Enjoy Trip


♪Swiss♪

スイスはフランス、ドイツ、リヒテンシュタイン、オーストリアそしてイタリアに囲まれた、日本で言えば九州よりひとまわり大きくて、北海道より少し北に位置する国。
どこを見ても、美しい・・・小さい頃から馴染んできたスイスのイメージ ”森と湖”、緑の丘に建つ花々を窓辺に飾ったシャレー風の家、そして雪を頂いたアルプスの山々。私が初めて訪れたヨーロッパの都市はロンドンとパリでしたが、あの時感動した歴史に裏打ちされた重厚さや落ち着きもヨーロッパそのものですが、スイスの爽やかさもまたヨーロッパの別の顔です。

Jungfraujoch

雲の向こうはユングフラウ / クライネ・シャイデック~メンリッヒェン

20年来の旅行友達といつかヨーロッパへ行こう!という話が出だしてから実現までおよそ5年?もっとかしら??列車旅行の好きな私たちの最初の計画はイギリスからドーバーを渡ってフランスへ入り、いろんな国の列車を乗り継いでイタリアまで行こうというものでした。しかも、のんびり・・・。それが無理と分かって、1週間から10日の日程でどこに行くか?選んだのがスイスでした。調べれば調べるほど、訪れたい場所が増えるのを押さえつつ、10日の日程で決めたコースは日本人ツアーのメインコースそのもの!
チューリッヒ→ルツェルン(1泊)→ヴェンゲン(3泊)...ユングフラウヨッホ・ミューレン他...→ツェルマット(2泊)...ロートホルン・クラインマッターホルン...→氷河特急にてサンモリッツからポントレジーナ(1泊)→ベルニナ特急でティラノを経てミラノへ

Jungfraujoch

朝日に輝くユングフラウ / ヴェンゲン

チューリッヒの空港に降り立ったのは7/3午後4時過ぎ、その日の内に列車で1時間ちょっとの街ルツェルンへ。スイスは観光立国なので、観光客に便利なシステムがいくつかあり、ライゼゲペックもその一つ。荷物だけを鉄道駅から別の鉄道駅まで24時間以内に運んでくれる。個人旅行客にとって、大きなスーツケースを運びながらの旅は大変なので、とても助かるサービスです。チューリッヒの空港駅からこのサービスを利用してヴェンゲンまで送る事に・・・。
ガイドブックに書いてあったライゼゲペックと言う言葉は案内板のどこにも無い!ドイツ語を理解しない私たちにもゲペックが荷物の意味だと次第に分かったけれど、窓口は??チケットカウンターで場所を聞き、行ってみても誰もいない、次に行ったインフォメーションでベルを押して人を呼ぶのだと教えてもらい、無事送付完了。その後、このシステムを上手に使えば、ホテルからホテルへも送れる事が判明しました。

Luzern

ロイス川 / ルツェルン


チューリッヒの空港駅から18:33発の列車に乗り、ルツェルン19:49着。ルツェルン駅を出たら8時近いのにまだ充分明るく・・・白鳥が泳ぐロイス川には屋根付き橋のカペル橋、川沿いにはフレスコ画が描かれたホテル、フィーアヴァルトシュテッテ湖をはさんでホーフ教会の美しい尖塔も・・・ガイドブックの中の景色が一つにまとまり、やっと最初の目的地ルツェルンに到着です。
ヨーロッパ一古い木造橋と言われるカペル橋を渡って、今夜宿泊予定の対岸のホテルへ。

