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2012.04.01更新

パーキンソン病における性機能障害

 パーキンソン病における性機能低下について

女性患者において
  • 性意識の低下  87.5%
  • 絶頂感の欠如  75.0%
  • 性行動の欲求低下46.9%
  • 性交渉における満足感の低下 37.5%

男性患者において
  • 勃起障害   68.4%
  • 性交渉の満足度の低下 65.1%
  • 早漏     40.6%
  • 絶頂感の欠如 39.5%


健常者との比較において
   性欲の低下、性交渉の減少、絶頂感の減弱、男性の勃起障害、射精障害などにおいて有意に頻度が高かったという報告がある。

性機能障害とパーキンソン病の重症度に明らかな関連はない。
使用薬物との関連も明らかにはない。

パーキンソン病患者の多くが性機能の問題を経験しているが、比較試験が難しく、数値で表されているものは少ない。
約78%の患者が機能不全から性欲の低下に至るまで性行動に問題を抱えている。


性機能の問題の原因
いくつかのファクターが考えられる
  • 脳におけるドーパミンのレベルの低下
  • 年齢
  • 運動能力の低下
  • 内服薬の種類と量
  • 自律神経系の機能障害
  • うつや不安などの感情の問題


以上参考
武田篤編「ガイドラインサポートハンドブック パーキンソン病」医薬ジャーナル社

パーキンソン病はどうして性機能に影響があるのか?
どのようなことがおきるのか?

脳内のドーパミンの消失のためにオルガスムや喜びを感じることが困難になる。
最近の研究の結果、パーキンソン病の男性患者の中にテストステロンのレベルが低い人がいることもわかった。
年齢もまた性生活の問題に関係している。そして男女とも性ホルモンのレベルが低下している。
その上、パーキンソン病のせいでベットの出入りが簡単にできなくなることもある。主治医に相談して内服の量と時間を調整してもらうことによって動きやすくなるかもしれない。
主治医がいいと言えば、内服を朝、昼、夕の3回の飲み方を 朝、昼、夜にすることもできる。

徐放タイプの薬もまたウェアリングオフをなだらかにし、必要な時に運動できるように手助けとなるだろう。

神経系の変化
・パーキンソン病では自律神経系の機能障害はよくみられることであり、性的機能も障害をうける。

自律神経系は性行為においても、男性の勃起、女性の膣内の潤滑、腰を突き出すうごき、そして男女のオルガスムなどいくつかの局面をサポートしている。
もし自律神経系が正しく働かなかったら、性行為のいくつかの局面は成し得ないであろう。


感情とムードの変化

パーキンソン病に伴う感情的な問題もやはり性機能障害に関与している。たとえば、パーキンソン病では、うつや不安がよくみられる。

これらの普通に見られるムードの問題は心理療法と薬物治療の組み合わせによって一般に治療が可能である。
いったん感情の障害がほんの少しでも改善すれば、性行為のほうも同様に改善する。
しかし、うつの治療に用いる薬の中にはセックスに対する興味を減弱させるような副作用を人によっては引き起こすものもある。

主治医の同意が得られれば、性欲を抑えることが分かっている薬を使う前に、性欲を抑えない抗うつ剤を試してみるといいかもしれない。

さらに、内服薬が性衝動に対して副作用を起こす可能性もある。いくつかの薬剤は性衝動を増強するが、反対に減弱させるものもある。

以上 参考
Why and How Parkinson’s Disease Affects Sexual Function.
Patrick McNamara,
2009 An issue in “ All about”


 パーキンソン病の性的な影響への対応の仕方

男性におけるパーキンソン病の影響

男性のパーキンソン病患者は勃起不能、または性交渉中の勃起状態の維持不能を経験するかもしれない。自律神経系の機能異常がパーキンソン病の男性患者の勃起不全の原因になっている可能性がある。パーキンソン病の勃起不全はまた脳内のドーパミンレベルが低いことと直接関係しているかもしれない。
また、他の年齢によっておこる一般的な病気(糖尿病、高血圧、高コレステロール)もまた勃起不全に関連する。
勃起不全に効く薬もある。
また、テストステロン(男性ホルモン)補充療法もまた勃起および性欲の助けになるかもしれない。


女性とパーキンソン病

女性におけるパーキンソン病の影響についてはあまり知られていない。しかし女性患者がしばしば性欲の減退やオルガスムを感じなくなっている。
閉経期とパーキンソン病であるということのために性欲が減退し、セックスが不快になることもある。
ホルモン補充療法が役に立つこともある。その結果骨が強く柔軟性を維持するといういい面での副作用もあることがある。
主治医に相談なしにホルモンのサプリメントを飲むということはやってはいけない。


パーキンソン病の影響を回避する方法

いろいろ悩むより、下に書いたような自分でできることをまずやってみよう。
  • 問題となっていることの根源を同定する。もしうつと関係しているようならうつの治療をしてもらうように主治医に頼んでみる  。性ホルモンの減少が関係しているようなら、ホルモン補充療法をやることを主治医と相談してみる等々。
  • 時に、現在内服中の薬に根本的な問題がある場合もある。パーキンソン病の主治医と話し合って内服量を調整してもらおう。
  • 可能な時はいつでも活発なエクササイズに取り組もう。肉体的スタミナと動きやすさが改善される。
  • 理学療法に継続的に参加しよう。動きやすさの改善になる。
  • 認知行動療法や心理療法が悩みや恐怖や感覚の欠如について話す手助けとなるかもしれない。これらのネガティブな感じ方を乗り越えてはじめて、パートナーとともにいる時間を楽しむことができるようになるだろう。
  • 性機能の問題で悩んでいる間2人の親密さを維持するための新しい方法をして、一緒にマッサージのクラスをとるなどべつの方法も考えてみたらよいかもしれない。
  • パートナーと解決策について話し合うこともいいだろう


パーキンソン病治療薬による性への影響
時に患者が急に性的興味が高まり、性欲が亢進することがある。
パーキンソン病治療薬の量が多すぎたりすると、何かをしたいと思ったらその衝動をおさえることが困難になる。
これらの「衝動制御障害」には、浪費癖、ギャンブル癖、性行動への興味過多などがある。
パーキンソン病患者にとって、パーキンソン病治療薬を飲んだ時に「衝動制御障害」がおきることがあるということを知っているということはとても大事なことである。
このような兆候が現れたらすぐに主治医に薬の調整をしてもらわなければいけない。
「衝動制御障害」はレボドパよりもドパミンアゴニストによって起きることが多い。
この「衝動制御障害」は明らかにドーパの量が多いために現れるので、内服量をへらせば消える。

以上 参考
How to Cope with Sexual Side Effects of Parkinson’s Disease.
Patrick McNamara
2009 An issue in “ All About”
●原稿担当●sophia

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