004 医師へ診断書を頼むとき その2                     2005.12.05掲載  

0000 はじめに   001 「障害」とは何か  002 障害認定基準と診断書
 003 診断書の頼み方  004 診断書の頼み方  005 申立書のポイント
 006 制度を活用しよう


第4回 医師へ診断書を頼むとき、こういう風に言おう!その2


わかりやすく説明するために、正確な法令・医学用語を使っていない箇所があるので注意してください。また、ここでは、特にパーキンソン病の方を念頭においているため、障害年金についての一般的な説明は厚生労働省や社会保険庁のサイトなどをご覧ください。

Q:今回はやっと本題の、診断書を記載してもらう場合の留意点を取り上げるんですよね

A:はい、早速ご紹介します。

これからお話しする留意点を踏まえて、医師と意思の疎通を図りつつ、診断書の作成を頼んでください。一旦作成されると、訂正してもらうことは非常に困難です。

診断書を作成してもらったら、必ず自分の目で内容を確認してください。たまに封をして渡されたものをそのまま提出する方もいるようですが、開封しても全く問題はありません。勤務先に提出するような通常の診断書と障害年金の診断書の性格は異なります。前者は病名、治療方法、患者や勤務先に対する指示が記載されている病気についての診断書ですが、後者は障害の状態を確認するための診断書です。

訂正してもらうことは非常に困難と先に述べましたが、事実と異なることは、きちんと説明して、訂正印をもらうようにしてください。

障害年金の請求に必要な書類間の整合性をとるため(記載内容に矛盾がない)にも、納得のいく診断書を入手するようにしましょう。

診断書は様式120号の3の(肢体の障害用)を用意して下さい。重要な項目を順に説明します。

障害の原因となった傷病名は、「パーキンソン病」です。

傷病の発生年月日は診療録を基にしますが、初診の病院または診断書の作成病院で本人が申立てた日となり、本人の申立てに丸をし、申立てた日付をその下に記入します。

,里燭畚蕕瓩動綮佞凌濃,鮗けた日は、初診の病院で診断書を作成してもらう場合は、診療録を基に初診の日となり、診療録で確認に丸をします。初診の病院と診断書の作成病院が異なる際には、初診の病院の初診の日付となり、本人の申立てに丸をし、診断書作成病院で本人が申立てた日付をその下に記入します。

傷病の原因又は誘因は、パーキンソン病の場合は、「不詳」で初診年月日はブランクにします。たまに「家族性」「遺伝性」として、初診年月日に診断書の作成病院の初診日が記載されているものもあります。

傷病が治ったかどうかは、傷病が治っていない場合の症状のよくなる見込「無」に丸をします。

診断書作成医療機関における初診時所見、初診年月日は、診療録を基に、記載してもらいます。

の後の「障害の状態」と裏面の「障害の状態」の横に「年月日現症」となっています。これは「年月日現在の症状」という意味で、この診断書作成日に診断をしたのならその日付となります。障害認定日に遡及するような場合には障害認定日以後3ヶ月以内に診断を行った際の状態を記載することになり、日付も障害認定日以後3ヶ月以内のものを記載し、裏面の最下欄の日付は診断書作成日を記入します。

Q:日付の関係がわかりにくいですね。

A: では具体例を挙げて、説明しましょう。

【例1】最初の病院に今も通院し、診断書を作成してもらう場合で、初診が平成2年2月2日で、その際に発病年月日をきかれて平成元年3月頃と回答し、平成17年11月29日に診断を受け、その日を現症とした診断書を作成してもらう場合

∧神元年3月頃、本人の申立て(平成2年2月2日)
J神2年2月2日、診療録で確認
ど埔棔日付ブランク
平成2年2月2日
障害の状態(平成17年11月29日現症)
最下欄の日付 平成17年11月29日

【例2】最初の病院は専門病院でなかったため現在の病院に転院し、そこで診断書を作成してもらう場合。最初の病院の初診が平成3年3月3日で、現在の病院の初診が平成4年4月4日でその際に発病年月日をきかれて平成3年1月頃と回答し、平成4年9月25日に診察を受けていて、それを現症とした診断書を作成してもらう場合

∧神3年1月頃、本人の申立て(平成4年4月4日)
J神3年3月3日、本人の申立て(平成4年4月4日)
ど埔棔日付ブランク
平成4年4月4日
障害の状態(平成4年9月25日現症)
最下欄の日付 平成17年11月29日

なお、この場合には、「受診状況等証明書」を最初の病院で作成してもらわないといけません。

実際に作成された診断書は、必ずしも上述のようになっていないことが多いのですが、日付の整合性がとれていれば良いようです。患者が話したこと全てを医師が診療録に記録しているとは限りません。また、最初の病院からの紹介状に初診日が記載されているとは「本人の申立て」でなく「診療録で確認」に丸になります。

Q:パーキンソン病と診断がつくまでに、複数の病院をまわる方も多くいらして、時間がたってから年金を請求すると大変ですね。

A: その通りですね。病歴を確認できるように、医療費の領収書・お薬手帳・薬の説明書・健康保険組合からのお知らせ・診察券・給料明細等を保存しておくことを、私は最近お勧めしています。家族4人分を30年保存しても段ボール箱2箱程度ではないでしょうか。私のお客様で、障害年金をもらうことを想定していた方は一人もいらっしゃいません。書類が全くない方もいらして、障害年金をもらえない方もいます。