Luzern

カペル橋 / ルツェルン


7/4...フライトの時間が良かったせいか二人共ジェットラグもなく、今日はルツェルンの街を散策後、ブリエンツ湖を船でインターラーケン・オストまで行き、夕方にはヴェンゲンへ到着の予定です。でも、もしもルツェルンで時間がかかれば、船は諦めてヴェンゲンへは列車で。
まずは、旧市街をざくっと見て、観光客の多い繁華な場所を避け長い坂を上がってみた後(ここからムーゼック城壁へも上がれたみたい)もう一つの屋根付き木造橋のシュプロイヤー橋を渡り、ギッチュ展望台へ。朝からずっと快晴だったのに展望台へ行く途中に急に降り始めた雨がだんだん激しくなり、シャトーギッチュで雨宿り・・・お客は私たちだけ。優雅な気分でゆっくりお茶している内に雨もあがって、もう一度展望台からルツェルンの街を眺め、ブリエンツへ向かうことに。
ルツェルンは中世の面影が今も残りプレアルプスも望める美しい観光都市です。街を眺めているだけで一日過ごせそう。

Luzern

雨の旧市街・ムーゼック城壁 / ギッチュ展望台


ベルナーオーバーラントへの入り口にある2つの湖、トゥーン湖とブリエンツ湖。そのどちらかを船で渡りたい・・・トゥーン湖を渡るならヴェンゲンからツェルマットへ移動予定の5日目にインターラーケン・ヴェストからトゥーンまで。ブリエンツ湖ならルツェルンからヴェンゲンへ入る2日目の今日、ブリエンツからインターラーケン・オストまで。
街の散歩と展望台からの眺望だけで満足したルツェルンを午後早い時間に出発、ブリエンツまでは列車で1時間半ほど。ルツェルンからブリエンツへはゴールデンパスラインと呼ばれるルートを行きます。車窓にはフィーアヴァルトシュテッテ湖、右にピラトゥス山、左にはリギ山。湖のほとりでは、まだ少し寒いかなって感じなのに水着姿で日光浴をする人もいたり・・・あ~あ、あんなにのんびりするのもいいなぁ~。
そして湖周辺には時間さえあれば降りてみたい小さな町、歩いてみたい散歩道・・・列車で走り過ぎてしまうのはもったいない様な景色が広がっていました。

Luzern

市街 / ギッチュ展望台


ブリエンツに着いたらほぼ1時間おきに出る船が丁度出航した所。ロートホルンの赤い蒸気機関車に乗る程の時間的余裕は無く、食事をするにもちょっと慌しい。船の中にレストランがあると知って、お昼は船で、と言う事に。スイスでの食事は大体どこへ行っても(入っても)美味しいと聞いていて、まぁその通りだったけれど、ここだけは失敗。船の中ではビールやワインを楽しむだけの方がいいみたい。
船は途中8ヵ所ほど寄航して、約1時間半かけてインターラーケン・オストへ。私の持っているガイドブックにはそんな寄航地については何も書かれていないけれど、結構乗降があって、また来れる事があれば、そんな所も詳しく調べて来てみたい。

Brienz

ブリエンツ湖


ベルナーオーバーラントではどこに宿泊しようか?グリンデルワルトは何だかすっかり観光地化されてるみたい、クライネ・シャイデックは標高が高いので山の景色も良さそうだし、ユングフラウへ行くのにも便利そう。でも、夏でも雪が降るって・・・じゃあ、ヴェンゲンかミューレン。ミューレンは奥まってる分だけ静かで私たち好みな気がするけど、ラウターブルンネンからの交通を考えると、宿泊中どこへ行くにも時間がかかりそう。
・・・と、言う訳でヴェンゲンを拠点にする事に。
インターラーケン・オストからヴェンゲンへは楽しみにしていた登山鉄道で。ここまで列車の窓からいくつもの滝が見えていたけれど、途中駅ラウターブルンネンを出てすぐ一際目を引く、シュタウプバッハの滝を右手に見ながら、座席が傾斜しているラックレールの登山鉄道で40分ほどで、ヴェンゲンに到着。ホテルに着いたのは6時過ぎ。部屋からユウグフラウが見えるはず・・・ 雲に覆われてる空を見ていたら、あっ、ちょっとだけ白い山が、あれかな~ユングフラウ?・・・緑の中のホテルは居心地良く、朝と夕方には牛たちがカウベルを鳴らしながら前の道を通ります。最初に見えた山はシルバーホルンでしたが、朝に夕に緑の草原の向こうに大きく広がる山々はとても美しく、やさしい。

