
第一級陸上特殊無線技士
○受験生活が始まって・・・
10月の試験で2陸特、2海特、航空特に合格し、1アマ、2アマの受験票も届いた11月中ごろ。新宿の紀伊国屋書店である本を見つける。たまたま見つけたインピーダンスについての本と共に購入する。
| ●電気通信振興会 無線従事者国家試験問題解答集 「一陸特」 |
さて、自宅へ帰って早速読むことにする。電波新聞社刊行の特殊無線技士受験マニュアルを見て知ってはいたが、やはり丸暗記は通用しそうにない。そうなのです、一級と二級では 歴然の差なのです。それは操作範囲からも居ても明らか。
二級:中短波帯、出力10W。25MHz〜960MHz、出力50W。マイクロ波、出力100W、電波の質に影響を及ぼさない技術操作。
一級:30MHz以上の多重無線設備、出力500W。二級の操作範囲も含む。
その許容空中線電力の大きさと、電波の質に関わる技術操作が可能であるということ、これは他の特殊無線技士の操作範囲と比べ、破格の待遇であるわけなのです。それゆえ、試験は他の特殊無線技士と比較にならない難易度が設定されています。その実用性の高さゆえ、取ることにまず損はないはずと思い受験を決意。1アマ受験の12月1日、申請書を提出しました。
○試験対策
まず法規を見ると、他の特殊無線技士と差がない事が分ったので保留。主任無線従事者に関する問題、無人中継器、電波形式に関する問題を別途学ぶことにする。問題は無線工学。1陸特は主に多重伝送中継系を扱う資格だけに、今までの知識がまるで通用しない。問題集には解説も載っているが、やはり徹底したい為、別途大学で使用している教科書を利用することにする。
| ○コロナ社 電子情報通信学会編 内藤喜之氏著 「マイクロ波・ミリ波工学」 ○コロナ社 電子情報通信学会編 畔柳功芳・塩谷光氏共著 「通信工学通論」 |
マイクロ波・ミリ波工学は主にマイクロ波伝送路についての資料として、通信工学通論は多重無線方式全般の学習に役立てました。これらの本は工学書なので書いてあることもなかなかの高レベル。きっと2陸技・1陸技国試まで役に立ってくれることでしょう。通信工学通論などは、1陸特の試験範囲そのものがしっかり解説されているので、これから受験される方々にはお勧めです。
1 アマ・2アマの試験が終わり、すぐにも一陸特対策を始める。まず、諸重要公式をルーズリーフ一枚にまとめる。まとめた式は以下のとおり。
平行二線線路特性インピーダンス公式、平行ニ線線路における反射係数公式、定在波比と反射係数の関係式、同軸線路の特性インピーダンス、導波管内群速度・位相速度、レーダー尖頭電力公式、パルスレーダー最大探知距離、パラボラアンテナの絶対利得、パラボラアンテナビーム電力半値幅、アンテナ(絶対利得時と相対利得時異なる値)による自由空間での電界強度、電波伝搬においての自由空間損失、VHFにおける受信電界強度式、第一フレーネルゾーン・・・
1陸特は1アマ・2アマと違い、電気磁気学分野の設問が皆無に等しく、上記のような伝送回路関係式の羅列になりました。大学の講義で学び、既存の知識などはありましたが、さすがにレーダー関係、マイクロ波用アンテナ等についての知識はほとんど皆無です。大学の講義の復習も兼ね、まず上記の式を覚え、自宅で計算問題を徹底的に解き、通学中の電車内では知識問題の習得に徹底を尽くす。そこでよく分らなかった問題を自宅で教科書を参考にしながら確実に知識付けるという勉強を行いました。正直過酷でした。どうせなら一発合格したい。試験直前まで徹底的に解説を頭に入れました。
○試験日
レーダー海特、1海特と3日続きなので試験場まではもはやなれたもの。試験開始は9:30なのでそれに間に合うように中央線に乗り込む。しかし、平日朝の混雑はつらい、今回の試験はさすがに油断できないので、電車内でも悪あがき。問題集を一読し東京駅に着。いつものバスに乗る。
試験場に着き、いつもの1号室へ向かう。やはり2陸特の時同様受験者が多い。受験者の年齢層は結構若めでしょうか。女性の姿も結構見られます。見慣れた試験官の皆さんが入室され、いつもの説明が始まる。そしてB4サイズの試験問題が配られる。一級陸上特殊の合格ラインは法規12問中8問以上、無線工学24問中16問以上と他資格より低めの設定ですが、毎回20%合格率ということは、決して楽な試験ではないです。緊張が走ります。まず法規に目を通す。やはり1アマ・2アマレベルでしょうか。選択肢に微妙に惑わされながらもとりあえず回答。無線工学と続く。無線工学はやはり楽ではく、問題集の隅をつつくような問題が結構出たように思われます。計算問題は電気回路計算、レーダーの平均電力の値を求める問題、ダイポールと八木アンテナを比べ、同電界を得るための必要電力計算、信号対雑音比関連の問題、が出題されました。やはり計算問題からは逃げられませんね。他は知識問題でしたが、結構まずいと思ってしまう問題も結構ありました。それも何とか回答し、試験を終了しました。
○試験後。これから試験を受ける方々へ
| 試験後約一週間ほどで問題と回答が日本無線協会のHPに発表されました。早速採点。結果、法規12問中11問正解、無線工学24問中19問正解という結果に。決して余裕とは言えませんが、一応合格ライン突破です。あとはマークミスが無いよう祈るばかり。結果は3週間ほどで到着。シールをめくると「合格」の2文字が。4ヶ月の苦労が見事報われました。 |
今回の勝因は計算問題を全てクリアできたことだと思います。試験を受けてみて、正直この資格は計算問題から逃げられないと実感しました。とにかく、計算問題は拾ってください。知識問題に関しては本当に幅が広いです。問題集に書いてある分野を見落としのないようしっかり学習しましょう。法規に関しては、穴の無いようしっかり覚えるにつきます。うる覚えですと結構騙されます。特殊無線技士とはいえ、無線技術士の登竜門、第三級陸上無線技術士などと言われる高度な資格で、決して易しい試験ではありません。ですが、しっかりとした学習がきっといい結果をもたらすことでしょう。受験される皆様方のご健闘をお祈りいたします。
1陸特免許証。苦労の割にはちょっと物足りなさをいだく管理人(笑)