ」
「おお、君も知り合いがおるのか!」
「はい、BD7と言う少年探偵団を主宰している明智と言う男なんですが、
彼も、数々の難事件を解決して来た凄腕の男なんですよ。」
「おぉ、2大名探偵の共演か! それは面白いな!」
「…となると後、やるとしたらゴメス誘い出すエサも必要ですね…。」
「長官、失礼します。」
…と、そこへ、平和守備隊隊員が入って来た。
「どうした?」
「実は、今、浅見グループの総裁の御子息、浅見竜也氏らがお見えになり、
一連の事件に関連して話があると言うのですが…。」
「浅見グループの…?
そう言えば彼は、シティーガーディアンズの臨時代表にもなっていたな。
いいだろう、ここへお連れしなさい。」
「はっ。」
しばらくすると、浅見竜也と11人の男女が会議室にやっと来た。
「初めまして浅見です。」
「私が嵐山です。ところで、そちらの方は?」
「はい、彼等は30世紀からやって来た時空刑事達です。」
『30世紀!?』
未来人と聞き、驚く一同。
頭を下げるユウリ、アヤセ、ドモン、シオン、そしてカナ、メイ、サキ、ハルカ、エリー。
しかしアミだけは目を丸くしていた。
「あの人、イキナリ正体ばらしちゃったよ!?」
「事態が事態だけにしょうがないわね…。」
ちょっと冷や汗をかきながら答えるサキ。
「初めまして、私は時空警察機構『M・U・DIX』
より派遣された『Wecker(ヴェッカー)』
のリーダーサキです。」
それに習ってドモンも自己紹介する。
「ちなみに俺達は、時間保護局のタイムレンジャー隊ね。あ、リーダーはオレ!」
アヤセは「やれやれ…」といった顔をしている。
「…どう違うんですか?」
「うっ、それは…」
夢野博士に尋ねられたじろぐドモン。
すかさずシオンが助っ人に入る。
「えっと…それはまた今度話すとして…サキさん!」
「話を続けさせいもらいます。今回、こちらに伺ったのは、この時代で神崎士郎という人物が…」
『…!?』
神崎の名を出した途端、ざわめきが起こる。
「えっ、神崎士郎を御存じなので…?」
「とりあえず話を続けてください、サキさん。」
「そうですか、えー、その神崎士郎が設計した時空破断装置の設計図がバダムという組織の手に渡り、
時空が乱れ、30世紀にまで、影響を及ぼしてしまいそうになのです。
そこでバダムの手に設計図が渡る前に、設計図とともに神崎士郎の保護に協力してもらいたいのです。」
「時空破断装置とは何ですか?」
「この時代に、様々な時間軸を持ってくることができる装置です。」
「そうすると、未来の兵器とかも、この時代に持って来られるわけだ。」
軽くいうドモン。
「神崎君が、そんな物を作っていたのか…」
驚きを隠せない香川。
「そういうわけで、協力してもらえないでしょうか?」
「…どうやら、一足遅かったようだ。」
嵐山の返事に慌てるサキ、そしてユウリ。
「えっ、それはどういう意味ですか?」
「神崎はすでに殺害されてしまった。」
『…!?』
驚きを隠せないタイムレンジャーとヴェッカー達。
「マジかよ…。」
「しかし設計図の方は彼の研究室にあるかもしれない、行ってみると良い。」
香川の声に少々安心する未来人たち。
「しかし、もしもバダムが、そんな装置を作ってしまうと大変なことになるな…。」
「いえ、それも一つの方法です。」
「どういうことかね、サキくん?」
「バダムに時空破断装置を完成させるのです。」
驚いたのはタイムレンジャーの5人だった。
「何だって、そんな事をしたら…!」
「時空破断装置を起動し、別の時空をこちらの世界に持って来る時に生ずる時空の歪みを探知し、
所在を突き止め破壊するのです。」
「そんな事ができるのですか?」
「はい、持って来られる時空は、機械を作動した場所にしか持って来られないので。」
「でも、サキ、私達が持って来た装置だと広範囲を正確に探知できないわよ…。」
「大丈夫よメイ。カナ、本部に連絡。一応、時空管理局のタイムGメン・コセイドン隊に応援要請を頼んで。
あくまで、もしも、の時のためだけど。」
「ハイ。」
そう言い、本部に連絡を入れるカナ。
「えっ、コセイドン隊にも応援頼むのか!?」
「やったー、僕コセイドン号見たいです!」
コセイドンの名を聞き、興奮するドモンとシオン。
「コセイドン隊って?」
竜也は初めて聞く名前だった。
「コセイドン隊は、未来の歴史に影響を与える危険がより高い有史以前で活動を許された精鋭部隊よ。
特にコセイドン隊は。中生代を担当している精鋭中の精鋭なの。」
「コセイドン号なら、世界のどこで装置を発動しても正確に場所を探知できるな。」
ユウリとアヤセが説明する。
「…という事はバダムの本部を探知できるかもしれないということか!」
分かりました。我々も出来うる限り協力しましょう。」
「ありがとうございます。」
握手する嵐山とサキ。
「では、私たちは神崎士郎の研究室へと向かいます。
じゃあ、行きましょう、みんな。」
「あぁ。では、失礼します、嵐山長官。」
竜也がチラッと振り向くと、滝沢直人と目が合った。
そして2人頷ともく。
そのままタイムレンジャーとヴェッカー達は会議室を後にした。
「しまった、ワシも後学のためについていけば良かった!」
悔しそうにするお茶の水博士。
「さて…会議の議題はここまでかな?
