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 パーキンソン病の治療の進め方

水野美邦先生の特別講演より

 

 17.パーキンソン病と自律神経障害

 

 

 

 もう一つは自律神経障害として、便秘を、多くの方が経験していらっしゃると思います。おしっこが近い、めまいがしたり、ひどい場合には、失神してしまう、昼間でも夜でも、玉のような汗をかく、発汗の発作があるということを経験している方もいらっしゃるだろうと思うのですが、兎に角、便秘というのは、殆ど、病気の一部なんですね。腸の中にも神経細胞が一部あって、そこの神経細胞にも、大抵の方は、少し変化があるのです。それで腸の動きが悪くなっているのです。下剤を多くの方が飲んでいらっしゃいますけれども、お水を一緒に沢山飲まないと、下剤というのは、あんまり効いてくれません。トイレが近くなるのが怖いので、あまりお水を飲んでいらっしゃらない方が多いんですけれど、下剤を飲む時は、コップ1杯のお水は一緒に飲むということを、心がけていただけるとありがたいと思います。頻尿の薬には幾つかございますし、めまいとか失神をされる方は、塩分を沢山取る、これは、血圧が高くないという前提が必要ですけれど、塩分を取っていただく。それから、血圧をやんわりと上げるお薬がありますので、そういうものを処方してもらわれるといいのではないかと思います。

 それから、ご飯を食べた後に、血圧が下がる方が少しいらっしゃるんですが、普通食後に血圧を計りませんから、血圧が下がっているなんてことは、分かりません。ご飯を食べた後、とっても体がだるくて、辛くてしょうがないという方は、食事の後に血圧が下がっていらっしゃることが多いので、少し横になっていらっしゃると、間もなくよくなります。

 玉の汗というのは、原因がよくわかっていません。心配な症状ではありませんが、いい対策がないというのが現状です。

 

18.ご自分で工夫できること

 

L-ドーパの飲み方の工夫

・食前に飲む

・噛んで飲む

・水に溶かして飲む

・飲む時間を工夫する

・何回にも分けて飲む

・少し増やしてみる

・アゴニストと一緒に飲んでみる

 

 今、主治医の先生とご相談なさらないと、処方してもらえないようなお薬のことも、だいぶお話しましたけれど、ほとんどは、ご自分で工夫できることですね。

ご家庭で、主治医の先生から処方していただいたお薬の範囲で工夫できることを、まとめてみますと、これは、お薬の効きの悪い場合ですね、効きがいい方は、こういうことをする必要は全然ないんですが、お薬を飲んでるけれど、自分が満足いくほどには、一日動けないときには、こういうことを試していただけるといいと思います。食前にL-ドーパを飲む、噛んで飲む、水に溶かして飲む、それから飲む時間を工夫する、先生から、一日3錠、4錠、6錠といったお薬を処方されていらっしゃる場合に、その定められた錠数の中で、ご自分の症状に合わせて、飲む時間を少し工夫しても差し支えないと思います。何回にも分けて飲んでみる。

それから、これは主治医の先生に怒られるかもしれませんけれど、ご自分の飲んでいらっしゃるお薬が少し足りないのではないかと感じていらっしゃる場合、例えばドーパ製剤を2錠とか、3錠とかしか処方されていらっしゃらなくて、多少動きが悪い方は、ちょっと、先生に内緒で、2錠ぐらい余分に飲んで、少しよくなるかどうかを試してみます。もしそれでよくなるようでしたら、その次受診された時に、「ちょっと動きが悪かったので、1錠余分に飲んでみたら、具合がよかったんです。」申し上げると、話の分かる先生なら、増やしてくださると思います。

 それから、ドーパミンアゴニストを一緒に飲む。これはどういう意味かといいますと、L-ドーパ製剤とペルマックスのようなドーパミンアゴニストを両方飲んでいらっしゃる方は、しかもウェアリングオフがある患者さん、大抵そういう場合はL-ドーパというのが、一日に4回とか5回の処方がされていることが多いのではないかと思うのですけれども、一方、ドーパミンアゴニストというのは、吐き気などの副作用が起きることもあるので、大抵は、毎食後3回というような形で、処方が出ていると思うんですね。ドーパミンアゴニストも最初の間吐き気が出ることもありますが、全然吐き気なんか無くなってしまって、空腹時に飲んでも大丈夫な方も沢山いらっしゃいます。そういう方は、ドーパミンアゴニストも食後3回という飲み方をちょっと見返してみて、今度L-ドーパをお飲みになるとき、それと一緒に、空腹時に、胃に食物の無い時に飲んでみると、もう少し効きがよくなることがあります。

 

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2004.05.03

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