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 パーキンソン病の治療の進め方

水野美邦先生の特別講演より

 

.1.パーキンソン病に関する疑問

・  何故このような病気にかかったのだろうか?

・  子孫に遺伝するか?

・  寝たきりになるのか?

・  日常生活で気をつけることはあるのか?

・  薬をのんでもすぐ効かない。

・  効いてきても1時間ぐらいで切れてしまう。

・  切れると足がすくんで歩けない。

・  効いてくると手足が勝手に動く。

・  手術の効果はどうなのだろうか

  

  長い間パーキンソン病の薬を飲んでいると、皆さん、上のようなことを心の中で疑問として感じていらっしゃるのではないかと思います。

 例えば、「なぜこのような病気にかかってしまったんだろうか。」とか、「こどもに遺伝するんではないのか。」など、よく診察室で質問を受けます。

 できるだけ、これらの疑問点にお答えできるような形でお話を進めてみたいと思っています。

 

 

2.パーキンソン病とは?

 

・  脳の黒質という部分が障害される。

・  そのため脳のドーパミンという物質が減る。

・  原因は不明だが、一種の体質病。

・  普通は遺伝しない。

・  治療薬はL-ドーパとアゴニストが中心。

・  薬で症状はよくなる。

・  これまでのライフスタイルでよい。

・  天寿をまっとうできる病気。

 

 まず、パーキンソン病というのは、脳の中にある黒質という場所が障害されて、そのために、脳の中のドーパミンという物質が減るために、いろんな症状が起きてきます。本当の原因はまだ判っていないのですが、小さいときから、あるいは生まれたときから、何かこういう病気になりやすい体質を持っていて、例えば、アレルギーになる方は、小さい時から、アレルギー体質というのがあって、ある歳になって、喘息を起こしたり、蕁麻疹を起こしたりするように、パーキンソン病になりやすい特別な体質というものがあるのではないかというふうに、考えられています。

 ふつうは遺伝しません。治療はL−ドーパとド−パミン・アゴニストが中心になっており、薬で症状はかなりよくなります。また、毎日あれをしてはいけない、これをしてはいけないということは、まったくありません。今まで取っていらしたライフスタイルを続けていただくのが一番いいことで、治療を上手にやっていけば、天寿をまっとうできる病気であるということが、示されております。

 それで、黒質というのがどこにあるかという話ですが、これは脳を横から見たところで、こちらが前で、こちらが後ろになっています。これは脳を下からみたところです。これは、最近のCTという進んだレントゲンの方法で、脳を上から見たところです。こちらはMRIで脳を輪切りにして中を見たところですが、中脳の黒質というのは、脳を下から見ますと、ちょっと判りにくいんですが、脳の後ろに脳幹、脳の幹という場所があるんですが、これは非常に大事な場所です。そこの一部を輪切りにして見ますと、中脳という場所がございます。この中脳の下のほうに黒く、肉眼でも黒く見える場所があります。ここが、黒質と言われていて、パーキンソン病の方はどういうわけか、ここにある神経細胞の数が減って、その神経細胞の形も小さくなっていくという特徴があります。ここの神経細胞が、ドーパミンという物質を産生しているので、そのドーパミンが減るというのが、この病気の病態なのです。

 

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2004.05.03

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