−首都高「対距離制料金体系」導入とドライバーの動き方について−



TAKA  2005年11月15日





   和寒様・皆様今晩はTAKAです。

 和寒様ご提示の「ドライバーが如何動くか?」と言う問題ですが、非常に難しい問題で有るといえます。ドライバーの考えは、今流行のカーナビのように「一般道優先」の設定をすれば都内では費用対効果が高いルートでも一般道を選んだり、「高速道優先」と設定すれば近距離でも700円払って首都高速利用と言うように、画一的なルート選択をしてくれませんし、個々の状況・考え方・感情等も入るので難しい問題では有ると言えます。

 私も「首都高は均一料金が当然」と思ってたドライバーでしたが、「対距離制料金体系」問題が出てきてから色々と考える様になりました。実際週半分は東京都内・近郊で150〜200kmは仕事で車を利用しているので、「どの様な時に首都高速・有料道路を利用するのか?」考えてみました。
 
 ●TAKA的首都高取捨選択基準?

 今日も車で仕事周りをしてきました。今日のルートは「練馬〜池袋〜新宿〜西船橋〜成城〜多摩センター〜練馬」と言うルートで、新宿〜西船橋〜成城の間で首都高速を使いました。そこで考えた上でのルート選択(一部は勘を信じカーナビに逆らった)をしたのですが、そこには首都高特有の渋滞の状況も踏まえた「時間と費用を天秤にかけた『費用対効果』」と言う考えが、行動の根底に有ると意識しました。

 実際西船橋に向うのに新宿から首都高速を利用しましたが、その時には「4号線は幡ヶ谷以西集中工事で流入量が少ないから混まない」「新宿入口の渋滞表示に『竹橋〜箱崎渋滞3km』しか出ていない」と言う点を考え、新宿〜京葉口で1時間以内で着けるだろう→それなら700円は高くないと考え首都高を利用しました。(実際に新宿〜京葉道原木で約50分でした)
 又復路の西船橋〜成城の移動では、京葉道路篠崎の手前で「此の頃一般道も空いているから下で行こうか?」「4号線は集中工事で外苑〜幡ヶ谷間で混雑するから高井戸まで乗るのは如何しよう?」「高井戸へ向う代わりに3号線の用賀で降りようか?」「両国〜高樹町で混んでいるから錦糸町で降りようか?」と悩んだ末に首都高速を利用し、錦糸町の集約料金所で既に混んでいる状況を見て、錦糸町で首都高速を降りました。その時均一料金700円の料金を払い、そこからは京葉道路〜靖国通り〜新宿〜甲州街道で高井戸に向いましたが、京葉口〜新宿大ガードまでで1時間程度で到着しました。(多分京葉口から全区間一般道でも1時間20分程度だったと思います)

 この私の行動で少なくとも往路は700円払っても損した気はしませんでした。首都高を使ったことで11時過ぎに西船橋に着けて打合せと食事を午前中に済ませられたので時間を有効に使えたので、時間をひねり出す為に700円投資しても損は無いという感じでした。
 しかし復路は迷った上で首都高を中途半端に利用し、均一料金フルの金額を払いつつ、短区間で降りてしまい15〜20分程度しか時間短縮できなかったので「非常に損した」と言う後悔が、非常に強かったです。
 この様に同じ様な区間で同じ料金を払いつつ違うルートを通り、この様な有る意味正反対の結果・感想が出るので、此れに「料金改定による変化」が加わった時に多数のドライバーがどの様な選択をするか?と言う問題は、一概には言えない非常に難しいと言えると思います。

 ●一般のドライバーはどの様に考えるだろうか?

 但し「基本料金+対距離料金」となった時に、首都高の場合都心環状線を先頭にした渋滞を回避する為、私の復路のような「都心環状線渋滞の前で一般道に降りる」と言う選択をする人が増える可能性は有ります。今までは均一料金なので「金をドブに捨てても高速を降りる」と言う心境で、渋滞を避ける為の首都高を降りる選択か、料金を無駄にしないために渋滞に耐え忍ぶと言う選択をしていましたが、対距離制になればこの様な苦渋の選択は減少されます。
 しかし往路のような長距離の場合には「対距離制で700円→900円に値上げ」されます。此処で料金が値上げされると考えは微妙になります。900円になると「渋滞が5km以上」有れば、神田橋や箱崎等の空いている所まで一般道で行こうと選択するでしょう。又「2〜3kmの渋滞」であれば、900円払うかも知れません。この選択は渋滞と時間を天秤にかけ、ドライバーが感覚と状況で判断する物なので、その予測難しくなります。
 
 又対距離制導入での一般道からの交通量転換に関して、私の体験した京葉口〜錦糸町間が首都高例示のモデルとして載って居ます。此れは料金が今の特定区間並みになれば十分ありえる行動パターンです。
 この様な「渋滞区間を一般道でバイパスする」と言う様な短距離利用は増える可能性は十二分に有りますが、長距離利用では、都心部・周辺部でトラックを中心に一般道・環状道路への迂回が発生する可能性が高いのはご指摘の通りです。
 最終的にはこの当たりの「短距離利用」と「長距離利用」のバランスを取る事が「対距離料金制導入」のキーポイントなのは、改めて指摘するまでも有りません。

 上記の様なドライバーの動きに加えて、和寒様の言われるようにETCでのクレジット払い化は、直接的現金支出の痛みが無い分一般客は値上げは違和感が無くなるかも知れません。しかし企業は後払いのETCでも、値上げは「価格転嫁できない原価上昇要因」と敏感に感じ、首都高の長距離利用を控えるかも知れません。これらの利用者種別毎の判断パターンも「値上げに対する対応行動」を考える上で重要な要素になるでしょう。
 これらを踏まえて料金改定に対するドライバーの動きは、「専門家でも当たる分析は難しい」と言うのが、正直な所であるかとは思います。後は結果を見るしかないでしょう。

 ●好ましい料金体系とは?

 けれども総論では賛成できる「対距離料金制導入」ですが、単純な対距離料金制では当然納得できる物では有りません。ETCはかなり細やかな料金設定が可能です。そのメリットを最大限に生かして「みんなが首都高を利用しやすく、しかも減収が少ない」料金体系を築く事が肝要で有ると言えます。
 ですから基本は「300円程度の基本料金+20円/km程度の対距離料率」に置くにしても、そこから所謂ピークロードプライシングの考えを取り入れた「夜間割引」「オフピーク(昼間)割引」や高速道利用促進を図る「閑散区間割引」「末端区間割引」等の各種割引を設定する事は可能で有ると考えます。それにより「首都高はETC専用になったが、金掛けてETCをつけても元が取れ便利になった」と利用車に思わせる料金体系を作ることが可能で有ると思います。
 この様なことを利用者の意見を踏まえ、聞きながら検討して行く事が必要であると考えます。今回の料金改定は「根本の制度を変える」改革です。せっかく変えるのなら「みんなの意見を反映させながら」「思い切って」「大きく」変更する事が必要です。そのためには慎重にかつ大胆にしかも堂々と行う必要が有るのではないでしょうか?

 ※もっと意見聴取が必要と言う点から考えると、ネットでの意見募集が終わってしまった今回の「対距離制料金体系導入」の意見聴取は「利用者本位の意見聴取」ではないと言えます。民営企業になる以上この様な点にも十分注意を払わなければならないでしょう。





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