「部隊長には敵わない?」

 

 

とある休日。機動六課の面々は思い思いの休日を取ろうとしていた。

なのはとフェイトはヴィヴィオと一緒に遊園地に出かけ、スバルとティアナはバイクに乗り繁華街へ。そして、キャロとエリオも…という風にいつもならそうなる予定だったのだが

「キャロすまん、今日は私の用事に付き合ってくれへんか?」

と珍しく、はやてからの申し出があってキャロははやてと一緒におでかけをすることになった。

「すまんなーせっかくのエリオとのデート。」

「い、いえっデートじゃないですから大丈夫ですっ。」

キャロは顔を赤くしながら否定したが、はやてはそれを見ながら笑った。

「冗談や。ほんまキャロはかわええなぁ。」

はやてはキャロの頭を撫でながら、車のキーを開けた。はやては運転席に、キャロは助手席に乗り、車を発進させた。

「八神部隊長、今日はどこへ行くんですか?」

「んっと、ちょっとした買い物や。あとプライベートだから、部隊長とかで呼ばなくてええよ。」

そう、今日の買い物はお休みでかつプライベートということもあり、はやてもキャロも私服で外出をしている。

「あ、はいわかりました。買い物は久しぶりなので楽しみです。」

「そうか。ほな、何か買いたいものがあったら気兼ねなく言ってな。時間あるからゆっくりと寄れるしな。」

そうして、二人を乗せた車はショッピング街へ走らせていった。

 

「ふー着いたな。」

車を駐車場へ止め、二人はミッドチルダの中央部の繁華街でもショッピング施設が充実している街まで来ている。

「まずは、デパートに入ろか。」

「はい。」

二人は、大きなデパートへ入っていった。

「んーっと、5階やな。」

フロア案内を見ながら、はやてはエレベーターのボタンを押した。5階には婦人服売り場などの女性向けのファッションフロアになっている。

5階に着くと、婦人服売り場へ足を運んだ。

「はやてさんのお洋服を買うんですか?」

「いや、ちゃう。シグナムの洋服や。」

洋服を見つつ、はやては答えた。心なしか、はやての顔はほころんでいる。

「…でもシグナムさんいないから、洋服合わせるのはきびしくないですか?」

キャロが言うと、ふっふっふ…というような言葉が似合うような笑い方で、はやては言った。

「日頃のボディータッチやスキンシップで、上から下までスリーサイズはバッチリや!」

親指をグッと立て、自信たっぷりにはやては言った。ちなみに見てそして、触るだけでサイズが分かるぐらいまでの領域に達しているらしい。

「あ、あはは…なるほど。」

キャロは苦笑せざるを得なかった。そして、はやては何か良い洋服を見つけたらしくそれを取った。

「キャロ、こんなのどうや?」

はやてが取り出したのは、ふりふりひらひらの…いわゆるゴスロリ服だった。

「えっと…」

キャロはどう答えていいのかわからず冷や汗まじりに笑うしかなかった。

「シグナムにはキワキワのセクシーな服もええかなって思ったんやけど、今年は神聖な感じがテーマやっ!」

キャロは、シグナムがゴスロリを着ている姿を想像してみた。シグナムがゴスロリを着ながらレヴァンティンを振り回している姿はとても想像ができなかった。

「はやてさん…やっぱり…」

「おっ、この服でOKやな。よっしゃ、ひとまずキャロもっといてな。」

それはちょっとと言おうとしたキャロだったが、それを言う間もなくはやては購入を決めてしまった。

「…さて、次はヴィータやな。」

ヴィータさんもロリータ服なのかなとキャロは思ったが、はやてが取り出した服は巫女服だった。

「だって、ヴィータは守護騎士の甲冑はロリータファッションみたいな感じやん?だから、うちの世界の日本で神聖な服と言えば、コレや。」

激しくツッコミたいが、その前にこのフロアは婦人服売り場なのか激しく疑問に思ったキャロだった。

「キャロは何か買いたいもんある?奢ってあげるよ。」

「いえ、遠慮しておきます…。」

活き活きとした表情のはやてにキャロは断るしかない状態であった。

そして、水着売り場に移動した。そこではやては一直線に目的のものを取り出した。

「シャマルにはこれやっ!」

はやての手にあったのはスクール水着であった。キャロはもはや、えーと言うしかなかった。

「キャロ、これはなただのスクール水着じゃないんや、旧スクなんよ。だから神聖という言葉が当てはまる。」

はやての言葉はともかく、キャロは三人がそれぞれのその服装でいる映像を想像して軽くげっそりしていた。

お会計を済ませた後、はやてはキャロを上から下までなめるように見て、そしてとある一点を見て言った。

「キャロ、ブラ買おうか。キャロも大人になるしなぁ」

突拍子もない展開にキャロはもはやなすすべがなかった。

女性用の下着売り場に行くと、はやてはいくつかブラジャーを取り、キャロを試着室に連れ込んだ。

「え、えーっと…」

あたふたしているキャロは状況についていけない中、はやてはわしゃわしゃと手を動かしている。もし、この状況をみんなが見ていたら間違いなくセクハラであろう。

「よっしゃ、ちょっと失礼するでぇ…。」

「きゃう…。」

もはやそこからははやての独壇場であった。はやて特権?のセクハラまがいのボディタッチ含め、ブラのつけはずしや胸囲の計測(もちろんこれも手で触って計測するという方法である)。