……では、今後の予定を発表する。」
まずカイ君とおゝとり君は、Mydoと行動を共にする事。」
「えっ?」
「why?」
ゲンとカイが驚きの声をあげる。
嵐山に代わり薩摩が話を続ける。
「大鷲隊員らの代わりに妖星ゴラスの破壊に行こうと思う。
それに、ウルトラの星にも用があるしな…。」
「……は?」
「……っと、失礼。それとアンダーソン博士、キングジョーIIIをお貸ししていただけないでしょうか?」
「了解。機体の詳しい情報はこの資料に…。」
「いや、結構。…何せ、2度も戦っていますから」
「…は?」
「だから、んもう…」
薩摩の発言をゲンが止めにかかる。
「ハッハッハ、冗談冗談。それでは、Mydo、およびおゝとりゲン、ケンイチ・カイは宇宙へ向かいます。」
「頼みましたぞ。
さて…次にカーレンジャー諸君と鳴子君、あやめ君は長野へ向かってもらいたい。
ターボレンジャーたちも向かったとのことだが……少々気がかりでな。」
「田村直人警部も長野市内にいるのですが…連絡が取れません。」
新條刑事が言う。
「彼らだけじゃ心配ってことね、よぅし、頑張るわよ、鳴子!」
あやめは気合を入れながらそう言った。
「マスクマンの五人とスケバン刑事の諸君は情報収集を頼む。」
「え…?」
「何か、不満でも、アキラくん?」
「とととと…とんでもないです!!」
「んじゃ、決まりね。そっちの2人はどう?」
ハルカがサキと唯に尋ねる。
「あたいらは構わないよ。陽子の治療もそろそろ終わるし。唯、あんたは人員を集めときな!」
「はい!」
「…人員?」
「そう。…こいつの姉貴と、陽子の仲間。
それに、『あすか組』や『セーラー服反逆同盟』の奴等の力も借りてぇしな…。」
「では、マスクマンとスケバン刑事の諸君は以上だ。」
「長官…あの、お願いがあるんですが…?」
「何かね、一乗寺烈くん?」
「実は、俺の仲間達…まあ、後輩でもあるんですが…
彼らと連絡が取れないんです。様子を見に行ってもいいですか…?」
「うむ、許可しよう。」
「長官、僕達も同行します。」
「それなら、俺達も。」
高之、隼人が続けて言う。
「分かった。サンバルカン、エクシードラフト、護衛を頼むぞ。」
「はい!」
「バトルフィーバー隊、山城拓也くん、そして大作くんは、修理中の各ロボットの受け取りに。」
「ロボが直ったんですか?」
「ジャイアントロボ、バトルフィーバーロボを始め修理は終わった。今までどおり使って大丈夫だ。」
「では、我々はロボの受け取りに向かいます、みんな行こう。」
「ジュウレンジャーの6人とユウコ君、芝刑事と新條刑事にK君はスターピースを捜してほしい。」
「えっと…どうやってですか?」
何をやれば良いのか分からず尋ねるティラノレンジャーことゲキ。
「高円寺博士に会うことはできないが、彼らの作ったビーロボ達に会うことはできる。
まずは、彼らを捜してほしい。」
「…っていうことは…そのビーロボ達が、スターピースの手がかりを持ってるわけね!」
…と、プテラレンジャー・メイ。
「よろしく、ジュウレンジャーのみなさん、ユウコさん。」
握手を交わすKとゲキ、そしてポワトリンこと村上ユウコ。
「Gフォースとウルトラ警備隊の皆さんには、バラノイアを追ってもらいたい。」
バラノイアの本拠地を見つけたら、すぐに本部に連絡を入れ、深追いはしないでくれ。
本拠地を一気にサターンZミサイルで攻撃しようと思う。
防衛軍にサターンZミサイル用意するよう連絡しておこう。」
