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 パーキンソン病の治療の進め方

水野美邦先生の特別講演より

 

 29.パーキンソン病と運動

 

 ・  好きで楽しんでやるのはOK

・  運動は精神衛生によい影響

・  しなければと苦しんでやるのはよくない

・  日常生活動作をするだけでも十分

・  運動中も薬を消費している

・  やりすぎは薬が早く切れる原因

・  運動は車の運転と同じ

    運動をする → 車を動かす

    薬を使う  → ガソリンを使う

 

 最後にパーキンソン病と運動、訓練ということでお話します。リハビリテーションは必要でしょうかというご質問をよく受けますが、楽しんでやるのは一向に構いません。しかも運動療法、運動は精神衛生によい影響を与えます。ただし、しなければ手足が衰えると思って、苦しんでやるのはよくありません。パーキンソン病の患者さんの活動としては、一応日常生活を続けるだけでも十分な運動量があります。覚えておいていただきたいのは、その運動していらっしゃる間も、薬が使われているということです。従って、運動しすぎると、薬が早く切れる原因になります。これは多くの方が、昨日無理したので今日は調子が悪いということをおっしゃるんですけれど、それは疲労だけじゃなくて、体に残っているドーパミンを使い過ぎちゃったからだと思います。運動は車の運転と同じです。運動するということは、車を動かすということで、車を動かしている間は、ガソリンを使うということです。運動している間、常に、ドーパミンを消費しているということを念頭においておいていただきたいと思います。

 これは、下手な漫画なんですけれど、車でありまして、こっちが前なんですけれど、ここにガソリンタンクがあります。初期の間は、このガソリンタンクのサイズが大きいものですから、ドーパミンを1錠飲んでも、これが満タンになってしばらく動くわけなんですね。進行してしまうと、車の本体は変わらないんですけれど、ガソリンタンクがだんだん小さくなってしまう。すると薬を飲んでも、余計なものは溢れちゃって、タンクに貯まったお薬というのが減ってくるんですね。こういう状態で運動をやりすぎますと早くこのガソリンがなくなっちゃって、この車が動かなくなる。運動とパーキンソン病の間には、こういった関係がございます。

 

 

30.QOL(生活の質)の改善をめざして

 

1.悲観的でなく楽観的な態度

3.従来のライフスタイルを踏襲

3.くすりはきちんと飲む

4.社会的活動に積極的に参加

5.社会資源の活用

 

公費負担制度

身体障害者手帳

介護保険

 

そういうことで、私達としては、できるだけ患者さんの生活の質の改善を目指しているわけなんですけれど、大事なことは将来に対する楽観的な態度です。前向き姿勢、後ろを振り返らない、前を見る、そう考えます。

 それから、病気になったということで、色々、生活を制限するんではなくて、従来の生活スタイルを踏襲していただいて、旅行なんかお好きだった方は、旅行にも積極的に行っていただく。旅行にいらっしゃると、不思議と日本よりよく動けるという患者さんが多いんですね。私の患者さんでも、時々、ヨーロッパとか、アメリカへ一大決心で行っていらっしゃる方があるんですけれども、向こうで心配していたほどではなかったと、おっしゃる方が大部分です。

ソウルのパーキンソン病の患者さんのための会が、2年ごとにアジア・太平洋のどこかで行われることになっています。ソウルには、日本から30名ほどの方がいらしてくださいました。2年後には、オーストラリアのメルボルンであります。ちょっと遠いんですけれど、非常にきれいな国ですので、今から貯金をして、一人でも多くの方がいらしてくださると嬉しいと思っております。

 そして、薬をキチンと飲んでいただいて、色々な社会的な活動に積極的に参加していただきたいと思います。

 そういうことで、パーキンソン病の将来は明るいというふうに考えていただいて、元気に過ごしていただきたいと考えております。

                                                                                                          

 

2004.05.03

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