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2012.04.01更新

パーキンソン病における睡眠障害


睡眠障害のタイプとしては
1、 入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒
2、 睡眠の断片化
3、 日中の過度の睡眠
4、 突発性睡眠
5、 レストレスレッグ症候群
6、 レム期睡眠行動異常症
など様々なものがある。


原因としては
・パーキンソン病の運動症状の影響
  夜間早朝の無動、ジストニア
  震え
  寝返り困難
  痛みを伴う筋肉のけいれん
・抗パーキンソン病薬の作用
・精神症状
   うつや認知症の合併
   幻覚妄想
   悪夢
   パニック障害
など複数の要因が重なっていると思われる。


睡眠障害は重症度及びドパミン治療薬の量に関連して悪化する。

パーキンソン病患者では早期には「睡眠効果」といって熟睡したあとには症状が改善するが、睡眠不足になるとこの効果がなくなる。
また睡眠不足により疲労感やイライラが生じる。


1. 眠障害

パーキンソン病では入眠困難と睡眠の維持困難(中途覚醒)のどちらもよく見られる。
入眠困難はいわゆる寝つきの悪さであるが、パーキンソン病患者に特に多いというわけではない。
将来に対する不安などの精神的な原因による場合もある。
多くの患者は寝つきは良いが、途中で目が覚めその後眠れないという訴えが多い。
入眠障害に対しては睡眠導入剤を使う。癖になるからと薬を嫌う患者もいるが夜間の睡眠が日中の症状の改善のためにも大切であるので、自然に睡眠薬を忘れて眠れるようになるまで睡眠薬を継続して十分な睡眠を確保するようにしたほうがよい。

 2.中途覚醒

寝付いたあと2〜3時間で目が覚める。
目が覚める原因は
・トイレ
・寝返りができないための不快感
・オフのジストニアの痛み
・発汗発作
・特に原因なく目が覚める

夜間寝られない場合、昼間の過度な眠気につながりやすい。
パーキンソン病の運動症状が不眠の原因と考えられる場合には眠前に抗パーキンソン病薬を飲む。

 3.日中の過度の睡眠・突発性睡眠

これらは社会生活の妨げになりうる。
日中の過度の睡眠は患者の3分の1、突発性睡眠は1〜4%に見られる。
ドパミン作動薬の開始や増量によって日中の過度の睡眠が出現した場合は薬の減量または変更が必要になる。
日中の過度の睡眠に対してはカフェインなどの刺激作用のある薬剤を試してみる。

突発性睡眠はドパミンアゴニストだけでなくL-ドーパでも原因になりうるのですべてのパーキンソン病患者に起こりうる。
このため自動車の運転の可否が問題となる。
非麦角系アゴニストでは自動車の運転は「警告」、麦角系アゴニスト及びL-ドーパ製剤では「重大な注意」事項となっている。


 4.レストレスレッグ症候群(むずむず脚症候群)

布団に入ると足がむずむずして足のゆびを動かさずにいられなくなる。
入眠障害の原因となることがある。
パーキンソン病においては一般人口に比べて2倍の頻度でみられる。
ドパミンアゴニストによく反応する。


 5.レム期睡眠行動異常症

レム睡眠時に複雑で力強く、時には乱暴な行動をする。生々しく恐ろしい夢や悪夢が特徴である。
その結果皮下出血、擦過傷、骨折、脱臼などがおきる。
抗パーキンソン病薬で改善することが多い。


パーキンソン病による運動症状に伴う睡眠障害の対策

 
夜間にパーキンソン病治療薬の効果がきれ、そのために眠られない場合には持続性の効果のあるドパミンアゴニストを服用する、または寝る前にL-ドーパを服用しその効果を持続させる目的でコムタンを使うのもひとつの方法である。
 
 夜間の頻尿はパーキンソン病でよく見られる症状である。夜間薬効がきれているときの動作緩慢も加わって辛いものがある。
夜間頻尿にたいしては、夕方からの水分摂取を控える、寝る前にトイレに行くなどの他有効な薬を投与してもらう。


睡眠環境を整える

 睡眠に適した環境を作ることも大事である。

・日中の仮眠にはベッドや寝床を使わない
・昼寝はできるだけしないようにする
・一日の生活のリズムを維持する
・午前中の日光浴がお勧め
・昼間明るく、夜は暗く
・アルコール、カフェイン、タバコなど刺激物は遅い時間帯には避ける
・眠る時の静かな環境
・周囲の雰囲気、カーテンの色などで心の落ち着きが違ってくる。
・アロマなどでリラックスした気持ちにする
・カモミールティーなどもいい


●原稿担当●sophia

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