2006年10月3日

立命館アジア太平洋大学

学長 モンテ カセム  殿

大分県労働組合総連合

議 長  後藤 俊光

 

要請書

 

 開学以来、「自由・平和・ヒューマニズム」、「国際相互理解」、「アジア太平洋の未来創造」を基本理念として運営され、着実な発展をとげられていることに対し、敬意を表します。私たちは大分県における労働組合運動のローカルセンターとして活動し、民間、公務員そして産業を問わず構成され、働くもののくらしと権利、平和と民主主義の発展のために運動している団体です。

 日本の労働環境は1995年の日本経団連が「新日本的経営システム」を発表して以降、失業率は上昇し不安定雇用労働者が増加しています。今日では失業率も4.4%・失業者数289万人、非正規労働者は32.3%となっています。その結果、労働者の所得は減少し、くらしと権利は低下しています。一方、大企業は今年の決算でも至上空前の利益をあげるなど、富は「勝ち組」に集中していることが一層明らかとなっています。しかし、利益至上主義と倫理観を欠いた企業の振る舞いは、不良・欠陥商品の販売や取り返しのつかない「事故」、最近でも粉飾決算問題となってあらわれ、大企業が社会的な批判をあびる状況となっています。このような中、企業の社会的責任(CSR)が問題となり、企業自身が地域住民にどのように責任を果たしていくのかが重視されるようになっています。また企業経営自体にもついても、賃金制度ともあいまって、正社員のリストラと非正規労働者の増大が決して企業の競争力を高めることにはならないこと、特に技術や人材の継承に問題が生じていることが明らかとなっています。

 立命館アジア太平洋大学(以下「APU」という)は開学以来、基本理念を高く掲げ「知的創造の場」として発展してきました。ところが、今年「常勤講師」に対し、2006年4月からの「雇い止め」が発覚しました。当事者は大分地域労組に組合加入し、雇い止めの撤回をもとめて運動することになりました。APUでは講師数の約36%が「常勤講師」で構成されており、大学の運営上重要な役割を担っていることはあきらかです。また、「常勤講師」として雇用される経過のなかで、大学側から雇用の継続について説明を受けていることからも、「雇い止め」を認めるわけにはいきません。

 また今回の「常勤講師」の雇い止めと新制度への変更がAPUにおける教育の質の低下につながるのではないかと心配する声も聞かれるなど、APUに寄せられている県民、別府市民の期待の高まりを裏切ることが懸念され、賛成できません。

 私たちは大分地域労組がとりくむAPU「常勤講師」雇い止め撤回の闘いを全面的に支援し、従前の契約条件で雇用を継続でき早期に解決できるよう要請します。同時に大学運営につきましては、大分地域労組との誠実な話し合い・合意をもちながらすすめていただくよう、強く要請いたします。

以上。