最近の話題 2017年10月21日

1.ディープマインドが教師なしで自己対戦で学習するAlphaGo Zeroを発表

  2017年10月18日のThe Registerが,Google DeepMindのAlphaGo Zeroの発表を報じています。李 世乭や柯潔を破って人間では勝てないレベルの強さを見せつけたAlphaGoですが,これまでのAlphaGoは,人間の棋譜を学習して強くなってきています。

  それに対して,DeepMindがNatureに論文を発表したAlphaGo Zeroは,人間の棋譜などを使わず,アルゴリズムの改良と自己対戦による強化学習で知識を獲得し,これまでのAlphaGoと対戦して100戦100勝を収める強さになったとのことです。

  また,李 世乭九段との対戦では48個のTPU v1を使ったとのことですが,AlphaGo ZeroはCPU 1個とTPU 4個でゲームをプレイできるとのことです。つまり,プレイに必要な計算量が大幅に少なくなっています。そして,AlphaGoの学習には1920 CPUと280 GPUを使い何か月もかかったのですが,AlphaGo Zeroでは19 CPUと64 GPUを使って,数日の強化学習で済んだとのことで,学習効率が大幅に高くなっています。しかし,The Registerの記事には,なぜ,プレイの計算量が減ったのか,なぜ,学習効率が上がったのかは書かれていません。

2.IntelのNervanaチップを年内に発売か

  2017年10月18日のThe Inquirerが,Intelが買収したNervanaのNeural Network Processor(NNP)を今年の末に出すと報じています。そして,IntelはFacebookと協力してAI機能を開発するとのことです。

  記事の写真には,Intel Nervanaと書かれた大きなチップと,その周りに4個のHBM2と思しきチップが並んでいます。

3.IEDMでIntelが10nm,Global Foundriesが7nmプロセスを発表

  12月2日から開催されIEDMのプログラムの発表をうけて,2017年10月18日のEE timesがIntelが10nmプロセスを発表し,Global Foundriesが7nmプロセスを発表すると報じています。

  Intelの10nmプロセスは歩留まりが安定しないという問題があるようですが,すでに部分的には量産に使われています。一方,GFの7nmプロセスは初の発表です。

  Intelの10nmプロセスは,厚み7nm,高さ46nmのフィンを34nmピッチで作っています。そして,204Mbitの低電圧動作SRAMと高性能SRAMを作り,低電圧SRAMのセルサイズは,0.0312um2,高性能SRAMのセルサイズは0.0441um2となっています。配線は12層配で,マルチVtのトランジスタをサポートしています。

  14nmプロセスと比較して,NMOSのドレイン電流は71%,PMOSのドレイン電流は35%大きいと書かれています。これはチャネル幅1um当たりの値と思われます。

  最下層の2層の配線にはコバルトを使っています。コバルトの採用で,エレクトロマイグレーションの限界の電流密度は最大10倍になり,ビアの抵抗値は半分になったとのことです。これは,性能には有利に働きます。

  Global Foundriesは7nmプロセスで0.0269um2のSRAMセルを作っています。7nmプロセスは,Samsungからライセンスを受けた14nmプロセスと比較して,配線を含んだロジック回路で,2.8倍の密度になり,性能を40%向上,あるいは電力を55%低減できるとのことです。

4.TSMCは10nmプロセスの製品の急増を見込む

  2017年10月20日のEE timesが,10nmプロセスの売り上げ急増を見込むというTSMCのCo-CEOのCC Wei氏の談話を報じています。

  それによると,N10プロセスの2017年の売り上げは,全売り上げの10%を占め,$3.2Bになるとみているとのことです。当然,AppleのiPhone Xの出荷の急激な立ち上がりを見込んでの予想と考えられます。

  また,2018年にはN7の改良型のN7+のリスク量産を開始する予定です。クリティカルな層にはEUVを適用し,チップ面積を20%削減し,速度を10%改善することができると述べています。N7の顧客は,新レイアウトルールでマスクを作り直す必要がありますが,必要な変更はそれほど難しくはないとのことです。

  TSMCは,2018年には7nmプロセスの需要が急速に立ち上がるとみて,年初には$10Bの設備投資を計画していたのですが,それを$10.8Bに増額して,7nmファブの立ち上げを急いでいます。

  また,2020年に5nmという計画も予定通り進んでいるとのことです。

5.HPEがサーバ製品を絞り込み

  2017年10月20日のThe Registerが,HPEがティア1の大手データセンター向けのカスタムサーバの販売を止め,マージンの高い汎用サーバの販売に切り替え,また,サーバの販売を行う国や地域を絞り込み,サポートする言語を絞り込むと報じています。

  2週間前にThe Registerが聞いたときには,そのような縮小は行わないと回答していたのですが,HPEのNeri Antonione社長がファイナンシャルアナリスト向けに発表したスライドには,それと異なり,大幅な縮小という方針が書かれているとのことです。

  それによると,ティア1向けのカスタムサーバは販売中止,ティア2/3向けには標準SKUのサーバを販売して,利益を確保すると書かれています。また,販売地域は,売り上げの99.5%をカバーする76か国にフォーカスし,その他の国はチャネル経由の販売でカバーするとのことです。

  また,製造拠点も17か所から7か所に絞り込むとのことです。

  出費を抑えて利益を増やすという方針は分かりますが,これで売り上げが確保できるのでしょうかね。

  このアナリストデイでの発表は,人員削減には触れていないのですが,5000人のレイオフという噂を裏付けるような発表です。