倉見(926.8m)
岩岳
(999.8m)縦走
  2004.11.20 晴れ時々雨、単独 

すばらしい自然林の尾根を歩く


根尾・うすずみ温泉の道の駅からなだらかな尾根伝いに倉見に登り、その後岩岳方面へ縦走し、岩岳からは一般登山道を下った。前回は尾砂谷の途中から倉見に登ったが、この尾根登りと岩岳への縦走は是非やってみたかった。



うすずみ温泉駐車場 0720、林道分岐 0724
小ピーク 0912、倉見山頂 0924
729m鞍部 1026、1022mピーク 1150
伐採地西北端 1253、岩岳山頂 1334
岩岳登山口 1504、うすずみ温泉駐車場 1555


うすずみ温泉の駐車場に車を置いて歩き始めた。尾砂谷林道に入ってすぐのところに植林地方面に延びる細い道がある。この道を50mほど行き、そこから尾根に取り付いた。















ヤブこぎを覚悟していたが、尾根には植林用の作業道のようなものがあった。ともかく尾根伝いに地図上の455m地点に向かって尾根を登っていった。途中で尾根を巻く道に入ってしまった。これが間違いで、すぐその道はなくなり、ひどいヤブをこいで支尾根まででた。迷ったら引き返すという初歩を無視したため、大変だった。伐採されたばかりのところで、ヒノキの若木と他の広葉樹の若木が生存競争をしている場所だった。ただ、尾根に出てからは、登れば登るほど道は明瞭になった。
知らないうちに455m地点付近を過ぎた。これからはいよいよ倉見へ直接登る主尾根となる。緩やかで太く明瞭な尾根だ。








尾根は少し急な登りと、緩やかな登りが交互に現れる。きついという感じは全くない。たいてい尾根の片側が植林地帯、片側が自然林だ。植林用の道は相変わらず続いていて、ヤブは全くなかった。全く意外だった。ほとんど葉を落とした木々の間から雷倉が見えた。
ミズナラの葉が色づいていた。













今日のメインイベントである岩岳への稜線が見えた。尾根の上が落葉樹でギザギザになっている場合、僕の経験からすれば、気持ちのいい尾根道となるはずである。落葉高木のしっかりした樹冠ができあがり、ヤブは薄くなるはずだ。予測は8割ほどは当たった。
朝は霧が出ていた。霧に埋もれる根尾谷。


スミレが咲いていた。
紅葉の終わり。







この倉見への尾根道には誰かがつけたテープがあった。このテープは倉見手前の小ピークから上へも続いていた。小ピークから上は2週間前に歩いている。その時は間違いなくなかった。

倉見山頂へは2時間ほどで着いた。前回の谷からの登りより早かったことになる。しかもほとんどがきつくなく、自然林も楽しめる気持ちのいい道だった。この道はもっと知られるべきだと思う。山頂ではメジロ?が迎えてくれた。



倉見からは今日の最大の難所である。標高729メートルの鞍部へと、標高にして200メートルほどを下る。いうまでもなくヤブこぎの尾根下りは難しい。ただ今日のところは尾根が比較的明瞭だ。尾根を外さないように慎重に下った。
倉見手前のこぶから岩岳手前の伐採地まで、ほとんど手つかずの天然林が続いた。踏み跡は全くなかったが、ヤブは概して薄かった。ただ、2,3カ所ひどい笹のヤブがあった。そこはこの写真のように木の育ちが悪い。林床に多くの光が届くとひどいヤブになるということだと思った。


途中で岩岳方面への稜線が見えた。目標が視覚できるので、比較的安心だった。それでも、鞍部直前で一つ尾根を間違えた。緩やかな谷をトラバースして鞍部へとたどり着いた。
鞍部からはとても気持ちのよい登りが待っていた。こんなふうにほとんど誰も通っていないであろうところを歩くというのは、少なくとも僕にとってはとても大きな喜びだ。