Silberborn

シルバーホルン


7/5...山へ来て、一番の心配はお天気。日程に余裕の無い私たちはことさら。ユウグフラウ・ヨッホへ行く為になるべく少なくしたい荷物にセーター・ヤッケ・タイツ・手袋等、入れてきた(セーターとヤッケは意に反して、ほとんどずっと活躍)・・・昨夜、ユングフラウには兎に角明日、朝一の列車で行こう!と決め、翌朝起きてすぐ開けたカーテンの向こうに昨日見えなかった山々がくっきり見えた時は、思わず"やったぁー"。
朝食を食べられない私たちのためにホテルの方が用意してくださったランチ・ボックスを持って、さぁ、出発。日頃早起きをしないので、たまに早起きするとちょっと早過ぎて、駅へ着いたのは発車時刻の1時間ほど前。チケットも手に入れ、家へも電話をして・・・あまりに余裕があり過ぎたせいか、フラフラっと前の人に付いて乗り込んだ列車は反対方向のラウターブルンネン行き。ラウターブルンネンまでは15分、行って戻っていては、せっかく買ったグッドモーニングチケットが使えない!どうしよう、どうしよう・・・
ヴェンゲンの隣りの駅ヴェングワルトは乗降者が居なければ、通過してしまう小さな駅。乗る人はランプを押して待つ。ラッキーな事にその列車に乗る人が・・・飛び降りた私たちは、下から上がってきた列車で再びヴェンゲンへ、そして、無事ユングフラウ・ヨッホへ。

Jungfrau

ユングフラウ


クライネ・シャイデックで列車を乗り換え、途中、アイガーグレッチャー駅(ここはアルプの中)、アイガーヴァント・アイスメーア(この2つはトンネルの中)に停車して、50分でとうとう3454mユングフラウ・ヨッホへ到着。そんなに高い所だと言う事を忘れてしまって、サッサっと歩くと、なんだか心臓がドキドキ、暫くすると頭もなんだかボーッ。まずは氷の宮殿へ。氷河の内部に氷のトンネルや氷像のギャラリーを作るなんて! それにしても寒くて、上手く話せない程。
次はプラトーの展望台、風で舞い上げられた雪で1m先も見えない状態。でも、せっかく来たのだからと風と雪の中を先端まで行ってみるけれど、勿論何も見えない。すっかり冷えてしまった体を暖める為にカフェテラスで休憩しつつ、持ってきたサンドイッチで朝食(Do not picnic! でも、飲み物を買えばOKかな? 激辛カップラーメンまで売っていてオドロキ。)そうしている内に雲が切れて目の前にユングフラウが。さぁ、スフィンクス・テラスへ。TOP OF EUROPE! 標高3573m! 雲の切れ目に見え隠れするユングフラウとメンヒは手が届きそうに近い。南にはアレッチ氷河を歩く人の姿や犬ゾリも。そこから見えた雪原へ行ってみると、何と雪の上に売店が・・・氷河へ降りるツァーや犬ゾリ体験、メンヒを目指す登山者もここが出発点です。スキー場あり、ソリ遊びあり。滑り降りるのは楽しいけれど、ここは標高3500m以上、ほんの少しの斜面を登るのにも息切れがして、残念ながら私たちのソリ遊びは1回だけ。
雲の動きで刻々と変る景色と間近に迫る山々の自然は、人工的にどんなに近づこうと私たちには超えられないハードルです。

