登米アートトリエンナーレ クロージングワークショップ 

                     コーリンさんと遊ぼう

 2010年秋に開催された登米トリエンナーレで制作したインスタレーションア作品「Necker Cube」の会場の直ぐ側にある登米市立石森小学校の子供達が9月始めに制作現場に見学にきました(登米トリエンナーレのページ参照)。そこでの「大地の芸術祭2006」で守屋行彬&小串里子が行ったワークショップの話に校長先生が興味を持たれ、この学校の3・4年生とその父兄を対象にクロージングワークショップを11月1日に行うことになりました。
 当日は生憎の雨で、作品会場で行うことができず、急遽、持参した赤・緑・青に塗布された布を体育館に張ってワークショップを実施したのですが、子供達は慣れた場所での安心感からか、解放的で楽しいワークショップが展開され、結果としては大成功でした。ちなみに、この学校は先輩に漫画家石森章太郎や現代美術家佐藤達がいるためか、美術的な学習に熱心なようで、子供達の感性もなかなかのものでした。

午前の部 水鉄砲で色遊び
水鉄砲で絵の具を噴射しての描画は上手下手のでない間接描写です。少しおどけたコーリンさんの描画パフォーマンスで子供達の緊張感が解れ、自分達のする描画のイメージを膨らましていました。
3人ずつのグループごとに各自が用意した描画道具で「自分の記し付け」の描画パフォーマンスを披露。コーリンさんが打つ拍子木の合図に合わせ、緑の幕=虫:赤い幕=花:青い幕=風のイメージの身体表現をしながら、それぞれの幕に30秒ほど描画して行きます。
腕の骨折にも負けずに描画をする子供がいたり、和太鼓で石森囃子を叩いて応援する子供もいたり、夢中になって取材に来た東日本放送のカメラマンに絵の具をかけてしまう子供もいたり、体育館は熱気むんむんです。
最近の人は音楽に合わせて体を動かすことに慣れているので、和太鼓の演奏の上手な先生にお願いし、コーリンさんの拍子木と和太鼓のリズムに乗って描画パフォーマンスをしてもらいました。
見学・お手伝いに来ていた父兄も子供や孫に負けず描画パフォーマンスを披露。圧巻は塗料の入っ
たバケツを持って、登米の「ひとめぼれ」を脱穀した後の藁で描画パフォーマンスするオバーチャンに
子供達も大きな声援を送っていました。全く、最近の高齢者は元気です
印付け描画パフォーマンスが終わり滲み・垂れなど布ならではの効果の出た抽象表現主義的共同制作の完成です。
午後の部 フレームでカット
広い体育館の端から端まで張られた3色の幕に、子供達はびっくり。でもこれからどんなことが始まるのか、ワクワク・ドキドキしながら、コーリンさんの説明を真剣に聞き入ってます
用意された○△□のフレームを「気に入った場所、好きな箇所に」当てて見る。
するとそこが何か不思議な模様・抽象絵画に見えてくる。その場所を友達と協
力して線引をします。

布を床に敷き、それぞれの選定場所を切り取る。大きな画面とは違う
印象の、綺麗な模様の布切れや、絵画作品が次々に誕生します。
切り取った布を形態別に仕分けして白いシートに集め、花=○:虫=△:風=□の
イメージが表現されるような配置を考えてみる。少し難しい作業でしたが、コーリン
さんの説明を聞きながら、グループごとにアレコレ相談して配置を工夫しました。
花=○グループは大輪の花の茎と葉を子供達の人型を利用して表現しました。
虫=△グループは布を折ったり畳んだりしてチョウチョを。
風=□グループは布に描かれた白い飛まつ線を活用して、大風の様子を表現しました。
次に子供達と父兄を花・虫・風の3グループに分け、○△□の布の形を生かし
ながら、より具体的な形態の表現をみんなで相談しながら工夫しました。
体育館の二階から子供達と鑑賞した配置作品です。
左から花グループが作ったアジサイ、風グループの台風、
虫グループのトンボ、そしてクワガタとセミです。
 このワークショップの眼目は「丸ごと20世紀アート」です。
午前の部ではアクションペインティングを意識したアメリカンアートを体験しながら、解放感を得てもらい、午後はドイツのバウハウスから始まるモダンデザイン的な配置・構成を理解してもらうことでした。そして、赤=花=○:緑=虫=△:青=風=□と組み合わせることで、色と形から連想される事物の関係を考えてみました。
 それにしても、20世紀に台頭した「抽象的表現」もこの国の日常の中にある程度は根づき、身近な物になっているようで、子供もお年寄りにも抵抗なく受け入れられたようです。
     ワークショップは双方向性アートだ
河北新報 紹介記事 2010年11月5日(土)
登米アートトリエンナーレへ

登米市立石森小学校3・4年生の感想文
「コーリン先生ありがとうございました」