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 パーキンソン病の治療の進め方

水野美邦先生の特別講演より

 

 19.未治療の場合の薬の飲み方

 

70歳以下でボケがない場合

  ドーパミンアゴニストから始める

  (パーロデル・ドミン・ペルマックス・カバサール)

  効果不十分の場合、L-ドーパを追加

 

70歳以上またはボケがある場合

  L-ドーパで始める

 

  早期でL-ドーパを飲んでいらっしゃらない方は、治療をどういうふうにすすめるのがいいかといいますと、最近ガイドラインが出ました。70歳以下で、ボケのない患者さんの場合には、アゴニストから始まる方が、将来ウエアリングオフの発生が少し遅くなるという臨床データが出ています。

 今4つのアゴニストが発売されていますけれども、まずこれを始め、これで十分な症状が取れない場合に、L-ドーパを追加します。70歳以上のご高齢の方か、あるいは既にボケが始まっていらっしゃる方の場合には、L-ドーパで始めます。

どうしてこうするかといいますと、70歳以上の方というのは、割合ウェアリングオフを起こしにくいのです。ジスキネジアも起こしにくい。そういうわけで、L-ドーパから始めても、あまり大きな問題はなさそうであるということが分かっています。

 ボケのある方の場合には、こういうドーパミンアゴニストを使いますと、それによって、幻覚とか妄想を起こしやすい方がかなりいらっしゃいます。そういうわけで、比較的少量でもある程度の効果が期待できるL-ドーパで、治療を始めた方がいいだろうと、そういうふうに考えられています。

 これはそのような臨床研究の一つで、ヨーロッパで行われた調査なんですけれども、5年間という長期に渡って、比較しておりますけれど、まずカベルコリン、カバサールというのでまず治療して、途中からL-ドーパを加えた群がこれです。こちらは最初からL-ドーパだけで、ずっと治療していった群です。縦軸が何を示しているかといいますと、それらの患者さんの中で、症状の日内変動ですね、ウェアリングオフか、ジスキネジア、それが出てきた患者さんの割合を示しているんですね。5年経ちますと、L-ドーパだけで治療してきた患者さんは、約半分が、症状に日内変動を出していらっしゃるのに対して、カバサールから始めて、途中からL-ドーパを加えたグループは約3分の1です。こういったデータがもとになって、ドーパミンアゴニストから使った方がいいだろうと言われてきております。

 

20.L-ドーパとアゴニストの比較 

 

ところが、そのドーパミンアゴニストとL-ドーパを比較してみますと、効き目はどうしてもL-ドーパのほうがいいんですね。胃に対する副作用も少ない。だけど、ジスキネジアとか、日内変動を起こしやすいということになります。一方ドーパミンアゴニストは効きは少し劣るけれども、こういう症状を起こしにくいということから両方を上手に手に組み合わせて治療するのがいいだろうということになっています。

 

 

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2004.05.03

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