Jungfrau

ユングフラウ・ヨッホでソリ遊び


真冬のユウングフラウ・ヨッホからクライネ・シャイデックまで戻ったら、そこは夏・・・。
今日はこれからどうしよう?グリンデンワルトにも行きたいし、ミューレンからシルトホルンへも上がってみたい。それに、ベルナー・オーバーラントでのハイキングはこの旅行の目的の一つ・・・明日が晴れるとは限らない・・・昼食を食べながら、ガイドブックと時刻表で検討の結果、走り回るのは止めて、今日はここからメンリッヒェンまでゆっくりハイキング、そして、メンリッヒェンからはロープーウェイでホテルのあるヴェンゲンへ降りる事にして、明日はまた明日~。
沢山ある魅力的なハイキングコースの中から、私たちがまず選んだのは、振り返ればそこにアイガー・メンヒ・ユングフラウが見える1時間半のコース。ずっとため息がでる程の良い景色の中、特別なビューポイントに置かれたベンチでリンゴをかじったり、遠くのアルプを行くイモムシの様な登山電車を眺めたり・・・今は花々もいっぱい。そして、真っ青な空。
でもこのコースは多分、私達とは逆のメンリッヒェンからクライネ・シャイデックの方向へ歩いた方が景色のすばらしさを堪能できるでしょう。角を曲がって、目の前にあの山々が現れたら、それは感激のはずです。
私にとっても、今回の旅行で一番スイスの自然を満喫できた一日でした。

Mannlichen

コース脇に咲く花々


7/6...昨夜、外のテラスでの夕食中に降り出した雨は、止んだ様に思えたのに、朝もまだ降り続いていて、今日は野原も山もすっかり雨と霧の中。
朝食中、お隣りに座ったドイツ人のご婦人の、一昨日も朝は雨だったけれど、午後には晴れたから、今日もきっとあなた方がミューレンへ着く頃には晴れてくるわよ、という言葉を頼りに、今日はまずミューレンへ。途中できればグリュッチュアルプからハイキングして、お天気次第でシルトホルンへ。アルメルトフーベルへ上がって、ハイキングしながら下りてきてもいいし・・・ところが、ミューレンに着いても雨は激しくなる一方。今までとは違った方向から見えるはずのアルプスの山々もこの雨で霧の中。兎に角、ミューレンの中を一回り、その内晴れてくるかも・・・の思いは届かず、時々小止みにはなるけれど、この日は結局一日中降り続いて、期待していたミューレンの全ては雨でさんざん。
それじゃあ、気を取り直してグリンデルワルトへ。それから、昨日見たあのかわいらしいゴンドラリフトでグルントからメンリッヒェンまで上がってみよう。そこからは昨日と同じロープーウェイでヴェンゲンに戻る。
あちらを見てもこちらを向いても、日本人観光客だらけのグリンデルワルトへ着いたのは、午後3時頃。美味しいケーキとコーヒーでちょっぴり気分直しをした後、道路沿いでワインの試飲・販売をしているテントの一つに立ち寄り、パイやチーズを食べながら、ワインを数杯・・・そしたら、とっても簡単、気分はHigh・・・グルントまでは列車で一駅、そこから、ゴンドラリフトの駅までは歩いて3分。喧騒のグリンデルワルトからほんの一駅列車に乗っただけで、とても静かな美しい所に来られて、雨もほとんど止み、またまた上機嫌で、ゴンドラリフトの駅を目の前に景色を楽しんだり、写真を撮ったり・・・。
チケットカウンターの前に立ったのは5時5分。ゴンドラの最終は5時!ですって!!そんな~!!
仕方なく、今来た道をとぼとぼ、雨もまた降り出すし・・・。
昨日見た赤や黄色のゴンドラには乗り損ねたけれど、イモムシの様に見えた登山電車に乗って、クライネ・シャイデック~ヴェンゲンへ。・・・こんな日もあるわよね~。

