2007.04. 09作成

「すくみ」とは何か?

海外からの情報源

以下の記事はParkinson Research Foundation "Freezing,Walking,Falling,Wearing Off"
Dr.エイブラハム・リーバーマンによる論文

Contents■「すくみ足」について  起きる理由    克服するコツ    治療法

「すくみ足」について

「すくみ足」は、Freezing of Gait (FOG)の訳語です

「すくみ足」は二本脚で歩く人間だけに起きる。人がよつんばいになって歩くときや猿が四肢で歩くときは起きない。

「すくみ足」はパーキンソン病ではよくみられ、生活に支障をきたす障害になる。ふつう進行したパーキンソン病患者の30%から60%に「すくみ足」は起きる。老年の患者では両側性、姿勢不安定あるいはバランス障害、足のジストニックな筋痙攣と一緒に起きる。パーキンソン病の初期には、歩き始めることが難しい”start hesitation”(動作開始時のすくみ)に特徴的にみられる。

一方、進行したパーキンソン病で特徴的な「すくみ足」は”start hesitation”と、方向転換時、閉鎖空間(狭いところ)を歩くとき、障害物に近づくとき、戸口に近づく、あるいは戸口に近づくと考えるだけで起きる。「すくみ足」はバランス障害、前方突進(前に進むときだんだん勢いがついて止まらなくなる症状)あるいは後方突進(うしろに下がるときの同様の症状)、不安やパニックと一緒に起きることがある。


「すくみ足」に共通するのは、歩幅と速度の両方あるいは一方が変化するときに起きることだ。

歩きはじめるには、歩幅と歩行速度をゼロから一定の長さあるいは速度にまであげる必要がある。これはエンジンのスイッチを入れてブレーキを緩め車をスタートさせるのと似ている。歩きはじめに脚が出ないのは、ブレーキが緩められないのと同じことだ。方向転換するとき、閉鎖空間を歩くとき、戸口に近づくとき、歩幅と歩行速度を変えなければならない。これは、車がターンするとき、混んだ道を走るとき、停止(赤)信号にきたときにブレーキを踏むのと同じである。

「すくみ足」の研究により、歩幅あるいは歩行速度を変えられないのは、ふくらはぎの筋肉(緋腹筋と前脛骨筋)が歩幅と歩行速度の変化に適応することができないのと幾分関連があることがわかった。「すくみ足」が起きる状況は、例えば車のブレーキが徐々にではなく“オール・オア・ナッシング”に作動して、車(=人)は突然ストップするにいたる、つまりフリーズする(=すくむ)のだ。



「すくみ足」は二本脚歩行で起きる現象で、患者に「這ってみて下さい」と言って両脚で支える必要を軽減することで、すくみはなくなるだろう。リーバーマン・パーキンソン・クリニックでは「すくみ足」のある患者に、「すくみ足」を克服するための“コツ”―動き出すためにブレーキで軽くゆするのにかなり似ている―を教えている。“コツ”の中にはある患者にはうまくいくが他の患者にはそうでないものもある。 
  1.   動き出す時に床に線を引くか、あるいは線を想像して、それをまたぐようにする
  2.  レーザー光線を携帯して床で光らせ、またいで動き出す
  3.  前後に体をゆすって動き出す
  4.  曲を口ずさんで動き出す
  5.  Go,Go,Go,(行け、行け、行け)とかTurn,Turn,Turn(回れ、回れ、回れ)と繰り返しながら動 き出す
  6.  ベルがついたブレスレットをつけ、手首を前後に振りベルを鳴らして動き出す


「すくみ足」はパーキンソン病に限られた症状ではなく、大脳皮質基底核変性症、レビー小体性痴呆、多系統萎縮)、進行性核上麻痺(PSP)多発性梗塞性痴呆(?)のような”syndrome of gait ignition failure”(歩行開始時点火失敗症候群)でも起きる。パーキソン病以外の疾患で「すくみ足」が起きることから、ドーパミン系以外のシステムが「すくみ足」発生に関係していることが考えられる。「すくみ足」がドーパ剤で改善したりしなかったりまちまちであることから、このことは確認されている。グルタミン、ノルアドレナリン、そしてセロトニンにおける異常がすべて考えられる。

「すくみ足」は不安やパニックで一層悪化する。

薬剤治療を始める前の「すくみ足」はふつうパーキンソン病治療薬で改善する。

ペルマックスやビ・シフロールのようなドーパミン・アゴニストで治療開始後に起きる「すくみ足」は、ふつうメネシットあるいはメネシット+エンタカポンを追加することで改善する。

メネシット(などLドーパ合剤)治療開始後に起きる「すくみ足」は、「すくみ足」がLドーパが効いている「オン」のときに起きるのかLドーパが効いていない「オフ」のときに起きるかを試して判断すること。

「すくみ」がオフのときに起きるなら、ふつうLドーパ剤を足すことで改善する。「すくみ」がオンのときに起きる、これは状況が複雑で専門医によって対処法も様々だ。

リーバーマン医師のクリニックでは、「すくみ足」のある患者の裸の脚を診るのが有効だと考えている。これは車が動かない原因を調べるのにまずタイヤを調べるのと同じである。

「すくみ足」がジストニアつまり腿(もも)やふくらはぎ、足の筋肉の痙攣と関連しているなら、患者一人一人に合わせて最善のすくみ足克服法を考えることになる。

「すくみ足」はパーキンソン患者が両手両脚(四つんばいで)歩くときは起きないし、猿か他の動物が四本足で歩くときには起きない。この理由はわかっていないが、「すくみ足」を理解する”キー(鍵)”になるかもしれない。

「すくみ足」と不安・パニックとの関係はノルアドレナリンのようなドーパミン以外のシステムの関与を示している。

原稿担当●あーもんど

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