002 障害認定基準と診断書                            2005.10.05掲載

0000 はじめに   001 「障害」とは何か  002 障害認定基準と診断書
 003 診断書の頼み方   004 診断書の頼み方   005 申立書のポイント
 006 制度を活用しよう  007 いつ請求するの?  008 決定に不服のとき
 009 保険料免除  010 保険料免除


わかりやすく説明するために、正確な法令・医学用語を使っていない箇所があるので注意してください。また、ここでは、特にパーキンソン病の方を念頭においているため、障害年金についての一般的な説明は厚生労働省や社会保険庁のサイトなどをご覧ください。

Q:第1回では「障害年金における障害とは何か」で「障害の状態」を取り上げましたが、パーキンソン病患者にとっては、とても漠然とした内容に思えました。

A:そうですね。第二回では「障害認定基準と診断書」と題して、「障害とは何か」をさらに掘り下げて説明します。

「障害の状態」は厚生労働省の施行令で定められていましたが、社会保険庁の「障害認定基準」でもう少し具体的に定められています。「障害認定基準」は、次のような構成です。
   第1 一般的事項
   第2 障害認定に当たつての基本的事項
   第3 障害認定に当たつての基準
   別表1〜4 (略)
   (別紙)肢体の障害関係の測定方法
   (別添)関節可動域表示ならびに測定法

「第3 障害認定に当たつての基準」で障害を大きく18種類に分類し重複障害を加えて、それぞれの認定基準と認定要領を説明しています。

Q:「障害認定基準」はどうやって調べるのですか?

A:社会保険法関連の小六法に記載されていますが、私は厚生労働省のサイトで確認しています。

1.厚生労働省のホームの右端の所管の法令、告示・通達等から、
 通知検索の「本文検索へ」を選択
2.検索語設定で「障害認定基準」と入力し、検索実行
3.上から6番目の「国民年金・厚生年金保険障害認定基準について昭和61年03月31日
 庁保発第15号」を選択

ちなみに同サイトの法令検索で前回お知らせした障害の状態に関する別表等を調べることもできます。

Q:パーキンソン病との関連を教えてください。

A:障害認定基準の第3の第1章の第7節の肢体の障害の「第4の肢体の機能の障害」を参照してください。文末にも載せておきます。一部の他の障害で示されているような客観的な基準は、残念ながら法令と同様に示されていません。(例えば検査数値の上下限等)

なお、障害認定基準の内容は、障害年金の請求の診断書に反映されています。診断書の様式は障害の種類によって8様式に分かれています。パーキンソン病の方は診断書の様式第120号の3の(肢体の障害用)を使用します。症状によってはさらに別の診断書を求められることもあります。(嚥下機能の障害用他)

診断書は障害年金の裁定請求において、最も重要なものです。障害の程度(結果的に年金の受取金額)は、医師による診断書の記載内容でほぼ決まります。

次回は「003 医師へ診断書を頼むとき、こういうふうに言おう」で、診断書を書いてもらう場合の留意点を含めて説明します。ここからが本題ですね。

Almondの感想
今回の説明はより具体的になって、認定基準と認定要領がわかり理解が深まりました。下に挙げられている「(3)日常動作と身体機能の関連」は診断書にある重要な部分で、これらの動作ができるかどうかがポイントになります。これから診断書を書いてもらう人にきっと役に立つと思います。医師からこれらのことを尋ねられます。
保険労務士 / ファイル作成 Almond
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4 肢体の機能の障害

1 認定基準

肢体の機能の障害については、次のとおりである。

令別表

障害の程度

障害の状態

国年令別表

1級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であつて、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

2級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であつて、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

厚年令

別表第1

3級

身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

別表第2

障害手当金

身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

2 認定要領

(1) 肢体の機能の障害は、原則として、「第1 上肢の障害」、「第2 下肢の障害」及び「第3 体幹・脊柱の障害」に示した認定要領に基づいて認定を行うが、脳卒中などの脳の器質障害、脊髄損傷などの脊髄の器質障害、多発性関節リウマチ、進行性筋ジストロフィーなどの多発性障害の場合には、関節個々の機能による認定によらず、身体機能を総合的に認定する。

(2) 肢体の機能の障害の程度は、運動可動範囲のみでなく、筋力、運動の巧緻性、速度、耐久性及び日常動作の状態から総合的に認定を行うが、各等級等に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

障害の程度

障害の状態

1級

1 一上肢及び一上肢の用を全く廃したもの

2 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2級

1 両上肢の機能に相当程度の障害の残すもの

2 両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの

3 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの

4 四肢の機能に障害を残すもの



 

 3級

1 一上肢の機能に相当程度の障害を残すもの

2 一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの

3 両上肢に機能障害を残すもの

4 両下肢に機能障害を残すもの

5 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

障害手当金

1 一上肢に機能障害を残すもの

2 一下肢に機能障害を残すもの

  (3) 日常動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次のとおりである。

  ア 手指の機能

  (ア) つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)

  (イ) 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)

  (ウ) タオルを絞る(水をきれる程度)

  (エ) ひもを結ぶ

  イ 上肢の機能

  (ア) さじで食事をする

  (イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)

  (ウ) 便所の処置をする(ズボンの前ボタンのところに手をやる)

  (エ) 便所の処置をする(尻のところに手をやる)

  (オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

  (カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

  ウ 下肢の機能

  (ア) 立ち上がる

  (イ) 歩く

  (ウ) 片足で立つ

  (エ) 階段を登る

  (オ) 階段を降りる

  (4) 身体機能の障害の程度と日常動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおりである。

  ア 「用を全く廃したもの」とは、日常動作のすべてが一人で全くできない場合、又はこれに近い状態をいう。

  イ 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常動作のほとんどが一人で全くできない場合又は一人でできてもうまくできない場合の状態をいう。

  ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常動作の一部が一人で全くできない場合又は一人でできてもうまくできない場合の状態をいう。

  (5) (3)で示した手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、 手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱う。

佐々木久美子社会保険労務士 / ファイル作成 Almond



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