Wengen

中央に小さく見える棚の様な所がミューレン


7/7...マッターホルン(4,478m)の麓の町ツェルマットでは、シュトックホルン(3,413m)、クライン・マッターホルン(3,820m)そして、ウンターロートホルン(3,103m)と行ってみたい場所が3ヶ所。しかし、ツェルマットでの3日目は早朝に出発の予定なので、マッターホルンを見られるのは今日の半日と明日一日だけ。ゴルナーグラート鉄道とロープーウェイで上がるシュトックホルンからは、真正面にモンテ・ローザも見えると聞くし、マッターホルンに最も近づく事ができるクライン(小さな)マッターホルンへは是非とも行ってみたい。ロートホルンの途中スネガの下にあるライゼーの逆さマッターホルンは一見の価値がありそう、それにマッターホルンはロートホルンの方向から見える稜線が最も美しいらしい。
セーターとヤッケが手放せなかったベルナー・オーバーラントから一転して暑くて汗が流れる程のツェルマットに到着したのは、お昼少し過ぎ。 まずは昼食を、と駅から歩いていると鮮やかにそびえるマッターホルンが出迎えてくれました。
相談の結果、今日はここからスネガを経由してウンターロートホルンへ上がり、帰りはスネガからツェルマットの町までハイキング。 残念ながら、ゴルナーグラートからシュトックホルンへ行くのは諦めて、明日はクライン・マッターホルンへ。

Matterhorn

最初に見えたマッターホルン




ロートホルンから見えるマッターホルンは噂に違わぬ美しさです。周囲の山々もそれぞれが美しく、時間的な事もありほとんど人が居なくて風の音を楽しめるほどの静かさ。こんなに標高が高くて、風も強いのに、地面にへばりつくようにして咲いている花々も可憐です。私もここから眺めるマッターホルンが一番好きになりました。
絵葉書で見た上下対称のマッターホルンを見ようとスネガからライゼーへ下りてみたけれど、午後のこんな時間では太陽の位置が良くありません。そして、ガイドブックお薦めのスネガからツェルマットまでのハイキング・コースも超失敗。所要時間1時間20分?? 落石場所を迂回したりしてやっとツェルマットの町を見下ろす所まで下山。その時点で優に1時間30分は超えていて、まだあと30分の標識が・・・15分歩いてもどんどん町から離れて山奥へ行ってしまいそう。ずっと下ってきたために膝はガクガク、そして、私たち以外誰もいない。不安になって途中で戻り、線路沿いを行ってみると私有地を通ってツェルマットの町中へ。駅まであとどのくらいだろうと思いながら歩いていたら、いきなり私たちの宿泊予定のホテルの前に。・・・多分、とてもラッキーだったのですが、疲れていて感激もそこそこ。
夜でさえライトアップされているかの様に白く浮き出て見えるマッターホルンは、どっしりとしていて、孤独で、厳しそう。まさに孤高の巨人です。

Matterhorn

ロートホルンから



7/8...今日も朝から快晴。ホテルから少し下って、駅からゴンドラリフト乗り場まで続くツェルマットの中心街を商店を覗きながらぶらぶら歩きます。
クライン・マッターホルンの展望台の標高は3,883m。ロープウェイで富士山よりう~んと高い所までほんの30分くらいで上がってしまいました。途中、下を見ると、テオドール氷河が流れ、その脇を歩いたり、スキーを楽しんだりする人々も居て、氷河の中にはカフェ・テラスまであります。
マッターホルンは目の前。ここからは、アルプスの最高峰モンブラン、ユングフラウやメンヒも見えます。マッターホルンの最高地点(4,478m)はイタリア領、モンテ・チェルビーノ(Monte Cervino)と呼ばれるそうです。
クライン・マッターホルンからの眺めを満喫して、トロッケナー・シュテーク(2,939m)まで下りてくると、風も気持ち良く、冷たいビールが美味しい!

