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 パーキンソン病の治療の進め方

水野美邦先生の特別講演より

 

 26.遺伝子治療

 

遺伝子治療というのは、動物実験でかなり成功してきておりまして、将来、患者さんにも有効な治療になるのではないかと思います。例えばドーパミンをつくる遺伝子を、線条体という所に注射で入れて、線条体にある細胞にドーパミンを作らせる、これは猿とか鼠では割合うまくいっています。安全性が確認できれば人でも患者さんでも応用できるような治療になると思います。さらに発展させて、この神経細胞を助ける物質とか、病気をそれ以上進行させないような物質を作る遺伝子を注入しますと、将来進行を抑制させるということも夢ではなくなってくると思います。

 

27.細胞治療

 

  幹細胞:色々な細胞に分化できる細胞

          ↓

  神経幹細胞・骨髄幹細胞・胚幹細胞

          ↓

遺伝子操作でドーパミンを産生できるようにする

          ↓

      脳(線条体に移植) 

 

もう一つ、細胞治療というのが、最近研究されています。我々の中には幹細胞という色々な細胞に分化できる細胞が、脳とか骨髄に僅かですけどあります。普段は、そういう細胞というのはジッとして、何もしないでいますが、こういうものを近年の遺伝子工学の手法で、ドーパミンを作る細胞に変えることが可能になってきました。そういうふうにドーパミンを作るようにした細胞を線条体に移植するということが、動物実験で行われていますが、患者さんに安全に使うには、まだまだ時間がかかると思います。

 

28.将来の治療

 

 

細胞保護薬     抗酸化薬

           抗アポトーシス薬

遺伝子治療     ドーパミン作成遺伝子

           神経栄養因子遺伝子

細胞治療      幹細胞からドーパミン

           神経細胞を作成

 

それから、薬物療法でも、黒質の神経細胞が減るのを押さえようというお薬が、色々な研究所で行われておりまして、抗酸化薬とか、抗アポトーシス薬といわれるような新しいお薬が出てきています。これは動物実験ではかなりいいデータが出ております。おそらく、近い将来、安全性が確認された薬物の中から、実際患者さんにも飲んでいただいて、少しは進行が遅くならないかどうかというような、治験が行われるような時代になると思います。

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2004.05.03

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