2008.10.03更新

暮らしと生活のトップへ

車の運転を止めるとき 2008.10.03 UP
 
 
 車を運転することで、人は「自由」と「独立」を手に入れる。行きたいところや行く必要のあるところへは車で行くことができる。車は仕事に必要だったり、通勤にも使われる。ことに歩行が不安定になるパーキンソン病患者にとって車の運転は移動の自由を保障する大切な手段である。

 ドライビングは複雑な技術で、運転能力は身体・感情・精神状態の変化によって影響を受けやすい。
■パーキンソン病で問題なのは「症状」「薬」の両方が運転能力に影響を与えることだ。

■病気が患者の運転に与える影響
パーキンソン病が原因で、リラックスしているときでも腕・手・脚が震えることがある。また、この病気はバランスを保つのが難しくなる、あるいは静止状態から動き始めるのが難しくなってゆく。パーキンソン病患者が運転しようとすると、次のようなことができないかもしれない。

  • 道路上で起きる突然の出来事にすばやく反応すること
  • ハンドルを回す
  • アクセルを使う、あるいはブレーキを踏む

 パーキンソン病では以上の「運動能力」と共に「認識能力」もいつかは減退していくことになる。
この二つが減退することは車の運転を危険にするだろう。
パ−キンソン病患者は、たとえば距離を決定し形を認識するような「視覚空間的能力」が著しく低下する。
これが低下すると、停止サイン・交通信号への距離が測れなかったり、正しい車線を保つことができないかもしれない。
また、認識障害があって、時に混乱する患者もいるだろう。認知症がある場合は、本人に危険がわからないので主治医、家族や介護者が気づいて運転を止めさせるしかない。

「筋肉の緊張」という症状が問題で、すばやく反応できないこともある。
事故を避け交通パターンの変化に合わせて、気持ちと身体がすばやく反応しなければならない。反応が遅れるのは危険だ。

厄介なのは治療のための「薬」(Lドーパ剤、シンメトレル、ドーパミン・アゴニスト、アーテンなど)は眠気、めまい、視界がぼやける、意識混濁などの副作用があることだ。
特にド−パミン・アゴニストのビ・シフロール、レキップなどは睡眠発作(突発睡眠)が起きることが多いので、こういう薬を飲んでいる患者は運転をしては非常に危険である。
だがこういう副作用が全ての患者に起きるわけではない。服用量を調整するだけで副作用が減ることもある。患者はどんな小さな変化にも注意を払い主治医に報告する必要がある。


■運転を続けられるかどうかの判断
初期の患者の場合、および薬で症状がコントロールできている場合、上記のような問題がなければおそらく運転を続けても大丈夫だろう。

運転をまだ続けられるかどうかを決めるために※「運転適性相談」が各地の運転免許試験場で受けられテストと査定をしてくれる。(末尾参照)

■運転に影響があるときは…
症状を解消するような薬・手術があるか、安全に運転し続けることができるような薬があるか主治医に尋ねよう。
・健康を維持し活動的であれば、運転に必要な筋肉の強さを維持することができる。
・運転技術を改善することも大切だ。
※ リハビリ科で作業療法士(OT)はドライビング技術を査定・矯正してくれる。(日本の作業療法士がしてくれるかどうかは不明。問い合わせてください)
こういうサービスは近くでは得られないかもしれない。


■運転をあきらめなければならないとき
運転を少なくしたり止めざるをえないとしても、独立した人間であることには変わりがない。自分の行きたい場所あるいは会いたい人のところへ行く方法を計画的に考えよう。

・ 家族や友だちに乗せてもらう。
・タクシー 
・移送サービス※
・ 公共バス、電車・地下鉄、歩き

※高齢者・障害者のための移送サービスが市町村によってはあるし、NPOの移送サポートもある。
参照 「車による移動支援」

※【運転適性相談】
 運転免許試験場では、これまで精神病やてんかん等にかかっている方に対して一律に運転免許が取得できないとしていた欠格事由が廃止されたことに伴い、自動車等の安全な運転に支障があるかどうかを個別に判断するための相談を受け付けています。

受付日時  平日のみ 8:30〜17:15
受付場所 ○府中、江東運転免許試験場 みどりの窓口
     ○鮫洲運転免許試験場 運動能力検査室 
お問い合わせ先 府中運転免許試験場・・・042(362)3591(代表)内線5333
鮫洲運転免許試験場・・・03(3474)1374(代表)内線5433
江東運転免許試験場・・・03(3699)1151(代表)内線5334 

東京以外の方は、お近くの運転免許試験場に問いあわせてください。


【重要】免許取得または更新について1.「一定の病気等」※にかかっていて自動車の安全な運転に支障をきたすおそれがある場合には、運転免許が取得できない、または更新できない場合がある。また運転免許の取得や更新に際して臨時適性検査を受けるよう指示されることがある。

※「一定の病気など」とは統合失調症、てんかん、不整脈、睡眠障害、認知症などが明示的に定められており、警察庁の文書ではパーキンソン病を特には取り上げていない。しかしながら、京都府警のサイトでは「一定の病気等、その他」として「脳卒中、視聴覚障害、筋ジストロフィー、パーキンソン病など」と明記している。

2.また運転免許取得・更新時には次のような質問に答えなければならない。

(1)病気を原因としてまたは原因不明だが意識を失ったことがある(はい・いいえ)
(2) 病気を原因として発作的に体の全部または一部の痙攣または麻痺を起こしたことがある(はい・いいえ)
(3)十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまうことが週3回以上ある(はい・いいえ)
(4)病気を理由として、医師から運転免許の取得または運転を控えるよう助言を受けている(はい・いいえ)
原稿作成 あーもんど 
Apple カフェへリンク
感想をお聞かせください


























1