Matterhorn

クライン・マッターホルンの展望台にて



7/9...氷河特急(Glacier Express)に乗車。世界一遅いExpressと言われるこの列車はツェルマット⇔サンモリッツ(orダヴォス)約280Kmを8時間かけて走ります。氷河特急と呼ばれる列車は一日往復4本づつ。ツェルマット方向からはブリーグ・アンデルマットを通りクールへ、そしてクールからダヴォスまたはサンモリッツへ。
昨日、日本で電話予約をしておいたチケットを受け取りに行くと、アンデルマット→サンモリッツでした筈の予約がツェルマット→クールに変更されている。私はサンモリッツへ行くのだと言うと、窓口の人はこの列車はサンモリッツへは行かないからあなたは行けないと言う。どうも私の予約した列車がサンモリッツではなくダヴォス行きだった為、予約の受付嬢が変更可能な様にツェルマットからの予約にしておいてくれたらしいけれど、窓口の男性の融通が利かないのかそれが普通なのか、こちらから尋ねるまでクールで次のサンモリッツ行きに乗り換えができると教えてくれるとか、サンモリッツへ行く他の列車の予約状況を調べるとかはしてくれない。
ネットで調べた時には確かに予約した列車はサンモリッツまで行っていた・・・時刻表の見方が分かった今、よくよく見るとクールからは別の列車になっている・・・。
何はともあれ、朝早めの列車でアンデルマットまで行き、そこからサンモリッツまでは氷河特急に乗り、食堂車で昼食を取る。と言う当初の計画通りのチケットを入手して、1件落着。・・・と思ったら、ツェルマット→アンデルマットの乗車券(この区間は2等)とアンデルマットからの指定券はあるけれど、乗車券が無い。アンデルマット→サンモリッツの乗車券もいるのだと言うと、例の窓口の男性、あなたが欲しいと言わなかったから・・・、う~~ん、もう!
スイスの列車も1等と2等があるけれど、2等で全く不便は感じない。しかし、予約段階でのアドバイスでは、氷河特急に関しては座席がとても狭いので絶対1等にした方が良いという事で、私たちも指定を1等に。ところが、何と後で気づいたら乗車券が2等になっていた!確認をしなかった私もいけないけれど、またまた、あの窓口の男性・・・!!
アンデルマットの駅でOKを確認した後、乗車をすると車掌さんも何も言わずスムースに2等乗車券で1等車に乗れました。ラッキー! あの窓口の人に感謝するべき??
因みに私は、氷河特急でも、私たちの様に途中下車をして8時間ずっと乗り続けるのでなければ、2等車でも大丈夫だと思います。

Glacier Express

フルカ・オーバーアルプの車両




ツェルマット発7:10の列車に乗る為、またまた早起き。自分ではすごく早いつもりでも、早起きの人はいつも想像以上に多くて、マッターフィスパ川の橋の上にも早朝のマッターホルンを写そうとカメラを持った人がずらり。
前日に買っておいたサンドイッチとパックの紅茶を列車の中での朝食にして、まずはブリークまで行きます。その後、一旦列車を乗り換えて、アンデルマットへ。
アンデルマットはほんの30分もあればぐるっと廻れる程の小さな町です。予約した列車まで2時間ほどあった私達はさほど見るものも無い街中を歩いた後、お茶をしたりしてのんびりのんびり過ごせました。・・・途中下車をするなら。例えば、フィーシュで下りて、アレッチ氷河全体を見渡せるエッギスホルン(Eggishorn)へ行ってみたり(ただ、最低でも3時間くらいは必要です)。もしも、アンデルマットのお隣りの駅オーバーアルプに止まる列車に乗れれば、野原の中でぼんやり雲の行方を追いながら過ごすのもいいかも。この沿線にもそんな一気に通り過ぎてしまうには惜しい小さな町がいくつもあります。
私達の次のお楽しみは車窓の景色を楽しみながらの、あの傾斜したワイングラスで有名な食堂車でのランチです。

GlacierExpress

氷河特急の車窓から




運が良いと内装にくるみ材が使われているグルミーノ食堂車でお食事ができるらしいけれど、私達のは普通のなんでもない食堂車。アンデルマットで乗車してすぐ氷河特急の最高地点(2033m)オーバーアルプパスがあるので車窓の景色を見ていたのと、一番前の車両(私達の座席)から最後尾(食堂車)まで移動しなければならなかったのとで、食事の予約時間に遅れて、デザートはパスされちゃいましたが、ちゃんとワインも楽しめましたし、お隣りの男性がスピリッツをオーダーしたので、"噴水"のアクロバットも見る事ができました。・・・肝心のランチですか?チキンでしたが・・・まぁまぁ、かな?
この食堂車も日本で電話予約をしておいたのですが、列車を変更した為、結果的には前日の予約に。ですから、繁忙期以外は乗車前日の駅または電話での予約で大丈夫そうです。