昔は美濃の山はほとんどがヤブ山だったと山歩きを始めたころ聞いた。昔の人はかわいそうだと思った。でも本当にそうなのだろうかと登りながら思った。こんな山があちこちにあったら、どんなにすばらしいことか。でもここもいつまでこんな状態でいられるかわからない。とても複雑な気持ちだ。
鞍部から登りつめたところは小さなピークになっている。地図には標高の表示はないが、黄色いプラスチックの杭があった。この杭はこの主尾根のこぶごとにあった。


大白木山がかなり近く見えた。
途中大きなヒノキの木があった。稜線上はほとんどがブナだった。














岩岳の主尾根にも踏み跡はなかったが、ヤブは概して薄かった。途中何かの加減で木が枯れているところがあり、そこではかなりのヤブこぎを強いられた。尾根は明瞭で、目指すピークも見えたので、不安はなかった。それでも常に地図とコンパスで位置と方向を確認した。小さなこぶをいくつか越えた。この写真はそうしたこぶの一つ。イワウチワが群生していた。
岩岳の手前、1055mピーク付近から突然巨大な伐採地が現れた。麓から尾根まで山の斜面すべてが広大な面積にわたって切り取られ、植林されている。ヒノキの大きさから見て、樹齢5,6年といったところだろうか。ガイドブックなどを見ると、昔、といってもつい何年か前は一面の自然林だったということだ。ここまで通ってきたすばらしい自然林、というかほとんど原生林もこんな風になってしまうのだろうか。


伐採地から植林用の作業道があり、それをたどった。途中でモノレールの道になった。モノレールが尾根をはずれ下っているところからは、一時かなりのヤブこぎとなったが、尾根を外さないように進んだら岩岳の山頂にたどり着いた。
岩岳からは一般登山道の踏み跡があった。ドウダンツツジ?






途中倉見が見えた。周りの山に比べるとあまり高くはない。麓からも見えない。地図上に名前がないのも、あまり登られていないのもそのせいかと思う。でもいい山です。
岩岳からの下りはあまり期待していなかったが、山頂付近には結構魅力的な自然林が残されていた。これはコナラの紅葉。


途中からうっそうとした植林地のなかを下ることになった。この農道の先が岩岳登山口。岩岳に関してはプリンスNORIさんのサイトと、山渓2004年11月号の紹介文を参考にした。

根尾東谷川。岩岳登山口からは、朝置いていった自転車をこいで、うすずみ温泉まで向かった。温泉は上流にあるので基本的に登りとなる。そのことを深く考えていなかったので、結構ハードな道を行くことになった。でも無事にヤブこぎの縦走を終えたということあり、充足感でいっぱいで疲れは忘れた(ということにした)。また根尾の山々を見ながら自転車をこぐのも悪くないとも思った。ただ、樽見駅から温泉までシャトルバスが走っているようだ。これを利用すれば楽だったと思ったが後の祭りだった。
今日は時々時雨れた。岐阜市内にいたカミさんに聞いたら、全く雨は降らなかったと言っていた。雨上がりの雷倉が見えた。この山はとても気になるが、自然破壊の現場を目撃するために登ることになりそうで、あまり気が進まない。


(ヤブこぎ、道探しあり)


本文でも書いたように、倉見へはうすずみ温泉のすぐそばの尾根から登りました。取り付きからしばらくはうっそうとした植林地のなかを登りますが、登るにつれて植林用の作業道らしきものは明確になり、本当に気持ちのよい道になります。その上山頂手前の小ピークからはほとんど手つかずの自然林となります。

展望は木々の間からしか望めないため、その点は残念ですが、岐阜市などからも近く、もっと登られていい山だと思います。取り付き付近の道標などが整備されれば、登りやすい山になると思います。温泉の駐車場に車を置いて登り、帰りには温泉で汗を流すということにもなるので、温泉経営にとってもいいのじゃないかと思うんですが・・・

たくさんの人が登れば山頂付近の原生林に近いような森が残せるのではないか、などと思っていますが、現実はそんなに甘くないのかもしれないとも思います。




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