アスパラ物語(豊糠の四季)

             

             冬の朝陽が木に張り付いた氷を照らし、きらきらと輝きます。

 

             

             道路のガードロープの柱の中で伸びた笹の葉も雪の帽子をかぶっています。

             木も草も山も、春の訪れを待ちながら静かに息づいています。

 

             

             北の春は一個連隊でやってきます。

             梅も桜もコブシもライラックも一気に花開くのです。

             お寝坊のアスパラ君たちは、まだ土の中で眠っています。

 

             

             日本百名山のひとつになっている、日高山脈、幌尻岳は真っ白ですが、里はもう春です。

                             写真は荷負本村からの眺望です。

           

                             

                             四方を山に囲まれた標高230mの静かな小さな村、豊糠です。

             きれいな空気、空いっぱいの星・・・ 貴重な財産をたくさん持っています。

 

             

             幌尻岳を一番近くから見られるスポットが豊糠にあります。

             近すぎて一部しか見れません。登山口に一番近い村なのです。

 

             

             平らになっていたアスパラ畑は土が盛られ(培土)、ゴールデンウィーク前後から収穫が

             始まります。気温が低いと伸びないため、写真のようなお散歩状態になります。

 

             

             一級品と呼ばれる、太くて真っ白で真っ直ぐなエリートのアスパラ君たちです。

             「甘くてシャキシャキしていてほんとに美味しいね」という声が全国から届きます。

 

             

             土の中に長いノミを入れてカットして出てくるのは、十人十色、百人百様、千差万別の

             アスパラ君たちです。土の中にいれば色白さん、土から体を出してお日様を浴びれば

             色緑君になります。ホワイトとグリーン、元は同じでございます。

 

             

             同じ頃、野山は山菜のオンパレードとなります。ウド君もふきちゃんも登場します。

             三つ葉、スドケ、アイヌねぎ、タラの芽、よもぎ、ワラビ・・ 豊糠は山菜の宝庫です。

 

             

             6月中旬、可憐な鈴蘭が花を咲かせます。

             豊糠から車で5分、宿主別の鈴蘭群生地は日本一の規模を誇っています。

             朝4時過ぎからアスパラ収穫におおわらわの私たちは、一番近くに住んでいながら

             なかなか見に行けません。

 

             

 

             

             アスパラの収穫は7月上旬で終わります。

             盛られていた土が崩され、翌年に向けての世話が始まります。

             夏や秋の豊糠の行事に欠かせないのがヤマベのから揚げです。

             釣りたてを揚げて「おいしいね〜」といいながらみんなで頂きます。

 

             

             9月に入ると、「優作」と呼ばれる太くて甘くてジューシーなとうもろこしの収穫が始まります。

             やがて10月、山も里も赤・黄・緑・・・絵の具を撒き散らしたような紅葉に染まります。

             サイレージ(牛さんたちの冬のご飯)を作り終わる頃にはもう、冬の足音が聞こえ始めます。

 

             

             こ〜んなお行儀の良い人参様も土の中からお目見えします。

             キンちゃんも人参様に合せて気取っております。

             アスパラ君たちはというと・・・ 収穫が終わった後はすくすく自由に伸びて太陽をたっぷり

             受けて、来年のために土の中に栄養を蓄えています。

             忘年会、お正月・・・ 人間さまも農繁期に備えて栄養を蓄えるのでございます。

 

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