GlacierExpress

ランドヴァッサー橋




ポントレジーナで宿泊したのはとても素敵な長期滞在型ホテル。でも、ここへ辿り着くのにちょっとしたハプニングが・・・。
氷河特急をサンモリッツで降り、せっかくだからとサンモリッツの町までバスで行ってみました。ちょっと疲れていたのもあって、ぐるっと歩いただけでポントレジーナへ向かおうという事になり、バス停でバス待ち。チケットの自販機を前にいろいろ試していると、労働者風のおじいさんが話し掛けてきました。しかもドイツ語で。チンプンカンプンながら、なんとなく理解できたのは、サンモリッツにはカジノがあって昔は行ったとか、あのホテルはオナシスの所有だとか・・・そして、なんと私達のバス代を払ってくれるとおっしゃってるみたい。何度かお断りしたけれど、パスがあるからって・・・何だろう、あれ。老人パスかな?回数券かな?
バスに乗った後、運転手さんにホテルの住所を見せて、最寄りのバス停で降ろしてくれる様にお願いしてみたけれど、運転手さんはそのホテルを知らないらしい。そして、英語も分からないみたい。近くに座っていた乗客の一人が"そのホテル知ってる"と言って、場所を運転手さんに教えてくれました。その後、乗ってきた"魔法使いのおばあさん"のおじいさんバージョンって感じの人が、私が旅行者だと見て、どこへ行くのって、これもドイツ語で聞いてくれたけど、顔が怖くて叱られてる感じ。でも、人は見かけじゃ分からない見本みたいな人で、運転手さんにこの子達の行く場所わかってんのか?みたいに聞いてくれて・・・それからが大変。バス代払ってくれたおじいさんと4人でああでもないこうでもない・・・暫くすると、"はい、ここだよ。この道戻って左に入るとすぐ分かるから"って降ろされた!? 確かに、同じ名前のホテルがあったけれど、思っていたよりちょっとボロい。
取り敢えず中に入るとフロントはまたまたドイツ語の女性だけ。コンファメーションを見せて、暫く待っていると、中から英語の分かる男性が出てきて、ここに泊まって頂きたいけれど、残念ながら、あなたの予約したホテルはここではありません、ですって。名前はほとんど同じだけれど、前にchesaがついている・・・。サンモリッツから近すぎるとは思ったけれど・・・。どうやって来たのって聞かれて、バスでと答えると、またバスであそこまで行くのは大変だからと言って、車を出してきて送ってくれちゃいました。なんて、親切な方!しかもハンサム♪ あのおじいさん達も結果はどうであれとても親切な人達で、旅ならではの嬉しい出会いでした。

Pontresina

ポントレジーナ近郊



7/10...サンモリッツからイタリアのティラノを結ぶベルニナ線に乗ると、私達のスイス旅行もそろそろ終盤です。まずはポントレジーナからアルプ・グリュムまでパノラマ車両の一両全部を二人で占拠して、とってもリラックス。 車掌さんに写真を撮ってもらったり、車窓の景色次第で右や左の席へ移動したり。 お隣りのツアー客でいっぱいの車両を考えると、こちらはパラダイス!
ポントレジーナからは列車から見え隠れしながら、ハイキングコースが続いていました。ちょっと険しい場所もありそうですが、アルプ・グリュムまで続いていそうです。当初、氷河や湖を見ながら一つ前の駅オスピッツオ・ベルニナからアルプ・グリュムまで歩くという案もあったけれど、ポントレジーナ止めにしたスーツ・ケースと一緒では到底無理。
ベルニナ線の景色は大迫力のアルプスや氷河が楽しめて、こちらを氷河特急と名付けた方がいいくらいです。ベルニナ線で最も標高の高い駅オスピッツオ・ベルニナ(2253m)までには氷河が溶けてできた湖ラーゴ・ビアンコ・・・その名の通り白い湖なのは氷河が溶ける時に周囲の岩石まで削り取るため。これまでいくつか見た氷河が作る湖は殆どがこの色でした。ラーゴ・ビアンコの向こうにはいくつもの氷河が流れ出すピッツ・カンブレナの峰々。そして、特にアルプ・グリュムの駅から見るパリュ氷河の眺めは最高です。
その最高の景色の中で飲むビールは格別と聞いて、とっても楽しみにしていたけれど、この日は風も強く外での冷たいビールはちょっと寒そう。待合室の様なレストランで私はワイン、友達はそれでもビール・・・うーん、やっぱりどっちも美味しいわ~・・・フフフ、両方飲んじゃいました。
ここではイタリア語の会話も聞こえてきて、もうすぐイタリアなのだと気づかされます。 ティラノ経由ミラノまでの長旅(?)に備え、ワインのボトルとゴルゴンゾーラを手に、とうとうここでスイスの地とお別れです。

