どうした!? 日本代表



和寒  2008年 6月 8日





■W杯アジア三次予選

 サッカー日本代表がもたついている。W杯アジア三次予選において、ホームでオマーンに快勝したものの、アウエーで引き分けてしまった。これで最終予選出場決定は持ち越しである。今までの試合ぶりからすればよもや逆転はないと思われるにせよ、中東勢どうしで「阿吽の呼吸」がないとも限らない。決して油断などできないのである。

 W杯予選では、今までにも胃が痛くなるような展開が実に多かった。米大会の予選では、所謂「ドーハの悲劇」があった。仏大会の予選ではプレーオフまでもつれこみ、ようやくの思いでアジア代表に名を連ねた。独大会の予選では、結果的にはアジア一位で通過したものの、途中段階では何度冷や冷やしたことか。忘れもしない平成16(2004)年 2月18日のオマーン戦など、まだ一次予選だというのに「負けるかも」という思いが頭をよぎったものだ。

 以上のような経緯を顧みれば、今日の状況は当然といえば当然かもしれない。しかし、少なからぬ世の人々が「日本代表は弱くなった」と感じている節がある。その傍証はある。





■埼玉スタジアムの観客動員数

 筆者は埼玉スタジアムの観客動員を継続的に調べている。浦和レッズの主催試合が増加しているため平成18(2006)年以降のものに絞りこみ、これと日本代表の試合と対比してみよう。ただし、観客動員50,000名未満の試合(五輪代表の試合など)はまめにトレースしていないため、若干の遺漏があると思われるが、あしからず御承知おき願いたい。

対戦カード観客実績試合の主旨試合日
日本−パラグアイ27,998名キリン杯平成20年 5月27日
日本−シリア32,832名キリン杯平成17年 2月 2日
日本−タイ35,130名W杯アジア三次予選平成20年 2月 6日
浦和−磐田45,025名Jリーグ平成19年 4月 7日
日本−コロンビア45,091名キリン杯平成19年 6月 5日
日本−香港45,145名東アジア選手権平成15年12月 7日
浦和−FC東京46,951名Jリーグ平成19年 8月25日
浦和−新潟46,962名Jリーグ平成20年 3月30日
浦和−柏47,359名Jリーグ平成19年 8月11日
浦和−新潟47,755名Jリーグ平成19年 9月30日
浦和−札幌48,031名Jリーグ平成20年 4月29日
浦和−清水48,378名Jリーグ平成18年 9月23日
浦和−千葉48,952名Jリーグ平成18年10月 7日
浦和−大宮49,810名Jリーグ平成19年 9月 1日
浦和−川崎F50,134名Jリーグ平成18年10月21日
浦和−FC東京50,195名Jリーグ平成18年 8月12日
浦和−川崎F50,531名Jリーグ平成19年 4月21日
浦和−大宮50,997名Jリーグ平成20年 4月20日
浦和−城南一和51,651名ACL準決勝平成19年10月24日
浦和−横浜FM51,829名Jリーグ平成19年 5月27日
浦和−千葉52,008名Jリーグ平成20年 5月 6日
浦和−名古屋52,314名Jリーグ平成19年10月28日
浦和−横浜FM52,582名Jリーグ平成18年11月11日
浦和−鹿島54,450名Jリーグ平成20年 4月13日
浦和−名古屋54,482名Jリーグ平成20年 3月15日
浦和−大宮54,774名Jリーグ平成18年 4月29日
対戦カード観客実績試合の主旨試合日
浦和−G大阪55,258名Jリーグ平成19年 5月13日
日本−バーレーン55,442名五輪アジア最終予選平成16年 3月14日
日本−ベルギー55,975名W杯予選リーグ平成14年 6月 4日
浦和−清水56,368名Jリーグ平成19年11月18日
浦和−磐田56,512名Jリーグ平成18年 3月11日
浦和−鹿島56,982名Jリーグ平成18年 5月 7日
浦和−千葉57,050名Jリーグ平成20年 5月17日
浦和−横浜FC57,188名Jリーグ平成19年 3月 3日
浦和−千葉57,440名Jリーグ平成19年 5月 3日
浦和−甲府57,781名Jリーグ平成18年11月23日
日本−スコットランド58,648名キリン杯平成18年 5月13日
浦和−セパハン59,034名ACL決勝平成19年11月14日
日本−北朝鮮59,399名W杯アジア最終予選平成17年 2月 9日
日本−パラグアイ59,891名キリン杯平成15年 6月11日
日本−オマーン60,207名W杯アジア一次予選平成16年 2月18日
ブラジル−トルコ61,058名W杯準決勝平成14年 6月26日
日本−バーレーン61,549名W杯アジア最終予選平成17年 3月30日
日本−アルゼンチン61,816名キリン杯平成14年11月20日
日本−イタリア61,833名キリン杯平成13年11月 7日
浦和−鹿島62,123名Jリーグ平成19年11月24日
浦和−G大阪62,241名Jリーグ平成18年12月 2日

※背景色が濃い部分は、平成18年以降の浦和のホームゲーム。うち、太字が平成19年分、太斜字が平成20年分。




 たいへん遺憾ながら、日本代表の人気凋落は一目瞭然である。50,000名以上の観客動員があった日本代表戦は、平成17(2005)年のW杯アジア最終予選が事実上の最後である。翌平成18(2006)年のW杯本戦直前のキリン杯で58,648名を動員しているとはいえ、時期と相手に恵まれていた観がある。

 もともとキリン杯の位置づけが不安定(二試合で国際親善に加えて日本代表のテスト・強化をもこなそうとしている)な面もあり、観客動員だけを見れば厳しいことは否めないが、それでも直近の日本代表戦がことごとく50,000名未満の観客動員というのは大きい。真剣勝負のアジア予選で観客動員35,130名という数字は、なにをかいわんやである。

 独大会の惨敗を経て、熱狂が冷めたのかもしれない。冷静になってみれば、世代交代もあって、日本代表は(少なくとも夢を仮託するには)強くないことに気づいてしまったのかもしれない。観客は、アジアのようなローカルな地域で足掻くのではなく、欧州や南米の強豪国と互角以上に戦いうる日本代表を求めているに違いない。なお念のためいえば、アジアは地理的には途方もない広がりを持った地域である。観客の意識は、それだけ地球レベルに近づいたということであろう。

 率直にいって、今の日本代表は、「三国志演義」における「秋風五丈原」以降のような趣を持つが、同じ時代を生きる身としては姜維や費ネ韋の活躍を願わざるをえないのである。SRの需要底上げ(過去記事1過去記事2)のためにも、胸のすくような快進撃を期待している。





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