サターンZとはニトログリセリンの6000倍の威力のある高性能爆薬のことである。
「サターンZか…確かにあれならひとたまりもねぇな…了解。」
敬礼する結城ら。
「では、宜しく頼む。」
「サナエ君と美佐、うさぎ君とメガレンジャーの諸君は、中東のカバヤン王国へ向かってほしい。」
「…カバヤン?…おいしそーな名前だね。」
「おい、みく!カバヤン王国を知らないのか…?」
みくに聞き返す並木瞬。
「オレも知なねぇぜ、瞬。」
「まぁ、健太は知らなくても当然かもな…」
「どーいう意味だよ!?」
「健太、瞬!」
「お前ら!」
千里と耕一郎に怒鳴られ大人しくなる2人。
「怪獣か、何か怪事件が起きていると思われる。」
「科学特捜隊の中近東支部があるのでは?」
「うむ…、だがその中近東支部と連絡が取れないと、日本支部のムラマツ隊長から連絡が入った。」
「分かりました。」
「まぁ、オレが作り直したメガボイジャーもあるから、どんな怪獣が現れても心配ないさ。」
「祐作さん…」
「あの…あなたが早川さんですね!」
「…え?」
ひたすら無言のまま会議に出席していた翔直人だ。
「誰だ…?」
「早川サンニ会イタイッテ来タンデスヨ!」
ポップが説明する。
「早川さん、ギャラクシーメガをコンピューターワールドへ転送するシステムを作ったのは早川さんですよね?」
「あぁ、そうだが…。」
「もしかしてお前…」
「あ、はい、グリッドマンです。」
「えぇ〜!?」
驚きの声を上げる健太。
「あの技術を応用して、グリッドマンを現実世界へと召喚できるように出来ませんか?
グリッドマンだけでなくグリッドマンシグマやゴッドゼノン、ダイナドラゴンも…。」
「う〜む、やってみないと何とも言えないなぁ…」
「じゃあ、ジャンクの所へ…いや、ボクたちの秘密基地へ来て下さい!」
「分かった、嵐山長官、すまないですが…」
「うむ、分かった。」
「嵐山長官、それはそうと、ゴメス誘い出しの件はどうするんだね?
いくら何でも、探偵2人じゃ無理があるが…かと言っても、もうほとんど誰も残ってないし…。」
何人か回した方が良くないですかい?」
お茶の水博士が嵐山長官に尋ねる。
「いや、その必要はない」
その時、覚羅が口を開く。
「ゴメスとやらの誘い出しは我らが出刃ろう。」
「えっ、覚羅さんが?」
「でも、今『我ら』っていいませんでした?」
「良いな、無限斎。」
そういうと、覚羅の背後に突然、講談等に出て来る怪しい妖術使いのような服装の男が姿を現した。
それを見て驚く一同。
「はっ、そう来るだろうと思い、戸隠流宗家、山地哲山殿に協力を願いでたところ快諾していただきました。
しかも、日本に来ている友人の世界忍者達にも協力してくれるよう、頼んでくれるそうです。」
「うむ、上首尾じゃ、無限斎。」
「あの、覚羅さん、その人は一体…?」
未だに驚きを隠せないままお茶の水博士が尋ねる。
「あっ、これは紹介が申し遅れました。某は、疾風流忍者養成学校忍風館館長・日向無限斎。
御前様が蘇ってから、影となり御前様を護衛しておりました。」
とにかく嵐山殿、この用な事は、我ら忍びの者にとっては朝飯前の仕事。
その探偵達と協力しゴメスを必ず仕留めましょう。」
「いや、出来るだけ殺さないでもらいたい…。」
「しかし御前様。やはり御前様がでるのはどうかと思うのですが…」
「安ずるな。」
覚羅はそう言い額に手を当てると、額が光り中から一枚のカードが浮き出た。
「それは!」
驚きの声を上げたのは香川だ。
「んっ、これか?