「…………。」

キャロは力が抜けている状態だ。

「なるほどな〜。ヴィータよりも少し大きいかもなぁ。」

こうしてキャロの初めてのブラ体験が終わった。ちなみに後日シグナム、ヴィータ、シャマルの三人ははやてが買ってきた服を恥ずかしくも着ることになった。

 

ショッピングも、それから昼食を取ったり、雑貨屋を見たりして時間が過ぎていき帰る時間になった。

「ほな、帰ろうか。」

「そうですね。」

ここで、キャロは疑問が出来た。

「そういえば、はやてさん。」

「うん、なんや?」

「なんで、今日は私を呼んだんですか?」

買い物をするのであれば、シグナム達やリィーンフォースと一緒に行けばよかったはずである。

「あぁ、なるほどな。」

一呼吸おいて、はやては言った。

「んっとな、少しでも違った形でも家族っていうのをキャロに感じて欲しかったんや。フェイトちゃんおるやろ?フェイトちゃんとキャロと、エリオの三人で親子っていう感じだけど、以前にもキャロが言っていた居場所か。機動六課がそういう場所であるようにっていうのと、みんなが家族であるなら私が六課での母親として娘に接してやらんとな。って思ってな。」

そう言ったはやての表情はとても、優しげにキャロに見えた。

「はやてさん…」

キャロは、はやての言葉を聞いて嬉しくて泣きそうになった。キャロ自身としてもフォワードメンバーとしかあまり交流が持てていなかったから、こうやってはやてと一緒にいる時間ができていて嬉しかった。

「よし、じゃあ宿舎まで行くで〜。」

運転席に乗り込み、前を向くはやての表情はキャロと接する時間ができたのと、その時間がとても大切な1ページになったということで自然と笑みがこぼれていた。

そして、その日の休暇は終わった。

 

 

 

 

 

〜エリオSIDE〜

キャロと一緒におでかけできなかったエリオはというと…

ヴァイスに呼ばれて玄関まで行くと、男性陣がでかける準備をしていた。

「ヴァイス陸曹、これから何をするんですか?」

「まぁひとまずついてこい。」

とヴァイスに言われ、着いた所は居酒屋だった。グリフィスが幹事となって、男性陣だけでの親睦会が行われていた。

未成年の人はジュースを頼み、大人は全員ビールや焼酎などを頼み、その男臭い宴会は異様な盛り上がりであった。

宴会の中盤ぐらいになると、未成年の人達は大人の相手になって、酔っぱらいを抑えるのが大変だった。エリオもその大変な役回りの一人だった。

「おーぅ、エリオよう。お前、好きな人いるのかぁ?」

ヴァイスを相手していたエリオであったが、その相手がなかなか大変だった。

「い、いえ…特にいないです。」

「うそつけぇ!!」

酔った勢いか、お酒の匂いが鼻にくる。こんな感じでいいのかとエリオは頭の片隅でつっこみつつ、相手をしていた。

そしてその親睦会は大人陣の酔いつぶれにより終了した。

これもこれで、父親と息子のスキンシップの一つだったのかもしれない(?)

〜fin〜

 

 

 

 

 

 

後書き

 

今回は、11月にあるイベントの原稿の合間の息抜きとして書かせて頂きました。書こう書こうと夏休みの終わりに思っていて、当初のネタはキャロ×エリオで夏休みの宿題ネタにしようと思っていたのですが、キャロと誰か女性キャラと絡ませたいと思って今回はこのような形になりました。はやて×キャロは珍しいですね。

正直、思いついてそのままの勢い(製作時間めちゃくちゃ短いです)で書いていますから、ぐだぐだかもしれません。というか、ぐだぐだですね^^;

そういえばはやてちゃんって車の運転できましたっけか。本編の記憶がないせいで運転をしている描写がなかったらどうしようかなと。

あと、エリオサイドは、エリオ君はちょっぴり損な立ち回りになってしまいましたが、それもそれで今まで女の人達に囲まれた中で気を落ち着けられる場が必要だったんじゃないかなぁと。男同士で、仲間といった雰囲気ですが、これもこれで一体感という所で家族のようなもんじゃないのかなぁと。

 

では、最後まで読んで下さりありがとうございました。

2007/9/9 深夜にて Sky-blue