横道にそれてしまいましたので、本題に戻ります。

脊柱の障害の脊柱の可動域握力手(足)指関節の自動可動域唄慇甓墜旭莎擇啀親闇塾呂魑載してもらわなければなりませんが、神経内科の医師が主治医の場合、ブランクになることも多いようです。

それで受付けてもらえない場合には、検査数値を記載してもらわないといけません。神経内科医でも検査数値を記載する方もいますし、整形外科医と連絡をとって記載してもらう場合もあります。数値でなく文章で表現する医師もいます。

なお、社会保険庁による「障害認定基準」では、「肢体の障害関係の測定方法」が別紙として、「関節可動域表示ならびに測定法」が別添として、別表の後に掲載されていますので、ご参照ください。

日常生活動作の障害の程度の記載内容が非常に重要です。パーキンソン病の方の場合は、検査数値で障害の状態の程度を表現しにくいためです。「補助用具を使用しない状態で判断してください。」と注意書きがあります。パーキンソン病では、「薬効の無い最悪の状態で」判断することとなります。DBS手術を受けられた方なら電気刺激のない状態です。

ところが、医師は24時間患者さんと一緒にいる訳ではありませんから、最悪の状態をご存知ありません。また、患者さんも通院するために、最良の状態になるよう、自己管理を徹底していらっしゃいます。また、最悪の状態にするために服薬しなければ、命を危険にさらすことになってしまいます。という訳で、最悪の状態を作り出して、医師に見せることはほぼ不可能です。

実際に海傍載されている動作をしてみせることを要求する医師もいて、本来そうあるべきかもしれません。また、問診で確認する医師もいて、そういう場合には、ご自分の経験に照らし合わせて、最悪の状態を思い出し回答するようにします。

なお、この欄の記載に際して、実際より良く見せる必要は全くありません。我慢強かったり恥ずかしいと思われたりして、必死で良く見せ話す方もいるようですが、障害年金の請求では、そのような努力は不必要です。

21の会話状態の記載に関しても、注意が必要です。神経内科医や患者さんの周囲の方はパーキンソン病の方と話すのに慣れていらして、実際より軽く書かれがちです。

22の現症時の日常生活動作能力及び労働能力の記載例は以下の通りです。この欄も海汎瑛佑北効のない最悪の状態の場合を記載してもらいます。
・自立不能、労働能力なし。
・日常生活に著しい制限があり、就労不能。
・労働能力著しく低下。家人の援助がなければ日常生活は困難。

実際に働かれたり日常生活を送ったりしていると、事実と違うと思われるかもしれませんが、服薬しなければ、労働不能であったり、労働時間を短縮したり、軽労働に変更したりしてもらわないといけないはずです。

ざっと説明しましたが、お分かりにならないことがあればいつでもご連絡ください。

Q:診断書で気をつけなければならないところが、たくさんありますね。

A:最初にかかった病院に、今でも通院していてそこで診断書を作成してもらう場合は、診断書の留意点も多くなく、何とかご自分でも手続できると思います。複数の病院にかかっていて、長い期間を経過している方は、診断書で注意しなければならない点が多く、専門家の助けも有効だと思います。

障害年金の請求は、障害の状態にならなければ、手続できません。つまり、しんどい状態になってから、色々な所を回って、書類を入手しないといけないのです。家族の方も、外で働き、家で介助するので精一杯で、なかなか平日にそこまで手続きできません。

本来、ご自分で手続できると一番良いと思うのですが、社会保険労務士に依頼していかがでしたか。

Q:私のように発病後30数年も経っていて通院した病院も数箇所になり、おまけに病院の書類も保存していなかったので、社会保険労務士の方に頼まなかったらとても無理でした。障害年金のことも知らなかった私ですから、社会保険労務士という職業のこともそれまで知りませんでした。もっと早く知っていたら一人で悩まないですんだのにと思います。
また社会保険労務士の方に依頼した後、私はよくわかっていなくて自分でも昔のことを調べようとしました。それで私は何もしなくていいと言われ少し憤慨したりしていました。
お願いした社会保険労務士の方は、たった一度しか通院していなかった病院をきちんとあたってくれて病院の倉庫の中まで探すよう手配してくれました。そのおかげで37年前の診療記録が見つかったのです。
私が1度しか行っていないからと、問い合わせもせずあきらめていた病院でした。プロはほんの少しの可能性も見逃さないのだと思いました。
また裁定請求の書類を受け取りに社会保険事務所や市役所に行って窓口で「あなたはまだ無理」などと言われ、嫌な思いをすることもあるようです。社会保険労務士の方に依頼すれば窓口に1度も行かなくてすみ、書類提出後も社会保険事務所からの問い合わせが社労士を通してくることになるので安心です。
私が依頼した方もそうでしたが、佐々木さんの仕事のやり方を見ていて絶対手を抜かないという姿勢と、病気で経済的に困っている人へのやさしさが感じられ心をうたれます。

A:社会保険労務士に依頼する場合でも、色々な方法がありますので、ご相談ください。

次回は診断書と並んで重要な申立書の記入要領です。パーキンソン病は診断書だけでは障害の状態を表現しきれません。申立書もポイントを押さえるようにしましょう。
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参考 診断書の一部
 

  

佐々木久美子社会保険労務士 / ファイル作成 Almond



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