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患者の権利章典

−アメリカ病院協会1972−

1.患者は礼儀正しく思いやりのある医療を受ける権利がある。

2.患者は自分の医師から自分が理解できると思われて当然な言葉で自分について診断、治療、予後に関する現時点での情報を全部教えてもらう権利がある。患者にそのような情報を与えるのが医学的にみて勧められないときは、その情報は適当な人が患者の利益のために利用できるようにすべきである。患者は自分の治療を取り仕切っている責任者の医師の名を知る権利がある。

3.患者はなんらかの処置あるいは治療が始められるまえに納得同意を与えるのに必要な情報を担当の医師から知らせてもらう権利がある。緊急の場合を除いて、納得同意に必要な情報には特殊な処置・治療に関連した医学的に重要な危機および無能力になってしまう可能性がふくまれるのはもちろんであるが、それだけに限らない。看護ないし治療に医学的に意味のある別法が存在する場合。あるいは患者が別の医学的方法にういて知りたいと思うとき、患者はそれを教えてもらう権利がある。患者はまたその処置・治療に責任をもつ人の名前を知る権利がある。

4.患者は法律の許す範囲で治療を拒否する権利があるし、また自分の行動が医学的にどういう結果を生むについて教えてもらう権利がある。

5.患者は自分自身の医療に関して自分のプライバシーをすべて配慮する権利がある。症例検討、他医との相談、検査、治療は秘密にすべきであり、また慎重に行われるべきである。患者の医療に直接関係ないものは患者の許可が得られていなければならない。

6.患者には自分の医療に関するあらゆる会話議論が秘密扱いされることを期待する権利がある。

7.患者がサービスを求めた場合、病院はその能力の範囲で妥当な反応をするはずだということを期待する権利が患者にはある。そうされた病院はその患者の緊急度に応じて検査なり処置なり照会をすべきである。患者を別の病院へ移すときは、医学的に許されれば転院の必要性および他の方法について患者に十分に説明してからでなければしてはいけない。なによりもまず患者が移される予定の施設が患者の移転を認めていなければならない。

8.患者は医療に関する限り、自分が入院している病院と他の診療施設、教育施設との関係について情報を得る権利がある。患者はそのような研究計画に加わることを拒否する権利がある。

9.患者は自分の医療ないし治療に影響を与えるような人体実験をしたいと病院からいわれた場合、助言を受ける権利がある。患者はそのような研究計画に加わることを拒否する権利がある。

10.患者は治療が理不尽に中断されないことを期待する権利がある。患者は予約の時間が何時で何という医師にどこで見てもらえるのかをまえもって知る権利がある。患者は、退院後に続ける必要のある健康管理について自分の医師あるいはその代理の者から知らせてもらう仕組みが病院にあると期待する権利がある。

11.患者はどういう金で支払うかに関係なく自分の請求を調べ、それを説明してもらう権利がある。

12.患者は病院のどんな規則法規が患者としての自分の行動に適応されるのかを知る権利がある。

 どんなに権利が並べあげたとしても、患者が権利として期待してよいような治療を患者に保障することはできない。
 病院には、病気の予防治療、医療専門職の人たちと患者双方の教育、臨床研究の遂行など、しなければならないことがたくさんある。これらすべての活動は患者に第一の関心をもち、とりわけ人間としての患者の尊厳を認めて行うべきである。これを認識するのに成功すれば、患者の権利を守ることに成功したも同然である。