Bernina

ベルニナ線を行く




アルプ・グリュムで1時間半程過ごし、ティラノ行きを待っていると昨日氷河特急で一緒の車両に居た日本人の2人組が窓から手を振っている列車が入ってきました。ここからティラノまでは左右にカーブしながらどんどん標高が下がります。標高差を克服するための円弧を描くオープンループ橋では、なんと列車が360°回転。標高が下がるのが気温の上昇でも分かります。
ティラノに到着してぼんやりとスーツケースを押していると、突然大きな男の人に制止されました。
そうです、ここは国境。空港からはほとんど何のチェックもされないで入国できるイタリアですが、ここのパスポートコントロールはちょっと厳しそう。それでも、勿論無事通過。
覚えたイタリア語を使ってミラノまでのチケットを買おう!と楽しみにしていたのに、国境の駅にもかかわらず、窓口はなく自販機だけ。しかも、表示はドイツ語とイタリア語・・・同じルートを来たイギリス人(?)のご夫婦と自販機の前でいろんなボタンを押して試してみてもなかなか分からない・・・少しくらいトラブってもチケットを買う余裕は充分と見ていたのに、ミラノ行きがもう来ちゃうと言われて、気持ちはあせるし、その列車に乗り遅れたらあと2時間待たなければならない。以前イタリアへ来た時の経験でチケットなしでの乗車は私の中ではありえない。取り敢えずホームへ出て、そこに居たおしゃべりをしている車掌さん風の人ともう一人の人に、たどたどしいイタリア語で、列車の中でチケットは買えますか?と聞いてみる。買えないと言いながら、車掌さん風ではない人(!?)が、彼も初めてって感じで自販機で買ってくれました。お陰で、列車の到着に間に合って、ほっ。けれど、さっき私達と二人の日本人が見たのは列車の到着時間。 出発まではあと10数分もありました。
この旅行中一番あせったこの事件の後、アルプ・グリュムから運んできたワインは勿論空に・・・。
思い出深いティラノを後に、約2時間半で汗が出るほど暑いミラノセントラル駅へ到着しました。
ミラノを発つのは明日の21時過ぎ。今日はドゥオーモの近くで夕食を取り、明日はミラノを少し歩いたり、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会で、予約してある"最後の晩餐"を見る予定です。

PS:ベルニナ線は、その5日後の15日から8月5日までアルプ・グリュム→ポスキアーヴォの橋の破損により不通になっていたそうです。

Glacier

パリュ氷河

"あとがき"にかえて:
たった10日間の旅行でしたが、旅行記を書くのには3ヶ月もかかってしまいました。自分では旅行を追体験でき、改めて記憶に刻まれた地名・事々もたくさんあって、楽しい時間が過ごせました。
最後まで読んでくださった方は長々のおつきあいお疲れさまでした。そして、どうもありがとう!
スイス旅行を計画なさっている方の為のコーナーもございますが、何か質問がありましたら、
メールで受け付けています。でももう、最新情報ではありませんのでお役に立てるかどうか。 Junko (Oct.20,'02)

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