これは、わらわが蘇った時、神崎とやらから貰った『無限』というカードだが…。」
手に取ったカードを見せながら覚羅は答えた。
「何ですって、貴方も神崎君から『無限』のカードを貰っていたのですか?」
「あぁ、このカードのおかげで、わらわは、闇石を体内に封じていた時よりパワーアップじゃ。」
「しかも貴方はカードを使いこなしているようですね…榎田さん、カードの方はお任せして良いですか?」
「それは構わないですけど、どうなさるんで、香川さん?」
「私も覚羅さん達と行動を共にして『無限』のカードの力がいかほどのものか見ていたと思いましてね。」
「分かりました、私は警視庁へ戻り、研究を続けます。」
「では、ゴメスの件は覚羅さん達にお任せましょう。」
「それじゃあ、多羅尾伴内事務所で彼と打ち合わせしてくれ。」
「明智小五郎君にも、そちらに行くよう手配しておきます。」
お茶の水博士、三神博士が続ける。
「ゴメスをさそいだすエサも、あとで連絡しておきます。」
「あっ、忘れておった。1人、何も指示の出されなかった滝沢直人、お前にも協力してもらうぞ!」
「ブッ!」
何食わぬ顔でお茶を飲んでいた直人は、突然覚羅に指名され、思わず茶を吹き出した。
「では諸君、よろしく頼んだぞ!」
………。
廃墟となった教会でやつれた男がたたずんでいた。
だが、辺りの風景が少しおかしい。
全てが左右逆様なのだ。
ミラーワールドの中である。
そこへ1人の青年が入ってくる。
かつて「アギト」を憎んだ謎の青年だ。
「ここに居ましたか。探しましたよ、神崎士郎。」
「…あなたか。何の用だ?」
「少し話をしたくなりましてね。」
「…良いだろう。好きに語れば良い。」
そう言って神埼士郎は近くのガラスに目をやる。
そこには各地の戦いの光景が映し出されていた。
「因果なものだ。あらゆる葛藤やわだかまりを捨て、平穏を選んだのに戦いは再び始まった。」
「『アギト』を狩るのをやめた事か?」
「あなたもそうでしょう?あなたの妹と眠りについたはずだった。しかし戦いは終わらない。」
「俺のせいでもある…きっかけを作ったのは俺だ。」
「望んだのは人間です…いずれどこかの世界がこうなるはずだった…」
「そうかも知れない。だが、優衣のいるこの世界にやつらを呼び込んだのは俺なんだ。」
「ここは正に修羅道だ…あらゆる平行世界、決して交わらない世界の悪がこの世界に流れ込んだ。」
「それだけではありません。ありとあらゆる世界の悪意・邪念・欲望、そして戦いを望む心が集まった。
この世界はゴミ捨て場なのですよ。悪を捨てるための…。」
「もし神というものが居るなら、この世界をゴミ捨て場に選んだわけか。
あらゆる世界の邪悪を集め、押し込め、この世界に閉じ込めたわけか。
…俺が優衣のために時間を捻じ曲げたから…そのせいで。」
「だが希望もある。光も集まっています。あなたの作った『仮面ライダー』や、『アギト』も…。」
「アギト、だと?あなたはアギトを憎んでいたのに…。」
「わだかまりを捨てたと言ったはずです。人間はすでに私の手を離れた。」
「では、ロード達は…?」
「人間はアンノウンと呼んでいた様ですがね。
末端のものは好きに暴れている様ですが、すでに上位のものは『悪』を討つために放ちました。」
「アギトを含めた人間全部を守るのか?」
「その手助けをするだけです。あくまで進むのは人間です。
それより、あなたの方こそやることがあるのでは?」
「俺の力はほとんど残っていない。いつ戻るのかもわからない。十秒後か、明日か、一年後か…。
だが確かにやるべきことは残っている。」
そう言って神埼はドアへと歩き出した。
手に何かを持っている。
「それは?」
「スターピースと呼ばれるものだ。既に現実世界へ送り出し、これが最後の一つだ。」
「それを届けるのですね。」
「他にも奴らに渡すものは有る。『大いなる意志』を撃ち滅ぼすために必要なものが…。
俺の与えたカードデッキや、切り札である『無限』のカードもまだ使いこなせていない。
デッキやアギトの力、その他様々な力をやつらはまだ活かしきれていないんだ。」
「それはつまり人間の力を使いこなせていないと言うことでもあるのでしょう。」
「全てのヒーロー達よ…戦え!
戦わなければ生き残れない!!」
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