2006.03.11更新

脳深部刺激術(DBS)の体験記のトップへ

私のデイサービス記  by K.E.

私は、現在山口市吉敷にある、「夢のみずうみ村」というデイサービスセンターに通っています。そこでの様子をお知らせします。

私は病歴19年のパーキンソン病患者です。緩やかな進行だったのでそれほど不自由は感じなかったのですが、次第に不随意運動や、薬の切れるころになると歩きにくく転びそうで、薬の効いているときに家事をしたり買い物に行ったりしていました。ちょうどそんな時DBSのことを知り早速、紹介状を書いてもらって医大で診察を受けました。(主治医の先生は、「もう少し、せめて症例が2桁になるまで待ちなさい」とおっしゃったのですが)その結果、「薬の飲む量は少ないが(註1)、まず検査のために入院してください。その結果決めましょう」ということで3ヶ月のベッド待ちでしたが、結局2ヶ月ほどで入院して検査後、3年前の平成14年8月、手術をしました。   

手術は成功です。体は軽くなり背筋は伸びるし、ちゃんと歩けるし、不随意運動もぴたりと止まりました。私はこれで病気が治ったのではないかと思ったほどです。

まるで、これまでのことが悪夢のような気さえしました。しかし、薬は量が減ったものの、まだ飲んでくださいと言われ、どうも字が書きにくく、いわゆる小字症といった副作用はでました。しかし歩けるようになったこと、薬効に関係なく、動くことができるようになったことで私の行動範囲は広がったのです。とってもうれしくて、お見舞いに来てくだったIさん(手術3例目の方でいろいろと体験談を伺った人)と手を取り合って喜んだものです。

そして退院しました。周囲の人は元気になった私の姿に喜んでくださり、私もこれまで諦めていたことをあれこれしたいと思いました。そんな時、病院で知り合った友達から電話がありデイサービスへの誘いを受けました。しかし、私はとても介護保険は下りようもないし、だめだと思っていたのですが、申請の手続きをしてもらったら、思わず「要支援」の通知が来たのです。うれしいような情けないような複雑な気持でした。でも、今は比較的安定しているし、健常者に近い生活ができるけど、これがいつまで続くかわからないし、今のうちからしっかりリハビリをしておくことが必要だろう。そう思えてきたのです。                      
そうして、ケアマネージャーさんに相談することにしました。いろんな話の後、帰り際に「こういうところもありますよ」と言って紹介されたのが、現在行っている「夢のみずうみ村」です。

そのパンフレットには、9月より、リニューアルオープンと書かれ、大型プールを備えた図面入りの広告でした。そして、そこには金子みすずの「みんなちがってみんないい」の詩の1節がのっていました。すぐに見学に行くことにしました。その日は工事が遅れていて、工事用の車両が出入りしていたため建物の外からプールをみただけでしたが、面白そうだし、行くのならこんなところがいい、これまでのデイサービスに対する思いから一変し、ここに行こうときめました。

前置きが長くなりましたが、こうして9月より「みずうみむら」の村民になったのです。

今月でちょうど丸2年になります。毎週火曜日と隔週土曜日の月6回通っていますが、この日のくるのがとても楽しみです。これまでしたいと思っていた、水泳を始め、パソコン、陶芸、パン作りなどができるし、字が書きにくい私は、手術以来手紙を書くこともなかったし、家計簿をつけるのもやめていました。しかし、パソコン教室があるおかげで、ワープロを覚える機会を得ることができました。それで、まず3人の息子に何時間もかけて手紙を打ちました。プログラマ-―をしている長男は、まえから「パソコンをしなさいよ。便利なんだから」と言っていたので喜んでくれました。口では言えないことでも手紙には書けることもあるものです。親の思いを手紙に託し、どきどきしながら投函したものです。思いがけない反応もありました。
去年の夏、買い換えたのでと古いパソコンを持って帰ってくれたので以来パソコンに代りました。これならメールの交換もできるし、パーキンソン病の情報交換もできる、機械音痴の私だが、他人ができるのにできないはずはない。とにかくやってみようと決心しました。あれから1年、まだまだ時間はかかるし、わからないことばかりですが、私にとってはなくてはならないものになりました。

それにこの夏より、パワーリハビリの機械も入りました。今の私の予定表にはパソコン、プール、食べる、あんま、本丸トレーニング(註2)そしてピアノ(註3)が定番です。一日があっという間にすぎます。ここに居る間家のことは全部忘れて、心身をリフレッシュする大切な時間です。おもわぬことから介護保険の恩恵を受け、いまこうして長年の夢が叶って好きなことをさせてもらっている自分を幸せだと思っています。

 まだ手術が行われ始めて日が浅いこともあって、これから先のことはわからないけれど心配しても仕方がないし、与えられた人生を精一杯生きればよいのではないでしょうか。わたしはここに来てそのことを再認識しました。一度は死線をさまよわれた方々が多いからでしょうか、皆さん一生懸命取り組んでいらっしゃる。「がんばろうね」といいながら不自由な手で物をつくり、書いたりし、かなわぬ足を鍛えようと、汗をかきながらプールでリハビリに励んでおられる姿には、圧倒されます。勇気と元気をありがとう。そして、われわれをサポートしてくださる職員の方々、これらの多くの出会いのおかげで今日も元気にがんばることができます。この出会いを与えてくださった「神」に感謝。そして快く出してくれる夫にありがとう。

註1)

手術前の薬の量

マドパー1.5錠、アーテン2錠、シンメトレル2錠ペルマックス5錠

   手術直後 マドパー2錠、FP1錠、ペルマックス3錠
   現在 マドパー2錠、FP2錠、カバサール3錠、ペルマックス2錠

註2)
本丸トレーニングとは坂になった廊下を上った一段と高いところにある部屋にパワーリハビリなどのトレーニング機器が置いてある。

註3)
ピアノは利用者さんのなかにもとピアノ講師の方がおられたのでリハビリと思い60の手習いで始めました。やはり難しいです

        

「夢のみずうみ村」

「夢のみずうみ村」は、NPO法人(註1)「夢の湖舎」によって設立された、従来のデイサービスとは一味違った内容のデイサービスセンターです。山口デイケアセンターに続いて、今年の10月より夢のみずうみ村防府デイサービスセンターがオープンしました。防府デイサービスセンターではマリンリハビリもできます。連絡先は下の通りです。

夢のみずうみ村山口デイサービスセンター:

083-995-2820

夢のみずうみ村防府デイサービスセンター:

0835-39-2201    

註1)NPO法人とは非営利活動を目的とする民間組織です。


2006.03.11

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