細胞診(Pap Smear)の分類

日母分類 Dysplasia/CIS分類 CIN分類 SIL分類
II コイロサイトーシス
(HPV感染による細胞異型)
(扁平コンジローマ) LSIL
IIIa 軽度異形成 CIN1
中等度異形成 CIN2 HSIL
IIIb 高度異形成 CIN3
IV 上皮内癌



Dysplasia/CIS分類(異形成-上皮内癌分類)
1930年代にBrodersは上皮内病変に上皮内癌という用語を用いることを提唱した。まず細胞診による子宮頸癌スクリーニングが始まった。さらに上皮内癌より異型の軽い異形成の存在が明らかとなった。Reaganらは核異型,核腫大を伴い,核/細胞質比が増大した基底細胞類似の異型扁平上皮細胞から成る増殖性病変に対して子宮頸部異形成(cervical dysplasia)という用語を用いた。さらにこの異型細胞が上皮に占める厚さの程度から軽度,中等度,高度異形成の3段階に細分類した。Weidは「癌としての形態学的特徴をもつ細胞が上皮全層を置換しながら増殖し,極性を失っているが,間質浸潤を欠くもの」を上皮内癌とし,「その他すべての上皮の分化異常」は異形成とすると規定された。
1994年に刊行されたWHO国際組織分類9)では軽度異形成の中にkoilocytoisisが入れられた。このWHO分類を日本産科婦人科学会および日本病理学会は採用している。
コイロサイトーシス
(HPV感染による細胞異型)
koilocytosis,
koilocytotic atypia
異形成のないkoilocytosisも軽度異形成に入れる。
軽度異形成 mild dysplasia 異形成が上皮の下層1/3に限局する扁平上皮内病変である。
中等度異形成 moderate dysplasia 異形成が上皮の下層2/3にある扁平上皮内病変である。
高度異形成 severe dysplasia 異形成が上皮の表層1/3に及ぶ扁平上皮内病変である。
上皮内癌 carcinoma in situ 癌としての形態学的特徴を持つ細胞が上皮の全層に及ぶ扁平上皮内病変である。
CIN分類
Richatは「子宮頸部扁平上皮癌への前駆病変は,すべて発癌への一過程を示している」という概念を提唱し,子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia/CIN)と命名した。

子宮頸癌取扱い規約(1997年10月/改訂第2版)
子宮頸部上皮内病変の組織分類(WHO/1994年)
SIL分類(ベセスダ方式)
RichartはCIN分類を改めlow-grade CIN(flat condylomaとCIN1 を含む)とhigh-grade CIN(CIN2と CIN3を含む)に変更した。

扁平上皮内病変(squamous intraepithelial lesion/SIL)分類法
ベセスダシステムでは「扁平上皮系の細胞異常」に「squamous intraepithelial lesion(SIL)」という概念が導入された。

かつて米国ではパパニコロウ分類が用いられていたが、1987年にPap test の精度管理の問題が大きな社会問題となった。そのため1988年に新しい細胞診報告の形式としてメリーランド州ベセスダにあるNational Cancer Institute(NIH)が、記述によって細胞診の報告を行うベセスダシステム(The Bethesda System/TBS)を制定。現在広く用いられている。
LSIL low grade squamous intraepithelial lesion 軽度扁平上皮内病変
HSIL high grade squamous intraepithelial lesion 高度扁平上皮内病変



日母分類(Class分類/パパニコロウ分類)
1954年に、細胞診を発案したパパニコロウ博士によって提唱されたクラス分類(Papanicolaou's classification)。
日本では1978年に日本母性保護産婦人科医会によて日母分類が作成された。
2004年4月に出された厚生労働省による「がん予防重点教育及びがん検診実施のための指針」の一部改正の中でも、子宮頸部の細胞診の判定に関してこの日母分類が採用されている。
(※現在は日本のみこの分類を用いている)
判定 細胞所見 推定病変 検診間隔
クラスI 異型細胞を認めない 正常上皮 2年後でOK
class I Abscence of atypical or abnormal cells.
クラスII 異型細胞を認めるが
良性である
良性異型上皮
炎症性異型上皮など
6ヶ月後に再検査
class II Atypical cytology but no evidence of malignancy.
クラスIII 悪性を疑うが断定できない 1〜3ヵ月後に再検査
又は要精密検査
class III Cytology suggestive of, but not conclusive for malignancy.
クラスIIIa 悪性を少し疑う 軽度〜中等度異形成を想定する
5%程度に癌が検出される
class IIIa Probaby benign atypia.
クラスIIIb 悪性をかなり疑う 高度異形成を想定する
50%程度に癌が検出される
class IIIb Malignacy suspected.
クラスIV 極めて強く悪性を疑う 上皮内癌 要精密検査
class IV Cytology strongly suggestive of malignacy.
クラスV 悪性 浸潤癌(微小浸潤癌を含む)
class V Cytology conclusive for malignancy.



参考資料
http://ej.islib.jp/ejournal/1543100740.html
http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5904-062.pdf
https://qir.kyushu-u.ac.jp/dspace/bitstream/2324/3243/1/shsjournal2004-2_11.pdf
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~pathology/manual2007_1.pdf
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E8%83%9E%E8%A8%BA

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